真弓兄弟の暗殺教室   作:Ncwe?

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第86話 縁の時間

《新 side》

 

-学園祭 2日目-

 

現在、俺たちE組の生徒数名は、準備のために朝から旧校舎へと向かっていた。

 

倉橋「1日目はそこそこの売上だったね」

 

新「あぁ。でも今日で最後…」

 

三村「本校舎に売上速報が貼られてたけど、このペースじゃA組と勝負にならないよ…」

 

渚「………」

 

そんな会話をしていると…後ろから誰かが走る足音が聞こえた。

 

マイク持ってる人「急げ!朝の中継に間に合わねーぞ!」

 

カメラ持ってる人「はい!」

 

速水「……?今のって」

 

新「テレビ局の人だな。しかも有名なニュース番組に出演してる人だ」

 

千葉「何撮るつもりだ?」

 

菅谷「この先にはE組しか………ってなんだこりゃ!?」

 

菅谷の視線の先には、E組方面から並ぶ大量の行列があった。

 

千葉「これ全部うちの開店待ちかよ……」

 

速水「昨日から今日でこの差は何?」

 

昨日は客は来たものの知り合いが多くて、それ以外の人は少ししか来なかった。

なのに今は全然知らない人達が列を作って、開店を待ちわびている。

 

友「大変だ!」

 

不破「ネットで口コミが爆発的に広がっててさ」

 

後ろから兄貴と姉貴が走ってきた。

 

律「少し潜って情報の発信源を探しました。その結果出てきたのが……」

 

不破「『法田ユウジ』。今一番勢いのあるグルメブロガー」

 

友「小さい頃から良いモン食ってたおかげで……憎たらしいけど舌の確かさは折り紙付き」

 

不破「金に任せた食い歩きはすごい信頼性高いんだって!」

 

渚(ユウジ君……!!!)

 

片岡「ホラ!あんた等も早く店の準備して!お客さん待ってるんだから!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ユウジ『椚ヶ丘の学園祭で……メチャ美味い出店と出会いました。

詳しいメニューは次で書くけど、人生観が変わりました。

不利な立地を逆手に取った自給自足の食材の数々!

『欠点や弱点を武器に変える。』

店で働く友達がそう言ってたのを聞いて、偉大な親の影に隠れて甘やかされ、どこかそれを後ろめたく思ってた自分が……なんかアホらしくなりました。

甘やかされた小遣いだって自分の武器。皆の役に立ちゃいいので、開き直ってオススメの情報を発信します!!

まずは人生観の変わる山の上の店!

味わえるのはあと1日だけ!!』

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《友 side》

 

そして………学園祭はスパートに入る!

 

 

そこからは皆必死だった。

 

注文が入る度に……

 

採って

 

作って出して

 

また売って

 

 

知り合いや、ゆかりがあった人達が…

 

来て

 

 

来て

 

 

いらっしゃって……

 

 

 

奥田「まずいです!どんぐり麺もうすぐ在庫なくなります!」

 

1番の人気メニューはどんぐり麺。

それ故にどんどんと数が減っていき、残り7、8人分くらいしか残っていなかった。

 

磯貝「予想以上に売れたからな……」

 

不破「でも、A組はそれ以上に稼いでるはず」

 

原「サイドメニューの山の幸も売れ行きいいよ。残り時間はこれでねばろーよ」

 

木村「もう少し山奥に足を伸ばせばまだ在庫は生えてるぜ…」

 

新「…………どーすんの。殺せんせー」

 

殺「ふーむ……」

 

殺せんせーは暫く悩んだ後………

 

殺「…いや。ここいらで打ち止めにしましょう」

 

と、触手でバツを作りながら言った。

 

渚「で、でもそれじゃあ勝てないよ!」

 

殺「いいんです。これ以上採ると山の生態系を崩しかねない」

 

倉橋「確かに……」

 

 

殺「植物も、鳥も、魚も、菌類も、節足動物も、哺乳類も、あらゆる生物の行動が『縁』となって恵みになる。この学園祭で……実感してくれたでしょうか。君たちがどれほど多くの…『縁』に恵まれて来たことか。

教わった人。助けられた人。迷惑をかけた人。かけられた人。ライバルとして互いに争い、高めあった人達…」

 

岡野「…あーあ。結局今日も授業が目的だったわけね」

 

村松「くっそ……。勝ちたかったけどなー」

 

こうして……俺たちの学園祭は幕を閉じた…。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

あの後、残っていた在庫もほとんど売り切れ、後片付けをしていた。

 

?「………」

 

矢田「……あ!すみません!売り切れちゃって閉店なんです。ごめんなさい!」

 

?「……そうなの。すごい人気だったのね」

 

矢田「……あっ!」

 

外で片付けている矢田が誰かが来たのに気付き、閉店を伝えていた。

 

渚「……!」

 

その人に…俺たちは見覚えがあった。

 

渚「……母さん」

 

渚の……母親だった。

 

 

 

 

 

渚「……はい。最後の山ぶどうジュース。美味しいよ」

 

渚の母親「……ありがと。テレビで紹介されてたわ。すごいのね、アンタのクラス。残りたがる理由もわかるわ」

 

渚「……うん」

 

渚の母親「……渚。この前のこの校舎での出来事ね、ここでアンタが私を守って、一瞬であの不良をやっつけた時……背中を見て思い知ったわ。私の息子は私と別人だって…。私から卒業するって言ったのも虚勢じゃない。それだけの力を…知らぬ間に身につけていたんだって」

 

渚「………」

 

渚の母親「……でもさ渚。せめて成人までは一緒にいてよ。そっから先は好きに生きればいいからさ。…せっかくアンタの親になれたんだもん。もう暫く心配させてよ」

 

渚「……!…うん!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

烏間「渚くんの母親が謝っていた。火をつけようとしたそうだな」ボソッ

 

殺「ええ……過ぎたことです」

 

烏間「それと、彼女が俺に囁いて帰ったんだが……

 

 

 

俺のヅラの事は黙っておくって…どういう事だ?」

 

 

殺「………………シラナイ!!」シュバッ

 

烏間「待てっ!!!!」

 

 

やっぱり烏間先生に怒られた…。

コスプレ自体低レベルなのに謎にヅラ設定つけるから…。

 

茅野「『縁』かぁ…」

 

カルマ「烏間先生はあのタコと関わったのが縁の尽きだね~」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

本校舎にて………

 

 

生徒「すげーなA組。高校の店を押さえてトップだよ」

 

生徒「さすが浅野君~」

 

生徒「でもさ。やっぱE組が目につくな。2日目途中で店閉めたのに3位だぜ。最後まで勝負してたらどうなってたか」

 

生徒「お前食い行った?」

 

生徒「そりゃテレビに出てたら興味も湧くわ」

 

生徒「E組って地獄みたいなとこだと思ってたけどさ」

 

生徒「あの自然の中で自給自足って…案外羨ましいかもなー」

 

 

理事長「…………」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《古見 side》

 

学園祭終了後……

理事長・浅野學峯に呼ばれ、五英傑と共に理事長へ来ていた。

 

何故か転校後、生徒会役員に入れられて以降五英傑と共に呼ばれることが多くなった。

ただ、正直に言うと私としては少し不服。

 

榊原蓮はうざいし、浅野学秀は意味わからないし、他の奴等にも色々と不満がある……。更には、浅野学秀や榊原蓮のファンクラブの連中に目をつけられる始末。

 

E組に行けば良かったと多少後悔しているが…本校舎の連中に悪口を言われた途端攻撃を仕掛ける未来が見えたのでその事を考えるのはやめた。

 

さて、私の話はここで終わりにして……

今の状況は、浅野学秀が理事長に色々と報告しているところだ。まあ、行事後のいつもの光景なのだが。

 

 

浅野「僕等は努力の全てを注ぎ込みました。勝利に満足しています」

 

理事長「……ほう。ずいぶん接戦だったようだが」

 

浅野「それだけE組に戦略があったという事。圧倒的大差をつけるのはほぼ無理かと…」

 

理事長「違うな。相手は飲食店だ。悪い噂を広めるのは簡単だし、食中毒なら命取りに出来る。君は…害する努力を怠ったんだ」

 

………!

 

何処までやらせたいのこの男は……!

そんなことをすれば…大きな問題になって学校自体が危ういはずなのに…。

E組だってこの中学の生徒のはずなのに……。

 

一歩間違えたら……訴えられたり捕まったりするのはこちら側のはずなのに……!

 

この男は……平然と非人道的な要求をしている…!!

 

 

浅野「……理事長先生。あなたの教育は矛盾している。どうやったか知らないが…E組はこの1年で飛躍的に力を伸ばした。僕等選ばれたA組と張り合うまでに。癪だが…僕自身も能力の伸びを感じます。奴等が刺激になっている事は否定できない。強敵や手s………いや、仲間との縁に恵まれてこそ強くなれた」

 

瀬尾「今お前手下って言いかけたろ」

 

ホンット親子揃っていい性格してるわね……。

 

浅野「弱い相手に勝ったところで強者にはなれない。それが僕の結論です。それは……あなたの教える道とは違う」

 

理事長「浅野君。………それと古見さん。三分ほど席を外してくれないか」

 

浅野「…………?」

 

……なぜ私も?

 

理事長「友達の4人と話がしたい。なに、ちょっとした雑談さ」

 

浅野「………」

 

榊原「出ていろ浅野君、古見さん。3分位別にいいよ」

 

浅野「……ああ」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

あの男は何がしたいのか………一切わからない。

 

当然だ。

浅野学秀だって理解していない。

 

あの男の息子である浅野学秀が分からないことが、私に分かるはずがない。

 

だが……妙な胸騒ぎがする。

 

そろそろ期末考査が近づいてくる。

 

あの男にとって……E組を潰す絶好の機会(チャンス)

となれば……手段を選ばず妨害をするはず。

 

……まさか。

 

浅野「……そろそろ3分だな。……ん?どうした?」

 

古見「………いいえ。…ただ、嫌な予感がするの」

 

浅野「嫌な予感…?」

 

その時……理事長室の扉が開いた。

 

浅野「…!蓮、瀬尾……………っ!?」

 

……やっぱり。

 

『まさか』が的中してしまったようだ。

 

榊原荒木小山瀬尾「E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す」

 

 

浅野「なっ……!?何を………!」

 

理事長「ちょっと憎悪を煽ってあげただけだよ。君の言う『縁』なんて…二言三言囁くだけで崩壊する。私が教える『強さ』とは……そんな脆いものではない。圧勝できない君の強さ等、もはや誰も信じないよ」

 

浅野「………!」

 

………この男、思っていた以上に危険人物だ。

 

本気を出せば……市や都だけじゃない。国すら動かせるだろう。

 

理事長「……私が出るしか無いようだね。期末テストは私が全て執り仕切る。強くなければなんの意味も価値も無い。それを一から教えてあげよう」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

《新 side》

 

殺「さぁて。この1年の集大成。いよいよ次は『学』の決戦です。トップを取る心構えはありますか?カルマ君」

 

殺せんせーがそう言うと、皆が一斉にカルマの方を向く。

 

カルマ「……さぁねぇ。バカだから難しい事わかんないや」

 

 

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