この小説はMinecraftの配布マップ『ARCADIA』のネタバレを含みます
「う、う〜ん。ここは・・・?」
重い瞼をゆっくり開けると石造りの天井が見える。寝かされていたのは沢山あるベッドのひとつだった。
「意識が戻った!!よかったよ・・・本当によかった・・・よぅ・・・・ふぅ」
枕元の小さい台の上に座ってたイレーネさんが自分の周りを飛び回る。
何とか上半身を起こして周りを見るとどうやら国軍司令部の医療室のようだ。
「出久、今度から、危なくなりそうだったら迷わず逃げてね?」
「ごめんね、イレーネさん。心配かけちゃって・・・」
イレーネさんに一言謝罪する。
「もういいのよ、助かったし。でもこの世界を救えるのは、出久しかいないんだから・・・。せっかく出来た友達なのに・・・死んじゃうなんて悲しすぎるから」
そうだよね。自分だって友達が死ぬのは嫌だ。次からは気をつけないとな・・・。そういえば、元の世界のかっちゃんは元気にしているのだろうか。
そんな事を考えていると、イレーネさんが伝言を預かっているらしく話してくれた。
「あ、そうだ。そういえば、ティルマンさんが呼んでたよ。オレンジのブリーディングルームで話がしたいって。あとそれと、あの作戦での報酬も預かってるよ」
そう言われてイレーネさんから金塊7個を受け取る。自分死にかけたのに貰っていいのだろうか・・・。
考えても仕方ないからオレンジのブリーディングルームに向かうとしようかな。
ベッドから立ち上がって軽くジャンプや柔軟体操をする。よし、結構身体の調子は良さそうだ。
そんな訳でオレンジのブリーディングルームに来ると、舞台の上にティルマンさんが立っていた。
「出久よ、おきなさったか。先日は大変な目にあったな。あれから2日は眠っていたぞ。それと分かってはいるだろうが、この仕事は常に死と隣り合わせだ。それを忘れてはいけない。それじゃ本題に入ろうか」
ティルマンさんは開けっ放しだったブリーディングルームの扉を閉めつつ、こんな事を言い出した。
「君はおかしいと思わないかね?今回の宣戦布告」
「お、おかしい・・・?ですか・・・?」
今回の西方国の宣戦布告。確かに色々と腑に落ちないとは思っていた。でもその理由は全く分からなかった。
「我が国も西方国も戦争をする余裕は無いはずだ。なのに何故ここまで戦える?敵の装備を見たかね?」
装備・・・?そういえばほとんどの人が同じような形の武器だった気はする。しかしそれが一体・・・?ブツブツ
「君の考え事をしている時の独り言の癖、久々に見たな。おっと、話が逸れた。あの武器は恐らく、最新のデヴァイン・トラスト社の物だ。敵の海兵隊員・・・砦を占領していた隊員と、増援に来た隊員の練度に大きな差はなかったか?」
デヴァイン・トラスト社?あれ?それどっかで聞いたような?あと確かにそう言われると隊員は数の割にあんまり強くなかった印象かな・・・?そう言うとティルマンさんは続ける。
「私が参戦した時に戦っていたのは、恐らく外国人傭兵だ。『軍に最新の装備とまとまった人員を提供する』どこかで聞いた事があるだろう?」
「ティルマンさん、まさか・・・?」
「君も同じことを思っただろう。・・・・おそらく、この戦争、裏で手を引いているのはデヴァイン・トラスト社だ」
デヴァイン・トラスト社・・・戦争の手まで引くほどなのか・・・。でもそこまでして戦争を続けたい理由・・・。装備を製造する会社だから戦争が無くなると困るとかなのだろうか・・・。ブツブツ
「私は一度軍を離れ、北のスノーランド村にある古巣で、色々と調べ物をしようと思う。君も今回のことで休暇を貰っているだろう。カッター提督がそう言っていたよ」
「久しぶりの休暇を満喫してもらって構わない。・・・だが少々君に手伝ってもらいたい事があってね。私の北の古巣に招待するよ。これは中に入る為に必要な鍵だ。スノーランド村はエル・グランデを北に出て、まっすぐ道なりに5日程度歩けば見えてくるよ。では北で会おう」
そういうとティルマンさんはブリーディングルームから出ていった。
とりあえず最初は、エル・グランデにある自宅に戻ろうかな・・・。