うちの子は裏切り者には容赦しないタイプなのです。
「トランス:スケイル!」
アエルスドロは瘴気を身に纏い、防御力を高める。
「皆さん、まずはロルフを守る奴らから倒しますわよ!」
マリアンヌはアエルスドロ、マリアンヌ、ミロ、驟雨、茜に号令をかけ、
先駆けで護衛兵に向かって走った。
驟雨は忍術で分身を作り、攻撃が当たらないように撹乱する。
「ヒュプノティックフォッグ!」
魔族ロルフはライフルから催眠効果のある煙を放った。
アエルスドロ、驟雨、ミロの攻撃を当たりにくくするのが目的だ。
「そうはさせないわ!」
ミロは煙が届く直前で風を呼び出し、煙を吹き飛ばした。
「何っ!」
「あたしにできない事はないわ。さあ、かかってきなさい!」
「この!!」
護衛兵がミロに向かってきたが、驟雨は彼女の前に立ち、
攻撃が分身に命中して驟雨は回避に成功した。
さらに驟雨は二本の短剣を振りかざして護衛兵に反撃した。
「ガトリングショット!」
マリアンヌは魔族ロルフとその護衛兵諸共、二丁拳銃で蜂の巣にした。
すると、護衛兵の一人が魔族ロルフを庇い、代わりに無数の銃弾を受け切った。
「主を必死に守るとは……敵ながら素晴らしいな」
「そんな余裕も今のうちだ。ダブルショット!」
魔族ロルフは、ライフルから二発の弾丸を撃った。
ターゲットは、エリーとユミルだ。
「ひゃあ!」
「うわっ!」
弾丸はエリーとユミルの防具が覆っていない場所に命中し、ダメージを与えた。
エリーはすぐさま、ライフヒールを範囲拡大して使い、
その後にユミルが自身とエリーに当たった弾丸を取った。
「風の精霊よ、見えざる衝撃を! ウィンドブラスト!」
ルドルフは瀕死の護衛兵に風の衝撃波を飛ばし、戦闘不能にした。
「うわー、ルドルフ、容赦ないね」
「敵を減らせばこちらの被害も減りますから」
「邪魔よ!」
「ラ・ロタ・ド・イグニ!」
ミロが護衛兵を蹴り飛ばした後、続けてユミルが杖から火炎弾を飛ばし護衛兵を焼き尽くす。
「ピアシングブレード!」
「活殺重力破!」
アエルスドロは残りの護衛兵を瘴気を纏った剣で貫く。
茜がアエルスドロに続いて、渾身の一撃を護衛兵に当てた。
「……一度は届かなかったこの煙。もう一度、貴様らに当ててやる!」
魔族ロルフはもう一度、ライフルから催眠煙を撃った。
「せっかく止めたってのに、また来たわ! もう、これ食らったら目も当てられない!」
「……。……浄化風」
驟雨は、その催眠煙を全て吸い込んだ後、忍術で無害な気体に変えて吐き出した。
「くそっ! また当たらなかったか! こうなったら、本気を出してやる!」
「いかにも小物がおっしゃりそうですわね、その言葉。まぁ、いいでしょう。
わたくし達も、本気を出しますわよ!」
「おーーーっ!!」
マリアンヌは仲間達を鼓舞し、能力を上げた。
「敵は目の前におりますわ! 手加減なしで、徹底的に倒しますわよ!」
「ああ!」
八人は、魔族ロルフを倒すべく、彼を守る護衛兵を片付けようと動いた。
「電光撃」
「スカルクラッシュ!」
驟雨は最後の護衛兵の急所を見極め、2つの手裏剣を投げつけた。
その威力は、マリアンヌの鼓舞により高くなっていた。
「そろそろ、あなたを倒さないといけませんのよ!」
マリアンヌは最後の護衛兵を倒すべく、二丁拳銃に強力な銃弾を込める。
「マグナムショット!」
そして、銃弾が最後の護衛兵に当たると、ブレストプレートは砕け散り、膝をついた。
「ま、まさか、私の護衛兵を皆、倒すとは……」
「さあ、後はあなただけですわよ!」
「ふん……だが、私のやる事は変わらない! 貴様らを皆殺しにするだけだ!」
魔族ロルフはライフルに銃弾を込めた後、アエルスドロとマリアンヌに連射した。
弾丸はアエルスドロの装甲に罅を入れていき、マリアンヌの服に穴が空き、
彼女の身体に傷を負わせていた。
何とかエリーとユミルが防御魔法を使ってダメージを減らしたが、
魔族ロルフはまだ、ダメージを受けていない。
時間がかかると鼓舞により上がった能力が元に戻るため、早く決着をつけなければ。
「ルドルフ、一気に決めましょう。ボクの魔法とあなたの魔法を掛け合わせます」
「え? 何故?」
ユミルは、合体攻撃魔法を使い、魔族ロルフを一撃で倒そうとした。
ルドルフは、協調性がなさそうな彼が協力を申し込んだ事に驚いていた。
「マリアンヌの応援がもたなくなるからです。
応援が続く間に倒そうというのは、一体誰が決めたんですか?」
「……」
「手段は問いません。合体魔法を!」
「……分かりました」
最早、じっくり考えている時間はない。
ルドルフとユミルは、魔族ロルフを倒すべく、魔法の詠唱に入った。
「光の精霊よ、その輝く身によりて闇を穿て」
「ラ・レクス・ラ・ゲイト・ラ・ステラ・ド・ハンズ・ド・テネブ・ド・ポプル・デ・グラブ」
「「レイ・ボウ!!」」
「ぐぎゃああああああああああ!!」
ルドルフとユミル、二人の光の魔力が混ざると、
非常に太い光の矢が魔族ロルフに向かって飛んだ。
矢の速度はまさに光そのものであり、魔族ロルフは避ける事も防ぐ事もできず、
そのまま光の矢が魔族ロルフを貫き、大爆発を起こした。
魔族ロルフは、死体すら残らずにこの世界から跡形もなく消え去ったのであった。
「ふ……ようやく成敗、いたし、ました、わ……」
魔族ロルフを倒したマリアンヌは、ぺたんと座り込んだ。
彼女の身体は、もうボロボロになっていた。
「お疲れ様、だな。マリアンヌ。後はゆっくり休んでくれ」
「はい……」
アエルスドロはそう言って、マリアンヌを背負って小屋に運んだ。
こうして、裏切り者の魔族は、ナガル地方から消えたのである。
こういう厳しい展開も入れなければ、成長しないと思ったので、書きました。
アエルスドロとマリアンヌも「ヒト」ですから。