《新 side》
倉橋「ねぇ新君!」
いつもの授業が終わった放課後、倉橋が話し掛けてきた。
倉橋「この前駅前に新しいスイーツ店出来たんだ〜。渚君とカエデちゃんと行く予定なんだけど新君もいこーよ!」
新「行く行く!」
俺はかなりスイーツが好きだ。
よく変装をしてスイーツ店に食べに行っている…。
が、絶対バレる。ファンの人だったから何とか口止めしてもらってるけど…。
ま…変装はいいか。正直友達といる時くらいそういうのに縛られたくないからね…。
渚「新君も行くの?」
新「おう!新しいスイーツ店とか行かない訳にはいかない!」
茅野「プリンもあるらしいよ!」
新「プリン!!」
渚「目の色が変わってるよ2人とも…」
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倉橋「スイーツ美味し〜!」
茅野「まさかプリン1人1個限定だなんて……」
渚「あはは…仕方ないよ。かなり人気みたいだもん」
新「人多いな……バレなきゃいいんだけど…」
倉橋「今日くらいは気にしないで楽しもうよ〜!」
新「それもそうだな…!よっしゃ!沢山スイーツ食べるぞ!」
俺たち4人はスイーツを食べるのに夢中で……。
気が付かなかったんだ…。
その光景が…『撮られていた』事に…。
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《友 side》
友「……は…?なんだよこれ…」
何気なくスマホでネットニュースを見ていると…
『RainBow7 真弓新 活動休止中に同級生の女子数名とスイーツ店デート』
…という見出しのニュースを見つけた。
内容はタイトルの通り…
受験のため活動を休止していたRainBow7の真弓新が同級生の女子3名とスイーツ店でデートしていたという内容だった。
SNSでは、『受験に集中したくて休止したんじゃないの?』、『女子とデートしてるとこ撮られるとかプロ意識無さすぎ』、『グループに迷惑かけないで』等…批判の声が相次いでいるという…。
友「……新」
俺は新の部屋の扉をノックした。
返事が無かったので…少しだけドアを開けて隙間から覗くと……誰かと通話しているようだ。
新「……はい。以後気をつけます。…はい。勿論、彼女達はただの友人です。…はい。申し訳ございませんでした…」ピッ
友「……新、今の電話…」
新「……副社長から。今回はそこまで大きなスキャンダルじゃないから見逃すけれど…次は気をつけろって…。あとブログで謝罪文も書けってさ…」
友「…ま…まぁ…そう落ち込むなって…。なんて言ったらいいのかわかんないけど…一生週刊誌撮られずにプライベートを過ごせるアイドルなんて中々いないし…」
新「……俺はいいんだ。でも…一緒にいたあいつらが批判くらうんじゃないかって…」
友「…………」
新「…俺は今日学校行かない…。また撮られる訳には行かないから…さ」
友「……そっか…。でも…あんまり思い悩むなよ。なんかあったら…相談してくれて構わないから」
新「……ああ。ありがとな…兄貴」
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友「………」
不破「…友君、大丈夫?ずっとぼーっとしてるけど…」
友「えっ…?あ、ああ…ごめん」
不破「……新君の事…やっぱり心配?」
友「……うん。あいつ…俺と一緒で1人で背負うタイプだからさ…」
学校に着くと…皆が新の心配をしてくれていた。
渚「新君…大丈夫だった?」
友「結構…落ち込んでる。自分がスキャンダル食らったことより…皆が批判されるんじゃないかって…」
倉橋「そんな……!誘ったのは私だから…悪いのは私だよ…!」
友「倉橋は悪くないよ…。勿論、新も悪くない…」
倉橋「……今日、新君に会いに行ってもいいかな?」
友「えっ…?」
倉橋「私のせいでもあるんだよ…。何とか元気付けてあげたい!」
渚「僕も行くよ」
杉野「俺も!」
前原「普段から世話になってるしな」
磯貝「ああ!」
中村「あいついないと友をからかうネタが無くなっちゃうしね〜」
カルマ「まだまだ聞きたいことあるからね…」
友「なんか別の目的の奴いない!?」
殺「ヌルフフフ…。新君は素晴らしい仲間を持ちました。そうと決まれば放課後、新君に会いにいきましょう!」
友「先生も来るのかよ…」
まぁ…正直嬉しいけどね。
何とかして新を元気にしてあげないと…!
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《新 side》
新「え…えっと…なんでこんなに来たの…?」
兄貴がクラスメイト全員を連れてきた。
殺せんせーまでいる。
流石にこんなに入らないって!
倉橋「……新君、ごめん…。私、こんな事になるとは思わなくてさ…」
新「…何言ってんの。倉橋は悪くない。悪いのは俺だよ。あんな沢山人がいる所に変装もせずに行ったから…」
倉橋「でも…誘ったのは私だし…!」
新「…倉橋は悪くないって。自分を責めないでよ」
友「…それはお前もだよ新。俺の悩みを…皆背負ってくれたんだ。次は俺が背負う番。だから…自分を悪く思うな」
新「……でも…」
友「週刊誌に撮られたことなんて…ただの笑い話にしちゃえばいいんだよ。例えばほら。『新と女子3人が』ってとことかさ。渚も女子に含まれてるじゃん!って」
渚「確かにそうじゃん!!」
中村「まぁしゃーない」
新「あはは…。それもそう…かもな。…ありがとう兄貴。…ありがとう皆。…ありがとう渚」
渚「なんで僕は個別で感謝されてるの!?」
その時…俺の電話が鳴った。
新「……!!」
副社長からの着信だった。
手が…震えてる。何とか落ち着かないと…!
倉橋「……新君。落ち着いて。私たちが傍にいるから…」
新「……!………そう…だね。…電話、出るよ」
俺は…副社長からの電話に恐る恐る出た。
新「……はい。真弓です」
副社長『真弓。大変な事が起きた。今日……あと一時間後にRainBow7のライブが椚ヶ丘で行われる。…が、今彼らは中部の方らしい』
新「えっ…!?なんで…!」
副社長『椚ヶ丘の前は長野での公演…。本来ならとっくに移動を済ませているのだが…高速道路がかなり渋滞してしまったそうだ』
新「そんな…」
副社長『……そこで真弓。頼みがある。トークでも…ダンスでも…歌でもいい。何とかして…ライブの時間稼ぎをしてほしいんだ』
新「え…!?ぼ…僕にですか…!?」
副社長『ああ。……言わば、汚名返上のチャンスをあげると言うこと。ライブの会場はメールで送るから…You、頑張ってね』プツッ
新「……!!」
…副社長なりの…俺へのチャンス…。
でも…1人で時間稼ぎなんて出来るはずがない…!!
友「何…?どうしたんだ…?」
新「……俺のグループのライブが椚ヶ丘でやるらしいんだけど…まだメンバーが着いてないらしい。メンバーが着くまでの間…俺に時間稼ぎをしてほしいって…。でも…そんなの俺1人じゃ…」
友「……その時間稼ぎって…例えばどんな?」
新「まぁ…トークとか歌とかダンスとか…?」
友「……簡単な方法があるよ」
新「えっ?それって……」
友「新と…E組の男子の選抜メンバーでステージに立つ……ってのは?」
新「………え?
ええええええええええええええ!?!?」
前原「男子からの選抜メンバーって言うと…やっぱ顔が良い奴だよな!てことは俺か!?」
友「むむ…少しイラつくが陽斗と…悠馬と…カルマもかな」
カルマ「え~……まぁいいけど、友も出なよ?」
友「俺もか……まぁいいが」
カルマ「あとは渚君も」
渚「なんで僕も!?」
カルマ「ほら。グループって可愛い枠いるじゃん。あれだよ」
渚「そんな……」
磯貝「まぁ仕方ないよ…。でも顔出す訳にはいかないよな?」
友「確かに…。創ちゃん、今から仮面作れる?」
菅谷「オッケ。任せとけ。アイドルっぽいの作ってやる」
竹林「ステージに立つなら衣装も必要だよね」
吉田「衣装作りっつったら原だな」
原「任せておいて!」
三村「代役とはいえ、どんなことするか台本も作っておかないとな」
中村「セットリストとかも組んでおかないと…」
速水「ダンスとか…早く覚えないと間に合わないね」
矢田「じゃあ早く決めないと!練習の時間が無くなっちゃう!」
不破「あと、念の為殺せんせーは理事長に確認取っておいて。無許可でやるとまた何されるかわからないし…」
殺「勿論ですとも!」
新「……皆…」
友「……新。大丈夫だ。お前は1人じゃない。皆で力合わせて殺ってやろうぜ!」
新「………ああ!!じゃあまずは会場に向かおう!台本や小道具等の準備はそれから!ダンスは基本的なことは俺が教える!少し難しいのは俺に任せてくれ!」
一同「おう!!」
俺のために…クラスが一丸となってくれている…。
今まで…こんなに嬉しいことは無かった。
俺……E組来て良かったな…。