俺の個性がそう言っている   作:大紫蝶

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夏休み2

「ねぇ、よう君はさ。どれぐらい強いの? 」

 

 勉強に付き合っている時、先輩からこんな事を聞かれた。俺が強いか?そんなの

 

「少なくとも、直接やり合って負けたことは無い。10歳以降なら、ヴィラン相手にかすり傷1つ受けたことないけど?」

「じゃあさ。戦ってよ!私ね、皆から強いね〜って、言われてたけど、雄英にはどれだけ強い人が来るのか分からないからさ、知りたいんだ〜!!」

 

 そういえば、何年か前まで雄英の実技試験は対人だったな。その勉強と思えば良いのか?

 それにこいつにも驕りがあるな。強個性と言われる人間は周囲から持ち上げられて、自尊心が肥大化する事が多い。だが、実際に強い奴らの多くは『生まれながらの強個性』ではなく、『技術や戦略、アイテムなどによる強個性にした』者たちだ。ここで伸びきった鼻をへし折るのも、先輩の為か...

 

「いいよ、やろう。」

 

 その後、先輩は直ぐに学生に貸し出されている個性練習施設に予約を入れた。その名の通り、個性の練習が出来る施設で、受験でヒーロー科志望の奴らはここに入り浸っている。そこでは個性の使用許可があるため、ある程度自由に個性を使えるのだ。

 俺たちは施設の1区画で戦闘訓練を行うことにした。先輩は自信満々だ。自分が勝つとしか思ってないな。

 はっきり言おう、サポートアイテム無しで先輩の個性”波動”に勝つのは不可能だ。単純な話、ビームを防ぐには”硬化”の様な防御個性が必要。そして、先輩は遠距離攻撃+飛行能力持ちで、それに勝つには遠距離攻撃が必要だ。だって、飛んで撃ちまくれば勝てる、それが先輩の個性だ。

 これが強個性。基本的に強個性VS強個性が当たり前なのだ。強個性VS弱個性とかなら強個性が勝つしな。バレーとかバスケで身長高い方が有利なのと同じ理屈。もっと言えば、身長差が4-50cm(下手すると1m単位で)違うと考えればいい。だから、自尊心が肥大化するのだ。何もしなくても勝てるから。

 じゃあ、俺が勝てないか?俺は情報・索敵系の個性だ。攻撃・防御力はない。

 

「じゃあ、いっくよ〜!!!」

「”ねじれちゃんビーム”!」

 

 ネーミングセンスねぇな。だが、先輩の全力攻撃。ここには怪我してもいいように医師もいるから、全力を出したのだろう。出力・範囲共に同年代で最高クラスだ。

 

 それでも断言出来る。

 

「”気功・流水岩砕拳”」

 

 俺はその”なんちゃらビーム”を真横に捻じ曲げて、壁に当てた。

 

「...えっ?」

「何驚いてるんだ?」

 

 俺は”空中を走り”先輩の頭にチョップを入れる。

 

「イタッ!」

「まったく、あんだけ自信満々に言ってたのに。結果は呆けて終わりとか、やる気あんの?」

「いやいや!おかしいよね!?だって、ビームを曲げて、空を走るって!もしかして、また個性隠してるの!?」

「いや、今のはただの武術だよ。」

「へっ?」

 

「いいか、元々超常黎明期の後半まで”個性”は今ほど強くなかった。だから、”武術”が強者の基本だったんだよ。」

 

 武術は技術であり、研究でもある。

 ある最強の武術を倒すために新たな最強が生まれ、それを倒すためにまた新しい最強が生まれる。少しずつ最適化され、その時代に合うように変化してきた。長い年月研究され、少しずつ強くなったのが武術なのだ。

 超常黎明期において、電気を纏い、高熱を帯びた身体はスタンガンや熱した鉄に等しい。浮遊の”個性”なら高所から一方的に殴れる。身体強化なんて言わなくても分かるだろう。その他、薬物の”個性”や体を液体や気体に変化させる”個性”すら現れた。そのようなヴィラン相手に銃火器など意味をなさない。当時の武術もそうだった。

 だが、武術は()()()()。空中を移動する技やいわゆる空気砲で遠距離攻撃を行い、当時の強”個性”と戦った武術家たちがいた。その中でも”気”と呼ばれるエネルギーが注目されてた。気にも種類があるが、その多くが非物質に干渉できるという特性を持っていた。これによりエネルギー系の”個性”や液体化、気体化の”個性”に対抗できるようになった。

 それに、超常による人体への影響は”個性”だけでなく、身体機能の向上という形でも現れた。分かりやすく言おう。人間は鍛えることで増強系”個性”に匹敵する身体能力が得られるのだ。これは論文でも発表されているが、当然”個性”の話題が中心の世の中なので、知っている人間なんてほとんどいないだろう。俺だって、先生の雑談から知ったんだし。その論文もネットにあった。普通に分かりやすかった。

 

「要は、先輩のビームを非物質にする干渉できる”気”を纏った手で受け流したんだよ。受け流した武術は”流水岩砕拳”の基本技だな。俺の”個性”と受け流しは相性が良くてね。空中歩行は”月歩”と言われるもの。どちらも60年前までは普通に使われたけ、今は”個性”も強くなったし、サポートアイテムも充実してるから使う奴なんていないと思うよ。」

「それじゃあさ、それって私でもできるの!?ねぇ!?」

「いや、習得に年単位でかかる武術とそこからさらに何十年とかかる”気”を覚えるくらいなら、”個性”伸ばしした方が早いよ。はっきり言って、習得難易度が高いし、”個性”の方が楽だし。」

「でもさ、でもさ。できることは増やした方がいいよね!ね!」

「(うわー、この人ホントに幼稚園児みたいだな~)じゃあ、雄英に合格したら教えてやるよ。どうせ、今からやっても中途半端だろうしな。」

「ホント!?約束だからね!絶対だよ?」

「ああ、俺はルールを破ることはあっても、約束は破らない。」

 

 他人に強制されたルールならともかく、自分で決めたことを破るバカはいないだろうに。

 先輩は嬉しそうにしながら帰っていった。まぁ、ヒーロー科に行けば疲れてそれどころじゃないだろうがな。ぐったりしている先輩の未来を見ながら、俺は帰る。それでも、本当に教えて欲しいなら何か教えるかな。




 未来予知で攻撃をかわす・受け流す迅悠一のスタイルと攻撃を受け流す流水岩砕拳は相性がいいと思い採用しました。
 ”個性”は世代が後になるほど強くなるのが原作の設定なので、昔は”個性”はそんなに強くなかったんじゃ?と考えました。そこで武術や気で戦うヴィジランテがいてもおかしくないかな~という考えです。
 以上より原作変更点は下の通りです。今後、変更や追記の予定があります。

〇原作変更点
・60年前まで、武術主体の戦闘は普通だった。
・”気”は精神力と生命力に、強い心が掛け合わさり使えるエネルギー。
・極限まで鍛えれば、その辺の増強系並みの身体能力が得られる。
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