仮面ライダーワード〜言霊の統率者〜   作:津上幻夢

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第22話 2027:言霊と救済者

「もう貴様らに用はない…」彼らはそう言って立ち去ろうとした。

 

2度も逃しはしない、そう俺は前に出た。

 

「ようやく見つけた…今度こそ倒す!」

 

「…来たか!ワード!」

 

彼らは、俺の姿を見て名前を呼んだ。その声に、ピンクのライダーと少年そして少女が一斉にこちらを向いた。見た事ない奴らだが…悪い人では無さそうだ。このまま共闘できれば…そう思った矢先だった。

 

「…だが、貴様とはまだ戦う必要がない。」彼らは、そう言い残して立ち去った。追いかけようと試みたが、跳速や光芒がない以上、追跡は難しいだろう…

 

 

「また逃げられた…」俺は変身を解き、倒れている少年に近づく。

 

「大丈夫ですか?」俺が手を伸ばすと、彼もまた手を伸ばした。

 

「…ありがとう、ございます。」彼はその手を握り起き上がる。

 

「貴方の名前は…?」

 

「俺は、塾屋ゴンです。初めまして…」俺は、この姿の名前を教えた。

 

「君がこの世界のライダーの1人、ワードだね。」少女は、俺の方に近づき確かめた。何故、ワードを知っているのだろうか…

 

「…何故俺の事を?」

 

「……それについても、あのセパレーテドについても話を聞きたい、詳しくな。どこかで話をしないか?」ピンクのライダーだった人は、変身を解いた。その見た目は、まさに大人の男性と言っても過言ではない。

 

「なら、家が近いんでそこで話しましょう。」正直、どこの誰か知らない人だけど、彼らについて何か知っている様だ。それに、康介さんが言っていた…「マゼンタのライダーが来たら、ソイツとは仲良くしておけ」って…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩いて数十分、俺達は閑静な住宅街へと入っていく。その静かな世界の最奥に彼の家はあった。

 

「お邪魔します…」俺はそう呟いて家の敷地へと入っていく。

 

「今、母さんは居ないみたい。」塾屋さんはそう言って家の鍵を取り出し扉を開けた。

 

室内は綺麗に整頓されていた。物が全て自分の意志で整列してるように並び、白い壁は常に手入れされているように感じる。

 

俺達は、2階へと案内された。階段を登った先には、3つ扉があり、彼は迷わず1番手前の部屋を開けた。

 

「……すっご……」

 

「そうかな…?」

 

何がすごいか、それは部屋中にびっしりと並べられた本棚とそこに立てかけられている本の数だった。

 

本と言っても、漫画や雑誌ではなく活字の…俺が苦手な本が数多く存在している。それら全てが本屋のようにシリーズ、作者ごとに纏められている、この一角を図書館だと言っても遜色ない。

 

「どうぞ。」塾屋さんは俺達を部屋の中へ招き入れた。

 

「それにしても本、か。ここまで集めるのも良くやる…飽きないのか?」東野がここまで本を集めている彼を不思議そうに聞いた。

 

「飽きるわけない!」即答したのはなんとヒステラだった。

 

「これだけの本が有るなんて、まるで楽園だよ、ここは……!」ヒステラの熱弁は続く。

「そんなに褒めてもらえて、嬉しいよ。君も本が好きなの?」同志を見つけたのか塾屋さんのテンションも上がり始めた。

俺達なんでここ来たんだっけ?

 

「勿論、中でも『時計台の魔女』は特別でね……闇夜を舞う主人公、アレは美しいとすら言えて……!」

 

「天使を騙る偽善者に罰を下す、それがとてもスカッとするんですよね!今度3巻が出るから楽しみなんだよね…これは未来に受け継ぐべき神作!」

 

「この世界はもうすぐ3巻が……!まだ2巻が出たばかりなのに、なん羨ましい……!」

 

なんで同じ本が別世界にもあるのか、そんな野暮な事を気にしては駄目なのだろうか…

 

「否定はせんが、何が面白いのかもいまいち分からんな……」東野はボソッと呟いてしまった。

 

「……そういえば、元々は君を撃つことが目的だったっけ。」その言葉にヒステラは即座に反応し鋭い眼光を突きつけた。それはまるでディスィトのようだった…なんて言ったら今の東野みたいになりかねない…

 

「……不機嫌な時は姉そっくりだな、輪をかけて。」

 

あっ、死んだな…東野。

 

 

「まあまあ、とりあえず本題に入りましょうか。」

 

今にも世界が滅亡するかもしれない勢いを塾屋さんが止めた。ナイスです。

 

「そうだったな…取り敢えず、あのセパレーテドについて知ってる事を話してもらおうか。」東野は、乱れたスーツの裾を直しながら聞く。

 

「…あのセパレーテドは、何が目的かは分からないですけど、町中のありとあらゆる『文字』を集めているんです。彼が持っているあの本を使って」

 

「本…オグマの書、のことだね。」ヒステラが付け加える。

 

「その能力のせいで、僕に残された力も『矛盾』しかない。」そう言って塾屋さんが見せたのは紫色で『矛盾』と書かれていた。言われてみれば、これがあの人のベルトに装填されていたような気がする。

 

「…それで?奴の正体は分かっているのか?」

 

「…確証があるわけではないですけど、『性悪党』そのものなんじゃ…あっそもそも性悪党というのは、言操神ワード…つまり俺に力をくれた神に仇なす人間の憎悪から生まれた存在。」

 

「…なんで、そう思ったんですか?」俺は聞く。

 

「…実は、さっきの戦いみたいに俺は奴らから避けられている…というよりもわざと避けているような感じがするんだ。そしてこうも言っていた。『まだその時ではない』と。」

 

「つまり、その怨霊とやらはお前に復讐する為、力をつけてる最中か。」

 

「そういう事…だと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

別地点

 

「ありがとうございました!」

 

ライトグリーンの作業着を着た配達員は配達先の家を後にし相棒であるトラックに乗り込もうとした。

 

「うっうわあ!!!!」その目の前に現れたのは、セパレーテドワードだった。

 

「お前の力を寄越せ!」そういうとセパレーテドはトラックに描かれた会社名などを奪った。

 

あまりの恐怖で思考回路が麻痺している彼はトラックに乗り込むとセパレーテドを轢き殺そうとアクセルを踏む。

 

一気に時速40kmに達したトラックはセパレーテドに突っ込む。

 

「はあっ!!」

 

しかし、そのような攻撃はセパレーテドに当然効かず奴らの拳でトラックごと運転手は炎に包まれた。

 

「力が…溢れる…!」その時、セパレーテドの身体が光を放ち始めた。

 

それも銀色の…まるでワードの最終形態のように…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この感覚……まさか。」

 

話を終えた俺達は一息入れようと試みたが、それは後へお預けとなってしまった。ヒステラさんが外を見ると、そこには空を覆い尽くす巨大な眼があった。

 

「なんだ…あれは?」

 

「眼が空いた……時間は無い、か。」東野さんの表情はより険しいものへと変わった。

 

「眼?」初めて聞いた言葉だ…少なくとも良いものではないと感じるが。

 

「世界眼。手短に言うなら、もうすぐ世界が滅ぶって指標だな。」

 

「ここは皆で、手分けしてセパレーテドを探そう。」月河さんの提案に俺含めこの場の全員が賛成した。

 

 

 

 

 

そういう訳で俺達4人は手分けしてセパレーテドワードを探す事となる。

 

公園、駅前、学校…様々な場所を探すが気配すら感じない。もしかしたら、もっと街の中心部の方に…

 

こうして街中を走ってると、1ヶ月前を思い出す。あの時も、こんな風に街の中心部へ走って向かって…言葉を助けて…

 

「まさか、同じ場所な訳ないよな…」

 

そう思ったが、俺はかつてあの竜を倒した大通りへと足を進めた。

 

 

「塾屋さん?どうして、ここに。」

 

そんな俺を、月河さんが止めた。

 

「いや、心当たりがあって…そっちに行ってみようかと。」

 

「……分かった、俺も行く。」

 

そう言って俺達はその大通りへ向かうことにした。

 

 

しかし…さっきからずっと気になっていることがあった。

 

聞かずに済めばそれでいいが、協力する以上聞かざるを得ない…

 

「…少しいいか?」俺は聞く。

 

「何故…ここまで俺に力を貸してくれるんだ?」

 

「なんで言えば良いか……まぁ、全ての世界を救う為、ワードの力を借りたいんだ。今までも、ここで言うならウォーズ、それとホロスとか……色んな世界で、そうして来た。」統矢は、目的を大雑把に説明する。実際はもう少し細かいが。

 

「…そうか…康介さんや械都の力も…分かった。俺も、それに力を貸そう。」俺はそう答えた。

 

「……ありがとう。さぁ、行こう……!」そう言うと俺たちは走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大通り…

 

 

「ここが街の中心部…か。」ディレイズに変身している東野は、奇怪な雰囲気を感じる大通りに出ていた。

 

「貴様、さっきの男か…邪魔だ。」

 

そう言って現れたのは白銀に輝くセパレーテドワード・天下無双だった。

 

「邪魔?……あぁ。確かに邪魔だな、そこまで輝かれると目が痛む。」

 

ディレイズは、ライドブッカーからカードを取り出した。

 

「聞く所、どうやら(ソウル)だけの存在らしいな。なら……コイツが一番適役だな。」

 

[KAMEN RIDE SOUL!]

 

ディレイズの身体は別のライダーへと変貌を遂げる。白き鎧を纏った戦士ソウルへと変身したディレイズは、ライドブッカーのソードモードを奴の白銀の身体に叩きつける。

 

突発的な攻撃にセパレーテドは一瞬後退する。

 

 

「死神に連れてかれる先は、灼熱(ファイア)地獄……ってな。」

 

[KAMEN RIDE FIRE!]

 

白い装甲が燃え、新たなライダーの姿へと変える。非常にシンプルな見た目に()が宿ったファイアに変身、右手に炎を纏わせた。

 

「…地獄に堕ちるのはお前らだ…!」セパレーテドは、槍を構えディレイズに攻撃を仕掛ける。

 

「はあっ!!!!」

 

ディレイズが地面に拳を打ち付けると火柱が立ち上る。その火柱はセパレーテドの元に迫る様に次々と上がっていく。

ついにセパレーテドの元に火柱が立ち上がる。

 

「姿が変わった程度で、勝てるなんて思わない事だ。大体期待は外れるものだからな。」

白銀になったセパレーテドに対してディレイズは言った。

 

「それは此方も同じ!」

 

「何っ!」なんと火柱を掻き分けてセパレーテドが迫る。炎を宿した槍をディレイズに振り下ろす。

 

突然の衝撃にディレイズはファイアの変身が解けディレイズの姿に戻ってしまう。

 

 

「貴様に、我々を止める事はできない…」

 

ディレイズは体を起こそうとするが、痛みがそれを止める。

 

「何…案ずる事はない。我々があの邪神が創り上げた世界を破壊するだけだ。」

 

「そんな事、絶対にさせない!!」そこへ新たな人物が現れる。既に矛盾の形に変身したワードだった。その後ろにはベルトだけ装着し、リムールだったウォッチを握っている統矢の姿もある。

 

「…ワード…」ディレイズは顔を上げ声の主を確認した。

 

「来たな…邪神。今日ここで、お前の創り出した世界は終わりだ…!」セパレーテドは憎しみと興奮が混ざる声で言う。

 

「…そんな日は来ない。それに、ワードへの侮辱を…許さない!」

 

ワードは矛を構えセパレーテドへ突撃する。

 

「さあ来い!決着の時だ!」

 

セパレーテドもまた槍を構える。

 

2人の攻撃で空中に火花が舞い散る。その光景を統矢は見ていた。そして、ウォッチを強く握る。

 

「クソっ、俺も戦えれば……!」

 

ワードは、矛を両手で持つと下から上へと振り上げた。セパレーテドの身体を切り裂き吹き飛ばす。

 

「その程度か!」セパレーテドは吹き飛ばされたのを逆に利用し槍の先を下に向けワードへ急転直下で切り裂く。

 

「ぐはっ!!!!」ワードの身体は火の粉を散らし地面に倒れる。

 

「塾屋さん!!」彼の身体は一向に立ち上がる気配がない…

 

 

 

「ただ殺してもつまらない…先に力だけで奪ってやる。」

 

そう言うとセパレーテドはオグマの書を開いた。本が光り輝くと、ワードの『矛盾』の力を全て奪い取っていく。

 

核の力を失った彼は、変身前の状態に戻ってしまった。

 

「あっ…力が…」ゴンは、驚きとともに上半身を起き上がらせた。

 

「さあ…遂に我々が世界を破壊する時が来た…!」

 

セパレーテドワードは、本を高らかに掲げ納められている力を世界破壊の為に解き放とうとする。

 

「そんな事絶対にさせない!!!!」ゴンは咄嗟に立ち上がると、セパレーテドの懐に潜り込み必死に食らいついた。

 

「…邪魔だ!!」セパレーテドは右足で膝蹴りをし、左手で軽々と彼を放り投げた。

 

「ぐっ!!」

 

「興が冷めた…破壊する前に殺す!」セパレーテドは怒りを露わにしゴンヘ迫る。

 

「……させるかっ!」そこへ倒れていたはずのディレイズが割って入る。彼はライドブッカーで斬りつけゴンとセパレーテドの距離を離す。

 

その衝撃で、オグマの書は奴らの手から離れ地面に落ちる。

 

 

倒れたゴンの元へ統矢が敬語も忘れるほど慌てて駆け寄り身体を支える。

 

「……おい、大丈夫か!?」

 

「なんとか…」ゴンは立ち上がると、再びセパレーテドの方へ歩み始めた。

 

「変身できないのに、やめましょうよ!」その彼を統矢は止めた。

 

「そんな事…言ってる場合じゃない!」ゴンは、統矢の方を向いた。

 

「…それに…俺の力は、ただの力なんかじゃない。ワードが…俺の為に受け継がせてくれた大切な力…それを奪われたままになんかさせたくない!」ゴンは統矢の目を見る。その気迫に統矢は一瞬見入ってしまった。

 

「受け継がれた者には…相応の責任がある筈だ…康介さんや、械都から受け取った力を取り返さなくていいのか!」

 

その言葉に、統矢はとてつもない重みを感じた…そして、自身の甘さが打ち砕かれる音が同時に鳴り響く。

 

「そうだ…俺の力は、みんなが俺の為にくれた力…」

 

 

「貴様ら…死ぬがいい!!」

 

その時だった。セパレーテドは、ディレイズの攻撃が止んだ隙を見てゴンと統矢のいる方へ白銀の光弾を放った。

 

「危ない!!」

 

ゴンは咄嗟に統矢の前に出て彼を庇った。

 

「塾屋さん!!」ゴンは、後方に勢いよく吹き飛ばされ、地面に倒れた。

 

「……俺が何か出来れば、こんな事には……!」その時、彼はふと目の前に落ちている本…オグマの書が目についた。

 

そして、何かを思い付いたのかその本の元へ走り、手にする。

 

「貴様…何をする気だ!!」それに気づいたセパレーテドは意識が統矢の方向を向く。しかし、ディレイズが邪魔をし本の元へ行けない。

 

「こうするんだよ!!」

 

統矢は本を開くと、その本を背表紙の部分から真っ二つに破り捨てた。事情が事情とはいえその姿を本好きに見られたら反感を買うことになるだろうが、そんなものはお構いなしで本を破る。

 

すると、その本のページが次々と空へと舞い上がる。それらが人一つ光に変わり、奪われた文字へと戻っていく。その中の一つが、リムールのウォッチに宿る。

 

リムールウォッチは力を取り戻し青い光を放つ。

 

「よくも…!」セパレーテドはとてつもない怒りと憎しみを現す。

 

「そいつはこっちの台詞だ!よくも塾屋さんを……!」

 

「ちょっと、勝手に殺さないで…」そこへ後ろからゴンが声をかけた。てっきり死んだと思っていた統矢は驚きを口にする。

 

「い、生きてた……どうして……?」

 

「…一応、こう見えても『神』なんでね。ちょっと体が固いみたい。」

 

 

改めて、2人は横並びになる。そしてそれぞれの変身アイテムを手にする。

 

「それじゃ、行きましょうか……塾屋さん!」

 

「…ゴンでいいよ。歳も一年差だし。」

 

「……え?あ、もっと年上かと…じゃあ、改めて……行こう、ゴン!」

 

「いつでも行けるさ、統矢!」

 

「「変身!!」」

 

[KAMEN-RIDER REME-L!]

 

[矛盾する運命…ワード、矛盾!]

 

2人は、それぞれリムールとワードへと変身を遂げる。

 

リムールは、右腕のホルダーを見た。そこにはウォーズとホロスのウォッチもあった。

 

「よし、ちゃんと戻ってる……!」

 

その時だった。左腕に紫色に輝く何かが現れる。それは、光が収まるとワードのウォッチへと変貌する。

 

セパレーテドと距離をとったディレイズの元にも、3枚のブランクのカードが現れる。それらもまたワードのカードへと変貌を遂げる。

 

 

[Word!]リムールは、左腕のワードウォッチを起動させベルトに装填する。そして、勢いよくベルトを回転させる。

 

[ARMOR TIME!][核、読み取り!WORD!]

 

『矛盾』核を模した装甲が出現、それらが分離すると変身シークエンスを開始する。

 

矛の文字は分離し、右肩アーマーと右胸部、そしてワードの矛に近い槍に変形、盾の文字は左胸部と左腕を覆う盾へと変形、最後に現れたワードを模した仮面がリムールの頭部に装着、翠色で『ワード』と書かれた文字が装着される。

 

「仮面ライダーリムール!時の救済者にして、時空の在るべきを示す者!そして今は、言霊の統率者の力を受け、纏し瞬間!我が主に祝福の『言葉』を!」その時、どこから現れたのかヒステラがいつものようにリムールワードアーマー誕生を高らかに宣言する。

 

「……大分久しぶりじゃない?」

 

「不甲斐ないね、私としてはいつだってこれをやりたいんだけど……」

 

「……そりゃ、勘弁して欲しいけどな……!」槍を構えたリムールはセパレーテドワードへと向かって走る。

 

「俺も…!」

 

「ちょっと待て。少し耐えろ、すぐに済む。」リムールの後を追って攻撃しようとしたワードの後ろへディレイズが回り込み、ワードが3人描かれているカードを装填した。

 

[FINAL FORM RIDE][W-W-W-WORD!]

 

「えっ!うわ身体が!」ディレイズがワードの背中に手をかけ、ワードの身体を真っ二つに分裂させる。

 

分裂したワードの身体は、赤紫で構成される矛矛の形と青紫で構成される盾盾の形へと変化した。

 

「えっ…体が…」盾盾の形に変化した自身の身体をゴンは見る。

 

「何が起こっておる…」その隣で、彼にとってとても落ち着く聞き覚えのある声が鳴り響いた。

 

「…その声…ワード?」

 

「お主…ゴンか!」

 

矛矛の形には、なんと言操神ワード自体の意志が入っていた。

 

「なんで…ワードが?」

 

「…ワシにも分からぬ…じゃが、今は戦わねばならぬ様じゃのう。」ワードは、セパレーテドと交戦するリムールを見た。

 

「…ああ、行こう!ワード!」ここ最近で一番生き生きとしているゴンと共にワードは戦場へと飛び込む。

 

「さて、俺も続くとしようか……!」[KAMEN RIDE WORD!]ディレイズもワードへと変身、4人のワードが同じ時間に並び立つと言う驚愕の瞬間が今目の前に広がっている。

 

「…ワードが4人、粋な計らいだろ?」ディレイズはセパレーテドを見てあの人の台詞を真似て言う。

 

「うち2人は偽者じゃがな。」ワードはそう付け加えた。

 

「よし、みんな行こう!」

 

「貴様ら…全員地獄の底へ叩き落としてやる!!」セパレーテドワードは再び光弾を放つ。それらが地面に着弾、爆発が起こるが、4人は立ち止まる事なく前へ走る。

 

「はあっ!!」まずはディレイズが矛を構え振り下ろす。

 

「でやぁっ!」その次にリムールが槍でセパレーテドを貫く。

 

「やあっ!」「おりゃ!」後退したセパレーテドへ2人のワードがそれぞれストレートパンチを繰り出す。

 

 

[FINAL ATTACK RIDE. W-W-W-WORD!]

 

「パラドシカルランサー!」

 

ディレイズとワードは、それぞれ矛でセパレーテドを切り裂く。

 

 

[FINISH TIME!] [書き込み! TIME PROTECT!]

 

「パラドシカルキック!」

 

そしてリムールとゴンがセパレーテドに蹴りを叩き込む。

 

 

しかし、いくら特効を持つウォッチであるとはいえ、進化したことで耐久力も上がったセパレーテドに並の攻撃は効かない…

 

「…それなら、コイツでどうだ!」リムールは、ディレイズのウォッチを取り出した。そして、ワードウォッチをディレイズウォッチのスロットに装填、それをベルトのスロットに装填する。

 

[FINAL FORM TIME!W-W-W-WORD!]

 

リムールからワードアーマーが外れ、代わりにディレイズアーマーが装着、更に素体の一部がワード烈火の方へと変化、胸部にはワード烈火の形と文字が現れ、頭部にはカードの様な顔面に烈火の形の頭部が描かれる。

 

「…ゴン、ワシらも行くぞ。お主が手にした最強の力を我に示すが良い。」

 

「ああ、見ててくれ。俺の変身を。」

 

 

そう言うと、ワードは1人になり、天下無双核を取り出した。そしてベルトに装着、白銀のワード、天下無双の形へと変身する。

 

[四字核、読み取り!][天下御免、最強無双ワード!天下無双!]

 

そして虹色の翼が背中から生える。

 

 

「光に炎…そういえば、預かったままだったな…。」ディレイズは光に包まれ変貌したワードと炎の力を宿したリムールを見て何かを思い出したかの様に懐からあるものを取り出した。

 

「…リムール!」

 

「何?おっと…!これはフラッシュとファイアのウォッチ!」

 

ディレイズが投げ渡したのはリムールに渡しそびれていたフラッシュとファイアのウォッチだ。

 

「折角だ、使ってみろ。」

 

「分かった。」[RIDE DERIVATER!][FLASH!]

 

リムールは右手に持った剣にフラッシュのウォッチを装填、そして剣に取り付けられた時計の針の様なパーツを3周させる。

 

[ALL RIDERS!]

 

「行くぞ!」リムールは白く輝く剣をセパレーテドに向かって振り下ろす!

 

[F-F-F-FLASH!][CROSING TIME PROTECT!]

 

白い光の斬撃は、セパレーテドの身体に強い衝撃を与える。セパレーテドは、その攻撃に地に膝をついた。

 

「今だ!」ワードの声に合わせてリムールも飛び上がる。

 

[超・必殺、書き込み!][グレートライダーキック!]

 

[W-W-W-WORD!FINAL ATTACK TIME PROTECT!]

 

「「はあっ!!!!」」

 

烈火の如く力強いリムールのキックと光の様な速度で突撃するワードのキックが重なり合い、セパレーテドワードへと激突する。

 

「ぐっ…こんな所で!!!!」

 

ダブルライダーのキックでセパレーテドワードは、その姿が消え大爆発を起こす。

 

その傍らで、性悪党の怨霊から出たワードのウォッチが粉々に砕ける。

 

 

 

 

 

「どうやら…またお別れの時間が来た様じゃな。」

 

ワードは、ゴンにそう言う。ゴンはそれを聞いて無意識のうちに悲しみを浮かべていた。

 

「何、前も言った様に、ワシは常にお主と共にある…これからの事、頼んだぞ。」

 

ゴンはその言葉を聞き、顔を上げた。

 

「…ああ、任せてくれ。ワード。」そう言うと、ゴンの身体からワードの意識は消えてしまう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…審判の時だ…」

 

ディレイズは、魂だけの状態になっている性悪党に向かって言う。

 

「待って、少し話をしたい。」

 

そのディレイズをワードは止めた。

 

「……そうか。あまり長話はできないが。」

 

「…ありがとう。」ワードはそう言うと性悪党の前に立った。

 

「貴様が審判を下すのか?」

 

「…それよりも、聞きたい事がある。」ワードは、彼らに向かって口を開く。

 

「…」

 

「…まだ、俺たちが要らないと言い続けるのか?もう、全ては終わったんじゃないのか?」

 

「…それはないな。性悪党は、人間に感情がある限り何度でも現れるさ…」性悪党は、ワードの脳裏に刻み込むかの様な声で言い放つ。

 

「なら、俺はそれを必ず打ち破る。何度現れようが…絶対に。人間を舐めるな。」

 

「…神に、人間のことをどうこう言われる筋合いはない…」そう言うと性悪党の魂は、塵となり無くなってしまった。

 

 

 

「…審判を下す前に消えたか…。」ディレイズは変身を解いた。それに合わせてワードとリムールも変身を解く。

 

 

「…今回の件、ありがとう。助かったよ。」ゴンは、笑顔で統矢に言った。

 

「こっちこそ、ウォッチを貸してくれてありがとう…必ず返すよ。」統矢もゴンに笑顔で答える。

 

「それじゃあ、また会う日まで…」ゴンは、そう言うと銀色のカーテンを潜り元の世界へ帰る統矢達を見送った。

 

 

 

「…ゴン…ようやく見つけた。」

 

その時、彼を呼ぶ女性の声が聞こえた。

 

「…言葉…こんな所でどうしたの?」

 

「別に…町中から文字が消えたり、空に眼が現れたりしてる異変が起きてるからゴンに知らせないとって彷徨いてたけど、解決しちゃったから……ねえ、なんかいいことでもあったの?」言葉はゴンの顔を見て聞いた。

 

「…久々に、会ったよ。ワードに…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この世界は…まだレッスンのしがいがありそうだ…」

 

ネイムは、3つのウォッチを持って彼らの様子を見ていた…

 

[FORCE…][FUTUR…][RANBU…]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




改めてリムールのリンクと最大の感謝を…
https://www.pixiv.net/novel/series/7664482

そして、



仮面伝説シリーズ、外伝補完計画…

第三弾、製作中…12月下旬公開予定
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