天才ゲーマーとLyrical Lily 作:ユーリア・エドモンズ
サブタイはエグゼイドから
永夢「あ、そうだ。もう少しで、サブチャンネル動かすから、暇だったら観てくれると嬉しいかな」
永夢は、朝からゲームの配信をしていた。
『何するんですか?』
永夢「何するかね……ゲーム以外のこと全般かな……俺の趣味とか……もうひとつあるけど……秘密だな」
『趣味?ゲーム以外にも何かやってるの?』
永夢「あー、カードゲームとか、特撮とかは好きだよ」
『色々な趣味があるんだな』
永夢「一応、謹慎で暇だから、朝から配信してるけど、俺、一応は学生だしな」
『謹慎?何やらかしたの?』
永夢「天才ゲーマーってことをバラした」
『それだけ?』
永夢「そういうの禁止のところだからね」
『でも、バレたわけじゃないんでしょ?』
永夢「うん。助けたい人がいたから」
『彼女?』
永夢「幼馴染」
『へー』
『謹慎なんだ。退学とかじゃないの?』
永夢「退学届は出したけど、どうなるかなってところ」
『出したって……』
永夢「……そろそろ、時間か。今日はここまでだな。夜にまた配信するよ」
『おつ』
『お疲れ様でした』
『夜ね。了解』
永夢は配信を切った。
永夢「今日だったよな……美夢たちが学校に行くのって」
有栖川学院
美夢「永夢くん……やっぱり、いない……」
春奈(永夢さんがいないのに、シスターの話が始まってしまいました……)
胡桃「あの、シスター……永夢くんは?」
みいこ「永夢くんがいないのに、話を始めるの?」
シスター「彼は退学届を出しました」
美夢「え……?」
春奈・胡桃・みいこ「ええええぇぇぇ!?」
シスター「静かにしなさい!」
美夢「……っ!」
シスター「あなたたち4人の処分はまだ決まっていません」
春奈「永夢さんは……」
シスター「彼の退学も確定してはいません。今日、これから理事長先生に、あなたたちの処分を決めていただくのです」
有栖川学院・礼拝堂
シスター「これより理事長先生がいらっしゃいます。みなさん、決して粗相のないように!」
春奈・胡桃・みいこ「ゴクリ……」
美夢「理事長先生……。いったいどんな方なんだろう?」
老修道女「よっこいしょ、っと……」
老修道女が美夢たちの前に現れた。
老修道女「ああ、あんたたち、そんなにかしこまらなくて結構、楽になさい、楽に」
美夢「え?あれっ?あなたは……聖歌隊の公演でお会いした……?」
老修道女「ふふ、そうさ、久しぶりだねえ、お嬢さん」
みいこ「あのおばーちゃん、美夢ちゃんの知り合いなの?」
美夢「うん。でも、どうしてあの人がここに?理事長先生がいらっしゃるはずじゃ……」
シスター「こ、これっ、あなたたち!失礼ですよ!その方こそが、我が学院の理事長先生です!」
美夢「えっ……ええーーーーっ!?」
老修道女「実はそうだったのさ。驚いたかい?」
美夢「は、はい。でも……どうして教えてくださらなかったんですか?」
老修道女「必要がなかったからね。第一、初対面でそんなふうに名乗ったりしたら、みんな身構えてしまうだろう?」
シスター「……理事長先生。そろそろご裁定を」
老修道女「そうだったね、はいはい」
美夢「……」
老修道女「その前に……お嬢ちゃん」
美夢「はい?」
老修道女「あんたたちの音楽への想いを話してもらおうかね」
美夢「……はい。私は『Lyrical Lily』として、たくさんの人を笑顔にすることができました。友達を……クラスのみんなを……そして、私自身を。私はそれがあやまちだったなんて思いません」
春奈「美夢さん……」
美夢「そして、もし許されるなら……これからも、もっと多くの方々に、この喜びを届けたいと思います!」
老修道女「あんたの想いは分かったよ。今の話を踏まえ……」
美夢「……」
老修道女「桜田美夢、春日春奈、白鳥胡桃、竹下みいこ……そして、上條永夢。以上5名の校則違反を、不問に処す!」
一同「不問!?」
胡桃「……って、なんだっけ?いいこと?」
春奈「そ、そうです!罪を問わない……つまり、許してくれるということですよっ!!」
胡桃「うっそ〜!?ほんとに〜〜!?」
みいこ「よかった〜!理事長先生、ありがとうございまーす♪」
美夢「でも、永夢くんは……退学届を出したって……」
老修道女「これのことかい?」
老修道女は退学届を見せた。
老修道女「不問なんだから、これは、もう必要ないね」
老修道女は退学届を破いた。
シスター「なぜですか、理事長先生!?この子たちは、神聖な学院に背徳的な機械を持ち込み……彼にいたっては、蛮族的な遊びをしていたんですよ!?」
老修道女「おやおや。あんた、この学院の歴史を知らないのかい?」
シスター「な、なんのことですか?」
老修道女「それなら、話すとするかね。あたしがまだ、あんたと同じシスターだった頃の話を」
美夢「シスターだった頃?」
老修道女「いたんだよ。ひとり、上條永夢と同じことをしたやつがね」
春奈「それって!?」
みいこ「春奈ちゃんは知ってるの?」
春奈「は、はい。図書館で読んだことはあります。まさか、当事者がいるとは思いませんでしたが……」
老修道女「音城麗奈。当時、この学院の生徒会長だった」
美夢(この名前、どこかで聞いたことが……)
老修道女「彼女は凄かったよ……成績優秀で運動神経も良かった」
みいこ「完璧超人なのー!」
老修道女「でも……あることが、バレて退学しそうになったんだよ」
胡桃「え?」
老修道女「他校の生徒と一緒に、ゲームセンターに入っているのを、見られていてね。当時、学院内で問題になったよ」
美夢「他校の生徒?」
老修道女「その話はまた後で、あたしたちは彼女を呼んだ。だが、彼女はここに、全生徒を集めて、演説を始めたんだ」
みいこ「すっごい行動力なの……」
老修道女「『私は、この学院の生徒だけど、校則なんて気にしないで、自由に生活する!』ってね」
春奈「ツッコミどころ満載ですわね……」
老修道女「そして、とある生徒が真実を語ったんだよ」
春奈「副会長の上條魁斗さんですよね?」
美夢(永夢くんのお父さんだ)
老修道女「彼が麗奈を連れて行ったとね」
胡桃「他校の生徒って……」
老修道女「変装をした魁斗だよ」
みいこ「ふたりはどうなったの?」
老修道女「ふたり揃って、退学届を持ってきた時は笑ってしまったよ……もちろん、さっきみたいに破ったけど」
美夢「もしかして、永夢くんと会ったことも?」
老修道女「ある。小さい頃だったから、覚えてないだろうけどね」
美夢「じゃあ、やっぱり……」
春奈「美夢さん?」
胡桃「そのふたりって今、何してるの?」
老修道女「ゲーム会社の社長と、その秘書」
春奈「幻夢コーポレーション……!?」
老修道女「そして、その息子が上條永夢ってことさ」
シスター「……ですが、理事長先生!」
老修道女「あんたは上條永夢が、天才ゲーマーMだって気づいてたのかい?」
シスター「い、いえ……あの退学届を見るまではまったく……」
老修道女「どうして、天才ゲーマーだって正体を明かしたと思う?」
美夢「私たちのため……」
老修道女「そう。あんたたちの処分が謹慎だけで済んだのも、上條永夢のおかげなんだよ」
春奈「ど、どうして……」
老修道女「自分を犠牲にして、あんたたちを助けたかったんだよ。一番大切な人に話をせずにね」
美夢「……」
永夢「いや別に、そういうつもりではないんだけど……」
美夢「え……?」
胡桃「永夢くん!?」
春奈「どうして、ここに!?」
みいこ「永夢くんは、まだ謹慎のはずなの」
永夢「理事長に呼ばれた」
老修道女「ここに来たってことは、断ったみたいだね」
永夢「俺が日本から離れるのは、まだ先ってことだよ」
胡桃「な、なんの話をしてるの?」
永夢「海外のゲーム会社から呼ばれたんだけど、しばらく日本から離れないといけないから」
美夢「私、聞いてないよ……」
永夢「母さんから、理事長が退学届を破り捨てたって、言われるまで行く気だったしな」
老修道女「あのふたりの息子だ、何かやらかすとは思っていたからね」
美夢「永夢くん!」
永夢「っ!」
美夢は永夢に抱きついた。
永夢「で、理事長。不問にするとは言ったけど、何か俺たちにやらせる気だろ?」
老修道女「よく気づいたね」
永夢「母さんが言ってた」
老修道女「そう身構えることじゃないさ……来月行われる、姉妹校との交流パーティで、あんたたちの腕を振るってほしくてね。ふふふっ!」
春奈「……なっ!?」
美夢「こ、交流パーティで……私たちが!?」
夜 永夢の部屋
永夢「おー、夜だと多いな」
『仕事終わってるからだよ』
『そういえば、謹慎の件どうなった?』
永夢「不問だって」
『草』
『天才ゲーマーってこと、バラしただけってこと?』
永夢「そんな感じだな……でも、来月からサブチャンネルで生配信か、動画上げる準備はしてる」
『随分と急だね』
『朝に動かすとは言ってたけど』
永夢「でも、面白いのは間違いないよ」
永夢のゲーム配信終了後
永夢「もしもし?」
美夢『永夢くん?どうしたの?』
永夢は美夢に電話をかけた。
永夢「いや……特に用はないよ」
美夢『……そっか』
永夢「……」
美夢『私ね、永夢くんに言われたこと、ずっと考えてた』
永夢「あれか……」
美夢『永夢くん言ってたでしょ?聖歌隊と永夢くん……どっちを選ぶって』
永夢「ああ」
美夢『私は、両方選ぶことにした』
永夢「欲張りだな」
美夢『永夢くんはどうして、私を選んだの?』
永夢「それは、お前のことが……いや、これは直接言った方がいいな」
美夢『え?』
永夢「なんでもない……そろそろ切るぞ」
美夢『え?まだ答え言われてな――』
永夢は電話を切った。
永夢「言うのは交流パーティの後でいいか……」
生配信のコメント、あんな感じでよかったかは分からない。
幻夢コーポレーションはオリジナルとは違ってホワイト企業です。
次回、永夢が告白する予定の話
リリリリ以外の誕生日の話いる?
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いる
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いらない