《新 side》
さて……殺せんせーの指示で倉橋と2人で本校舎に向かったはいいものの……
倉橋「…………///」
新「……」
気まずい……。
さっきから倉橋が目を合わせてくれない…。俺なんかしたのかな……?(鈍感)
新「…な、なぁ倉橋」
倉橋「ふぇっ!?な、何?///」
新「いや…さっきから全然喋らないからどうしたのかなって…」
倉橋「え、えっと…な、なんでも…ないよ?」
新「ならいいんだけど……。ていうか、バレないか凄く怖いんだけど…。学校外の人とか沢山いるだろうし…」
倉橋「うーん…。帽子やサングラスとかしてるから大丈夫だと思うけど…」
新「そうだな。さて…本校舎ついたぞ」
本校舎は旧校舎とは比べ物にならないほど賑わっていた。校庭には数々の出店が並び、窓越しで校内に沢山の人がいることが確認出来る。体育館にも多くの人が列を作っており、学校の学園祭とは思えないほどの人だかりが、本校舎では出来ていた。
他校の女子生徒「ねぇねぇ…あそこのサングラスと帽子してる人、凄くイケてない?」
他校の女子生徒「ほんとだ…!この学校、浅野君といい、榊原君といいイケメン多いね!」
なにやらコソコソ話しているのが聞こえるが…目線的に俺に言っている…のか?
まずい…あまり見られるとバレてしまう…。
倉橋「……」
他校の女子生徒「あ、でも彼女さんいるっぽいね」
他校の女子生徒「やっぱりイケメンはみんな彼女持ちなのかな~?彼氏欲しいのに~」
他校の女子生徒「まだチャンスあるって!次のイケメン探しに行こ!」
倉橋「………」ホッ
…行ったようだな。
バレずに済んで良かった……。
新「なぁ倉橋」
倉橋「ふぇ…!?///な、何?」
新「えっと…大丈夫か?さっきから…その、変な声出てるけど」
倉橋「だ、大丈夫だよ!人が多くてちょっと緊張してると言うかなんと言うか…!」
新「そ、そうか…。それより、さっさとイトナのドローン回収しに行こうぜ」
倉橋「そうだね!A組の出し物のとこ行こっか!」
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A組のイベントカフェはひとつの客席を2つに分け、各ステージで全く違うイベントを行っている。
一方でバンド演奏をしていれば、もう一方ではお笑いのステージが準備され、バンド演奏が終わればお笑いのステージがすぐさま始まる。
とんでもない商法だ……。
倉橋「偵察ドローンがある所は……今は浅野君達が演奏してるみたいだね」
新「うーん…浅野達にバレると厄介だな。倉橋、入口付近で待っててくれないか?俺一人で行ってくる」
倉橋「う、うん。分かった」
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【A組 イベントカフェ】
だいぶ盛り上がってんな~…。
ま、入るだけならたったの500円だもんな。
まぁその後エンドレスで搾取されるんだろうけど。
浅野は演奏とファンサに夢中かな…?なら今のうちか
ほか4人は………警戒しなくていいや。
どうせ気づかないだろ。
会場内の右側で…後ろの壁沿いで…隅っこに…お、あったあった。
とりあえず回収……っと。
さて、早く出るか。浅野以外にもその辺にA組のやついるだろうし…。
A組以外にもこの学校のやつは俺の存在に気付きかねない。
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新「倉橋」
倉橋「新君、大丈夫だった?」
新「もちろん。さ、早く帰ろうぜ。いつバレてもおかしくなくてヒヤヒヤしてんだよ…」
倉橋「そ、そうだね…。じゃあ殺せんせーにもメールで伝えておくね」
新「ああ。……ん?」
倉橋「どうしたの?」
新「いや…なんか兄貴からメッセージが…」
U[めっちゃ面白いこと起きてる]
そのメッセージと共に遅れられてきたのは…
隠れた場所で、一人の男性客にメイド姿で接客する渚の姿だった…!!
新「………これ………」プルプル
やべぇ…笑いこらえきれねぇ……!!
倉橋「え!?これ…渚君!?かわいい~!」
新「何やってんだあいつ……」
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《友 side》
新にメッセージが送られる数十分前……
新と倉橋が裏山を出た直後まで遡る。
教室内で渚と優月と中村の3人でごみ捨てをしていた時のこと。
中村「そーいや渚さ。聞いたよ。髪伸ばしてた理由。……悪かったね。イヤイヤやってたんなら…私がからかう時も傷つけてた?」
渚「あ、ぜ、全然!中村さんやカルマ君にいじられる分には」
中村「そっか。でももうあんまりいじらないようにするよ」
友「中村にも人の心あったんだな」
中村「うっせ」
その時……
???「おーい!!」
外から軽薄な声が聞こえてきた。
声の主は……
ユウジ「渚ちゃーん!!遊びに来たぜー!!」
渚「げっ…!ユ、ユウジ君…!?」
中村「ユウジ?」
友「誰だ?あいつ」
不破「…あ!南の島で女装した渚君にホレた人だ」
中村「へぇ~……」ニヤ
中村の顔が変わった…!すごくゲスい顔になった…!!
渚「ど、どうしてこの学校ってわかったの?」
ユウジ「あれから島の宿泊者調べたんだよ~。で、HP見たら丁度学園祭やってたからよ」
渚「そっ、そっか…。……!?や、あっ!?ちょ、中村さん……!?」
あろうことか中村は自分のスカートと渚のズボンを交換した…!
ちなみに俺は中村が脱ぎ始めようとしたところから優月にずっと目隠しされていた。
なので目を開けたらいきなり性転換してて割とビックリした…。
中村「今回で最後…今回で最後…」
渚「し、舌の根も乾かぬ内に…!!」
中村「金持ちなんでしょあいつ…。この際手段を選ばず客単価を上げてかなくちゃ~」
渚「だ、だからって…!」
中村「さぁ行ってこい渚ちゃん!!クラスの命運は君の接待に託された!!」
不破「相変わらずだね~中村さん」
友「さっきの言葉はどこへやら……」
カルマ「お、面白そうなこと起きてんじゃ~ん」
友「やべぇもう1人の悪魔が来た」
カルマ「ちょっと俺紙とペン取ってくる」
中村「おっけー、よろしく」
友「やべぇ2人が結託した」
不破「渚君流石のいじられっぷりだね」
友「ね~。……新に渚ちゃんの写真送ってやろ。ちょっとこっそり撮ってくる」
不破「友君もたまに人のこと言えなくなるよね…」
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友「さて渚ちゃんは……いたいた。…って中村何してんだ」
中村「よ、友く~ん。あそこ見てみ」
そう言われ、草むらの間から覗いてみると……
接客している渚ちゃんがいた。
ユウジ「学園祭来て良かったな~!渚ちゃんに接客してもらえるなんて~。しかも、『見えないとこでこっそり食べよう』とか、色々期待しちゃうな~」
渚(知り合いの客に見られたくないだけなんだけど……)
友「渚…凄いぎこちないな」
中村「あのボンボンから金を搾取するには渚ちゃんをうま~いこと誘導してあげないと」
そう言いながら中村はカンペを書いていく。
そして渚にだけ見えるように掲げた。
渚は気づいたようでカンペを読み始めた。
渚「わ、私のオススメぜーんぶ食べて欲しいなー(棒)」
ユウジ「おうおう!渚ちゃんの頼みならメニュー全て!」
めっちゃ棒読みなのに気づかないのか…?
さては…………あいつアホだな?
そう思いながら、渚の写真を撮り、新へと送った。
中村「クックック…やっぱ金持ってるわあのボンボン…。食いっぷりも良いから稼いでよ渚ちゃ~ん」
ユウジ「あ、怪しいハーブはもうやめたよ。渚ちゃん、心配してくれたもんな」
渚「そっか」
友「なんか普通に世間話してる感じだな。まぁあのまま金出してくれりゃだいぶ稼げそうだけど…」
カルマ「お、やってるね~」
友「そんな居酒屋の客みたいなノリで来ないでくれない?」
カルマ「中村~。ちょっとそのカンペ貸して~」
中村「いいよ~。何書くの?」
カルマ「デートで1万払えるか聞いてもらおうかなって」
友「それもう違う商売!!渚に何させるつもりなんだよ…」
カルマ「あ、そうだ。いいこと思いついた」
中村「いいこと?」
カルマ「ちょっとコスプレ衣装買ってくる」
友「何するつもりだ!?」
俺の問いに答えることなくカルマは全速力で言ってしまった。行動力化け物すぎるだろ……あいつ。
すると、近くの草むらからとある男が…!!
レッドアイ「手土産だ、烏間サン。この山は色合いが豊かで良いな」
渚・ユウジ「!?!?」
烏間「『レッドアイ』!『死神』にやられたと聞いていたぞ」
レッドアイ「一時は死線を彷徨ったがな。若い分回復も早かったわ」
烏間「それはともかく…銃は隠せ!!」
レッドアイ「平気平気!世界各国の狩猟免許持ってるから」
中村「ねぇ友、あの人…」
友「あぁ。修学旅行の時の…スナイパーだよな…?思いっきり銃持ってるけどあの人…」
中村「まずいわね…」
そう言いながら中村はカンペに文字を書いていく。
ユウジ「な、なんだアイツ、銃持ってるぞ…?ケーサツにかけた方がいいんじゃ…」
渚「わーーーっ!!わーーーっ!!ち、違うの……あの人は…………
地元の猟友会の吉岡さん…」
ユウジ「吉岡さんどー見ても外人だけど!?」
中村はカンペにだいぶ無理がある言い訳を書き、それを渚に見せたのだが……。
いや吉岡さんは無理あるよね!?
中村「あいつ反応面白いな~」
友「…楽しんでるよな?お前」
渚「き、帰化したんだ。日本のアニメとかが大好きで…」
ユウジ「そ、そうなんだ……。…ま、吉岡さんはいいけどよ。渚ちゃん。し、正直…俺の事どう思…///」
烏間「あんたもだ。こんな時まで気配を消すな」
ロヴロ「………」ヌッ
渚・ユウジ「!?!?」
いやあの人怖すぎるだろ……。
ホラー演出じゃん。ホラゲーのびっくりポイントじゃん。
ロヴロ「あの
烏間「そうか。あんたも生きてて何よりだ」
ロヴロ「失礼かもしれないが…よく君が『
烏間「俺一人じゃ無理だっただろうな。あんたの弟子が心配してたぞ。行ってやれ」
ロヴロ「ああ」
ユウジ「な、なんだあの怖いオッサン…どー見ても一般人じゃねぇ…」
渚「え、えっとあの人は……
マイルド柳生。浅草演芸場の重鎮なんだ…」
ユウジ「お笑い芸人!?」
いやだから無理がある!!
吉岡さんといいマイルド柳生といい、中村絶対面白がってるよね!?
中村「………」プルプル
ほらもう笑いこらえてるし!!
渚「さ、さっきの会話もネタ合わせでさ。弟子がここでお笑い辞めて教師になってて……」
ユウジ「……ふーん。じゃあれは?」
ユウジが指をさした先は……
殺せんせーを殺せなかった殺し屋たちが俺たちの料理を食べている様子だった。
ガストロ「銃うめぇ…!!ガキが作った味とは思えねぇ」
スモッグ「うーむ。この味だったら毒混ぜても喜んで食うな」
グリップ「ふむ。美味そうだぬ……辛っ!!!わさびぬ!?!?」
ユウジ「……………」
渚「げ、芸人仲間!!浅草の!!わさび入りモンブラン食べてるのも…マイルド柳生直伝のリアクション芸で……。わ、わりと私たちそういう人に縁があって…」
ユウジ「………渚ちゃん」
渚「……え?」
ユウジ「……嘘、ついてるよな」
渚「……!」
………やっぱりバレたか。
ユウジ「親父が大物芸能人だからさ。すり寄ってくる奴らの顔はガキの頃から沢山見てきた。わかっちゃうんだよ。うわべとかごまかしの造り笑顔は。……島のホテルで会った君は、そういう笑顔する娘じゃなかったんだけどな」
渚「……すごいね。観察眼」
ユウジ「すごくねーよ。いやらしい環境が育てた望まぬ才能だ」
渚「……言う通りだよ。うそついてた。僕もね、この外見は子供の頃から仕方なくでさ。ずっと嫌だった」
ユウジ「………?僕?」
渚「けど、望まぬ才能でも、人の役に立てば自信になるって最近わかった。だから今はそこまで嫌いじゃない。
……ごめんね。僕、男だよ。」
ユウジ「…………………」
あ、放心してる。……まぁ無理もないか。
ユウジ「………またまたァ」
渚「ほんと」
ユウジ「………またまたまたまたァ」
渚「ほんとだってば」
中村のカンペ『見せれば納得!! 』
渚・友(何を!?!?)
渚「………ウソついてる顔に見える?」
ユウジ「……マジかよ」
渚「欠点や弱点も裏返せば武器になる。この教室で学んできたのはそういう殺り方で。この出店もその殺り方で作られていて。今日ここにいる人達は……皆、
ユウジ「………!」
渚「あ、で、でも、騙してたんだし、飲食代は返すから…」
ユウジ「いいよ。なんか…自分がアホらしく思えてきた。……帰るわ」
渚「………」
友「渚…」
その時、全力疾走でカルマが戻ってきた。
カルマ「あれ、もう帰っちゃったの?コスプレ撮影会で金取ろうとメイド服やらサンタ服やら買ってきたのに」
渚「カルマ君は僕でいくら稼ぐつもり!?」
中村「ま、思ってた以上は稼げたね」
渚「中村さん!さっきのカンペもっとどうにかならなかったの!?」
友「いやほんと……渚お疲れ様」
渚「もう……。……ユウジ君、悪いことしちゃったかな…」
新はこの後しばらくして帰ってきました。
そして倉橋はカルマや中村に色々尋問されたとかされてないとか……。