待たせてしまってすまない。
今回は日記回を予定していたが、キリが悪かったので次回にさせていただく。
今回は一気にクラシック弥生賞までキングクリムゾンしている。。。内容が薄く大変申し訳なく思う。
なお、今のスズカは友情ブーストのかかったハイパー無敵モードである(予防線)
トゥデイも成長したぞ(なおガバ)
しかし、あれだ。。。日本という国は大丈夫なのかね? オリ主が夢を成しえずに死んで周りが曇るという作品がこのような評価と期待を頂くことになるとは。。。
そういえば、同志チッパイスキーの入院先を知っている者はいるかね? 見舞いに行こうと思っているのだが同志サイレンススズカは知らないらしい。。。折角、同志アグネスタキオンの臀部を模したマウスパッドを差し入れに用意したのだが
Side:サイレンススズカ
<5枠8番。1番人気、サイレンススズカがゲートに入ります>
<デビュー戦では2着に大差をつけての圧勝。今回2走目での重賞挑戦ですが落ち着いた表情をしています。これは期待できますよ>
ゲートに収まったサイレンススズカはふっと息を吐いた。
これが重賞、これがG2。スタンドに詰めかけた万を超える観客の熱気。競い合う事になるウマ娘たちの気迫、実力。どれもがデビュー戦とは大違いで、彼女の中の弱い心が悲鳴を上げてしまいそうになる。
「(でも)」
スズカは視線を横に向ける。
<最後に大外15番、6番人気。トゥデイグッドデイがゲートイン>
<こちらも2走目でのG2挑戦。デビュー戦では見事な末脚で勝利を収めています>
金網越しにちょこんと見える黒鹿毛の髪と耳。
トゥデイグッドデイ。スズカのライバルにして『親友』。
彼女の存在がなかったら、1番人気にはなっておらず、ゲートを潜って抜け出していたかもしれない。そんな事を考えたスズカは柔らかく微笑む。
<各ウマ娘ゲートイン完了。出走の準備が整いました>
落ち着いていた。闘争心が無い訳ではない。胸の奥ではグツグツと闘志が煮えたぎり、スタートに向けて集中が高まっていく。けれども余計な力は入らず至って自然体に臨めていた。
<皐月賞トライアル、G2弥生賞>
トレーナーからの指示は「無理をするな」以外は特にない。ならば先頭で始まり先頭で終わる。好きな走りをしようとスズカは構える。
<今、スタートです!!>
Side:東条ハナ
「……よくやるものだよお前は」
中山レース場のスタンドからレースを眺める東条は、悠々とハナをゆくサイレンススズカと、後方集団の中に潜む小さなウマ娘に視線をやって呟いた。
そのウマ娘の名はトゥデイグッドデイ。
東条の受け持つ学園最強と名高いチームリギル、そのメンバーの一人であり、手を焼かされた問題児であり、手のかかる子ほど可愛いという言葉を体現したような少女だった。
「関節が脆く爆発的な加速で生じる負荷を受け止めきれない。だからこそスピードの重視されるマイル・中距離は避けるように、スズカとの対決は諦めるように言ってきた。それをアホみたいなトレーニング量をこなして走法を工夫して、デビュー戦の結果でスズカと同じ土俵で戦えることを示して見せた。本当に、大したものだ」
トゥデイが取り入れたのはピッチ走法と呼ばれる走り方だった。
坂道を走る際などに用いられる事の多い走法で、歩幅を小さくすることで体の上下の動きを和らげ脚にかかる負荷を軽減する効果がある。しかし、歩幅が小さい分スピードを出すには脚の回転数を上げなければならず、それが体力の消耗に繋がるという欠点もある。
特にトゥデイは小柄であり、普通に走ってもその歩幅は小さい。それをピッチ走法にしたことで、同じ距離を走るのに通常よりかなり多くの歩数を必要とし、それだけ体力を消耗することになる。
その欠点を補うためにトゥデイは、東条やリギルのメンバーがドン引きするような過酷なトレーニングを積んできた。走り続ける為の肺活量に筋持久力、ペースを乱さない精密性などを高め、適性外とされるマイルのデビュー戦で勝利し、この弥生賞への出走を東条に認めさせた。
その不屈とも言える姿勢にはチームリギル全体、特に同級生のスズカやタイキシャトル、後輩であるテイエムオペラオーにグラスワンダーといった面々にいい影響を与えている。
オーバーワークにならないよう目を光らせる必要があるのは困ったところだが。
<サイレンススズカ先頭で第3コーナーへ。どうでしょうこの展開>
<彼女の脚質には合っていますね>
ハナから殿までは12~3バ身程度。トゥデイは先頭集団後方に付けて先を行くウマ娘を風除けにしつつ仕掛けるタイミングを伺っている。
恐らく、トゥデイが仕掛けるのは最終直線の坂道だろう。ピッチ走法を武器とする彼女にとって坂はペースを落とす要因にはならない。絶好のタイミングだ。
「だが重賞は、サイレンススズカはそんなに甘くないぞ、トゥデイグッドデイ」
<第4コーナー抜けて最終直線へ!! サイレンススズカさらに加速!! 差が2バ身、3、いや4!? どんどん開いていく!! 凄い走りだ!! 後続も加速するが追いつけるか!?>
<坂をものともしないで駆け上がっていく!! 強い! 強い! 誰も影すら踏むことが出来ない!!>
<サイレンススズカ今1着でゴールイン!! 圧巻の走りでレースを制した!!>
スズカは2着に3バ身半をつけての快勝。これで4月の皐月賞、そして6月の日本ダービーが射程圏内になる。一方でトゥデイはバ群から抜け出せずハナ差での5着だった。ダービーを目指すなら5月のプリンシパルステークスか青葉賞で結果を残すしか無いだろう。
「しかし……もっと離すかと思ったがスズカめ、トゥデイが気になって最後ペースを緩めたな」
これは要改善だな、と東条は手元のタブレットに書き込み、その場を後にするのだった。
Side:オリ主
スズカ強すぎない??????????????
なんかデビュー戦大差勝ちしてたし、史実で負けたはずの弥生賞勝ってるし。
ゲート潜り事件どこ行った!! ウマ娘のスズカがやるところ密かに楽しみにしてたのに!!!!
と、欲望が溢れてしまった。
当初の想定と異なり、比較的すんなりとおハナさんにはスズカとの対決を許可してもらった。
最初自分がスズカと同じレースを走りたいといった時、断られたのは脚の事情と、無理に適性外の距離を走った際の怪我の懸念が理由だった。
だから、走り方を工夫して脚への負担を減らし、その走り方で重賞クラスを戦えるだけの実力をつけるためにトレーニングをしまくった。ドン引かれて止められた事もあったけども。
アニメでスペがピッチ走法をやっているのを思い出せてよかった。グラスペの為なら脚がぶっ壊れようと構わないが、好き好んで怪我をしたくも周りとの軋轢を生みたい訳でもない。勿論、必要だと思ったら何だってやるけども。
それにしても、ウマ娘の体は本当に不思議だ。伸び率は個人差があるが、今のところ鍛えれば鍛えるだけ能力は向上するし、ふにふにした見た目からは想像もできないようなパワーを秘めている。一方で骨とかの耐久値は人間並みだから、そりゃ怪我しやすいわと納得もする。
今日の弥生賞は5着だった。『奥の手』を切らなかったレースでこの結果はかなり健闘したと言っていいだろう。
最後は前が詰まり差し切れなかったが、最終コーナーでの立ち回りと奥の手を切れば1着…は今のハイパー無敵スズカ相手だと差し切れないが2着はいけたレースだった。切ったら確実に故障するだろうけど。
しかし、ここにきてスズカの強化と原作乖離は…どうしようか。確か後の日本ダービーなどのレースはおハナさんの指示で抑え気味のレースを求められてスランプに陥っていたはずだ。復活したのはシニアのバレンタインステークス。スピカの沖野Tにおハナさんの指示を無視して好きに走るよう言われ大逃げをかまし、復活&スピカに移籍という流れのはずだ。
……よく沖野Tはおハナさんと良好な関係を保っていられるな。おハナさんやっぱりウマ娘めっちゃ好きだし人情家だし人格者だわ。何年も片思いし続けた相手が結婚したら笑顔で祝福して、家で酒に溺れて泣き腫らしてそう(偏見)
今のところ、スズカに抑えて走れという指示は出ていない。むしろ自分に「絶対無理無茶するなしたらどうなるか分かっているだろうな(ニッコリ)」と来ている。おハナさん身長高いから怖い。
まあでも、おハナさんは『勝利至上主義』ではなく『ウマ娘至上主義』だ。敗北すら糧にしてクラシック、シニア、ドリームシリーズと戦っていけるウマ娘を育てるのが方針だから、今のまま放置はしないだろう。
もし、そうならなかった場合は少し無茶をしてでも方針転換をして貰わないといけないが。
ぐふふ……編入当初は作戦を立てた端からご破算になり、リギルに加入した時は終わったと思ったが、そこから今までは結構うまくいっているのではないだろうか。
運よくスズカのルームメイトになり彼女のライバル枠に収まった。中距離向けの走法を習得し奥の手も手に入れた。おハナさんの懐柔が上手くいったので、態々移籍しなくても問題なくシニアの天皇賞(秋)で対決できるはず。そこでスズカを怪我なく勝利させることでスペとのフラグを完全に潰す。
あとはグラスが上手いことスペを攻略してくれるだろう。
ああ…楽しみだ。グラス達から「私たち、お付き合いすることになりました」なんて報告を受ける日もそう遠くないだろう。
「スズカーッ!! ハイッ!! ハイッ!! ハイッ!! ハイッ!!」
生ウイニングライブでの『Make debut!』最高です。
Side:サイレンススズカ
弥生賞を勝利しウイニングライブでセンターを務めたスズカと、それをサイリウムを手に最前列で応援していたトゥデイは学園に戻り寮室のベッドでぐったりしていた。
「おハナさん怖い」
「……そうね」
入着こそしたものの、色々と課題の多かったトゥデイは東条の運転する帰りの車でこってり絞られげっそり。レースの最後でトゥデイが気になってペースが落ちた事がばれたスズカも淡々と叱られてしまい耳やしっぽがしょんぼりしている。
「スズカは、次は皐月賞だっけ?」
「ええ…今回…優先出走権が貰えたから」
「そっか。その次は日本ダービーと秋の天皇賞?」
「ふふっ、ちょっと気が早いんじゃない? でも…そうね。そうなったらいいなって思う。トゥデイは青葉賞?」
「ん」
豆電球の仄かな光が照らす空間に、二人の声だけが響く。
「プリンシパルステークス……じゃないのね」
「今日で分かったけど、重賞クラスで2000メートルだと前の人たちも脚が残っていて、今の自分だと抜け出せない。スタミナは負けないけど、トップスピードはどうしても劣るから」
「トゥデイ、ちっちゃいものね」
「……スズカは風の抵抗少な」
「トゥデイ?」
「ヒェッ」
極寒の冷気に襲われたトゥデイは震え上がり、慌てて別の話題を切り出す。
「しょ、勝負服用意するんだっけ。皐月賞はG1だから」
「……」
「た、楽しみだなあ」
「……」
「スズカはきっと緑、そう緑が似合うよ。ほら、大好きなターフの色だし!」
「……」
「だから、えっと…その…」
どんどん言葉が尻すぼみになるトゥデイ。
「……ふふふっ、冗談よ。トゥデイったら怖がりすぎ」
スズカはそんな彼女の反応に思わず笑いを堪えられなくなる。
「冗談であんな殺気出せないんじゃ」
「それは冗談じゃないもの」
「ファッ!?」
「……冗談で済むと思う?」
「ピョエッ」
「あっ」
変な声を上げるトゥデイ。
「トゥデイ?」
「……」
返事がない。ただのしかばねのようだ。
自分のベッドから抜け出したスズカはスススッとトゥデイに忍び寄って膝立ちで彼女の顔を覗き込む。
「ウ、ウーン(白目)」
「……白目むいてる……うそでしょ……」
いくらなんでも残念過ぎる顔だった。脅かしすぎたスズカが悪いのだが、それにしてもこの顔はうら若き乙女として絶対にしてはいけないだろう。
スズカは起こさないよう掌をそっとトゥデイの顔に当てて瞼を下ろす。
「(……昔と比べて変わったわ。トゥデイも……私も……)」
若干魘されていそうだがとりあえず普通の寝顔になったトゥデイの頬を撫でながら思い返すスズカ。
トゥデイはウマ娘との日常会話程度ならどもらずこなせるようになり、スズカは笑顔や口数が増えた自覚がある。
努力家、というには少々やりすぎているきらいはあるが、体格と体の脆さという先天的なデメリットを乗り越えるために努力や工夫を怠らない不屈の姿勢に影響されてか、より密度の濃いトレーニングをこなし確実にレベルアップもしている。
「今日の結果…ううん、今の私があるのは貴女のおかげね…」
優し気な眼差しで彼女の頭をひと撫で。
「今日は、私の勝ち……また、走りましょうね」
アンケート結果どう纏めればいいのか。。。(自業自得)
とりあえず皆うまぴょいしたいし痩せたいし窓が気になる事は分かった。(意味不明)
オリ主の呼び方は得票数が一番多い『デイカス』にしようと思います。後書きや感想返信で自分はそっち使いますが、読者の方々はご自由にどうぞ。
プロット練り直しました。日記の中のトゥデイが結構ヤバイ精神状態で運命の日を迎える事になりそうで芝。デイカスはカプ以外でも結構苦しみそう(ニッコリ)
なおハイパー無敵スズカは皐月賞へ。トゥデイはダービートライアルの青葉賞に。
次回、トゥデイの故障と日記開放(ネタバレ)
デュエルスタンバイ!!
(そこ!! ハイパー無敵スズカの方がスズスペフラグ潰せるんじゃとか言わない!! そこに気づいたらデイカスじゃないでしょ!!)
各話にタイトルいる?(第10Rなら『目醒めの朝/夢の重さ』とか)
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いる
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いらん
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テヘラン
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┐(´ー∀ー`)┌レーダージュシン