英雄王(偽)異世界で斯く戦えり   作:ス○ラァァァァァ

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英雄王(偽)現代へ帰還す

どういう事だコレは?

眼下に見えるのはもはや見慣れた古代さながらの風景ではなく

転生前にテレビや写真で飽きるほど見た日本の大都会、その夜景だった。

 

 

 

状況を整理しよう。幸い転生先のこの体・頭脳は優秀だ、転生前の我だったらできなかっただろう何らかの成果を上げる事ができるだろう。

 

気が付けば『型月』世界で『ギルガメッシュ』

(赤子)になっていてなんやかんや……友を失ったり、神々と争ったり、過労死(生き返ったけど)したりと波瀾万丈な生を送っていて、最後の記憶は……あぁ思い出した。

カルデアのマスターを見送ったのだった。お礼と報酬代わりの『聖杯』を贈って。

その後は……そのまま死んだのかな?何せ心臓を貫かれてたし。何より其処から先の記憶が無いのだから

となると死んで元の時代に戻って来たのか?この身はどうやら『ギルガメッシュ』そのもののよう(サーヴァントではない)だし。

つまりは強くてニューゲーム的な?

うん、まぁ『ギルガメッシュ』の時代には無かった娯楽があるし、何より(オレ)の知る日本は平和だ。

『ギルガメッシュ』として頑張ってきた(オレ)へのご褒美と思っておこう。それ以前に気にくわないからと『ギルガメッシュ』が自害して退場など論外だ。当然破壊行為も。

精々愉しむとしよう。となれば戸籍やら住居やらを用意しなくては、確か洗脳、改変、認識阻害などといった便利な宝具がここら辺にあったはず

 

 

 

 

 

 

どうやらここは転生前の(オレ)がいた世界でも『型月』の世界でもない<超重要情報>ようだ。(確認方法:冬木市があるかどうか等)

宝具を使い戸籍を獲得するついでに知りたい最低限の事を調べた結果だが

まず年代 転生前は令和だったがこの世界はその前の平成だった(令和という言葉は影も形も無かった)

総理大臣の名も違った、故に世界が違うと判断した。

まぁ千里眼を使えば簡単に判っただろうが『ギルガメッシュ』本人ではないせいか使いこなせず、目が痛くなり使用時間が長くなればなる程酷い頭痛がしたりとするのであまり使いたくないのである。

そんな訳でこの世界の事は最低限は知れた。

 ちなみにだが住居は戸籍を獲得する為に外に出た際老人にプレゼントされた。黄金律パネェ

 

 

 

 

そういう訳でプレゼントされた住居に来たのだが…

「デカすぎだろうこれは、いやギルガメッシュな(オレ)からすれば小さいが」(←城と比べて)

他にも幾つも建っているビルの中でも一番高いビルを見て思わず口から驚きの言葉を出してしまった。

「(これだけデカいと(オレ)一人での維持は面倒だな)」

自分で買った訳でもないのに随分と失礼な事を思ってしまった。もはや完全に精神も一般人からかけ離れてしまったのだと今一度痛感した。

 

 

 

 

 

 

一ヶ月程経ってようやく住居となったビルに関してはひと段落着いた。

具体的にはビルの管理人を雇ったり

自分で使わないであろう階層に住人を招いたり(管理人に丸投げ)

いやぁいい拾い者をした。管理人として優秀な人材がリストラされ彷徨っているという、まさに幸運〈幸運:A(自称)〉だった。

他にも屋上にプールやゲーム専用部屋などといった大きな部屋或いはフロア一つを丸々使った趣味部屋を作ったりした。今現在使う予定は全くないが…。まさしく金持ちの道楽である。が仕方あるまい、黄金律で金が簡単に貯まるのだから。前世の(オレ)だったら、いや汗水垂らして働く者であれば羨ましい事この上ないだろうが、今までの苦労を思うと全く申し訳ない等といった罪悪感は無いな。むしろ悔しがる様を見て愉悦したいとすら思う。

 

 

そんなこんなで落ち着いたので今度は遊びに行こうと思っている。向かうは銀座、何でも近くでオススメの催しがあるそうで2週間程前に散歩中に見かけた落とし物の財布の持ち主に誘われたのだ。

その落とし物の財布の持ち主、これが我からすれば中々に有能な者だったのだ。主にゲーム・アニメ方面で

世間からすればオタクと呼ばれ煙たがられる存在という認識が強いが娯楽を求めていた我としては非常に有益な情報をくれる相手だった。

今でも勧められたアプリゲームをしている。時たまマルチプレイで協力し合う関係となり、そこからインターネットを使って会話までするようになった。

 

 

 

ーーーー集合場所にて

集合場所は駅近くのありふれたコンビニだった。

駅は混んでるので妥当な判断だろう

「待たせたか?」

「いや俺もさっき来たばっかりです」

そう返してくる男の服は全面にどこかで見た事があるキャラクターが描かれているザ・オタクな格好だった。

「貴様、その服は…」

「いいでしょ、○○ちゃんの…」

「いやそこからは言わんでいい」

前世で話が長くなるタイプのオタクな友人がいたからかつい遮ってしまった

「最後まで言わせて下さいよ」

そう返してくる男は苦笑いを浮かべていた

この苦笑いを浮かべた男が我の待合相手である伊丹耀司(いたみようじ)である。

「それにしても会った時と同じギルガメッシュのコスプレをしてるんですね」

「当然だ。何せ(オレ)はギルガメッシュなのだから」

「おぉ、相変わらず堂に入った言動。これがプロ(?)かぁ」

今のやり取りからこの世界にも『型月』があることがわかるだろう。

我がこの世界にも『型月』があると知ったのは伊丹と初めて会った日だ、伊丹に

『ギルガメッシュに似ている』

とかなり省略したが概ねそのような事を言われた時だ。

(ちなみに格好は衛宮士郎と戦った時の学生服のようなモノである)

また伊丹の話によると『Fate/stay night』系統の作品群はあるようだが『Fate/Grand Order』は今現在はないようだ。後でアニメ、映画を見て我の知るモノと差異がないか調べてみよう。

ちなみに伊丹にはあくまで『ギルガメッシュ』のコスプレをしていると思わせている。が、伝えた名は『ギルガメッシュ』だけなので伊丹は(オレ)を呼ぶとき『ギルガメッシュ』と呼んでいる。

 

「それで?(オレ)を呼んだ理由であるオススメの催しとは何だ?暇だった故に来てやったがつまらぬモノであれば…」

「ちょっ、そんなに凄まないで下さいよ。その格好・声で凄まれるの結構心臓に悪いんですから」

「そこまでか?」

「…コスプレの完成度が高いせいか本物の『ギルガメッシュ』に睨まれたらこんな感じなのか…ってなるくらいには」

「そうか(そこまで強く凄んでいるつもりは無いが…この時代の人間の特徴か、或いは伊丹だからか?ここまでの反応を示すのは)」

そんな会話をしつつ催しが行われる場所に向かった

道中は相変わらずゲーム・アニメ等の話で盛り上がった。

(ちなみに我は宝具を使って認識阻害をしているので『ギルガメッシュ』とは認識されず唯の人間として認識される)

「ここから上に二階上れば会場に到着ですよ」

「もうそんな所まで来たのか」

待ち合わせ場所から約四十分程度、バスを使ったとはいえ意外と近かった

人混みで見づらいが近くに設置されている看板には『同人誌即売会ここより二階先』と書いてある

「伊丹よ、貴様が言っていた催し物とはあそこの看板に書いてある同人誌即売会とやらか?」

「そう!それですよギルガメッシュさん!この同人誌即売会こそがアナタにオススメの催しと勧めたものです!」

やけにテンションの上がった伊丹が興奮混じりに言ってくる。それでも押しつけがましく感じないのは伊丹が自分の価値観を押しつけるのではなくあくまでも勧めているだけだからだろうか

「同人誌というのは聞いたことがあるが実際に見たことは無いからな、興味が無いと言えば嘘になる」

「やっぱり。ギルガメッシュさんに是非ともこの同人誌の素晴らしさを知ってもらおうと…」

『───ーー』

ナニカ、音がした

人混みの中に居るのでハッキリとは聞こえなかったが何かの鳴き声のように我は聞こえた。

伊丹も音に気付いたのだろう、話の途中なのに音が聞こえた方、窓の方を見て話をするのをやめている。

やはりこの男『伊丹耀司』は人一倍勘がいいのだろう

何故なら今聞こえた音 鳴き声は少なくとも本来この世界、この時代には居ないはずの一般人には非常に脅威となりうる生物、《翼竜:ワイバーン》の鳴き声なのだから

『────ーーー』

鳴きながらまるで見せつけるかのように窓のすぐ側を飛んでいく生命体、その背には人が乗っていた

「ギルガメッシュさんは安全な場所に避難して下さい!!」

そう言い伊丹は一目散に人混みをくぐり抜けていった。

「そういえば彼奴の職業は自衛隊だったか。」

以前会った時に雑談混じりに聞いたことがある。

なるほど、自衛隊なのだからこのような事態に陥ったのならば率先して動くのは当たり前なのだろう。だが……

「この(オレ)に、よもや『避難しろ』とはな」

伊丹は(オレ)の事を『ギルガメッシュ』とは呼ぶがそれはあくまでも我が『ギルガメッシュ』としか名乗っていないからである。

故にこそのあの言葉なのであろうが

「少しばかり不敬であるぞ伊丹よ。だが許そう、なぜならば─」

(オレ)の楽しみを邪魔したこの雑種共に

    ─分というモノを教えてやらねばならんからな

 

 




次回『英雄王の蹂躙』

まぁ続かないだろうケド
なんせアニメ版しか知らないし
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