二次では50位、総合では64位でした。
また、お気に入りも1000人突破しました!
これからも応援、よろしくお願いします。
side:教師陣
「実技試験結果出ました!」
「2位の子はとても派手だな。爆発音に体の動かし方まで、派手でヒーローらしい。」
「救助ポイント無しとはいえ77Pは好成績だ!!後半他が鈍ってくる中、派手な”個性”で仮想ヴィランを寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ。」
「皆さん、それよりも・・・」
「対照的にヴィランポイント0で8位。」
「
「思わずYEAH!!って言っちゃったからなー」
「しかし、自信の衝撃で甚大な負傷...まるで発言したての幼児だ。」
「皆さん、いい加減に」
「あの時まで典型的な不合格者の動きだった。」
「他にも「いい加減、現実を見ましょうよ」
この場の誰もが避けていた問題。それを見ないためにこの場にいるほぼ全員が話をしなかった。
「・・・そうだね。では福佐君について話そうか。」
「まずは結果ですね。」
「仮想ヴィランを多数撃破、合計ポイント275P。そして・・・」
「0Pヴィランを撃破しましたね。」
「問題はそこじゃないでしょ。ミッドナイトさん。」
「オールマイトさんですら分からなかった攻撃、決定的なのは他の受験者を囮として使い、0Pヴィランを襲わせたこと。完全にバレていたんですよ。レスキューポイントの存在が。そのために受験者を利用していた。」
「それはどうだろう。今年から試験の採点ややり方はだいぶ変わっている。そもそも、どこに出現するかも分からない0Pヴィランの位置を・・・」
「分かるでしょ。未来視とレーダーとも呼ぶべき索敵能力持ちだ。」
「今思えば、最初の不可解なヴィランの討伐の仕方は受験者を一ヵ所に集めるためとも言える。」
「考エタクモナイ。ソンナコトヲ考エ、実践スル者ガヒーローヲ目指スナド...」
そう、福佐の行動はその全てが合理的だ。受験合格を目指すなら、間違いなく最適解だろう。合理主義のイレイザーも反吐を吐きながら認める程だ。
他の受験者に仮想ヴィランを渡さない戦術。0Pヴィランも方向に誘導し、そこから救うことでレスキューポイントを手に入れた戦略。自分以外の受験者全員を助けたのだから、レスキューポイントは100や200与えてもいい程だ。もし、それを仕組んでいないなら。
あの0Pヴィランを切断した時の表情だ。あの狂気を孕んだ笑みを、0Pヴィランを細切れにしたときの表情が頭から離れない。
あの瞬間、オールマイトは椅子を倒しながら立ち上がった。臨戦態勢となり、まるで宿敵と会敵したように。
「(あの時の彼は異常過ぎた。違う!そうじゃない!あの笑みを、あの圧倒的な力を、あの狂気を知っている!!忘れもしない。奴を幻視するほどなのだ!師匠の仇であるオールフォーワンに!!!)」
オールマイトはすぐに彼の映像を解析するように言った。
福佐陽介の行動で、理解できなかったことは2つ。1つ目は彼が通り過ぎた時に仮想ヴィランが斬られていたこと。2つ目はあの0Pヴィランをどやって切断したのか、だ。
後者は分かった。斬撃をとばしている。それ自体は有名な剣客が行う姿は有名だからだ。だが、前者は必死に解析し、オールマイトやエンデヴァーなどに相談してようやく答えが出た。体から変幻自在な刃を出して切断していた。その行動が速すぎて見切れなかったのだ。その刃も色が薄いため視認が難しい。
これがヴィランと仮定した場合、誰が相手できるだろう。No.1ヒーローオールマイトでも、ハイスペックの”個性”を持つ根津でも、時間をかけて解析しなければ理解できなかった力。あまりに多い能力。これ以上ない初見殺し。知らなければ対処できず、知っていても実際に対処できるかは分からない。少なくとも、警備に当たっていたヒーローの殆どが彼に屠られて終わりだっただろう。
「まぁ、彼がヴィランなら、恐ろしいのは初見ではないだろうけどね。」
「は!?何言ってるんですか!?」
「彼の力を見ていなかったのですか!?」
「違うよ。僕が言いたいのは、初見殺しではなく、こちらの動きを学習されることにある。」
「「「??」」」
「分からないかい?ヒーローは常に戦闘スタイルや弱点を知られて対策をされている。でも、彼は”強化睡眠能力”という学習能力で戦う度にこちらに合わせた戦い方をするだろう。はっきり言えばこちらが彼に対策しようとしている間に、彼はこちらの戦い方や癖すら見抜く可能性が有る。知識ではなく、経験として対策されるかもしれない。」
「「「!?」」」
「そ、そんなことありえません!」
「前例がないにもほどがある。」
「そんな”個性”なら、他にもたくさんのヒーローをぶつければ良いのでは?」
「対応しきれないようにすれば勝つことはできる。」
「それができない可能性が有るんよ。およそ60年前に存在したガロウと呼ばれたヴィランがいるからね。」
「彼は当時存在したあらゆる武術を習得、その後”武神拳”と称した武術と超進化と言われる”個性”で、当時のヒーローや警察、自衛隊などと戦った。殆ど戦争と変わらず、最終的に都市ごと爆撃、個性派ヒーローたちによる連携で逮捕したんだ。」
「問題だったのは学習能力だった。薬物や戦闘スタイル、エネルギー系の攻撃は勿論、弱点を見つけて誰も勝てなかった。1ヶ月かけて倒したと言われている。」
「そんなことが・・・」
「だから、彼の初見殺しも危険だけど、学習されて対応されることが一番困るんだよ。ゲームと同じさ。何度もやっているうちに慣れる。それが続けば作業となる。そうなった存在を倒せるほど、今のヒーローたちは強敵に慣れていないからね。」
そう、今のヒーローに求められることは実力よりもエンタメ性や支持率。つまり派手さが最重要になっている。昔ほど強力なヴィランは存在しないため、現在は有利な”個性”持ちが対処するか、数で力押しのどちらかが多い。1人でヴィランを倒せるヒーローは基本的に昔ながらのヒーローか、ランキングトップクラスのヒーローだけだ。
かつて、実力主義のヒーロー達や警察、自衛隊が総力戦で勝つことができた存在。それと比べられる程の強者にどれだけのヒーローが戦えるだろう。現在の若いヒーローではまともな戦力にはならないかもしれない。
「まぁ、そこまで悲観することはないさ。そんな人物がヒーローとなるのなら、これほど心強いことはないからね!」
今日、同じセリフを聞いたはずなのに、ハイスペックという心強い”個性”を持つはずなのに、その言葉を教師陣は信じきれなかった。
side:オールマイト
校長の言葉は事実だ。しかし、信じきれない。
腹に風穴を開けられたこと、師との別れを思い出すたびに一緒に蘇る。
あの速さを―――
あの数多の”個性”を―――
あのの私の腹に風穴を開けた強さを―――
あの未来を見通すかのような狡猾さを―――
今でも思い出す、あの狂気の笑みを―――
それを見た自分だからこそ分かる。他の教師やエンデヴァーが感じた漠然とした恐怖ではない。
かつての巨悪、オールフォーワンの影を感じた。
考えればありえなくはない。あの狡猾な人間の事だ。自分がやられたときのために、後継や腹心を育てていてもおかしくない。
自然と拳に力が入る。既に残り火とは言え、私の力は聖火の如く燃え続けている。例え、寿命という薪を燃やしていたとしても、この力の継承者として最後まで抗い続ける!
来るなら来い!貴様が次代を育てるのなら、こちらも”次代平和の象徴”緑谷出久を育てている。
むしろ丁度いい。私自ら監視し、2度と悪事をできないように教育してやる!!
この日、オールマイトは貯金を使って新米教師用の本や緑谷の育成に必要そうな器具を取りそろえた。また、かつての担任に教え方について相談し、学者である友人にサポートアイテムについての相談を行った。
全ては、あの混沌の時代に逆戻りさせないようにするため。
side:オールフォーワン
そうか、陽介は主席合格か。
そうだと分かっていたとしても、やはり結果が出るまでは嫌な緊張をしたね。
「陽介、お前はヒーローとなりなさい。雄英は良いところだ。」
あそこなら、お前の傷ついた心を癒し、共に戦う友人ができるだろう。もしかしたら、彼女でも出来るかな?
波動ねじれは彼の成長させ、人に頼ることを知った。
リューキュウはヒーローとしての心構や人の立場になって考えることを学んだ。
今の彼なら、私やオールマイトをも超える存在となるだろう。
さて、こちらも弔の育成に集中しなくてはね。
この日、オールフォーワンは願った。彼の人生に幸福が訪れることを、そして自身の目的の実現を・・・
オールマイトは教育者として成長しようと考えて行動し始めます。また、福佐の再教育を行おうとしているため、予知による「今年か来年死ぬ」という運命をねじ伏せてやろうと既に決意しています。
オールフォーワンは純粋に福佐の境遇から、彼の幸せとある目的の遂行を願っています。
ガロウはワンパンマンの人物です。今後も時々触れます。