天才ゲーマーとLyrical Lily 作:ユーリア・エドモンズ
春奈「美夢さん、本気でおっしゃってるんですか?またあんな遊びがしたいと?」
美夢「うん。好きな音楽をかけて、歌ったり、踊ったり……あのとき、私、すごく自由な気持ちになれたの。やっぱり……あれで終わりになんてしたくない」
みいこ「みいこも美夢ちゃんのお歌、もっと聞きたい……!」
胡桃「ん〜……正直言えば、わたしももっと遊びたいな。せっかく、あんな面白いもの見つけたんだし」
春奈「……わたくしは……賛成できません」
胡桃「言うと思った。やーっぱ、いいんちょだな〜」
春奈「誰がいいんちょですかっ!わたくしは、風紀委員ですっ!」
永夢「これに関しては、今までのイタズラとはレベルが違うからな。春奈の気持ちもわからなくはない」
美夢「うーん……シスターたちは、なぜそこまで、音楽を楽しむことを禁止しようとするのかな……?」
春奈「音楽というよりは、それを取り巻く環境が問題なのではないでしょうか。ほら、そのう……世間のクラブやパーティでは危険や悪徳がはびこっているというでしょう?」
みいこ「アクトクって、悪いこと?……なにが悪いことなの?」
春奈「なにがって……わ、わたくしの口からはとても言えるようなことではありませんっ」
胡桃「……どうせ、春奈ちゃんもよく知らないんじゃないの?」
春奈「うっ。……今は、そんな話をしているんじゃありません。シスターたちが、どう思うかという話ですっ。このことを知れば、シスターはわたくしたちを、俗世の悪に染まってしまったとみなすでしょう」
永夢「バレたら謹慎。最悪の場合は退学だぞ」
春奈「美夢さん。……あなたに、その覚悟はおありですか?」
美夢「私は……私は……それでも、やってみたい。自分の気持ちに、嘘はつきたくない」
春奈「……、わかりました。そこまでおっしゃるなら、これ以上、止めはしません。わたくしも最後までおつきあいします」
胡桃「えっ……春奈ちゃんも?」
春奈「ええ。貴重な機材を、思う存分いじりまわせ……もとい、あなたたち問題児に管理させるわけにはいきませんから。中等部二年生のときのこと、覚えていますか?あなたたちときたら、こともあろうにグランドピアノを……」
胡桃「うへ〜。それはもう時効だって〜!」
みいこ「美夢ちゃん。次はいつ、DJするの?」
美夢「え?そうだね、うーん……」
永夢「やるのはいいんだけど、少し時間をもらってもいいか?」
美夢「永夢くん、どうしたの?」
永夢「準備があるんだ。胡桃、みいこ手伝ってくれ」
胡桃「え?」
みいこ「みいこたち?」
永夢「DJ活動を本格的にやるなら、俺の家だと時間が限られる」
みいこ「わかったの!」
胡桃「隠れ家を使うんだね!」
永夢「すぐにできるようにする」
数日後
永夢「美夢、準備が終わったから今日からできるぞ」
美夢「ありがとう。永夢くん」
図書館裏
みいこ「胡桃ちゃん、だいじょーぶなの。今なら、誰もみてないよ」
胡桃「オッケー!よい、しょっ……と!」
美夢「えっ!?これって……階段!?」
春奈「どういうことです?なぜ、植木の茂みの中に、こんなものが……」
胡桃「話はあとあと!とにかく入って!ほら、春奈ちゃんも、早く!」
5人は旧地下書庫跡に入った。
美夢「わっ。広い……!学院の中に、こんな場所が……」
胡桃「へっへっへー。いいでしょ〜。ようこそ、わたしたちの秘密の隠れ家へ!高等部にあがってすぐ、みいこちゃんと見つけたんだ。電気もちゃんと来てるんだよ!永夢くんが知ってるのはビックリしたけど……」
春奈「もしかしたら……ここは、図書館の遺構かもしれませんね」
美夢「遺構?かつて図書館だった場所、ってことだよね?」
春奈「そうです。有栖川学院は長い歴史の中で、施設の増改築を繰り返してきましたから。これは想像ですが……地下書庫だったものが、手違いで取り壊されないまま放置されてしまったのでは?」
永夢「なるほどな。それなら電気が通ってるのも納得だな」
春奈「ですが、勝手にこんな場所へ入って遊んでいたなんて大問題ですっ。どうする気なんですか!?」
胡桃「うへえーっ。こうなるからイヤだったんだよー。いいんちょにここ見せるの……」
春奈「誰がいいんちょですかっ!!」
美夢「ここは大切な、ふたりだけの秘密の場所だったんだよね。なのに、どうして教えてくれたの?」
胡桃「ん……そりゃあ、だって……ね?」
みいこ「みいこたち、いつも美夢ちゃんに助けてもらってるから、その恩返しなの〜」
美夢「私のために?そうだったんだ……ありがとう、ふたりとも」
春奈「むむっ……しかたありませんね。わたくしも、鬼ではありません。このことは、シスターたちには黙っておきます」
胡桃「ホント?へっへっへ〜、ラッキー♪」
春奈「い、言っておきますが、今回だけ、特別ですからね!」
永夢「やっぱり、春奈も甘いよな」
春奈(とはいえ……壁も厚くて防音の心配も要らなさそうですし、DJをするにはいい環境かもしれません)
永夢「準備は終わってるから、いつでも出来るぞ」
春奈「では、はじめるとしましょう。ぐずぐずしていたら、すぐ下校時間が来てしまいますから」
数時間後
美夢「……ふう、今日もたくさん歌っちゃった。みいこちゃん、胡桃ちゃん。コーラス入れてくれて、ありがとう。ふたりともすごく上手だね!」
みいこ「えへっ。みいこ、前から美夢ちゃんと一緒に、お歌をうたってみたかったの」
胡桃「わたしもわたしも〜」
春奈「素晴らしい音楽と、みなさんの歌声に包まれて……わたくしも、まるで夢の中にいるようでした。これが背徳……禁断の果実の味なんですね。なんて甘美なのでしょう……」
胡桃「えっ、急にどうしたの、いいんちょ……」
春奈「誰がいいんちょですかっ!こほんっ。それはそうと……わたくし、ひとつ気になったことがあります」
美夢「なあに?」
春奈「この集いをこれからも続けていくと決めた以上、わたくしはDJとして、全員を楽しませる義務があります」
みいこ「おおー……その気になってる……」
春奈「ですが、ここにあるレコードは古いものばかりですし、みいこさんや胡桃さんの好きな曲もありません。より充実した集い……DJパーティを行うためには、もっと多くの音源を手に入れなくては!」
胡桃「え。……それ、わたしたちのため……ってこと?」
春奈「うん?なにを驚いているんですか。わたくしたちはお友達なのですから、そのくらい当然です」
美夢「春奈ちゃん……!その考え、とっても素敵だと思う。でも、どうやって曲を増やせばいいの?」
映司「増やすなら買いに行くしかないと思うんだけど、調べてるのか?」
春奈「ふふふ。そこも抜かりはありません。父がレコードをどこで購入しているか、調べてみたのです。それでわかったのですが、街には、レコードを専門で取り扱っているお店があるとか……!」
みいこ「そこに行ったら、レコードが買えるの?あ、でも……パパやママにお願いするのは……」
春奈「ええ、秘密の集いに使うものですから、大人の方に手伝っていただくわけには参りません。 ですから!わたくしたちだけで、お買い物に行くのです!」
美夢・胡桃・みいこ「えええええ〜〜〜〜っ!?」
永夢「嫌な予感しかしない……」
周年イベでランクが30くらい上がりました
今月中にはもう1回くらい投稿できるように頑張ります
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