真弓兄弟の暗殺教室   作:Ncwe?

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第72話 世界の時間

《友 side》

 

【※ここからは殺せんせーの実況でお送りします。】

 

不破「な、何今の音……!」

 

友「向こうで水に落ちた音がしたぞ!」

 

殺「上からの立坑ですね…。そして…烏間先生と死神…!」

 

殺せんせーはズーム目で烏間先生たちの様子を見ているようだ。

 

岡島「殺せんせー!どういう状況か伝えてくれよ!」

 

 

殺「え…えーっと!死神がナイフを…!あっ違う次はワイヤーだ!烏間先生これを……おぉスゴい避けざまに返しの肘!あっダメだナイフを盾に…それを見て瞬時に蹴りに変えたけど…えーとえーと…ど、同時!!

 

なんか…なんか凄い闘いだーー!」

 

 

岡野「何言ってるかサッパリだよ殺せんせー!」

 

前原「わかるように説明しろよ!!」

 

友「実況下手くそか!!」

 

殺「にゅやっ!?」

 

あの説明じゃ一切情景が浮かんでこないんだけど!

 

【※ということで実況は終了です。】

 

殺「心配せずともそう簡単に烏間先生は殺られません。死神の持つ技術(スキル)は確かに多彩。しかも全ての技術(スキル)が恐らく高度。いくら警戒しても彼の前では裏をかかれる。だから烏間先生は敢えて接近戦に持ち込んだ。場所も…水とコンクリだけのシンプルな舞台。

 

罠を仕込むヒマもない通常戦闘なら烏間先生の技術(スキル)レベルは死神以上。烏間先生にイリーナ先生。彼らのようなエキスパートが君らを教えているからこそ…先生も退屈せずに殺される日々を送れるのです。

 

ただ心配なのは……死神はこんな状況でも秘密兵器を隠し持っているだろう事」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

烏間(……手強い技術(スキル)だ。まともに()り合っても長引くだけだ)

 

死神「……真実を言うよ烏間先生。僕は実は大金持ちの何不自由かい家庭で育った。悲惨な境遇で育ったなんて嘘っぱちさ。知人の話を自分の話のように脚色しただけ。あの女を引き入れるトークの技術(スキル)さ。フフフフフ……」

 

烏間「お前……!」

 

死神「だが僕の親は…殺し屋に殺された」

 

烏間「……!」

 

死神「色々恨まれる商売してたからね。家でも横暴だったし、死んでも特に悲しくなかった。その代わり…目の前で親を瞬殺した殺し屋の動きに……僕はこう思ったんだ。

 

 

なんて…美しい技術(スキル)だろうかと」

 

烏間「………」

 

 

死神「目の前で見るのプロ野球選手の華麗なキャッチは…それだけで少年の進路を変えてしまう衝撃(インパクト)がある。僕の場合はそれが暗殺だった。その場で僕は殺し屋になる事を決めた。殺傷法、知識、対人術……暗殺とは美しい技術(スキル)の集合体だ。人を殺せば技術(スキル)が身につき…殺して得た死神の名声は更なる仕事と技術(スキル)をもたらす……」

 

死神は懐から何かを取り出そうとしている。

 

烏間(銃か……!?)

 

取り出したのは…一輪の薔薇だった。

 

 

死神(ご覧に入れよう……。死神の技術(スキル))

 

死神は人差し指から何か小さな物を発射した。

 

烏間先生の左胸に当たり、そこから血が垂れる。

 

 

死神(…わずか10口径!極小サイズの仕込み銃から放たれる弾丸は…!普通に撃っても殺傷力はゼロに近いが…死神の射撃技術(スキル)は不可能を可能にする!

筋肉と骨の隙間を通し…大動脈に裂け目を入れる!1ヶ所が裂けた大動脈は自らの血流圧で裂け目を広げ、血が噴き出し大量出血で死に至る!!)

 

烏間先生の胸から血が大量に出る。

そのまま烏間先生は崩れ落ちた……が。

 

死神「極小の弾丸は血流に長され体の奥へ。銃声はしないから凶器すらわからない。標的の体と精神の波長を見極め…鍛え抜かれた動体視力で急所。撃ち抜く…死神にしか出来ない総合芸術さ……………ん?」

 

よく見ると…血を噴いているのは烏間先生の胸ではなく、皮膚と同じ色のチューブだった。

 

更に…そのチューブは奥まで続いている。

正体は……

 

 

 

 

 

殺「ヌルフフフ…」ゴクゴク

 

殺せんせーの触手だ。

血に見えるものは殺せんせーが今飲んでいるトマトジュース。

 

殺「この短時間で脱出するのは難しいですが、触手一本ならギリギリ外に出せます」

 

不破「殺せんせー、トマトジュース飲むっけ?」

 

殺「あまり好きじゃないですが…。烏間先生とこのアジトへ向かう途中にコンビニで買いました。必要になると思いまして」

 

友「あのクオリティ低い犬の変装で国家機密がコンビニに行ったのか……」

 

新「よく売ってくれたな…通報されてもおかしくないぞ」

 

 

 

烏間先生は死神が触手を見ている隙に、死神の男の急所を思い切り殴った。

 

死神「うぐおおおお!?」

 

烏間「やっと決定的な隙を見せたな。死神でも急所は同じでホッとしたぞ」

 

死神(血管の位置に触手を貼り、そいつで弾丸を受け止め、ジュースを吹いて出血に見せかけた…!?)

 

烏間「あのタコの頭の回転は半端ではない。お前に殺られた殺し屋の様子を話したら…瞬時に技術(スキル)の正体を見抜いたぞ。『私と一緒の空間にいるなら必ず守れる』と言っていた。狙う標的に守られるのは癪だがな

 

……覚悟はいいな死神。俺の大事な生徒と同僚に手を出したんだ」

 

死神「待て…!僕以外に誰が奴を殺れると…!?」

 

烏間「技術(スキル)なら…E組(うち)に全て揃ってる」

 

烏間先生は死神を投げ飛ばした。

 

死神はそのままコンクリに頭を打ち付けて気絶した。

 

烏間「殺し屋なんて辞めたらどうだ。職安に行けば役立つ技術(スキル)が沢山あるぞ」

 

 

殺「全生徒と全先生…。クラス皆で掴んだ勝利ですねぇ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

烏間「ぬぬ……ぐっ……何とか…何とか手は無いものか……!こいつだけを閉じ込めたまま殺す方法は…!」

 

殺「考えても無駄ですねぇ烏間先生」プークスクス

 

このまま殺せんせーだけ閉じ込めればそのまま暗殺出来そうなのに…。

 

あと笑い方うぜぇ…。

 

殺「出ようと思えば出れるんですこんな檻。マッハで加速して可部に何度も体当たりしたり、音波放射でコンクリートを脆くしたりね。ただ、それはどれも一緒にいる生徒に大きな負担をかける。だから貴方に死神()を倒してもらったんです」

 

烏間(……言われなくても承知の上だ。こいつがE組(クラス)の結束を強めるために…最小限しか手を出さずにいた事もな)

 

烏間先生がボタンを押すと、上の穴が開いた。

そっちが開くんかい。

檻が開くと思ってた。

 

 

下水路へと向かうと、人の皮を剥いだ死神が拘束されていた。

 

不破「これは……」

 

友「中々グロいな…。あんま見ない方がいいぞ」

 

不破「う…うん」

 

 

烏間「驚異的な技術(スキル)を持つ男だったが…技術(スキル)を過信しすぎていた。人間としてどこか幼かった。だから隙もあった」

 

矢田「そういう意味じゃビッチ先生と同じかもね」

 

倉橋「うん…」

 

吉田「けどよ…なんでここまで……顔潰してまで技術(スキル)を求める心理がわかんねーよ…」

 

烏間「幼い頃の経験だそうだ。殺し屋の高度な技術(スキル)を目の当たりにして…ガラリと意識が変わってしまったらしい」

 

渚「………」

 

殺「影響を与えた者が愚かだったのです。これほどの才能ならば…本来もっと正しい道で技術(スキル)を使えたはずなのに…」

 

烏間「人間を活かすも殺すも…周囲の世界と人間次第…か」

 

殺「そういう事です」

 

その時、コツンという音がした。

 

振り返ると……

 

こっそり逃げようとするクソビッチがいた。

 

前原「てめービッチ!!」

 

友「何逃げよーとしてんだ!!」

 

イリーナ「ひぃぃ!!耳のいい子達だこと!!」

 

そして速攻でビッチ先生を吉田と村松が拘束した。

 

イリーナ「あーもー好きなようにすりゃいいわ!裏切ったんだから制裁受けて当然よ!男子は溜まりまくった日頃の獣欲を!女子は私の美貌への日頃の嫉妬を!思う存分性的な暴力で発散すればいいじゃない!!」

 

新「発想が荒んでるな……」

 

中村「それ聞いてむしろやりたくなってきたわ」

 

 

寺坂「いいから普段通り来いよ学校。何日もバックれてねーでよ」

 

イリーナ「……!」

 

矢田「続き気になってたんだよね。アラブの王族たぶらかして戦争寸前まで行った話」

 

片岡「来ないなら先生に借りてた花男の仏語版借りパクしちゃうよ」

 

イリーナ「……殺す直前まで行ったのよ…?あんた達のこと…」

 

新「…おう」

 

イリーナ「過去に色々ヤッてきたのよ…?あんた達が引くようなこと…」

 

友「それで?なんか問題あるの?」

 

竹林「裏切ったりヤバい事したり…それでこそのビッチじゃないか」

 

中村「たかがビッチと学校生活楽しめないで…うちら何のために殺し屋兼中学生やってんのよ」

 

烏間「そういう事だ」

 

烏間先生はビッチ先生に歩み寄った。

その手には……一輪の薔薇が…!

 

中村「おおっ…!」

 

殺「……!!」

 

烏間「その花は…生徒達からの借り物じゃない。俺の意思で敵を倒して得たものだ。誕生日は…それなら良いか」

 

イリーナ(何よそのムードの無い渡し方…!しかも前より花減ってるし!ガツンと文句言ってやるわ。こういう時何て言うんだっけ…。えーとえーと…)

 

 

 

 

イリーナ「…はい」

 

 

友「おーいい感じじゃん!」コソコソ

 

不破「可能性出てきたね…!」コソコソ

 

 

殺「……ただし烏間先生。いやらしい展開に入る前に一言あります」

 

烏間「断じて入らんが言ってみろ」

 

殺「今後……このような危険に生徒を決して巻き込みたくない。安心して殺し、殺される事が出来る環境作りを防衛省(あなた方)に強く要求します」

 

烏間「……わかっている。打つ手は考えてある」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《烏間 side》

 

上司「『暗殺によって生徒を巻き添えにした場合…賞金は支払われないものとする』…か」

 

烏間「手配書にこの条項を明記しない限り…生徒全員があの教室をボイコットすると言っています。暗殺の選択肢は狭まりますが…生徒が安全を求めるのも当然の権利かと」

 

上司「……随分と子供好きになったもんだな烏間。まぁいい。条件を飲もう。どのみちもう終わりだ。個人レベルのフリーの殺し屋に頼る時期はな」

 

烏間「…………?」

 

上司「気付いてないだろうが…椚ヶ丘市は目下空前のマンションの建設ラッシュだ。最近の住宅バブルに見せかけてその正体は…

 

各国共同で進めている…暗殺最終プロジェクトだ。

 

概要を見たがとんでもない超技術だ。あれの前には殺し屋等出る幕無しだ」

 

 

 

 

 

更には…シロはシロで最終兵器の用意があるとか。

 

上司「全ての準備が整い次第…最終兵器同士の共同作戦が発動される。今のところ結構予定は…来年3月!もはやE組に必殺までは求めていない。3月までのんびり楽しく暗殺を続け…奴さえ逃がさないようにしてくれればそれでいい…」

 

 

 

 

この教室が…どんな結末を迎えるのかはわからない。

 

イリーナ「…おはよ」

 

烏間「おはよう」

 

イリーナ「寒くなったわね…。明日から服替えなきゃ」

 

烏間「なんだ。2種類しか服ないんじゃなかったのか」

 

イリーナ「なわけないでしょ!あんたが落ち着く服で統一しろって言うから!大体あんたは私の服なんて見やしない!昨日はあんなに優しかったのに……!」

 

だが…この場所はいい世界だ。

 

殺「ヌルフフフ……犬の格好をした先生を殺せますかねぇ?」

 

友「くっそ…四足歩行でも速くて当たんねぇ!!」

 

岡島「うすらでかい癖にちょこまかと!!」

 

殺「散歩する犬も殺せないとはまだまだですねぇ」

 

 

烏間「…指揮を執るべきだな。行くぞ」

 

イリーナ(なんにも変わってないじゃない堅物の鈍感…!ええい!いつものよーにおっぱい攻撃で…!)

 

 

ここに居ると…誰もが正しく成長出来るチャンスがある…。

 

イリーナ「……………」

 

イリーナ(いや…やめておこう。…私も……変わるべきね)

 

 

烏間「…腕は」

 

イリーナ「平気」

 

 

3月まで待つ必要は無い。この教室は今が最高の殺し時(コンディション)だ。

 

 

 

 

 

 

 

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