「偶には…桜を見てゆっくりするのもいいなぁ〜」
近所に咲いている桜を、ベンチに寝そべって見ながら言う。
ここに新聞か雑誌を顔に被っていれば、なんかかっこいい奴みたいになるんだがな…あいにくない。
「奏さん…こんな所で何してるの?」
そんな僕をのぞき込むようにして、そう話してくる顔が僕の視界に映ってきた。
「つくしちゃんか、桜をこうやって見てるだけだよ?」
「桜を見てるだけって…不審者に見えますよ…」
不審者って…まぁ…分からないけど…
「じゃ…家に帰って、新曲の歌詞作りの続きでもするか」
ベンチから立ち上がって、家に帰ろうとしたら、そんな僕の手を握ってくるつくしちゃん
「奏さん、どこに行こうとしてるんですか?」
「えっ?家に帰って、新曲の続きを作るんだけど?」
と何も思わず言ったら、つくしちゃんが笑顔で
「今日から学校だけど…大丈夫?」
「…」
そういえば…今日から学校だったっけ…
「…今って、何時?」
「私が出たのが8時前だったから、もう8時過ぎてるかも…」
つくしちゃんからそう言われた時、頭の中が真っ白になった。
「よし…今日1日くらい休んでも問題ないか」
「遅刻してでも学校に行って!!!」
つくしちゃんのその言葉は、この周辺一帯に響いたのだった。
*****
そして、なんとか学校には間に合って、放課後である。
学校の中では、特に何かあった訳ではないから、言わなくてもいいだろう
「さてと、さっさと家に帰って、歌詞作りの続きでもするか」
と学校の校門までは、ゆっくりと歩いて、ある程度、学校から離れれば学校の面子はいないから、テンション高めでスキップしながら帰っても大丈夫だろうという訳で、スキップしながら帰ります。
「あれは…私のクラスメイトの音無奏君だったっけ…なんでスキップしながら帰ってるんだろう…」
スキップしながら帰ってるのを見ていられるとは知らずに、僕は家に着いて、PCの前に座る否や早速歌詞作りをやっていく。
それから、しばらくして
プルプル~プルプル~
とスマホに電話がかかってきた。
「電話…?誰からかかってきたんだろう…」
僕の電話番号をしっているのは、両親を除けばつくしちゃんしかいないはず…
「誰だ…この電話番号…」
スマホの画面には、見たこともない電話番号が載っていた。
恐らく、間違い電話だと思うから、出て間違ってますと言えばいいかと思い、その電話を出た。
「あっ…出た」
電話に出ると、声からでも分かる可愛い女の子の声だった。
まぁ…間違い電話って言って、さっさと切ろうと思って、そう言おうとしたのだが
「音無奏さんの電話で合ってますか?」
言おうとしていた事がすべてどっかに飛んでいってしまった。
というか…なんで僕の名前をフルネームで知っているんだという事も加わってますます混乱してくる。
「あれっ…もしかして…違いましたか…」
とりあえず…間違い電話ではない事は確かだから、相手するか…
「いえ、間違ってないですよ」
「良かった~また、やっちゃったかと思いました~」
この言葉的に、すでに何回も間違い電話やってんのかこの子は…
「それでどうかしましたか?」
「あっ!要件言うの忘れてました!」
「うん…それで?」
「二葉つくしちゃんから聞いたんですけど…私達の曲も作ってくれませんか?」
「色々と整理したいんだが…まず、名前を教えてくれない?
「私ですか?」
「うん…」
「上原ひまりって言います」
「ひまりちゃんね…なんで、僕の名前と電話番号しってんの?」
「その様子だと気づいてないのかな…君と同じクラスだから知ってるんだよ?電話番号はつくしちゃんから教えてもらったよ」
どこから情報が漏れるってこの事なのか…
平穏に曲を作って、それを動画サイトに投稿して、学校では目立たないようにと生きていこうと思っていたのに、なんでこうなってしまったんだ…
なるべく早く更新したいです。