『今日は俺のライブにようこそ!エヴィバディセイヘイ!』
ここは雄英高校、そして今はその入学試験の実技試験の説明会。ヒーロー科の試験は基本的に実技の方が重視される。これは戦闘能力がない者にヒーローはなれない、というより、なってはいけないから。別に差別ではない、警察やヒーローは恨みを買いやすい、ヒーローは特に。そのため、基本的にヒーローは個人情報を表に出すことはないし、家族構成を教えることすら珍しい。芸能人や会社の経営者も本人や家族がヴィランに狙われないように、芸名などを使うことは普通だ。だから、最低限の戦闘力がないとヴィランに襲われた時に身を守れない、女の子なら特に必要なことってよう君から教えてもらった。そういう現場を見たこともあるらしくって、その話はすごく怖かった。
だから、ヒーロー科の試験は実技重視のため、弱い”個性”や”無個性”では戦闘能力がないとしてヒーローにはなれない。・・・”個性”関係ないのに強い人も身近にいるけど。
そして、今回の試験は街中での救助。内容はヴィランによるテロが発生、救助者(人形)100人を全て救助所(スタート位置)に回収すること。そして、救助所の防衛だ。試験中の全ての行動が評価される。なら、
「ねぇ、皆の個性を教えて!」
『スタート』
私たちは基本的に5-6人のグループで動くことにした。ヴィランと相手する2人、索敵1-2人、救助する2人だ。これを4チーム程作る。
他に私を含めた上空から人形やヴィランを見つける役割。私たちがヴィランや人形を見つけてグループをそこに誘導する。索敵役が居ない救助や戦闘専門のグループも作って、私たちが指示を飛ばした。勿論、救助所防衛役も配置してだ。
それでも協力してくれたのは半分ほどだった。人形を横取りしてヴィランにやられたり、人形を壊した受験者もいたけど、何とか98体の人形を回収した。残りは救助グループが運んでいる5体で終わる、その時
『市民ヲブッ殺ス!!』
『ヒーロー倒ス!!!』
『街ヲ破壊シロ!!』
「嘘...」
「おい!一体なんだ!?何があった!」
「ヴィ、ヴィランの増援!大体50!」
「「「「「はぁ!?」」」」」
後少しと言う所でヴィランの増援だった。それにしてもこちらの数(協力してくれてる人)は救助してる人入れても60人、ヴィランは増援含めて70体いる。
「皆!中・遠距離の”個性”はどれだけいる?後近距離戦闘できる人!」
「それなら俺が居るぜ!」
「私もできるわ!」
「僕も居るよ〜!」
「俺は近距離だ!!」
「(射程持ちは20人、近距離が15人。残りは救助してるグループだから...)なら、私の指示に従って!上手く行けばここで終わらせられるの!」
作戦はこうだ。救助グループを1箇所に集めてそれを近距離”個性”持ちで護衛しながら救助所に走る。射程持ちは遠距離から攻撃を集中させて火力を上げ、注意を逸らす。後は、道路を凸凹にさせてヴィランの機動力を少しでも下げる。
ヴィランを引きつければ救助グループを救助所にたどり着け易くなる。それでも抜けたら私が空からビームで足止めする。これはヴィランが遠くにいる今がチャンス。ヴィランが近づき過ぎると他の人に誤射するかもしれない。
反対意見もあったけど、これしかやり方が見つからない。お願い、成功してっ!!!
結果から言えば、無事に成功した。抜けた2-3体は私が倒したし、他は作戦通りに上手くいった。
こうして、私の雄英高校入試は終わった。
「それでは審査を始めようか!先ずは・・・」
「コイツだろ!波動ねじれ!!!」
「彼女は凄いですね。この試験の趣旨を理解し、半数の受験者を味方に付けた。」
「彼女八精神干渉ノ”個性”デハナイノカ?」
「いえ、”個性”は”波動”、いわゆるビームを発射、空中浮遊が出来るようです。」
「実に合理的な采配だった。ポイントの奪い合いになりがちなルールの中、最適解に近い指示を出していた。」
「イレイザー、それは”プロ”としてでしょ?”卵”としてなら120点でしょ!」
「戦闘も良いな。普通以上に戦えていた。」
「どうやら、彼女は中学時代にヴィランに襲われた経験があるようだね。」
「「「!?」」」
「あぁ、大丈夫だよ。近くにいたヒーローが直ぐに助けたらしい。彼女はその一件以降、特に鍛えていたようだよ。」
「まぁ、彼女は文句なしで合格でしょう。」
「それにしても、実技の合計点数100点ですか・・・」
「今マデ100点ヲ超エル人間スラ中々イナイノ二ナ。」
「それだけ優秀な生徒が来るってことだからね!」
「(個性、判断力、統率力などに加えて救助の知識もある。これは既に仮免レベルだな。まぁ、上手く行けば1年で仮免取れそうだが。まぁ、こいつなら
こうして、波動ねじれの雄英高校入試は首席合格という結果で終わった。
当然、福佐に結果を伝えた。彼は数ヶ月前には分かっていた事だが。