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可愛いのう……これで中身はデイカスで運命は決まっているのか……世知辛いね(他人事)
↓ガチャ排出画面風に加工しました。
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そして今回はデイカス視点オンリー。菊花賞にたどり着けない……
Side:オリ主
スズカが負けた。
おハナさんとの折合いも良くストレスの無い万全の状態で逃げを打ったスズカが負けた。
勝ったのはマチカネフクキタル。あの目がシイタケで占い好きな変わり者のウマ娘だ。最近トレセン学園で見掛けないと思っていたがどこかで特訓でもしていたのだろうか。
先ほどのレース。最後に「(ここでスズカが勝ったら益々軌道修正出来なくなるから)ダメだ」と無意識に呟いてしまった。しかもスズカと目が合って滅茶苦茶ドッキリした。まあ流石に読唇なんて出来ないだろうけど。
さて、今私が居るのはウイニングライブの会場だ。屋内席からレースを観戦していたおハナさん達も一緒に来ている。
「スズカは……どう思うトゥデイ」
おハナさんに訊かれて私はスズカを注視する。
ステージに上がりフクキタルの隣で笑顔を見せるスズカだが、眉は少し下がっているし笑顔もぎこちなく明らかに覇気が無い。
「かなり落ち込んでいますね」
負けたことが相当ショックだったのだろうか。しかし彼女の性格からして『敗北』だけが原因では無さそうだが。
「……良く分かるな」
「愛でしょうね」
「愛だね」
「何故そこで愛」
マルゼン姐さん達は何を話しているのだろうか。
……まあいいか。
さて、そろそろライブも終わりに近づき最後の曲に入る、その時。
「まさかスズカが負けるなんてなぁ。それだけフクキタルが強かったって事だけどさ」
「でもよ、やっぱスズカに勝ってほしかっただろ」
「そりゃなあ」
そんな会話が聞こえてきた。
背の低い私からはその姿は見えないが、声からして若い男二人が話している。
「あーあ、なんでフクキタルが勝っちゃうかなー」
「皇帝以来の無敗の三冠かかってるんだから、空気読めって感じだよ」
「フクキタルも菊花賞だろ? 次はどうだかな」
「流石にスズカが勝つでしょ。ほら、URAだって新しいスターが欲しいだろうし」
本人達は小声のつもりなんだろう。だがウマ娘の優れた聴力は聞き取れてしまう。流石にステージのスズカ達には聞こえていないようだが。
正直あまり気分は良くない。ウマ娘たちが貶められているのは何とも許しがたい、が、その感情は間近で膨れ上がったオーラを感じ、その方向に目を向けてしまったことで一瞬で萎んだ。
「……ほう」と目を細めるカイチョー。こわい。
「あら」と笑みを深めるマルゼン姐さん。こわい。
「おやおや」と何処からかステッキを取り出すフジさん。こわい。
そして、彼女達の反応から察したのか、
「チッ、やはり湧くか」
と苛立たしげに呟くおハナさん。こわい。
何より、
「………」
ストンと一切の表情を消したグラスが一番こわい。
やっぱこの子大和撫子というより薩摩隼人とかそっちじゃないかな。何故か薙刀を構える姿が脳裏に浮かんだんだが。
「あの方たちはッ」
「グラス……ッ」
そんなグラスが今にも吶喊しそうだったので咄嗟に手を握って引き止めてしまったが、自分からウマ娘に触れるという行為に思わず手が震えてしまう。
「ッ!! トゥデイさん……ッ。そう、ですよね」
「!!??」
何でグラスは私の手を両手で握り直すんですか?????????????????
は??? めっちゃすべすべふにふにしてるんだが????
「スズカさん達のライブで騒ぎを起こして水を差したくない。トゥデイさんがここまで我慢しているのに、私が行くわけには参りませんね」
なんかグラスが言ってるけどさっぱり頭に入ってこない。
そんな風に、グラスの手の感触で意識がぶっ飛んでいる間にウイニングライブは終わった。
そしていつの間にかスズカの控室に来ていた。
時間が消し飛ばされたのか?
ありのままに今起こった事を的な?
「…………」
そしてスズカがいつにも増して無口です。しかもおハナさん達は「外にいる。しっかり話してこい」だそうで。何を話せばいいんですかね? 気まずい。
「…………」
静寂。
スズカはウイニングライブの衣装からトレセン学園の制服に着替え、メイク台の前の丸椅子に腰かけて俯いている。私も同じ制服姿だが、どうしたらいいのか分からず入り口の前で立ち尽くしていた。
ちなみに、今日は日曜日なのに何故制服を着ているかというと、レースに参加する場合は勿論の事、応援に訪れる事も学校活動の一つとして数えられており学園の制服・ジャージ等の着用が推奨されているからだ。アニメで私服姿を描くのが面倒だったからじゃなかったんですね。
「……トゥデイ……ごめんなさい」
制服について思いを巡らせていると、俯いたままのスズカがぽつりと謝罪を口にした。
はて、何か謝罪されるような事があっただろうか。
「……私のライバルは、トゥデイ…貴女だけだと思ってた。他のウマ娘に負ける訳にはいかない……負ける筈が無いって」
そう言ってスズカは席を立って私の前に来る。
身長差が頭一つ分あるので必然的に見上げる形になるが。
「ッ!?」
「でも、それは私の勝手な思い込みだった。思い上がりだった。今日負けたフクキタル……ううん、どのウマ娘も私のライバル……そんな当たり前の事を私は忘れてたの」
スズカはまるで懺悔をするような表情をしていた。
意外だった。私の知っている原作においてのサイレンススズカというウマ娘は、悪く言ってしまうと『レースにおいては先頭を走る事以外に興味が無い天才』だ。
勿論、他のウマ娘に負けたくは無いだろうが、それは『先頭の景色を邪魔されたくない』という強い思いがまずあっての事。そうでなければ先行策に切り替えたことで調子を崩したりはしないだろうし、もし他のウマ娘を意識しているのならば『レースで競い合う事』に楽しさややりがいを見出している筈だ。
『レース中に他のウマ娘を気にして走る』というのは原作において、スペと約束を交わし共に走った13話のウィンタードリームトロフィー以外に心当たりはない。先ほど言っていた『負ける筈が無い』という驕りも原作のスズカならば抱くことが無かったものだろう。つまり、ここで「ライバル」と明言されている私自身の存在がスズカの価値観に大きく影響を与えたということになる。スペの時と反応が違うのはやはり同級生だからだろうか。
この苦悩が、この後悔が、今後どういう影響を与えるのか私には想像がつかない。
……原作息してる? 私はスズカを曇らせた罪悪感で死にそうです。
「その結果が今日の2着だった。私はフクキタル達を見ていなかった。最後の直線で私が見たのは……貴女だった」
「わたし、を……?」
「……ええ。勝利を確信して、油断して、私はトゥデイグッドデイのライバルだから、負けないから、だから追いついてきて……トゥデイは分かってたのね……私が貴女しか見ていなかった事。『ダメだ』って言ってくれたのに……」
んんん???? ゴール前に呟いた「ダメだ」が聞こえて…いや、読唇か。え? そんな事出来るん!? というか勘違いしてる!!
「ち、ちが」
「だから、ごめんなさい。そして、ありがとう」
「ファッ!?」
そう言ってスズカは私を正面から抱き締めた。訳が分からない。めっちゃいい匂いだし大平原だけど女の子の柔らかさはあってヤバいしかし幸いなのは最速の機能美がゆえに『埋もれる』事が無いことだろうかマルゼン姐さんだったら窒息死してた。
!? なんか締め付けが強くッ!!??
「ギ、ギブっ」
「あ、ごめんなさい……つい」
どうにかスズカの腕をタップすると締め付けを緩めてくれた。でも解放してはくれないんですね。鼻息止めてるから結構キツい。
「……こういうの苦手なの知ってるよね」
「ふふっ、そうね。でもトゥデイ、貴女が悪いのよ?」
Why? どういう事ですかスズカさん。
「トゥデイと出会えてなかったら、私はきっと先頭の景色しか見ようとしなかったと思う。他のウマ娘たちを置き去りにして、脇目も振らず一心に。でもきっと、今日みたいに何処かで負けて……そのまま折れていたと思うの」
それは……きっと原作通りなんだろう。未来では沖野Tとスペたちに出会うから、と言うのは野暮か。
しかし、一心不乱に何かを目指すというのは悪い事ではない。自分だってグラスペを成すために生きている訳だし。
「でも、トゥデイとトレーニングして、お出かけして、ご飯を食べて、授業を受けて、お風呂に入って、お話しして……いっぱい同じ時間を過ごして……そして、レースを一緒に走って、競い合って……私は楽しかった。楽しすぎて、貴女しか見えなくなっちゃってたけど」
チロリと舌を少し出して苦笑するスズカ。初めて見る表情だ。
「それで今日フクキタルに負けて、あの子の言葉を聞いて思ったの。トゥデイだけじゃない、フクキタル達も一緒ならもっと楽しくなって、もっとキラキラした景色に……きっとたどり着けるって」
勿論、先頭は私だけど、とスズカは言う。
「だから、トゥデイが悪いの。私にこんな夢みたいな未来を教えて……こんな気持ちにさせるんだから」
「スズカ?」
なんか視線が怖いんですが。1話のスペの脚に頬ずりしてた沖野Tを思い出すのは何故?
「トゥデイ…………だいs」
コンコンコン
「「!!??」」
ノックの音に私とスズカは飛び上がった。尻尾と耳ピーンってなっただろうなあ。
「取り込み中すまない。そろそろ駅に向かわなければいけない時間なのでな」
「あ、は、はい。ありがとうございます、ルドルフさん」
「構わないさ。私たちは正門にいるから用意が出来たら来てくれ。では」
そう言ってカイチョーの気配が遠ざかっていく。
「……会長もああ言っていたし用意して向かおうか」
「………ええ、そうね。それに……強引なのはダメ……よね……気を付けないと」
スズカは少し肩と耳を落として返事をし、荷物をまとめ始める。
……もし、カイチョーが部屋を訪れなかったら……いや、よそう。百合厨萌え豚オッサンの妄想でスズカを汚すわけにはいかない。
しかし、次の菊花賞は一体どうなるやら。
原作からは既にストーリーも、スズカ自身も大きく離れている。
……原作の流れに沿う。この方針を転換すべき時に来たのかもしれない。
「トゥデイ? どうしたの?」
「ううん、大丈夫」
「そう? ならいいけど」
まあいい。どんな場合であっても、グラスペの為に全力を尽くすだけだ。
そして、波乱の神戸新聞杯は終わった。
アンケート結果、自分の遊び心に付き合ってくれる優しい読者は好きだよ(大胆な告白)
各話タイトルはぼちぼちつけていきますねー(なおセンス)
あ、制服着用の下りは独自設定です。
それと、前半の胸糞会話はフクキタルやスズカに聞こえて無いです。世間的に『ヒール』として見られつつあるという伏線ですね。そして菊花賞で……ほら、そろそろクラシックも終わりだしね?
後半、ここでトゥデイグッドデイではなく東条ハナが控室を訪れる選択肢を選ぶと、やる気が強制で絶不調、体力30減少全ステータス10ダウン。バッドコンディション『景色は見えず』を取得。スピードトレーニング以外が選べなくなり、失敗率が5%UP。そして出走レースが天皇賞(秋)に変更されます(なんだこの糞イベ)
この世界線のスズカのメンタルはつよつよです。デイカスが一緒の時は特に。ライバルと競い合う事の楽しさをデイカスで知りましたからね……ライバル全員ぶっちぎって最高の景色を見るんだという考えに至りました。
スズカの告白を成功させてしまうとデイカスが幸せにさせられてしまうのでダメです(鋼の意志)
各話にタイトルいる?(第10Rなら『目醒めの朝/夢の重さ』とか)
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いる
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いらん
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テヘラン
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┐(´ー∀ー`)┌レーダージュシン