俺の個性がそう言っている   作:大紫蝶

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 前回の話で福佐”個性”の所持数が分かる能力は正確には「相手の持っている”個性”の能力の系統数が色で分かる」です。例えば轟焦凍なら炎と氷で2つです。逆に増強系の”個性”を100個持っていたとしても福佐には1つしか見えません。気配に関しては純粋な察知能力で感じ取っています。そのため「1系統は複数の気配を持つ能力」と勘違いしています。ちなみに系統ごとの色は分からなくても「2色だから2系統の能力」と分かります。どんな系統かは分かりません。

 雄英としては殺害許可なども3年になったら教えるかもしれませんが、基本的には教えません。流石に扱いに困る内容ですし、大体は2年のインターンで察する人が多いと思います。相澤先生すら入学したばかりの生徒に教えるのは酷過ぎると黙るでしょうね。

 あとがきで書き忘れてました。


高校生活

 翌日、雄英に登校すると校門にマスコミが集まっていた。

 

「ねぇねぇ、よう君。あれ何かな??」

「(分かりたくないが)オールマイトの出待ちしているマスゴミだろ。」

「も~。そんなこと言っちゃダメだよ?ちゃんとマスコミって言わないと。」

「そもそもまともな奴らならアポ取ってるはず。つまり校門に居なくても応接室とかに通されている。なのに校門に集まっているのは『報道の自由』とか言ってストーカー並みに張り込んでいるからでしょ。そんなのマスゴミだよ。」

「(相変わらずマスコミ嫌いなんだね・・・)じゃあ、どうしよっか?」

「別にそのまま入ればいいだろ。」

「え?」

 

 俺は校門の前にいるマスコミに向かって歩き・・・

 

「マスコミの皆さん、あっちのコンビニでオールマイトが肉まん買ってましたよ。後、授業で使う”特別な品物”を取りに。」

「「「「「お前らどけ!!このスクープはうちの物だ!!!」」」」」

 

 マスゴミは一瞬で俺の指さした方向にあるコンビニへ駆け出していた。どうせ他者に出し抜かれないように、他者を出し抜くようにと走っているのだろう。

 先輩が何か目で訴えてくるが無視した。どうせオールマイトなんていないとかだろ?裏付け取らないからバカ見るんだよ。

 

 

―――――――――――――――

 

 さて、本日の午前の授業は終わって楽しい昼休み!とはいかない。先生たちには「職員室に何人か待機するように」とお願いしたが、おそらくヴィランがやってくる。目的は不明だし、人的被害はぶっちゃけない。しかし、この未来を変えられるかで何気に世界規模で未来が変わるから気が抜けない。何より先生たちが待機している未来が視えないのだが・・・

 

「来たな。」

 

 

『おい、本当にこっちであってるのか。』

『間違いありません。この先が職員室です。マスコミの陽動も上手くいってますし、()()()()()()と連絡もありましたから。」

「ところがいるんだよね、これが。」

「「!!??」」

「君たちは何者かな?」

「何者と聞かれて「死ね」っ!?」サッ

 

 俺が軽く攻撃したが意味がない。どうやらあの靄に物理的判定はないようだ。だが、すぐに後退したことから完全物理無効ではない、おそらく実体の上に靄を纏っている感じか。

 

「黒霧!脳無だせ!!さっさと仕事終わらせて帰るぞ。」

「(脳無?)させないよ。」

 

 手だらけ男にそう言うが、俺は自分の爪の甘さを実感した。黒霧と呼ばれたヴィランから出てきたのは脳みそむき出しの大柄な男。色は黒いが日焼けじゃない、色彩的な意味で黒い。まぁ、重要なのはそこではなく・・・

 

「(なんで未来が視えない!)」

「まさかここで使うとは夢にも思わなかったよ。」

 

 俺が奴らの未来が視えないことに動揺しても事態は進んでいく。新手の男は多分”打撃耐性”と”再生”の2つの能力がある”個性”持ちだと思う。最近になって”個性”を色で見分けることが出来るよになった。これは珍しく完全にコントロール出来ているがその分性能は低めだ。ワイルドワイルドプッシーキャッツのラグドールの劣化互換だろう。ある程度の系統しか分からないし。

 それにしても脳無と黒霧、この2人は何故未来が視えないんだ?

 

「ふんっ!」

「何してるんだ?お前みたいな奴の攻撃でやられるわけないだろ?こいつはオールマイト用の高性能サンドバックだぜ?何せ「”再生”と”打撃耐性”の能力がある”個性”持ちだからか?」は?お前何でそれを」

「(やっぱりか。だが、不味いな。こいつを倒すだけなら1分で済むが、上下の階には他の生徒がいるしな。避難中の生徒に被害を出すわけには・・・)まったく、実力派エリートは辛いね!」スパッ

 

 俺がスコーピオンで脳無の右腕を斬り飛ばすが・・・何故か一切の動揺がない。それどころか最初から感情が刺さってこない。多分、こいつはネクロマンサーとかが操作している死体だろう。さっきから単純な攻撃しかしてこないし、腕を切り落とされて痛がらないのが証拠だ。

 

「(再生するにしても痛みはあるんだ。俺ですらそうなのだから、普通なら泣き叫ぶ程のはずだしね!)」

「黒霧、目的の物はあったか?」

「はい、死柄木弔。間違いなく。」

「そうか。なら、後はあいつを殺しておけばいいか。」

「良いのですか?雄英の警戒レベルが上がるだけの気がしますが?」

「良いんだよ。脳無の”個性”も知られたし、生かしていてもデメリットしかないだろ。」

「いや酷すぎない!?って、ちょっと待って!!?」

 

 俺が相手の発言に動揺すると体制が崩れる。そこに脳無と死殻木が迫る。黒霧は不測の事態に備えて後方で待機している。触れただけで破壊する”個性”とかすっただけで致命傷になりかねない”暴力”を前に絶体絶命!!

 

 

 

 

―――――という即興劇(エチュード)

 

「甘いね。”壊刃”!」

「??」

「(これでいい。”壊刃”は相手の生命力や精神力を斬り飛ばす、つまり再生に必要なエネルギーを削る技だ。師匠の劣化版だが・・・こいつには十分だろう)じゃあ、反撃開始だ。」

「何言って「死柄木弔!!」

「よそ見してる場合か?あのデカ物はもう動けないよ。」

「(なんてことだ。対オールマイト専用脳無を一瞬で戦闘不能にしたのか!?再生ができていないということは奴の”個性”?いや、それよりも)逃げましょう、死柄木弔。」

「は!!?なんでだよ。脳無だってそのうち再生して・・・!」

「いえ、脳無の再生が始まっていません。おそらく彼の持つ個性無効化”個性”によるものでしょう。ここで戦っても我々に勝ち目はありません。それに、私の”個性”を封じられれば逃げることもできません。」

「クソッ!!」

 

 俺が脳無を切り裂いて行動不能にした後、ヴィラン3名は黒い靄に包まれて消えた。俺が斬った腕も持って帰る当たり範囲も広いし制御も出来ているようだ。なにせ、周りの肉片も1つ残らず持って帰ったようだからな。

 それにしてもヤバかった。”壊刃”は師匠の『個性斬り』という技の劣化版であり、場合によっては使い道がない技だ。さっきは再生に必要なエネルギーを失くしただけだからまだいいが、アレに斬撃耐性があったら無理だったかもな。極端な話、壊刃はエネルギーを急速に消費させる技だから性質を斬ることはできない。増強系や異形系なら倒すのが面倒だった。

 

 いや、それ以上に俺が未来を視えなかったことが問題だ。おそらくだが、明日辺りに奴らと再戦することになる。未来を視えない相手が複数人いる以上、俺の策略は通じないかもしれない。ならば、脳筋戦法で行くしかないな。こちらには『対”個性”のスペシャリスト』と『最強のヒーロー』、なにより地の利や数の力がある。死殻木という男から手に入れた情報から校長たちと対策を取らねばならない。

 

 

―――――最悪の未来では生徒の殺害。女子生徒に至っては乱暴かその後に売られる未来すら視えた。こんな未来、実現させてたまるか!

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

「なるほど、情報の提供感謝するよ。こちらでも対策を立てるから安心してくれ。」

「ありがとうございます。それで人員ですが」

「君の案を採用させてもらうよ。教師からイレイザーヘッド・オールマイト・セメントス・ミッドナイト、外部からシンリンカムイ、ホークスだよね。後、可能ならエンデヴァーやベストジーニストなども・・・これほど万全の対策はない。」

 

 敵の現れる場所は災害を模した建物の多さから先輩から聞いていた『USJ』と呼ばれる施設。ならばセメントスの強さは言うまでもない。現代において最強の一角の”個性”を頼らない手はない。捕縛用にミッドナイト・シンリンカムイの2人、シンリンカムイが動きを封じミッドナイトが眠らせれば大抵の奴には勝てる。あの脳無という奴がどれだけいるかは分からないが、簡単に出した以上数はそれなりだろう。そこは俺が厄介そうな”個性”を見つけてイレイザーヘッドに消して貰えばオールマイトの独壇場だろ。ホークスは黒霧というワープ”個性”で散らされた生徒の救助用だ。彼ほど広域救助・サポートに向いたヒーローもそうはいない。

 脳筋としか言えないがおそらく最適解の1つだ。敵が未来視の対策、死体を操るなどの外道な手段を取る者たち、さらにはワープという未来視に次ぐ希少”個性”・・・ならば

 

「可能でしたらボーダー所属のヒーローや引退したヒーローなどにも声をかけるつもりですが、どうでしょうか?」

「いや、必要な人員はこちらで用意するよ。あまり人員を多くするのは教育機関として良くない。」

「分かりました。失礼します。」

 

 

 

―――――――――――――――

side:根津

「こうも早くに来たか。」

「それにしても驚きましたね。てっきりもう少し策を練ってくると思ったのでしたが・・・」

「ふたを開ければこんなお粗末とは・・・我々も舐められたものです。」

「そうだね。それにしても()()()()()()()()()()()()()()に気づかないとは。」

「当然でしょ。今日の朝に設置されたものよ。気づきようがないわ。」

「だからこそ、()()()()()()()()()()が取れたのはうれしい誤算だね。上手くいけば逆に返り討ちにできる。」

「これで多くのヒーローを学内に配置しても彼に不審に思われず行動できます。」

「USJにはだれが担当しますか?」

「そこには13号・イレイザーヘッド・オールマイトを配置する予定だよ。エンデヴァーやベストジーニストには協力を取り付けてあるから本校舎を守って貰う。その他のヒーローと共にね。」

「オールマイトは必要ないのでは?おそらく本命は本校舎の生徒でしょうし。」

「そのあたりも踏まえて話そうか。そろそろエンデヴァーたちもビデオ会議で参加する時間だしね。」

 

 

 迅悠一君、君の好きにはさせないよ。僕たちヒーローの総力で君たちを退けよう。




 まぁ、内通者が証拠なんて消すでしょうしね。
 福佐がここまで過剰戦力を求めている理由は一般ヒーローを信じていないこと、そして未来視に初めて対策されたことによる焦りがあるからです。
 ついでに、委員長・相澤先生からの言葉に関しては原作通りです。緑谷には「もう少し制御できるようにしろ」と付け足されました。


壊刃:対象のエネルギーを削る技。イメージはMPを対象から切り離す。チャージ系の”個性”のエネルギーから活力まで削ることが出来る。その気になればエンデヴァーの溜まった熱を斬ることで事実上の”個性”のデメリット無しにすらできる。

個性斬り:ウィザの使う技。その名の通り『個性因子を切断することで”個性”の無効化する』という剣技。要は無制限で個性破壊弾と同じことができる。ウィザは”個性”を使わずにこれだけで剣聖と呼ばれるようになりました。福佐は習得のために修行中(成功率はギリ10%いかないレベル)。
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