オジマンディアス(偽)は転生者である 作:仙儒
当方、転生者。
何で死んだかわからぬが神に会い、転生特典に金ぴか所望。
神「あ、オッケーす。まぁーかせて」と気の抜けるのほほんボイスの後に意識を失う。
目を覚ますと病院のベッドの上。
医者からの説明で事故にあって何年か昏睡状態だった模様。
何か仮面付けた神主服着た奴と巫女服着た集団を引き連れた美人さんが登場。
如何やら事故で両親死んで天涯孤独の身らしい。
何か色々説明してくれたが、要約すれば「ねー、家来ない? 君さえよければ俺を養子として迎え入れたいんだけどさー」とのこと。
なんと都合の良い展開だろうか。
文明レベルも俺が転生する前と同じと見ていい。そうなると、どうしても保護者は必要である。
正に渡りに船である。何と幸運なことか。
答えは勿論―――、
「あ、結構です」
これ一択である。
考えてみて欲しい。美人さんはともかくとして、後ろに控えてる取り巻き連中変な仮面付けてんだぞ?
一瞬にして固まる美人さん。
だが、それも一瞬のこと。頬を引きつらせながら「理由を聞いても?」と言われる。
いや、理由も何もこんな自分怪しいですと常識に全力で喧嘩売ってる連中引きつれてる人とは関わりたくない。病院にその格好で乗り込んできた胆力と神経の図太さは認めるが、正直いらん勇気であるとここに断じよう。
そして、それが理解できない時点でもう、関わりたくない理由しかない。
俺は心を無にして、入口を指さす。
「あ、出口はあそこです」
関わって良い部類の人間ではない事を態度で示している人物に理由を言えとな?
多分言ったところで理解されないと思うので終わり! 終了! 閉廷!
再び固まった後、「目が覚めたばかりで混乱してるだろうから」と取り巻き引き連れ出て行った。
引きつった笑顔で「また来ます」と言い残された。
いや、もう来ないで欲しい。
塩を蒔いて効果があるだろうか?
まぁ、病院なので蒔けないのだが。
誰も居なくなった病室で、取り敢えず立ち上がってみる。
医者の話だと何年か昏睡状態だと言われてたけど、本当にそうなのか疑いたくなるほど普通に行動できた。
邪魔なチ〇コに繋がれてる管を引き抜き、ひゅんとするような言語化しにくい痛みに涙目になりながら点滴の吊るしてある奴を掴んで病室を後にする。
しかし、普通事故で意識不明になったのならもっと用途のわからない医療用機械が置かれてそうなもんだが……。少なくとも酸素マスク位は付けさせないか? 普通。
考えた所で答えなんて出ないので、一番の懸念事項について確認すべくトイレを探して直行する。
―――確かに金ぴかだけどさ。ちょっと、
トイレに付いている大きな鏡には日本人離れした、と言うか人間離れした息を飲むほどの整った顔。健康的な印象を与える褐色の肌。薄っすらと光っているように見える陽光を思わせる色の瞳。
少し高いが、それでも充分イケボの範囲であるテラ子安ヴォイス。
オジマンディアスこと、
マジで
まぁ、色々ありすぎた。マジで。
結界の向こうに顔を出してみたら燃えて変なのがうじゃうじゃ居て、熱いしじゃれついて来るし。
スフィンクス何体か出したら、うじゃうじゃ居た変なので遊びと言う名の一方的蹂躙劇が繰り広げられる。蒼穹のフラグメンツにおいて、東京を単騎で塵にする力を持ち、且つ巨獣狩りのスキル持ちのプロトアーサー事「プーサー」相手に真っ向きっての一騎討ちした実力は伊達ではないらしい。
信じられるか? このスフィンクス、替えの効く捨て駒で、それぞれに好みによる得意分野(得手不得手)こそあれどほぼスペック的差が無く俺の魔力が持つ限り際限なく作り続けられるんだぜ。しかも、作り出したスフィンクス達。その体を維持する魔力を霊脈とかから勝手に吸収しているらしく、よっぽどのことがない限り戦闘ですら魔力供給を必要としないとんでも無くエコな奴らだ。
空を埋め尽くすほど居たのがいつの間にかいなくなっていた。多分スフィンクス達に追いかけられていったのだろう。
壁の中に戻ると仮面付けた巫女と神主服着た面々がそこそこの数土下座で「お見事です」とか「流石です」とか兎に角俺を褒め称える美辞麗句ばかりを感情を一切含まない言葉で機械的に繰り返される。
他にも、何時の間にか小学生三人の面倒押し付けられたり、その面倒見てる中の一人の須美の着替えを覗いてしまい、気が付いたら許嫁になって俺の世話を甲斐甲斐しく焼きつつ義理の母親と父親と何時の間にか仲良くなって家に入り浸るようになり、少しずつ須美の私物やプラモが俺の馬鹿みたいに広い部屋を侵食し始めたり、当然のように夕食の席に交じりにこやかに話している須美。義理の両親に「果報者め」とヤジを飛ばされた辺りから会話が怪しくなり、女性陣の話が盛り上がりに盛り上がり、「そう遠くないうちに孫の顔が見れるかもしれないわね」と言う言葉を経て「頑張ります」と顔を真っ赤にしつつ須美が決意表明するまでがテンプレに成っている。
こう言った手合いの話には何を言ったところで盛り上がる要素しかないのでスルーしてたが、外堀を凄まじい勢いで埋められて、取り返しのつかない事態になってるんじゃなかろうかと背筋に冷たい汗が流れた。
後は、銀が事故で亡くなったと思ったら幽霊? として俺に取り付いたみたいで俺はネタではなく冗談抜きでもう一人のボク状態になったり、
園子も事故って意識こそあるものの、ほぼ植物人間状態。
須美は鷲尾家から俺に園子と一緒に事故に巻き込まれて死んだと言う訃報だけが来た。
今度は同い年の金髪の子を大赦経由で紹介されて、讃州市に引っ越し。
義理の両親がやたらと気を遣ってくれたが一人になる時間も必要だった。(尚、頭の中には銀が居た模様)
散々悩んだが、結局須美の私物は捨てると言いながら大赦が用意したマンションの一室に持ち込んだ。
序に世話役だと言われて一つ下の少女を付けられた。
何かぶっきら棒でやたらとサプリと煮干し決めたがる傾向にある健康食品大好きっこだ。流石にアメリカ人よろしく、スナック菓子感覚でボリボリ口にするのはやめさせた。(だが、飯はコンビニかスーパーの弁当だ)。
悪い子ではないんだけど、態度に少々難ありな少女に多少の再教育をしつつ結局、洗濯物以外俺が世話をした。
洗濯物も俺がしようと思ったが、「私の立つ瀬が無いじゃない!」と言われてそれだけはやらせている。
因みに、同年代の金髪の子。犬吠埼風が何故か料理をしていた俺に弟子入りを申し出て料理の練習をするようになると、張り合うように世話役(笑)の夏凛が張り合い始めた。
中二になったある日、風の呼びかけで勇者部なる物の副部長に任命された。
俺は夏凛の飯作んなきゃいけないんだから入らんと言ったのだが、夏凛も最近は料理をだいぶできるようになったし、彼女も勇者部に入ることを決めていたと記入された入部届を見て根回しは終わっていることを理解する。別段、不思議なことではない。
風は大赦と言うものに対して並々ならぬ物を抱えているが夏凛と俺は例外らしい。何だかんだ言いつつ面倒見のいい風と夏凛、風の妹の樹とは仲が良い。
部室のことを聞き、そっちの手続きに俺は出向き風は部員の勧誘に向かった。
特に使っていない場所とは言え、そこそこの部屋一つを部室として寄こすとはこれ如何に?
流石にフットワークの軽い風の手腕でもまず無理な事に作為的な物を感じた。
頭の中で銀が何か喚いていたがスルーした。風に連れられて来た二人の少女のうち一人、車いすに乗って居る少女を見た時に白昼夢を見たと思って頭をロッカーに思いっきり叩きつけてロッカーと中に入っていたモップを壊してしまった。銀も頭の中で『…須美?』と呟いてたし。
後はちょくちょく植物人間状態(意識はあるししゃべれるけど)の園子の所に顔を出したりして、樹が中学に入学してからは怒涛の日々だった。
何か変な結構な魔力を内包したぬいぐるみ見たいのが部室を飛び交うようになり、時折俺の頭の上でくつろぎ始めたり、部屋でホラ貝吹き始めようとしたり。
どうも、皆そのことを隠そうと……と言うか何と説明すれば良いのかワタワタし始めたので「何か居る、或いは有るのか?」で誤魔化した。知らバックレるのが一番楽だったし。
暫く過ごす内に、皆が体に異常をきたしていた。
何かがおかしいが、それが何かの確信が持てない。
銀に聞いたが、銀はわからないとしか答えなかった。ただ、勇者について銀が教えてくれた。
御役目。銀たちの戦い。
敵と言うものを俺は見たことがない。そもそも、銀たちは戦う時に神樹に樹海と言われるバトルフィールドに招かれると言っていた。
俺はそこに招かれることが無かった。
何かできることがないか、その樹海とやらに入り込む手段の模索と頂点と名付けられた敵について実家を通して知った。
壁の向こう側、炎の世界に居た変なもの。あれが人類の敵だと言う。
結界の外に出て闇夜の太陽船で飛び回り炎の世界を調べ、地脈が集う場所を探しそこの集う敵を殲滅し確保したところに複合神殿を造る日々を送り、時折パワードスーツ着て銃剣持った少女たちが敵に襲われてるのを助けて過ごした。
んで、粗方見て回ったんで四国に戻って見たら結城に神由来の嫌がらせがされてたのでそれを解呪し、一寝入りしてたら変な鏡が壁を壊して襲撃してきて、強制的に場が変わる。
ここが樹海なのかと吞気に見まわしてたら勇者部面々が戦っていた。夏凛なんか血まみれでボロボロだった。
取り敢えず、東郷と結城を抜いたメンバー(二人がそこに居なかったから)を護りつつ戦ってたら蠍見たいのに脇腹をぶっ刺された。
脇腹に大きな風穴が開き、寝不足による深夜のテンション? 的なものと合わさってテンションが吹っ切れて鏡以外の敵を
第六特異点見たく魔力切れとロンゴミニアドによる裁きの光みたいな、文字通り横槍が入らないからこその無理くり大神罰十連打である。
余は大変満足である。
敵の陣地制圧してるときに、そこに存在する神殿っぽい何かから地脈による膨大な魔力の他に魔力がこれでもかって位送られて来てたから、かき集められるだけかき集めて大神殿に貯蓄しておいた。
闇夜の太陽船で取り敢えず場所を絞ったとはいえ地脈が集まってる所に神殿をホイホイと建てた結果、神殿通しと大神殿で膨大なネットワーク構築されたらしく大神殿の効果が薄っすらとだけど大神殿の外でも効力を発揮してる状態になったらしい。大神殿の位置が神戸の大聖杯があった例の場所と言うのも大きいと思うが……、今の俺は超不完全で微妙な不老不死だ。
だから、そんなこの世の終わりみたいな顔しなさんな、皆の衆。
何時の間にか讃州中学の屋上に飛ばされて、俺を治療するために大神殿へと転移する術式的な何かが起動したらしい。
しかもこれ、時間をかけてゆっくり転移してるらしくアンリミテッドブレイドワークスルートのエミヤみたいに徐々に薄っすらしていく。
相変わらずパニック状態な皆を落ち着かせようと、一番死にそうなヤバい顔してた東郷に「落ち着けよ、落ち着けよ。せっかく色々解放されたんだから何にも縛られず自由に過ごせよな! 自殺何て論外だぞ(意訳)」と言ってたらスフィンクスが銀の死体を何故か持ってきたので、もう一人のボク状態の銀を引っぺがしてその死体に定着させる。
こんな強引な方法を取れるのはスフィンクスが持って来た体が死後直ぐの状態で保存していたからできたことだ。俺だと銀に人間の体用意するのに数年はかかってたから助かる。と言うか、それを持ってるんならもっと速くとっとと出せよ、そうすれば銀に2年不自由何てかけずに済んだのに。
銀の体の大きさは2年前のままだが「もう一度人間として生を全うできるんだから我慢してケロ。ちゃんと”お嫁さん”に成れるし子供も身篭れるからさ。まぁ、お嫁さんになる前に勉強で地獄見るだろうけど(意訳)」と言っておいた。
やせ我慢してるけど、アドレナリン切れて脇腹がやばいんです。何故か銀の遺体は右手が二の腕あたりから千切れるようにして無くなってる。
その手を今持てる魔力全部使って治したが、脇腹の痛みと純粋な魔力切れによる疲労で少し意識が朦朧としていたために治療が雑になってしまい、調整が必要だろうが、それは……今度でいいか。
ぶっちゃけ俺が調整しなくても、銀本人がリハビリちゃんとすれば問題なく動くはずだし。
そう考えてる間に完全に大神殿内部の玉座に転移され、何か勝手に大神殿の術式起動のガイダンスが流れる。何を言ってるかは最早朦朧とした意識の中では判断が付かないが、一つハッキリわかり思うことがある。
あれ? ネフェルタリの声違くね? もっと言うと転移する前まで泣きじゃくってた俺の許嫁の声がするんだが……。
虚無の申し子はドンドン鬱々展開、8割がたできてるけど、もっと「ほら胃ZU~N」にするかマイルド? にシリアスにするかで悩んでる。
まぁ、どちらに進んでも愉悦部がワインと麻婆でカーニバルなんですけどね初見さん。