真弓兄弟の暗殺教室   作:Ncwe?

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第80話 アルバムの時間

《不破 side》

 

先日──

 

私は『歳』に誘拐された。

 

そして『歳』に洗脳され、あろう事か、友君を攻撃してしまった。

 

友君の隣に立つ資格なんて無くなってしまった──。

 

洗脳され、身体の自由が効かない中そう思った。

 

でも、友君は優しく声をかけてくれた。

 

そして私を洗脳から解くために……

 

 

【キス】をした。

 

初めてだった。

 

戸惑ったけれど……嬉しかった。

 

 

 

そして一件落着した翌日……

 

私の家でデートする事が決まった。

 

しかも、私から言い出した。

 

………。

 

 

 

何やってるんだ私はー!!

 

数日前にキスした相手を家に招き入れるとか…学校でもずっとドキドキしながら友君と話してたし!

 

やばい……!まともに顔見れる気がしない……!!

 

 

そんなことをデートの当日に考える。

 

あと数分で…友君が家に来る。

 

うう…緊張する……。

 

緊張しすぎて自分の部屋の真ん中で正座しちゃってる…。

 

気を紛らわすために漫画を何冊か手元に置いてあるけど読む気になれない……!

 

 

その時……。

 

ピンポーン

 

インターホンが鳴った。

 

 

不破「……き…来たかな…!」

 

私は急いで玄関へと向かった。

 

もしも友君じゃなかったら恥ずかしいのできちんと外に誰かいるかドアアイを覗いて確認する。

 

そこに立っていたのは……紛れもない友君だ…!

 

私は急いで扉を開けた。

 

不破「友君……!」

 

友「…おはよ。待たせちゃった?」

 

不破「ううん全然!さぁ入って入って!」

 

友「お邪魔します」

 

男子を家に入れるのは初めてだ…!

 

あーやばい…尋常じゃない程緊張する……!

 

不破兄「あ、友君じゃん」

 

友「あ、優月のお兄さん。お邪魔してます」

 

お…お兄ちゃん…!?

 

不破兄「いらっしゃ〜い。優月大分そわそわしてたよ。カレシ君が来るって嬉々として報告してたし〜」

 

不破「よ…余計なこと言わないでよ!ほ、ほら!こっちが私の部屋だから!友君行こ行こ」

 

友「お…おう」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

もう…本当にお兄ちゃんってば……。

 

毎回余計なこと言うんだから…。

 

友「ここが優月の部屋か…。思った通り漫画が多いけど……女子の部屋って感じする」

 

不破「友君は……女子の部屋入ったの初めて?」

 

……待った。なんで私こんな質問したんだ。

これでもし誰かいたらどうするんだ…!!

 

友「あー……そうだね。入ったこと無いかな。E組来るまでは女子との関わりはほとんど無かったし……小学校は転校しまくってて…落ち着いたと思ったら『あんな事』が起きたし…」

 

不破「……ご両親の事件?」

 

友「うん…。俺さ、幼稚園の頃から色んな場所転々として…友達なんて出来たこと無くてさ。小5の頃…椚ヶ丘の学校に通うってなった時も、仲良くなりたくても…その方法忘れちゃって…。結局…あの事件以来不登校。数ヶ月しか通ってないから…同級生の顔も名前も覚えてないよ」

 

不破「そうなんだ…」

 

友「……優月の小学校時代見てみたいな」

 

………へ?

 

不破「えっと…今なんて…?」

 

友「俺さ、小学校の時のアルバム捨てちゃってさ。まぁ新が持ってるとは思うけど…見る気になれなくて。だから他の人の見ようかなって」

 

あー…成程……………いやどういうこと!?

 

友「それに、優月の小学校の頃の写真見たいし」ニコニコ

 

これはダメだ。友君の中のSのスイッチ入ってる。

 

不破「えー……じゃあ待ってね。探すから…。引き出しの中見ないでよ?」

 

友「女子の引き出しの中を勝手に見るほど無神経な男じゃないよ」

 

私は少し大きめの引き出しの中から小学校の卒業アルバムを取り出した。

 

中々見る機会無いから少しホコリが付着している。

 

不破「これが私が通ってた小学校…【椚ヶ丘第三小学校】の卒業アルバムだけど……」

 

友「えっ……今なんて…!?」

 

友君が妙に食いついてきた。

 

不破「え……【椚ヶ丘第三小学校】…?」

 

友「それ……

 

 

 

 

 

 

俺が通ってた小学校(トコ)と同じだ……」

 

 

不破「…………えっ?」

 

ええええええええええええ!?

 

嘘でしょ…!?そんな偶然ある!?

 

ちょっと作者さん!?

あまりにもご都合展開過ぎない!?

いくら二次創作でもそれはどうかと思うよ??

 

……待って。

 

少し記憶を遡ろう。

 

確か第34話で…

 

『最初は友達が出来るか不安だったけれど…クラスメイトとも話すことは出来てたし、当時好きな子もいた。……もう友達も…好きだった子も……名前と顔覚えてないけどな。』

 

って…回想シーンの途中で言ってたよね…。

 

友君の…小学校時代の好きな子がここに……!?

 

……怖い。もし…またその子に恋をしてしまったら…。

 

 

友「……優月、大丈夫か?ずっと固まってたけど…」

 

不破「え……あ、うん」

 

友「何考えてるか当てていい?」

 

不破「えっ…?」

 

友君は私に顔を近づけながら小声で言った。

 

友「もし…俺の好きだった人がそこに載ってて…その人に俺がまた恋してしまったら……って考えてるでしょ」

 

不破「……うん///」

 

図星です……!

友君には敵わない…!

 

友「…大丈夫。今…俺が好きな人は優月だからさ。それに、昔好きだった人を今更好きになった所で会えるはず無いし……。…だからお願い。見せて欲しいんだ。過去と向き合うために……」

 

友君は私の眼をまっすぐ見つめてくれている。

 

不破「……うん。じゃあ…見るね」

 

友「…多分、俺が写ってる写真はほとんどないと思う。この学校行ったの数ヶ月だし、卒業アルバム用の写真撮ってないし…。でも…少しでも思い出したいんだ」

 

不破「じゃあ…私の写真探そうかな…。確かクラスは2組だったはず……」

 

6年2組の写真を見ると、私…【不破優月】の写真があった。

昔はまだ髪型がボブではなく、ただ髪を切って短髪にしただけだった。

 

友「これが……昔の優月…」

 

不破「うん…」

 

友「………なぁ優月。聞きたいことがあるんだけど…いいかな」

 

不破「き…聞きたいこと?」

 

 

友「優月さ…。小5の5月頃…校舎裏で男子に絡まれてたこと無かった…?」

 

不破「……!!」

 

なんで…それを…?

 

確かに私は小学校5年の時…別のクラスの男子数名に校舎裏に呼び出された。男子の1人が告白してきて…私は特に好きでも無かったし、名前も知らなかったから断った。

そしたら…他の男子が怒り出して…私に暴力を振るおうとして来たんだ。

 

その時……。

 

不破「……まさか…」

 

私は…その時1人の男子に助けられた。

私を呼び出した男子は…助けてくれた男子を『最近転校してきた奴』って言ってた…気がする。

 

……私はその時…恋に落ちたのかもしれない。

『かもしれない』というのは…当時は恋愛感情というものを上手く理解していなかったから…。

でも…多分私はその助けてくれた男子を好きになった。

私の初恋……だと思う。

 

名前は……聞いてなかったと思う。

顔もあまり覚えてなかった。

その後はたまに廊下ですれ違ったりはしてたけど…夏休み以来全く会わなくなってしまった。

 

その男子って……まさか…。

 

友「……俺さ。転校してきたばっかの時…学校を一通り探索しようと思ってぶらついてたんだよ。校舎内を見終わった後、校舎裏の方に行ったら、怒鳴り声がしたんだ。ちらっと見てみると、女子1人を男子数名が虐めてて…思わず俺は飛び出して助けに行った。その女子が…俺の好きだった人だ。顔は…忘れてたけど、今…ようやく思い出したよ。

 

 

 

……優月。ようやく…会えたみたいだな」

 

 

不破「……そうだね…。ようやく…私たち会えたんだね。私も…その男子が初恋の人だったんだ。まさか…こんな奇跡が起きるとはね…」

 

友「ホント……。見てよかったよ…。ありがとうな…」

 

不破「…こちらこそ」

 

まさか…本当にあの男子が友君だったとは…。

 

夏休み以来見なくなったのは…多分両親を無くして不登校になったからだろう…。

 

それ以来疎遠だったのに……今こうして同じ教室で、同じ標的(ターゲット)を狙って……そして、恋人になっている。

 

事実は小説よりも奇なり…。

 

なんて言うけれど、小説でも…起こそうと思えばいくらでも奇跡って起こせるんだね…。

 

友「……改めて見ると…やっぱ可愛い…」ボソッ

 

不破「ひゃいっ!?///」

 

友君は小学校時代の私の写真を見ながら呟いた。

 

思わず変な声が出てしまった……。////

 

友「俺の写真あるのかな…?あっ……」

 

友君が見つけたのは…7月中に行った遠足の写真。

 

少し小さいけれど、友君らしき人物が写っている。

 

今に比べると子供っぽくて可愛げがあって……。

 

それでいて顔が整ってるから…。

 

不破「カッコいい…」ボソッ

 

友「……っ!?///」

 

あっ………!///

 

……つい声に出てしまった…!///

 

私のバカ!!何してんだ!!///

 

 

友「……それは…」

 

不破「えっ…?」

 

友「それは……反則だろ……///」

 

友君の顔が今まで見た事が無いくらい赤くなっている。

それにつられて私も赤くなってしまう。

 

友「……優月」

 

不破「……な…何?」

 

友「この前の進路相談の時言ったこと…覚えてる?」

 

不破「……探偵事務所の事?」

 

友「うん…。もし…俺が探偵事務所設立したらさ…。俺と…その…す…住み込みで…一緒に働かないか?///」

 

不破「そ…それって……///」

 

友「も…勿論、優月の編集者になりたいって夢は邪魔しないよ。こっちは副業とか…ただの手伝いとかでもいいからさ…。ダメ…かな?」

 

不破「…ダメじゃ…ないよ…。私も…友君の力になりたい…!!」

 

友「…優月。…ありがと!」

 

不破「…友君、どういたしまして!」

 

友「さて…じゃあいつも通り、漫画でも読むか!」

 

不破「うん!」

 

それから…私たちは色んな漫画を読んで…先の展開を考察したりした。

一緒にお菓子を食べたり…家族に聞かれないように暗殺の事について話したり……。

 

でも、楽しい時間はあっという間に過ぎていってしまう。

 

 

 

友「…今日はありがとうね。優月」

 

不破「…うん。また明日!」

 

 

不破兄「あれ?もう帰っちゃうの?夕飯食べてけば良いのに」

 

不破「お兄ちゃん…!!」

 

友「あはは…それはまたの機会に」

 

…え?今遠回しに次も来るって言った!?

いやそこまで遠回しでも無いかもだけど…!

 

友「では…お邪魔しました」

 

不破「気をつけてね!」

 

友「おう!」

 

 

……行っちゃった。

 

楽しかったなぁ……。

 

まさか私の小学校時代の初恋の人が友君だったなんてね…。

 

…明日まともに顔見れるかな…。

 

平常心保たないと…!

 

 

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