ライスシャワーに夜這いをかけられたマックイーンは覚悟を決め、同衾を決意する。迫真の「ついてく」を躱し切れなかったのは己の不徳以外にあるまい。
「それで、覚悟はおありですのね?」
「ふえ?」
「ふえ、じゃありませんのよ。この私の寝室までのこのこ着いてきてしまったからには、とことん私に付き合ってくださるという認識で構いませんわね?」
ライスシャワーはぴょっ、と耳を跳ねさせたかと思うと、とっさに近くにあった枕を体の前に抱えた。なるほど、いい反応だ。しかしその程度の防御で退くメジロ家ではない。
「甘いですわね。それは・・・・・・YES枕ですわー!!」
「ひゃあああ」
メジロ家に二言は無い。即ち寝室まで迎え入れたということはその時既に合意は終わっているという事であり、YES枕以外の選択は無いのである。その証拠にマックイーンのベッドの上には二つのYES枕があり、NOは見当たらない。最強の名を懸けて一気に間合いを詰めたマックイーンは手早くライスシャワーの服を脱がせ、シャワー室へと連れ込んでいた。
「まず身体を洗いましょうね」
「はい」
ライスシャワーは大人しくマックイーンに髪を泡立てられている。
「身体の方は今のうちにご自分でお願い致します」
「はい」
10分も掛からずライスシャワーはぴかぴかになっていた。マックイーンも手早く身体を洗い終える。
「では髪を乾かしましょうか」
「はい」
ライスシャワーの髪にマイナスイオンドライヤーの冷風を優しく当て、ゆっくりと乾かす。見る見るうちにライスシャワーの髪はふわふわの質感をいつにも増して取り戻していた。マックイーンは自分の髪を乾かす間ライスシャワーにスポーツドリンクを渡し、水分補給を促す。
「あの、マックイーンさんは」
「私はあとでなんなりと致しますので。おくつろぎになって下さいな」
「はい」
その後はライスシャワーに新しい予備の歯ブラシを渡し、一緒に歯を磨いた。寝る用意を完全に済ませ、二人は並んでベッドに潜り込む。
「ねえ、ライスさん。私は誰かと一緒に寝たことありませんの」
「・・・・・・そうなんだ。ライスは小さい時ならあるかなあ」
「メジロ家では常に自立心を養うことを基本と致しますわ。でも、それでは私は、自分を支えることは出来ても誰かを支えることは出来るようになりませんの」
「そうかな・・・・・・そうかも?」
「今日こうして貴方が来てくれたおかげで、私は誰かをもてなしたり、誰かのために何かをするということを学べた気がするんです。感謝しておりますわ」
あまりにも前向きな台詞にライスシャワーは嘆息する。この意志力こそ、マックイーンの強さにほかならない。
「ライスも、誰かを支えられるかな」
「ええ。もうきっと、誰かを支えておりますわよ。気付かないうちに・・・・・・」
そうして二人は、安らかに寝息を立て始めた・・・・・・。