ありふれない怪異能の少年と仲間達は異世界最強 作:カオスサイン
Side刹那
「…」
ハジメがベヒモスと共に落ちてしまった。
迷宮から帰還した直後、俺には犯人が分かり切っていたので即刻締め上げにかかった。
「お前等覚悟は出来ているよなあ?!」
「ひいい!?」
「な、なんだよ?…」
「しらばくっれても無駄だ!一週間程度ぐらい気絶しておくかあ!」
「「あぎゃ!?…」」
ハジメを奈落に突き落とした犯人である檜山グループにお仕置きし霊気の波動をぶつけて気絶させる。
「さてと…」
メルド団長からの報告を聞いてハジメの事を罵っていた連中には守護霊をその辺に彷徨っていた低級霊に強制交代させてお仕置きしておいたし後はハジメの捜索に向かうとしよう。
「ひなこ、白崎さん達を呼んできてくれ」
「うん!」
ひなこに白崎さん達を呼びに行かせてその間に準備を進める。
「呼んできたよー!」
「御苦労様ひなこ」
「えへへ~!」
呼んできてくれたひなこを撫で回し俺は白崎さん達に向き直る。
「単刀直入に言おう、ハジメは死んでいないいやまだ生き永らえられているって所か」
「ホント!?…」
「ああ間違い無いぜ」
「何故分かるの?」
其処で白崎さんの親友である八重樫 雫さんが聞いてくる。
「俺や百音、花梨は血筋柄強い霊能力を持っている。
ハジメの霊魂の気配がしないからさ」
「そうなのね、それで南雲君の事を捜索しに向かうと」
「ああ、だからこそ急を要する。
白崎さんも行きたいだろうから八重樫さん達はこの国の上層部連中の監視をしてて欲しいんだ。
何人かはもう機能しないだろうが油断は出来ない。
頼めるか?」
「分かったわ」
「その代わりといってはなんだがコイツを置いていく」
「?あ!最近何時も教室に来ていた黒猫さん巻き込まれてたんだ…でもなんでこの猫さんを?」
呼んでいないにも関わらず何時の間にか俺の背後にいてカキカキしながら欠伸していた天邪鬼に視線を向けてそう言う。
何時も彼に餌付けしてくれていた山田 妙子が疑問を口にする。
「この俺様にガキ共のお守をしろと?」
「ね、猫さんが喋った!?」
喋った天邪鬼に白崎さん達は驚く。
「あのなあ、俺様だってこんな訳も分からねえ世界に飛ばされる時に使った結界で妖力の大半を散らされてるんだよ!それなのにガキのお守りなんかやっている暇があるか!」
「でも藍はどうもなかったみたいだぞ」
「同じ鬼でも地獄出身の小娘と一緒にするんじゃねえ!(# ゚Д゚)」
「いやだったら檜山達とかこの国の屑上層部共脅かして稼げばいいだろ…それに今ここで断ったらお前どうすんの?」
「ああ!?…」
俺の言葉に天邪鬼ははっと気が付く。
山田さんが天邪鬼の事を目が笑ってないとてもイイ笑顔をしていた。
「え、えっと猫さんのお名前は?」
「俺様は猫なんかじゃねえ!こんな也だが天下の大妖怪天邪鬼様さあ!」
「猫としての名前はミーヤ」
白崎さんが天邪鬼に名前を聞くと彼はドヤ顔で答える。
「じゃあ天邪鬼君ーコレ要らないんだ?」
「そ、そいつはあ!」
山田さんが天邪鬼に向けて五個入りの缶詰めを取り出し見せてきた。
見るからに俺が普段あげていた物よりも高価な猫缶だ。
「…分かったよ可能な範囲でお前達を守ってやらあ!」
「やった!」
天邪鬼…お前完全にミーヤに精神引っ張られていないか(;^ω^)
天邪鬼との契約を取り付けた所で準備を進めた俺達は翌日ハイリヒ王国を後にしたのだった。