ダークエルフと悪役令嬢   作:アヤ・ノア

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サハギン戦です。
ゴブリンよりも強いモンスターである事を意識しました。


第20話 戦闘! サハギン軍

「トランス・スケイル! はぁああぁぁぁぁっ!」

 アエルスドロは、瘴気で鱗を生成して防御力を強化した。

「……ふっ」

 驟雨は素早くサハギンの背後に回り込むと、2本の短剣でサハギンを斬りつけた。

 サハギンは衝撃を受けてよろめき、

 ルドルフはその隙に鎌鼬を起こしてサハギンをずたずたに切り刻んだ。

「食らえ!」

「効かんな」

 サハギンリーダーは驟雨目掛けて斧を勢いよく振り下ろすが、

 驟雨は目にも留まらぬ動きで回避する。

 エリーは光を出してサハギン達を攪乱し、パーティをサポートした。

「当たれ!」

「これは痛いぞ!」

 サハギンメイジは杖から水の槍をアエルスドロとルドルフに放つ。

「危ないよ! ライトバリア!」

「ぐぅ……」

「うぅっ……」

 エリーは光の盾を作って魔法の威力を削ぐが、衝撃でアエルスドロとルドルフはよろめいた。

 サハギンチーフはアエルスドロとルドルフに突っ込んでいったが、

 アエルスドロが鱗の腕で攻撃を防ぎ、盾で動きを押さえた後、そのまま剣で斬りつけた。

「アエルスドロ! あたしの光を受け取ってよ!」

「ああ! ……ぐっ。トランス・スケイル!」

 エリーの光がアエルスドロの剣を包み込む。

 アエルスドロは鱗の効果が切れたので、再び瘴気で鱗を生成する。

「そんな攻撃は効かんぞ」

「くそ!」

 驟雨の短剣をサハギンリーダーは斧で弾き返す。

 隙を見てサハギンリーダーは驟雨に斧を振り下ろすが、驟雨はそれを回避する。

「水と風の精霊よ、雷光となり敵を打ち砕け! ボールサンダー!」

 続けてルドルフが水と風の精霊の力を借りて雷を放ち、サハギンチーフに大ダメージを与える。

 サハギンメイジは今度は驟雨とエリーに水の弾丸を放ってよろめかせた。

「流石にここまで来たらダメージきついかも……ヒールウォーター!」

 エリーは自分に回復魔法を唱えて傷を治した。

「私の一撃……受けてみよ!」

 アエルスドロは瘴気を身体能力に変換し、攻撃の威力を増幅する。

 そして、サハギンチーフに強力な一撃を放つと、サハギンチーフは一撃の下に伏した。

「よーし、やったね!」

「……分身の術」

 驟雨は敵の狙いを乱し、攻撃の命中率を下げるために忍術で複数の分身を作り出した。

 その後にサハギンチーフに突っ込んで2本の短剣で無防備な場所を攻撃する。

 サハギンチーフは叫び声を上げて悶え苦しむ。

「悪いが、俺は敵対者に容赦はしないぞ」

「おのれ小僧……必ず仕留めてみせる」

「仕留められるものなら、やってみせろ!」

 斧を持ったサハギンリーダーが驟雨に渾身の一撃を繰り出す。

 アエルスドロは驟雨を庇い、鱗で覆われた身体で攻撃をある程度防ぐ。

 サハギンリーダーは舌打ちし、サハギンチーフに指示を出して驟雨に突っ込ませる。

「見えましたよ。大地の精霊よ、その拳を突き上げ給え! アースブラスト!」

「ぐぇえ!」

 しかし、ルドルフは容赦なくサハギンチーフに岩の塊を落とし、

 結果、サハギンチーフは戦闘不能になった。

「チーフ!」

「我らの海を荒らすつもりか! もう、容赦はせぬぞ!」

 サハギンチーフを倒された怒りからか、

 サハギンメイジは水の弾を何度もアエルスドロ達に放つ。

 だが、冷静さを失っていたため、明後日の方向に飛んでいくばかりでなかなか当たらない。

 僅かには当たったものの、全てエリーが光の盾を作り、

 ダメージを軽減したため大した被害にはならなかった。

「くそ……くそ、ニンゲンがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 物事が上手く働かない事にサハギンリーダーは腹を立て、

 斧を振り回してアエルスドロに突っ込んでいった。

 最早、サハギンリーダーは、目の前にいる敵を切り殺す事しか目に入っていない。

 アエルスドロは冷静に、剣に瘴気を纏わせる。

「リーダーは冷静さを失ってはならない。もしそうなれば、リーダーとしては失格だ。

 ……やはりお前はリーダーではない!」

 そして、アエルスドロは紫の左目を光らせると、剣でサハギンリーダーを真っ二つにした。

 サハギンリーダーは真っ二つになっても、まだ意識があるようで口をゆっくりと開く。

「おのれ……我らの海を……」

 サハギンリーダーが最期にそう言うと、瘴気に包まれて跡形もなく消滅した。

 

「う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 サハギンリーダーが消滅し、サハギンチーフも倒された今、

 サハギンメイジの士気は一気に落ちた。

 最早この二匹は完全に戦意を喪失しており、真っ先に洞窟を出ていった。

「僕達も、そろそろ出ましょうか」

「そうね」

 四人が入り江から出ると、海辺を見張っていたサハギン達がいなくなっていた。

 どうやら、サハギンの群れを倒した事により、撤退したようだ。

 

 こうして、ルドルフ達はナガル地方の生活を守る事に成功した。

「ありがとうございます、冒険者の皆様。これは、報酬となります」

 アエルスドロ、ルドルフ、エリー、驟雨の四人は、

 依頼主であるフォリアから報酬金を受け取った。

「わぁ、500ゼニーだ!」

 エリーは初めて見るお金に興味津々の様子だ。

「彼女は、こういう貴金属に触れた事が今までほとんどありませんからね」

「ちょっと触らせていい?」

「駄目ですよ!」

 エリーが金貨に触れた瞬間、彼女はいきなり手を離した。

「うわぁ! 熱い!」

「ほら、言ったでしょう? 妖精は金属に触れると火傷をするって」

「うー、ごめんごめん」

 エリーはふーふーと自分の両手を冷ます。

「とりあえず、このお金は、マリアンヌさんに渡しておきましょうね」

「そうねー、このナガル地方をもっと発展させるために使いましょう」

 

 こうして、ナガル地方を襲ったサハギンは倒され、ナガル地方に平和が訪れた。

 だが、それを見ている影が1つあった。

 

「ケケケケ……エマは今頃何をしているのだろうなぁ?」




~モンスター図鑑~

サハギンリーダー
サハギンの中でも特に賢い、リーダー。
また、武器を使った技の腕前もかなりのもので、手強い相手である。

サハギンチーフ
群れを率いているサハギンの長。
巨大な体格を持ち、体当たりの破壊力は凄まじい。

サハギンメイジ
サハギンでありながら、知能が高いサハギン。
水属性の魔法を扱うが、肉体労働は苦手。
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