俺の個性がそう言っている   作:大紫蝶

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VSザ・リッパ―~その後~

 どうしたものか。

 

 

 あの後、事情は今度説明すると言ってから学校が再開するまでの間で言い訳を考えていたのだが

 

「それで、事情を説明してもらえるかな~!」

 

 こいつの顔を見て逃げようとしたのがまずかった。一瞬で距離を詰められて屋上まで拉致られた。ご丁寧に首の血管を制服で圧迫することで動きを鈍くさせて、だ。

 そもそも逃げたんじゃない。面倒なのだ。俺はこの”個性”で結果から言えば推定10万人以上の人間を救ったことになる。テロを何度も防いだのだから当然だが。だが、それは正義感があっての行動じゃない。俺はかつて1人の人間を()()を殺した。俺が未来視の力に目覚めて最初に見たのが”事故で死ぬ父親”だったのだ。俺はそれが分かったのに、あそこで止めていれば未来は変わったのに、何の言葉も交わさず、未来という信じられない情報量に振り回されて暴れた。俺は助けようとした父さんの手を振り払い、暴れ続けた。父さんは俺を心配そうに見つめながら会社に行くために出かけ、死んだ。あの時、俺が暴れたことで事故の現場に遭遇してしまい、父さんは死んだ。俺が殺したようなものなのだ。だから、これは贖罪だ。死ぬと分かっていた父さんを見殺しにした罪。父さんを事故に遭わせ殺した罪。違う、そんなんじゃない。俺は贖罪ではない。ただ、俺は...

 

「ねえ!ちゃんと答えて!」

「(そういえばいたな、こいつ)分かったから。でも、もう時間ないし、放課後な、放課後。俺は1年1組だから(本当は4組)」

「じゃあ、迎えに行くからね。」

「はいよ~。」

 

 だからお前はバカ女なんだよ。人の言葉を鵜呑みにして、お前は雄英に行くんだろ?学校の誰もが言っている。”ヴィラン事件の被害者である美少女 波動ねじれ が雄英のヒーロー科に行く”と、学校の誰もが心配し、協力している。そいつらを振り切る前に逃げればいいし、そもそも受験勉強で忙しいだろうな~。今回の事も忙しさから気にしなくなる。おれのレーダーと未来視の前じゃ、お前の頑張りなんて意味ねえんだよ!

 

 

 

 放課後、教室に乗り込んできた(俺の嘘は一瞬で見破られていた)バカ女に拉致られてバカ女の家に監禁された。忘れていた、俺の未来視はバカには通じないことを。

 

 

「これで心置きなく話せるね!大丈夫、おうちの人には「以前助けて頂いたお礼がしたい」って言って外泊許可貰ったし。今日は家の人帰ってこないから♪」

「どうやって連絡先を調べた!というか、母さんをどうやって誑し込んだ!そしてお前は女として今の状況を冷静に考えろや!!!男を家に連れ込んで、家族はいないとか!」

「あのね、連絡先は先生に聞いたら教えてくれたし。福佐君のお母さんは買い物するときによく合う知り合いだし。それにただのお泊りだよ?」

「(こいつ、もしかして幼稚園児が薬で大きくなっただけじゃないのか?小さくなる毒薬があるんだ、大きくなる奴もあるだろ)分かった。話す、話すからな?さっさと済まそうぜ。ただし、俺は質問に答えるがこちらからは話さない。お前が聞きたいとこを教えるだけだ。」

「分かった。」

 

 そこから俺は、自分の”個性”のこと、なぜヴィジランテ活動をしているのか、美味しいスイーツについて、過去の出来事、趣味・特技、断じて覗きなどをしていないこと、あの日の真実などを答えた。関係のないことが7割だった気がする。しかも、あの日の出来事は後半になって聞いて来やがった。本題それだよな???

 その後、母さんに電話したら

 

『泊まったら?』

『いや、若い娘が1人の家に男が泊るわけにはいかないだろ。俺が狼にでもなったらどうすんだよ。」

『え、襲う気なの?』

『そんな非道なことするわけないだろ!』

『ならいいじゃない。それじゃあね~。』

 

 そういわれて切られた。一瞬の出来事だった。その後、着信拒否されて「女の子1人にする気?」とメッセージが送られてきたため、仕方なく泊まることにした。幸い明日は休日だ。玄関から出る姿を見られる前の早朝に出ればいいだろう。

 

 バカ女、そう言ってたら喧しかったので先輩で手を打ってもらった。ねじれちゃん呼びを先輩にするまでの交渉はザ・リッパ―を倒すより大変だった。あのヴィランはタルタロスにぶち込まれたらしいが。

 

 

 

 それから、俺は先輩に付きまとわれた。買い物に、映画、勉強を教えてもらったり(3年までの勉強を教えてもらい、最近は俺が教えている)した。学校の奴らからは”美女と野獣”とか”不良に誑かされた少女”とか言われているが。先輩の友人も俺とも付き合いをやめるように言ったらしいけど、先輩は1学期、俺に絡み続けてきやがった。

 別に俺が文句言われるのはいいが、先輩に文句言われるのは違うよな。鏡に映る自分を見ながら、俺は明日からの夏休みの計画を立て、ファッション誌を開いた。

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