ダークエルフと悪役令嬢   作:アヤ・ノア

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アエルスドロ達がガルバ帝国を調査します。
マリアンヌがちょっと女スパイっぽく? なりました。


第24話 潜入

 ティファニーからの依頼を受けた一行は、早速調査に取り掛かった。

 七人は、どうやって四人を調べるのか、相談を始めた。

「では、エマと三人の貴族について調べよう」

「ええ。情報収集といったら、やっぱり酒場ですわよね。

 まずは、ガルバ帝国の酒場に向かいましょう。

 あ、わたくし以外の皆さんは変装でお願いですわよ」

「分かってるよー」

 酒場に出向いた七人は、情報収集を始めた。

 

「いい情報は見つかったか?」

「はい、見つかりました」

 しばらくして、マリアンヌとルドルフが戻ると、

 二人はエマが住んでいる館から、馬車で料亭ノスワルドへ向かっているという情報を得た。

 といっても、毎日ではなく、毎週鋼の日だとか。

 ちなみに、今日は鋼の日の前日である樹の日だ。

「店には、誰が行きますの?」

「忍び込む事なら、得意だ」

「あ、ボクが行きますね」

「僕も行きます」

「ルドルフが行くなら、あたしも行くわ」

 潜入調査に立候補したのは、マリアンヌ、ルドルフ、エリー、ユミル、驟雨だった。

 この五人は感覚が鋭く、潜入に向いているからだ。

「私は鎧を着ているからパスだな」

「あたしも隠れるの苦手だからパスー」

 アエルスドロとミロの戦士二人は残る事にした。

 全員で行くのではなく、不向きな者は留守番するという、潜入調査らしいやり方である。

 

「それじゃあ、行ってらっしゃい」

「行ってきます」

 アエルスドロとミロに見送られ、潜入組は料亭ノスワルドへ向かっていった。

 

 夜。

 料亭ノスワルドは、帝都ユーリエルの閑静な住宅街の一画にあった。

 異国風のシルエットの建物が、灯籠の明かりに照らされている。

 玄関には、侵入者を通さないように兵士が厳重に警備していた。

「明かりが灯っているから、潜入も難しいな」

「それでも、試してみましょう」

「……何をこそこそと話している」

 小声で会話をしているマリアンヌ達を不審に思った警備員は、

 ゆっくりと彼女達に近付いていく。

「お前達は侵入者か? ここから出ていけ!」

「いえ、そのですね……」

「マリアンヌ、今のうちです」

「分かりましたわ」

「……」

 三人が警備員と受付で揉めている間に、マリアンヌと驟雨は料亭に入る事ができた。

 

「ふむ……」

「様子を少し見てみましょう」

 彼らは毎週、ここに来て会合をしているようだ。

 マリアンヌと驟雨は彼らの会話を聞くべく、彼らの背後にこっそり近付いた。

 その部屋には、金髪の男、黒髪の男、銀髪のハーフエルフの男がいた。

 そして、ガルバ帝国について批判的な内容の議論を交わし始める。

「まったく、皇帝はそんなに人間至上主義なのか?」

「どうにかして、人間以外も受け入れてほしい」

「ならば、皇族を失脚させるしかあるまい!」

 

(こいつらも人間至上主義を嫌っているんですのね。ちょっぴり親近感が沸きますわ)

(おい)

 そこに、一人の人間がやって来て三人に話をした。

「彼女は、『私と共に、この国を良くしましょう』と、おっしゃっていました」

 人間の言葉に、男達が次々に反応する。

「もし彼女が望むならば、国を変えてみせましょう」

「どうか、何なりとご命令ください」

「あなたの望み、叶えてみせます」

(彼女?)

(誰の事かしら……?)

 男達は名前を隠していたが、誰の事だかは分かっているようだ。

 マリアンヌと驟雨はよく分からなかったが、落ち着いて考えると、二人は気付いた。

 この三人は、青い宝石を胸につけている。

(誰かに忠誠を誓っているのかしら?)

(ふむ、少し様子を見るのがいいだろう)

 彼らは一通り話し終えた後、解散し帰っていった。

 マリアンヌと驟雨は、アエルスドロ達に報告するため、大急ぎで料亭ノスワルドを出ていった。

 それと同時に、三人の男が足早に去ろうとしていた。

 その様子を、アエルスドロ達は目にしていた。

 

「ただいま」

 皆と合流したマリアンヌと驟雨は、料亭で得た情報を皆に共有するために話した。

「……つまり、エマがその三人と協力して何か良からぬ事を企んでいるんですのね?」

「そうだな。後、男達は皆、青い宝石を身に着けていたそうだ」

「明らかに怪しいな」

「これで、状況は大体分かりましたわ。皆様、三人を追いかけますわよ」

 そう言って、マリアンヌは別々の道に分かれた三人を追いかけようとした。

 相談の結果、アエルスドロと驟雨が金髪の男、マリアンヌ、ミロ、ユミルが黒髪の男、

 ルドルフとエリーがハーフエルフの男を捕まえる分担となった。

 

「どうやらあの金髪の男は、大商人の家に入っていったようだ」

「後で追いかけるか」

 アエルスドロと驟雨は、金髪の男が緑の大きな屋根の家に入っていったのを見た。

「よし、追いますわよ」

 マリアンヌ、ミロ、ユミルは、黒髪の男を尾行していた。

 途中、黒髪の男が近くの酒場に入っていく。

「よし、裏口に行きますわよ!」

 マリアンヌは裏口に回って黒髪の男を捕まえようとするが、黒髪の男は正面出口から出てきた。

「なんと……謀りましたわね!」

(謀ってないから)

 最後に、ルドルフとエリーはハーフエルフの男を尾行した。

 ハーフエルフの男はふと、鋼鉄スライムもどきが目の前を超高速で横切ったため警戒を緩めた。

 エリーはその隙に強烈な光を放ち、ハーフエルフの男を気絶させた。

「ぐおっ!?」

「ルドルフ、早く彼を持っていくよ!」

「は、はいっ」

 ルドルフはそのまま、ハーフエルフの男をホテルまで運び込んだ。




能無しは能無しらしく、小物にしました。
次回は、集めた情報を元に、マリアンヌがエマを問い詰めますが……。
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