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私は恐れ多くもNo.10ヒーローを名乗らせていただいているリューキュウと言います。
かなり早いうちに名を上げたことから、質の悪い人間が私の事務所に入ろうとしたりして、信用できる人間がなかなか集まらないというのが現状です。以前、仕事でお世話になった紳士ヒーロージェントル・ジャスティスは過去の経歴から人が集まらないと嘆いていたけど、私も似たことが起きるとは思わなかったわ。
それでも優秀なサイドキック2名に事務員たちがいる。事務所もそれなりなのですが、サイドキック不足は解消できそうなのよね。
それが職場体験からインターンをしている現在までうちにいる”ねじれちゃん”。彼女は雄英入試でも歴代最高クラスの成績、2年連続体育祭優勝、現在でもヒーローランキング50位圏内に入るほどの実力がある。彼女は卒業後、うちの事務所に入ってくれるらしい。よく話している男の子が事務所を作ったらそっちに行きたいと言っていたけど、その彼もうちでしばらくお世話になりたいらしいから問題はないかな。2人が独立するくらいには他にもサイドキックが増えているでしょうし。
そんな将来の不安が少しずつなくなってきた私がこんな回想をしているのは訳がある。ことの発端はねじれがインターンの継続手続きに必要な書類にハンコが押されていなかったことだ。それでハンコを家族に届けてもらうと言っていたのだけど、せっかくだから噂の彼に会いたいという話になったのよ。ねじれを育てた年下の男の子。ねじれの話通りなら強力な”個性”持ちで雄英主席合格すると断言する人物。職場体験やインターンでうちに来たいというなら今から唾をつけておいて損はないだろうと思ったわ。
なのに、なのに、なんであの超危険人物”迅悠一”が来ているの!?
迅悠一、元ヴィランや元ヤクザなどを積極的に取り込んでいる人物。公安からマークされ、一部のヒーローや警察からはヴィラン予備軍と言われている。彼が本当にヴィランとなれば被害は甚大だ。
分かっているだけでも、戦力は1000人以上。そのうち数名は私たちトップ10クラスでやっと対抗できるレベル。その数名のうち2人、黒野と血影はヒーロー免許を持っている。
彼らはヒーロー養成学校に通学した経歴はないはずなのに、ヒーロー免許を持っている。他の人間は彼が「危険な”個性”や境遇故に保護している」と公言しているため警察でも捜査ができない。人権侵害が認められるほどの犯罪を起こしていないければ、その様子すら見られなかったからだ。それでも脅威と言わしめるのは彼の持つ未来視だ。もし、未来を視て、最悪の未来を選択すれば?彼の保有する戦力でそれを行ったら?そういう理由から危険視されている人物だ。
客観的に見ればそうなのだが、地元の警察やヒーローの殆どは問題がないと言っている。また、犯罪者の社会復帰を手伝っていると言われればその通りだから文句が言えない。私としてもよく分からない人物だと思うわ。
それ以外に問題がある。ジェントル・ジャスティスがいい例だ。彼も本来はヒーローになれるはずがなかったけど迅悠一の手により免許を取得、その後ヒーロー活動をしている。彼の評価は微妙だけど、その実力から順調にランキングを上げているヒーロー。過去の経歴がなければ既に50位以内に入っていてもおかしくない実力だった。サイドキックは2名だけど十分すぎる戦力があると思う。動画投稿をよくしているし、紳士風の態度を嫌う人も多いけど、アイドルヒーローとかに比べればマシね。
迅悠一の周りには似た境遇の人物が多い。そんな何らかの問題を抱えている人間を組織に加入、あるいは協力させている。そして、現在のヒーローコスチューム会社の半数の実権を握っている。彼が本気になればヒーローのコスチューム提供を停止できる権限があるのだ。医療機器や薬品の一部にも口が出せる人物のため、これ以上力を付ければ警察もヒーローも手出しできない存在になってしまう。それまでに彼の粗探しをするようにとヒーロー協会や警察から命令が出ている。具体的には公安からと言った方が正しいけど。
さて、現在最大の問題はその迅悠一が私の目の前にいて、ねじれの思い人ってことね。大丈夫よね?私も公安からマークされないわよね?というか、無事に帰れるかしら。もしかし「あの~」
「あの、聞いてますか?先輩のハンコ届けに来たんですけど。」
「え、えぇ。大丈夫、大丈夫よ。いきなり攻撃なんてしないわ。」
「(え、攻撃?俺何か失礼なことをしたか?もしかして)あぁ、それとこれ。差し入れのどら焼きです。」
「お菓子?(いえ、これは山吹色。つまり、賄賂!?)う、受け取れないわ!こんなもの!!」
「(バカな!一番いい奴を買ってきたのに!?ならば・・・)で、ではこちらはいかがでしょうか?」スッ
「これは?」
「揚げせんで「遠慮するわ」!?」
「(なぜ揚げせんを渡したの?これにも何か意味があるというの?)」
「(なぜ揚げせんが断られたんだ!嫌いな人がいないはずの揚げせんだ。いいとこのどら焼きもダメ。まさか、差し入れにブランド品を持ってこいと言うわけではないだろうし)」
「「((ダメだ。相手の考えが読めない!))」」
「わぁ~いいとこのどら焼きだ!それに揚げせんも!差し入れ?ねぇねぇ、これ差し入れだよね?」
「あ、あぁ。何故か断られたけど...後これ、頼まれてたハンコね。」
「ありがとう!そうだ。リューキュウ!こっちが私の後輩の福佐陽介君。こっちが私がお世話になっているリューキュウだよ。」
ねじれが何か言っているけど、なんで賄賂を受け取っているの!?やっぱりこの子にヒーローランキング50位は早いわ。戦闘力だけでなく、責任ある者としての価値観を教えておくべきだった!!
「ねぇねぇ、よう君さ。ヒーローの実力が知りたいって言ってたよね?ならさ、リューキュウと戦ってみたら?」
「(っ!確かに、師匠も拳で語った方が早いとよく言うし、なんでこんな態度を取られるのか分かるかもしれない。)ええ、できるなら是非。」
「(危険人物としてマークされる迅悠一の力の一端が分かるなら利益になる。もし何か仕掛けてもすぐに応援が呼べるし、ねじれの前で何かやらかすこともしないはず。向こうが未来視でこの状況を読んでいる可能性もある。それでも、それ以上の利益があるなら選択は1つ!)こちらも、望むところよ。それじゃあ、迅悠一君、こっちへ。」
「(何故仕事用の名前で呼ぶんだ?まさか、俺の事業に一枚噛ませろという暗喩か!この女、見かけによらず強欲だな。)行こうじゃないか、リューキュウ!!!」
こうして私たちはトレーニングルームへと移動した。最悪の勘違いをした状態で・・・
リューキュウは公安からの命令故に、福佐はいきなり「攻撃するかどうか」と言われ、差し入れを断られた故に勘違いをしています。
なお、差し入れのどら焼きは包装が山吹色なだけで、普通の美味しいどら焼きです。
迅悠一とは、福佐が代表を務める会社で使っている名前です。流石に小中学生が経営者と言うのは外聞が悪く、少しでも正体を隠すための苦肉の策です。
ヴィジランテ中は「実力派エリート」と名乗っています。
これ以外に空閑や最上など名前を使い、ヒーローや警察に協力をしています。
鬼原はオリキャラ、黒野は炎炎ノ消防隊の最凶さんです。
ジェントル・ジャスティス:別世界だと、雄英文化祭に侵入しようとした彼。福佐の働きによりヒーローになれた。試験では、大人のプライドを捨ててまで本気で取りに行ったことでギリギリ合格(ボーダーラインが60点で62点だった)。前科持ちでヒーローになった数少ない例外。ついでにヒーローデビュー最高齢の記録持ち(28歳でデビュー)。知名度を上げるために動画投稿をしている。