ダークエルフと悪役令嬢   作:アヤ・ノア

3 / 60
新たな仲間が登場する回です。
攻撃魔法役と回復魔法役となっております。


第2話 エルフの青年と妖精の少女

 ガルバ帝国の辺境、ナガル地方で武官として働く事になった

 ダークエルフの青年、アエルスドロ。

 だが、アエルスドロは初回から苦難に立たされていた。

 ダークエルフである事を理由に、プリザベーション処置を拒否された。

 太陽光に適応する特技を持っていないため、日中に外に出るのは日傘が必要。

 しかし、それでも、アエルスドロが自分で選んだ道なのだ。

 アエルスドロは、決して後悔はしなかった。

 

「……この地上には必ず安住の地がある。私はそれを信じて、地上にやって来た。

 ……だが、私は未だに見つけられない」

「ダークエルフは世界中から忌み嫌われてますから、安住の地が少ないのは当然でしてよ」

 マリアンヌはアエルスドロを最初に受け入れてくれた人間だ。

 悪役令嬢そのものといった人物だが、ダークエルフを受け入れたために心根は優しいと感じた。

「だから、居場所が見つかるまで、あなたはここにいてくださいな」

「……はい」

 アエルスドロはとりあえず、しばらくナガル地方に定住させてもらう事になるのだった。

 

 その頃、ガルバ帝国では……。

「はぁっ……はぁっ……!」

 一人のエルフの青年と妖精の少女が、帝国兵に追われていた。

 青年は木々の間を通り抜け、隠れながら辺りを見渡していく。

 少女は、青年の近くに寄り添っている。

「ガルバ帝国は我らを忌み嫌っているようです。見つかれば、殺してしまうでしょう。

 エリーは、静かにしてください」

 エリーは頷くと青年のバックパックの中に隠れた。

 

 やがて、帝国兵は青年が隠れている茂みの近くにやって来た。

 帝国兵は辺りを見渡し、誰もいない事を確認すると、全員去っていった。

「やっと退散したようだな」

「ふぅ~、一時はどうなる事かと思ったよ」

 バックパックの中からエリーが姿を現す。

「ガルバ帝国って本当に嫌な国だよね。人間以外の種族はみんな家畜だってさぁ」

「昔からそうでしたけど、ベルハルトが皇帝に即位されてからはさらに増してきましたな」

「早く逃げなきゃ、ね!」

 エリーが再びバックパックの中に姿を隠すと、青年は再び走り出していった。

 

 その頃、アエルスドロとマリアンヌは、食糧調達のために再び森の中に入っていた。

 草木が生い茂り、たくさんの妖精や精霊が宙に浮いていて、動物も活気に溢れている。

「マリアンヌさんは戦えるんですか?」

「伊達にガンスリンガーのクラスを所持してませんわよ」

 マリアンヌは腰から二丁の拳銃を取り出してそう言った。

「そういうあなたも、戦えるのではなくて?」

「剣なら得意です」

「よし、行きますわよ!」

 マリアンヌを先頭に、アエルスドロ達は森の中を進んでいく。

 すると突然、茂みから何者かが飛び出してきた。

 それは、長い金髪を揺らす、特徴的な尖った耳を持つエルフの青年だ。

 彼の鞄は膨らんでおり、誰かが入っている事が伺える。

「……!」

 エルフは驚いてすぐに杖を構え、アエルスドロに向ける。

「ま、待ちなさい! わたくし達は敵ではありませんわよ!」

「ダークエルフもいる……あなた達は僕に危害を向けないのですか?」

「ルドルフ、後ろ!」

 エリーにルドルフと呼ばれた青年は、後ろの茂みを振り返った。

 次の瞬間、茂みから帝国兵が姿を現した。

「いたぞ! エルフだ!」

「捕らえてルーカス様のところに送らねば!」

「ふん、このわたくしを誰だと思ってますの?」

 マリアンヌは両手に拳銃を構え、帝国兵に向けた。

「蜂の巣になりなさい!」

 マリアンヌが放った銃弾が、帝国兵を貫いた。

 帝国兵は怯まずマスケット銃を構えて射撃したが、その攻撃をアエルスドロが盾で防ぐ。

 エリーは光を操って帝国兵の目をくらまし、

 ルドルフが風の刃を放つと、帝国兵は退散していった。

 

「ありがとうございます。こんな場所にまで帝国兵が追ってくるとは……。

 しかし、今は話している時間はありません。早く逃げなければいけません」

「では、私達と共にナガル地方に行きましょう」

「それは、どこですか?」

「ここだ。ついてこい」

 アエルスドロは、ルドルフとエリーをナガル地方に案内してあげた。

「決まりですわね。わたくしはマリアンヌ・フロイデンシュタイン。

 こちらは武官のアエルスドロですわ」

「……よろしくお願いします」

「僕はルドルフと申します。こちらにいるのは、フェアリーのエリーです」

「よろしくねー!」

 

 こうして、ナガル地方にルドルフとエリーという、妖精二人が仲間に加わった。

 ちなみに、二人は文官としてマリアンヌに登用されるという……。




ガルバ帝国の人間至上主義ぶりを私なりに表現しました。
普通の人には悪に映るけど彼らなりの正義なんです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。