ここは、羅生門研究艇。
古代から蘇った空の民の敵“壊獣”と戦う最前線であり、一段落着いた今だと主に工学、人体に関わる研究をしている施設である。
そこに訪れた一人のウマ娘が居た………。
「本当にいいんだね?えーっと……ミホノブルボン?」
「肯定。着装の開始をお願いします。」
彼女の名前はミホノブルボン。
普段から勝負服としてサイバー感を感じる物を着ている彼女は、『もっとカッコいいのを着てみてよ!』という子供たちの要望に答える為、“ギガントスーツ”なるものを開発したシロウ──羅生門研究艇のメンバー。ギガントスーツ着装者であり、妻子持ち──にそのギガントスーツとやらを着させてくれないかと頼み込む為に羅生門研究艇を尋ねたのだ。
ギガントスーツとは、壊獣と戦う為にシロウが開発した強化外装であり、古代の技術を用いた物で使用者の身体にとんでもない負荷をかけるリスクを伴う。
ミホノブルボン自身それを所望したのだが、前述の通りとんでもない負荷がかかるのと、シロウのギガントスーツ一着しか強化外装としての運用をされている物がなく、彼女には内緒でコスプレ用のギガントスーツを着せることになった。(コスプレと言ってもゴツいギガントスーツなので一人では着られない。シロウに手伝って貰っている。)
「よし、これで大丈夫だ。」
「着装、完了しました。ありがとうございます。」
ギガントスーツを着ることが出来たのを確認し、ミホノブルボンはクルリと一回転。心なしか高揚しているようである。
だが、突如としてサイレンが響き渡る。
「ッ!?壊獣か!」
「急行。私が行きます!」
「着せてるのそれコスプレ…って速ァ!?」
壊獣出現のサイレンにいち早く反応したミホノブルボン、【コンセントレーション】が発動したかの様にサイレンが鳴り次第即行動。バクシン的委員長も花丸をあげるレベルである。
羅生門研究艇はちょうどある島へと停泊しており、その島からの通報なのだが、快調に飛ばしていく。
「発見。撃退目標、壊獣。」
ここまでのタイム、サイレンが鳴ってからおよそ二分。
壊獣を発見次第、彼女は蹴る、蹴る、蹴る。
彼女の豪脚で蹴り飛ばされた壊獣はどてっ腹に風穴を開けて倒れる。
「ちょ……速い………って!?」
シロウが駆けつけた頃には小型の壊獣は全滅。
残った巨大壊獣とミホノブルボンのタイマンであった。
「必殺。ハイパーメガトンキック。」
彼女は向かってくる壊獣に背を向け、タイミングを合わせて脚をバチバチと放電させ、回し蹴り。
数秒もがいた後、巨大壊獣は爆発。島に平和が戻ったのである。
(ぷ、プラシーボ効果………)
ウマ娘自体の身体能力もあったろうが、思い込みだけでここまで強くなれるものなのかとシロウは戦慄した。
その後ギガントスーツがお気に召したブルボンは、コスプレをまるまる持ち帰り、ライスシャワーに着させて楽しんだという。
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