天空侵犯 cross   作:白影

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戦う覚悟はもうできた

ービル屋上ー

 

「そうか、君もあの塔を見てこの世界に来たのか」

 

「あ、はい」

 

遭遇した人は鳴上悠と名乗った。高校二年生で僕より一つ先輩らしい。なので鳴上先輩と呼ぶ事にした。僕たちは壁に寄りかかり座り話しをする。

 

「あの鳴上先輩はいつからここに?」

 

「俺は昨日からこの世界に来ている。最初はテレビの中に入ったかと思ったがペルソナが使えないからそうではないみたいだ」

 

「え、テレビ?ペルソナ?」

 

「すまない。こちらの話だ。それより何か聞きたいことはあるか?」

 

先輩は誤魔化すように話を反らした。そしてふと僕は先輩が持っていた刀に目がいった。

 

「あのその刀は?」

 

「これはこの世界に来て見つけたものだ。仮面たちに遭遇した時、丸腰で相手をする訳にはいかないからな」

 

「仮面たちって…仮面は一人じゃないってことですか!?」

 

あんな殺人鬼がまだいることに驚いている僕に先輩は静かに頷いた。

 

「ああ。遠目ではあるが俺も何人か見かけている。」

 

「あのこの世界って何なんですか?それにあの仮面も?」

 

「すまないがこの世界についてのことはまだ分からない。俺も色々調べているが、ただあの仮面についてともう1つ分かったことがある。」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

僕が聞き返すと先輩は頷く。

 

「まずあの仮面の目的は人を殺すことじゃない。」

 

「え?でも僕は目の前で人が殺されたり殺されかけたりしましたけど」

 

「それはその目的が達成できないと判断した処置だろう。仮面の目的は人を絶望させ飛び降り自殺をさせることだ(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

僕はその言葉に絶句してしまった。

 

「な、何ですかそれ?」

 

「そう思うのも無理はない。俺はこのビルに来る時の話しだが、あるビルの屋上で人間を襲う仮面を見つけたんだ。たがそこは俺が居たビルと別のビルだった。何とか助けようと吊り橋を探したが見つからなかった。」

 

その時のことを思い出したのか先輩は悔しそうな表情をしていた。

 

「その時襲われていた人間がフェンスが開いた場所に歩いたんだ。」

 

「!それって!」

 

「ああ。君が先ほど落ちそうになったフェンスの切れ目だ。」

 

じゃああのフェンスが開いていた理由って自殺ができるように(・・・・・・・・・)

 

「そしてその人間はフェンスの切れ目から飛び降り自殺をした。その時から仮面の様子がどうもおかしかったんだ。」

 

「おかしい?」

 

「フェンスの切れ目に人間が向かって行くとき動きを止めていたり、飛び降りた後、確認するように下を覗き込んでいたりしたんだ。それで仮面たちの目的が飛び降り自殺だと気づいたんだ。」

 

「………」

 

先輩の言う通りだとしたらなんて悪趣味だと感じた。「殺される」か「飛び降りる」の最悪の二択を選ばされるということだ。その時鳴上先輩は刀を持ち立ち上がる。

 

「君はこれからどうする?俺はこの世界に仲間たちがいないか探すつもりだが?」

 

「仲間?」

 

「ああ。元の世界での俺の仲間たちだ。俺がこの世界に来た時、仲間たちも近くにいたからもしかしたらいるかもしれない。」

 

「で、でもここにはまだ仮面たちがいるんですよね?その仲間の人たちだってもしかしたら…」

 

「いや。みんなはきっと戦っている。それなら俺がみんなを見捨てるなんてことは絶対にできない。」

 

その時僕はこの人には「覚悟」があると思った。自分にどんなことがあろうとも仲間と共に戦うという覚悟が。だけど僕は…

 

「…僕は戻りたいです。あんな怖い思いもうしたくない」

 

憧れていた異世界転移のような状況なのに僕は死にたくないという気持ちが大きく僕は震えながら呟いた。

 

「そうか。それじゃもう1つ分かったことを教える。この世界の脱出方法だ。」

 

「!この世界から出る方法があるんですか!?」

 

「ああ。それはヘリ…」

 

先輩はそこで言葉を切り次に驚いた顔をして僕の腕を掴み自分の後ろに引っ張った。突然の行動に驚いていると

 

破裂音がし鳴上先輩の肩から血が吹き出した。

 

「な、鳴上先輩!」

 

先輩は膝をつき痛みを堪えるように肩を抑える。僕は先ほど破裂音がした方を見る。離れたビルの屋上に人影が見えた。

 

(あれはまさか仮面?)

 

その時また破裂音が聞こえた。そして今度は先輩のお腹に当たりそこから血が流れてくる。

 

「鳴上先輩!こっちです!」

 

僕肩に先輩の腕を回しビルの中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー離れたビルの屋上ー

 

鳴上悠が狙撃されたビルから離れたビルに一人の仮面がいた。その仮面は黒の学校制服を来ており前髪が長くくせっ毛を生やしていた。手には鳴上悠を狙撃したスナイパーライフルを持っていた。仮面はスコープを覗き天道たちを狙う。飛び降り自殺をする気配がないので射殺しようとするがすでにビルの中に入ってしまった為、狙撃を中止した。

 

「………」

 

仮面……スナイパー仮面は次の人間を見つけるためその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ービル内部の廊下ー

 

ビルの中に逃げた後、先輩はお腹を抑えていた。

 

「鳴上先輩!早く止血しないと!」

 

「駄目…だ…腹に…撃た…れて血が…止まりそう…にない…」

 

「そんな、僕を庇って…」

 

自分のせいで人が死んでしまう。僕の肩に重い重圧が乗る感覚があった。

 

(僕がもっと気をつけていれば…鳴上先輩は…)

 

後悔していると瀕死の中先輩は持っていた刀を僕に渡した。

 

「天道…君…これを…」

 

「で、でもこれは鳴上先輩の」

 

「いいん…だ…もうどの…みち助から…ない……。なら…君が持っているほうがいい…」

 

僕は刀を受け取った。先輩は手を握り僕の目を見て話す。

 

「…一つ…約束…して…欲しい…絶対…絶望する…な」

 

「!」

 

「この世界…は絶望…した…瞬間…終わる。だけど…それ…だけは絶対…にしたら…駄目だ…」

 

「鳴上先輩!もう喋らないで下さい!」

 

鳴上先輩は一枚の写真を取り出す。

 

「すまない…皆…。戻れなく…て…本当に…」

 

それを最後に先輩は力尽きたように目を閉じた。僕は刀と最後に手にしていた写真を持って立ち上がる。

 

「…鳴上先輩」

 

その時、後ろから物音がして振り返る。そこには黒髪の長髪に黒い制服を着た女子高生の仮面がいた。手には血の付いた鉈を持っていた。あの仮面は間違いなく自分を殺しに来るだろう。

 

「だけど僕はもう逃げない」

 

僕は刀の柄持ち、目の前の仮面…鉈仮面に向き合った。

 

(先輩、僕も覚悟を決めました。会って間もない僕を守ってくれた先輩の為にも絶対に死ねない。)

 

鞘から刀を抜き、鉈仮面に向け構えた。

 

これが僕のこの世界での初めての戦いだ

 

「僕は絶対に絶望なんてしない!」

 

 

 




≪名前≫スナイパー仮面
(?????)

≪登場作品≫?????

≪名前≫鉈仮面
(?????)

≪登場作品≫?????

※仮面の正体は本編で明かされた場合や明かされず退場した場合、後書きに載せます。
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