担当ウマ娘がダンボールかぶってる   作:徐々に奇妙な冒険

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復活ッ! 匿名投稿を覚えたから多分アカバレはもう……ないと……思われ……


二章
学園では教師として


「疲労ッ!!」

 

ひ、疲労と言われましても。

 

トレセン学園(ここ)の教員はとても熱心で勤勉で、美しい! だがしかし!」

「残業ッ!! これだけはやめてほしい!!」

「以前ッ!! 自主残業で倒れた経験のある者は特に!! 書類が増えたぞ!!」

 

ギクリ。

 

「阿呆!!」

 

ただの悪口じゃん理事長。

 

「休息ッ!! 私だって休みが欲しい!!」

 

ごめん理事長。

 

「以上ッ!! 今日も頑張るように!!」

「「「「はいっ!!」」」」

 

職員室での朝礼を終え、手帳を開く。

体育は……どの学年も一時間目からはなし。

とりあえず、やりたいことを消化しますか。

 

「やっぱ気になるのはこのページだよな」

 

ゴルシがくれたファイルの、一枚だけ破れたページ。

結局名前を思い出せなかったんだよな。

わかっているのは名前がトから始まること、好物がラーメンと餃子であること、すでに引退していること。

改めて思うけど情報量少なすぎね?

 

「お、暇そうにしてますね」

「っすね〜ウマ娘が座学やってる間は暇なんすよね」

「何見てるんです? データファイル?」

「この破れたページのウマ娘、誰だかわかります? 妙に気になっちゃって」

 

つっても流石に無理か。

ウマ娘が好きってだけで、この人はトレーナーでもなんでもないもんな。

 

「トから始まる……トウカイテイオー、トーセンジョーダン」

「やっぱその二人が最初に思いつきますか。でもその二人はここに載ってるんですよね。他もまた然りです」

「ふむ……あ、幻のウマ娘とかは?」

「幻のウマ娘?」

「ええ、いたんですよ……トレーナーさんが子供の時くらいですかね、すごく活躍したウマ娘がいまして。その娘がトから始まる名前だった気がするんですよね。と、ト、トキノ……トキノなんちゃらです」

「トキノミノルッ!!」

「は、はいっ!?」

 

あぁごめんたづなさん大声上げて。驚かせちゃったね!

 

「そう、それですよトキノミノル! いやあスッキリですね! 今頃どこで何してるんですかねぇ」

「トキノミノル……過去のデータが残ってると良いんですけど」

「本人が嫌がったみたいでほとんど残ってないみたいですよ。ウマ娘名鑑改訂版に後ろ姿が載ってるくらいです」

 

図書室行ってみようかな。なんでページが破られてたのか気になるし、何よりトキノミノルがどんな容姿だったか気になる。

せめて脚だけでも見れれば、その「幻のウマ娘」に近づくヒントになるかもしれん。

 

「しかし、よく覚えてましたねトキノミノルなんて。僕が子供の頃だから……十数年前じゃないですか?」

「あの走りは一度見たら忘れられないですよ。名前こそ忘れそうでしたが、レコードを叩き出した瞬間の凛々しい表情に仲間が全員惚れてましたね」

「はえ〜……そんなですか」

「せめて記念品でも持っておけばと、後悔しましたね。蹄鉄なんかはプレミア付きですよプレミア! トキノミノルのご加護が得られるとかなんとかで、幼少期の蹄鉄が今も高値で売られているそうです」

「幼少期の?」

「パーフェクトって呼ばれていた時代のときですね。全盛期の蹄鉄は見当たらないようです。かなり質の良いものだったと聞いていますよ」

 

へぇ……蹄鉄か。

そういえば、ハリボテエレジーは蹄鉄は何グラムのものを使っているのだろう?

交流会の時に聞いてみるか。

 

「やっぱりいいですねぇトキノミノルは。彼女の走りを、もう一度みたいものです」

「さぞカッコ良かったんでしょうなぁ……」

「ええ、カッコよくて美しくて可憐で、まさに伝説でした……。しかし謎ですね。そのファイルのページはなぜ破られているのでしょう」

「借りた物なのでわかりませんが……もしかして、トキノミノルが近くにいて抜き取ったのかもしれませんね!」

「おぉ! でしたら奇跡ですな!」

「「はははははは!!」」

「…………」

 

たづなさんから鋭い視線が向けられる。いやまじすんません。授業なくて暇なんですもん。

たづなさん知ってます? トキノミノル。知らない? そうですか。

しかしこのおっさんなかなか喋れるな。人並みにレースを楽しむ系の教師だと思っていたけど、案外ウマ娘が好きなのかもしれない。

 

「あっ、じゃあこれ知ってます? ラバスト占い!」

「ラバスト占い、聞いたことはあるんですけど……」

「ラバストを開封して、願掛けをするってやつです。歴代のラバストの袋を闇鍋して、推しウマ娘が出たら縁起がいい! みたいな」

「なかなか面白そうですね」

「俺、持ってきてるんですよ……ラバスト闇鍋」

 

どんと置かれた袋にこの前買った新弾のラバストも混ぜていく。

なんだなんだと続々教師どもが集まってきた。あ、やります? 良いですよ全然。やりましょうやりましょう!

 

「次に見所ありそうなレースですか……何にしましょうかね」

「俺、ハリボテエレジーをアイビスサマーダッシュに出そうと思ってるんで、ハリボテエレジー狙いで行きます!」

「ウマ娘のレースよくわかんないですアタシ」

「ガチャ感覚で引いても良いですよ全然! 人が勝手に願い載せてるだけなんで!」

「じゃあ、僕も!」

「俺も良いですか?」

 

おうおう、なんだこの人気ぶり。

 

「あ、たづなさん! たづなさんもどうですか?」

「あ、ええと……」

「理事長ー! 理事長、ウマ娘ガチャ引きませんかー?」

 

まだ職員室に理事長がいてよかった。ハブせは嫌だからね。

おし、なんだか知らないけどワクワクしてきたぞ。

アットホームな職場ってこのことを言うのかもしれない。

 

「お暇ですか?」

「……うむ、今キリがついた! そちらへ向かおう!」

「理事長!?」

 

まあ理事長もまだ幼い!

堂々とした立ち振る舞いだから忘れてるけど、こういう楽しいことなら理事長は乗るはずだ!

 

「はい、たづなさんも!」

「……はい」

 

たづなさんが観念したようにラバスト袋を手にした。

ちんちくりん理事長も「激熱ッ!」と書いた扇子を開いている。あれ何個バリエーションあんだろ。

 

それじゃあ、教師(授業しているもの以外)全員、ラバスト袋は持ちましたね?

そろそろ行きますよ? よござんすか? よござんすね?

 

「「「「「「せーのっ!!」」」」」

 

 

 

 

「各ウマ娘、ゲートに収まりました〜」

 

レバーを引く。

ゲートが開いた。

 

「「「「ッ!!」」」」

 

ゲート遅れしないための瞬発力と反射神経のトレーニング。

なにも体力やスピードトレーニングだけが俺の仕事じゃないし。ちゃんと教師してるし。

つっても言うことはあんまりない。レバーを倒してゲートを閉じて、引いて開ける。それの繰り返し。

 

しっかし、やっぱライスシャワーはいいな。地を蹴る振動がこっちまで伝わる。

他はアグネスタキオンとか……つま先を重視した動きはスピードよりも反発力が強いからスタートダッシュも好調になるはずだ。

みんな工夫してんだな……。

 

「先生、落鉄しました」

「邪魔にならないところで打ち直してきなさい」

「はーい」

 

高等部組は良いね。

自分の走りをしっかりと理解している。何がベストなのかを自ずと生み出せるのは良いぞ。

何よりカッコいい。

 

「えっと、次の授業もスタートダッシュ練習でいいかな……て、ちょ、う、は……あったあった」

「……あれ? それ、ライス?」

「ん? あぁ、さっきラバスト引いたらお米が出てさ。……ここ、嫌?」

「ううん。嬉しいな」

 

結局、あの場の誰もハリボテエレジーを引かなかった。

理事長はトウカイテイオー、たづなさんはメジロマックイーン。

どうしたんだよ期待の新星。混ぜちゃったから確実に引けるかわかんないぞ。

 

「なぁライス」

「な、なんですか?」

「トキノミノルって知ってる?」

「いえ……」

 

あ、一応敬語にするのね。まあね、授業中だしね。

そっかぁ。

 

「アグネスタキオン! Q,トキノミノルとはなんぞ!」

「ん……さぁ……心当たりが」

 

結構知らない人いるんだね。

いやめっちゃ気になるんよトキノミノル

一度気になり始めたらもうそれはすんごく気になる。

こう……何かしらのデータがあればなぁ。

 

「っと、今日に授業はここまででぇす。明日も同じ練習するんで」

「「「「ありがとうございました」」」」

 

よし! これをあと中等部含め数クラスやるだけだな!

その中にはアークインパクトもいるんだよな!!

教師って地獄ッ!!




まじすまんな。
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