刻むぜ波紋のビートッ!!   作:ベリアロク

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1話から多くの評価、感想ありがとうございます。
とある理由から一瞬某果物剣士になりかけましたが…


第2話 雄英入試 その1

ジョジョと出会いから時は流れ早数年。

二人は成長し中学3年生、それも人生の分岐点といえよう受験の時期を迎えていた。

 

 

「今日はこれで解散だ。進路希望調査の期限は近いがよく考えるように。」

 

「「「「「はーい」」」」」」

 

「よっし…帰ろう、ジョジョ」

 

「おうよ」

 

 

帰りのホームルームを終え、皆が帰り支度を始める。

にぎやかな教室をジョジョと耳郎は後にし、帰路を並び立ち歩いていた。

 

 

「ねぇジョジョ。進路希望調査のことなんだけどさ」

 

「おう」

 

「まだ進学先迷っててね、音楽の道に進むのもアリだとは思ってるんだけどやっぱり雄英目指そうかなって」

 

「…そうだな」

 

「ジョジョはどうするの……って」

 

 

気の抜けた返答に違和を感じた耳郎がジョジョの方へ目を向けるとジョジョは道の横に建てられた掲示板を見ていた。

一体何を見てるのかジョセフの横から顔をひょいと出し耳郎も掲示板を覗いてみる。そこに貼られていたのは巷で有名な主に成人男性から人気を博す女性ヒーローのポスターだった。

 

 

「ほ~あの姉ちゃん中々ナイスなボディを「フンッ!」――痛ーッ!?」

 

 

よそ見をしていたジョジョの目に耳郎のプラグが突き刺さる。

ジョジョがモンキーのような悲鳴を上げながらその場でのたうち回る様子に耳郎は大きくため息をこぼした。

その様子を同じく帰路に就く学生も見るもまるで見慣れた光景かのように立ち止まることなく進んでいく。

それもそのはず。入学当初はクラスでも目立つことは多くなかった彼女だが、たまたま在籍する学校にやってきたジョジョの奇想天外な行動に付き合わされた続けたがためにジョジョのお眼付役として校内でもひと際有名人となっており、このような光景は日常茶飯事となっていた。

 

 

 

「ちゃんと聞いてよ! こっちは真剣なんだから!」

 

「いっててて……悪かったって。そんで? 進学先がどうって話だろ?」

 

「そこはちゃんと聞いてるのがムカつく……」

 

「高校なら…俺はここを受けるぜ。」

 

ジト目で見つめる耳郎を微塵も気にすることなくジョジョは背負っている鞄から一枚のパンフレットを取り出す。

そのパンフレットの表紙には巨大な校舎の前に派手な姿の教師陣が並び立つ姿、そして「雄英」の2文字がデカデカと記されていた。

 

 

「『雄英高校 ヒーロー科』……ジョジョ本気?」

 

「あったり前よ! このジョジョはいつだって大マジだぜ!」

 

「倍率高いよ? それに内申点も必要だし。」

 

「……マジ?」

 

「うん、かなり。」

 

 

耳郎の言葉にジョジョの顔が青ざめていく。

この世に生まれたならば誰もが一度は目指す職業「ヒーロー」。その夢を現実に変えるべく皆養成学校へと通うのだが、そのトップに位置するのが雄英高校である。その倍率は優に300を超える超難関。故に内申点も重要であるのだがこの男、登校拒否の回数10回!授業放棄の回数16回!その他にも様々な問題を引き起こしてきたためジョジョの成績は結構ヤバかった!

 

 

「ま、まぁスピードワゴンの爺さんに頼めば何とかなるんじゃ……」

 

「国立だしさすがにそれはキツイんじゃない? いくらSPW財団が活動を支援してるからって」

 

「そ、そーよね」

 

 

雄英高校は国立の超が付くほどの進学校。ヒーローを目指す者以外にも優秀な人材が集まるため日本に限らず様々な団体が支援しているのであり、その一つにSPW財団がある。その創設者であるスピードワゴンとジョジョは父と子のような家族同然の関係なのである。

 

 

「それに勉強はしてるの? 定期テストの時いっつも遊んでる姿見かけるし。…それでいてテストの成績は良いのがムカつくけど」

 

「そ、そこそこはやってるぜ。エリナおばあちゃんに歴史を教えてもらってるしよ! それ以外は……その、これからやる……カナー」

 

「その教えてくれたエリナさんやスピードワゴンさんに心配かけないように良いとこ行かなきゃって言ってなかった?」

 

 

耳郎は良く知っていた。この男、剽軽な男ではあるのだがその実、家族や友人への想いが人一倍強いことを。

父と母は既に他界しているらしくそれ故家族への愛が強いのだろう。

 

 

「うっ……確かに言ったぜ。だがな、このジョジョが何も無策ってわけじゃあ無いんだよなァ!」

 

「?」

 

「内申点が必要と言えどウエイトが大きいのは実技試験! そこでどれだけ好成績を収めるかがカギなんだ。そこで俺は色んな伝手を使ってまだ公開されてない実技試験の内容をキャッチしたってわけよ!」

 

 

得意気に喋るジョジョに耳郎は黙ったまま疑い半分で話を聞く。

雄英は実技試験においてもレベルが高く、その内容は当日に明らかになるとされている。同じく雄英を受ける耳郎にとってもその情報を知ることが出来れば他の受験生に対し大きな差をつけることが出来るだろう。それが『正しい』情報ならばの話ではあるが。あの天下の雄英だ、今まで内部情報の漏洩が起きたという話は聞いたことがない。噂によると国家と同等のセキュリティを持つとも言われており耳郎にはどうも本当の話だと信じることは出来なかったのだ。

 

 

「例年であればロボットを使った対機械戦闘みたいのを行うみたいなんだが今年はなんと対人戦闘を行うらしいのよ!それも雄英教員とのな。」

 

「雄英の教員って確か全員ヒーロー……ってことは現役のヒーローと戦うの?」

 

「そう!まぁ人数的に他のヒーローにも協力を仰ぐだろうが……なんでもロボットは維持するだけでも相当な費用が掛かるらしくてな。個性によっては破壊されることもあって費用が馬鹿にならないんだと。俺の能力は『無機物』には効かないしベリーナァイスなタイミングだぜ全くよ!」

 

 

自慢げに語るジョジョの説明に耳郎は顎に手を当て考える。

SNSで過去に雄英を受けた者の投稿を見たが試験では何百台ものロボットが会場で暴れまわるらしく、一試験にかかる費用も相当だろう。その点を考えればジョジョの言う案に代替えされる可能性は十分ある……けれどその情報は本当なのだろうか。ジョジョは納得のいく根拠を述べてくれたのだがその不安だけは耳郎の頭から離れない。

その不安そうな顔を見てジョジョは話を続ける。

 

 

「おぉっと心配には及ばないぜ。俺は努力は嫌いだが二人を安心させてあげるためなら勉強だってやってやらァ!」

 

「ジョジョ……」

 

「響香も雄英受けるんだよな?お互い頑張ろうぜ!」

 

 

別れの挨拶を簡単に済ますとジョジョはサバンナを駆けるチーターのように素早くその場を走り去っていった。

あの感じは一先ずスイッチは入って猛勉強するけど数時間したら飽きてるな……なんて耳郎は思いつつも人の心配よりもまず自分の心配だと言い聞かせ、自身の帰路を一人歩んでいった。

 

 

 

 

 

 

そしてまた時は流れ雄英高校入学試験当日。

思わず息を白くしてしまうそんな朝、威圧感を感じさせるほど大きな校舎とその門の前にジョジョと耳郎は立っていた。

 

 

「ついにこの日が来たね」

 

「ああ。お互いやれることはやったさ。」

 

「プフッ……そ、そんな誇らしい顔されても……ほとんど勉強私が面倒見て喝入れてたじゃない」

 

「オイ!笑うんじゃあねぇ!」

 

 

耳郎が吹き出しそうにこらえるのを見てジョジョが怒鳴る。

天下の雄英にこれから挑もうとする受験生は山の数ほどいれど、試験前に校門でこんなやり取りをする二人組がいただろうか。

周囲を歩く受験生が奇異を見るような目で見るも二人は動じることなく会話を続ける。それだけ彼らにはあったのだ。目の前に立つ者と共に頑張ってきたという自信が。

 

 

「ふぅ……笑った笑った。そろそろ行かないとね。私こっちの校舎だから」

 

「笑いすぎだっての。俺はこっちだ。にしても連番なのに校舎違うって雄英も手の込んだことをやるねぇ」

 

「実技も会場違うだろうから……協力させないようにってことかも」

 

「どちらにせよ……だ」

 

「うん」

 

「「絶対に受かろうぜ!!」」

 

 

ジョジョは静かに拳を耳郎の前に突き出し、耳郎も己が拳を突きだし拳同士をコツンとぶつける。

そしてお互いの顔を一目見た後両社は別々の会場へと進んでいった。

 

 

 

 

1科目2科目と時間は進み、筆記試験終了の時が訪れる。

答案の回収も済み、筆記試験を終えたジョジョは指示に従って集合場所となっているホールへと入っていく。

その巨大なホールの中には何百という数の座席、ここが映画の本場ハリウッドかと錯覚してしまうほどの特大スクリーンが3つも設置されていた。

 

「まじかよ……」

 

「写真では見たけどここまでのデカさなのか」

 

「でっけーなここ。爺さんの持ってる倉庫よりも大きいんじゃねぇの?」

 

 

その設備には受験生らも思わず感嘆の声を漏らす中発せられたジョジョの言葉に思わず会場はシーンとする。

ジョジョは知らないのだ。いくら雄英を受験する者とはいえ身内にこの会場と比較できるような大きさの建物を所持する者はほぼいないということを。

何故皆急に黙ったのか疑問に思いジョジョが座席に座りながら周囲を見渡していると壇上がスポットライトで照らされ、そこに男が一人立っていた。

 

 

「えー、はい。担当の相澤です。簡単に実技試験の内容を説明します。めんどくさいし一度しか言わないのでしっかり聞くように。」

 

 

頭はボサボサ、黒いタイツのようなスーツに上半身には包帯のようなものをぐるぐると巻いた男は手元のリモコンを操作しスクリーンにプレゼンテーションを映し出す。

『実技試験の概要』と書かれたスクリーンを見てジョジョは待ってましたと言わんばかりに軽く鼻歌を歌い始める。

実のところ今ジョジョは調子に乗っていた。筆記試験の感触は中々良く、あとはあらかじめ予測していた対人戦闘のみこなせば合格はすぐそこだと。

 

 

(待ってたぜ対人戦闘! 今日まで勉強に飽きた時間で色々と考えてきた策を使ってぶっちぎりで合格してやらァ!)

 

「今年は色々と案が検討されましたが、これから皆さんには――」

 

だが現実はそう甘くはない。特段この雄英においては!

相澤はリモコンを操作しスクリーンのスライドを進める。

そこ映し出されたのはこの試験におけるターゲットだった。

 

 

「――機械を相手にした、模擬戦闘を行ってもらいます。」

 

(な、何ィ!?)

 

 

対人戦闘だと考え切っていたジョジョをテスト対策の勉強を前日にきっちり計画通りに終えられホッとしていると実は対策範囲がずれていたことがわかった時のような絶望感が襲うッ!

ジョセフ・ジョースターの最初の受難。その幕が今上がろうとしていた。

 

 

地の文におけるジョセフの名前

  • ジョセフ
  • ジョジョ
  • jojo
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