この小説はMinecraftの配布マップ『ARCADIA』のネタバレを含みます
部屋で荷物の整理を終わらせて、ブリーディングの時間になったのでティルマンさんの元へ向かう。
ティルマンさんと一緒に古巣の奥にあるブリーディングルームへと案内してくれた。
学校の教室ぐらいの広さの石造りの部屋をブリーディングルームにしているようだ。壁には黒板、部屋の中央には地図が埋め込まれた大きなテーブル、そのまわりに四つほど椅子が置かれている。
そのうちの2つの椅子には既に、マシューさんとクレモントさんが座っていた。2人にテーブルを挟んで向き合う場所の椅子に座る。
「皆、用意は出来たようだな。よろしい」
自分が椅子に座ると、ティルマンさんが話し始める。
「作戦の説明を始める前に、一つだけ言っておく事がある。今回の作戦は軍事作戦ではない。完全に私の独断によるものだ。よって、身の危険を感じたら真っ先に逃げ出してもらって構わない。もちろん私としても、自殺行為のような作戦を立てる気はないので安心してくれ。
特に出久。君は危険を感じたら即逃げて貰って構わない。あの魔族の子との約束もある事だからな」
「あ、はい。分かりました、ティルマンさん」
そう答えるとティルマンさんは目を閉じて頷く。そして目を開けて作戦を話し始めた。
「では、今回の作戦について説明しよう。
デヴァイン・トラスト社のエンジニアでもあるノーレンからの情報によると、明日、デヴァイン・トラスト社と西方国軍が、軍需品の取引をするらしい。
我々はこの取引現場を襲撃し、取引を中断させ、同時に取引の契約書を奪取する。出久よ、君は、今から渡す制服を着て、敵の陣地に紛れ込む」
そういうとティルマンさんはポーチから青い制服を取り出すと、手渡しで渡される。潜入作戦か・・・。上手くいくのかな。
「マシューとクレモントは、出久が潜入している間、敵の陣地の各所に爆薬を仕掛ける」
クレモントさんは「あいよー」マシューさんは「あいさー」と軽く返事をする。この2人は相当ティルマンさんを信用しているのだろう。
「出久は、爆薬の爆発を合図に取引現場を襲撃し、デヴァイン・トラスト社の社員から契約書を奪い取る。奪えそうにないなら、別に殺してしまって構わない。
その後、爆発の混乱に乗じて脱出するという寸法だ。
私は退路を確保する。何か質問は?」
誰からも質問は出ずに、そのままブリーディングは終了する。そうしてティルマンさんが用意した馬車に乗り、取引現場の要塞へと向かっていった。
馬車に揺られること数時間…
西方国の要塞へとたどり着いた。裏口でノーレンさんが待っていてくれており、そこから潜入する。
直ぐに西方国の兵士に見つかるが、怪しまれる事すらなく取引現場の外での警備を任される。
自分が言うのもなんだけど、警備が緩すぎる・・・。
しばらく取引現場の部屋の扉の前で待機していると部屋から声が聞こえてくるのだった。