朝起きたらラージャンになってた 作:驚愕したスゲージャン
メラルーと会ってから少なくとも数日は経ったと思う。なぜこんな曖昧な言い方なのかと言うと、吹雪が一向に止まない所為だ。基本薄暗く、朝と夜の区別がつきにくい上、俺も飯食って寝るみたいな生活をしていたので今何日たったのか正確には分からないのだ。もしかすると十数日経っているかもしれない。ただ、俺がこの身体に慣れるくらいの時間が経ったのは確かか。
そんな事より、一つ重大なことが分かった。キリンの角、アレ鹿の角みたいに生え変わるようだ。突然角が抜けた時は焦ったけど、見ればもう小さな角が出来ていたし、多分生え変わりでいいんだと思う。どうせならと抜けた角は俺がありがたく頂いた。味は余りしなかったが、超冷たいアイスキャンディーみたいな感じだった。歯ごたえはあったけど。しかし、これで俺もきっと闘気化が出来るようになるはずだ。やり方知らないんだけどね。
ただ、疑問ももちろんある。このキリンなのだが、日が経つにつれグレーから漆黒へと色が変わっていったのだ。最初あった時は俺が乗ったら潰れそうだったが、今やその身体はガッシリとしたものになっていて、大きさも俺の半分程度にまでなっていて、俺と会った時はまだ成長途中、下手すると生まれたばかりだったんじゃ?と錯覚するほどである。
モンハンはそれなりにやったが、黒いキリンなんて聞いたことがない。可能性として亜種と言う場合があるが、果たして古龍種に亜種なんて……あ、ラオシャンロンにはいたな亜種。ともなるとキリン亜種ってことかこいつ。俺、プレステ系のモンハンしかやってなかったからなぁ。それ以外の作品で追加された亜種だとすれば俺が知らなくても無理はないんだが……こいつ通常のキリンと色以外に違いってあるのか?ラオシャンロン亜種だって元々は通常種と同一の存在で生態が違うだけだったんだし。ただ単に寒い所育ちのキリンは黒くなるってだけだろきっと。
根拠のないままそう結論付け、俺は横穴から出る。実は、前々回位の食料探しの途中で洞窟を見つけていたのだ。だから、今回はそこへ行こうと思う。身体にも慣れたし、多少のモンスター程度なら一方的に負けるなんてことにはならないはずだ。
そういえば、デカくなった影響かキリンは偶に一人でどっかに行くことがある。どうやら今日はその日だったようで、俺と一緒に横穴から出るなり颯爽とどっかに行ってしまった。ちゃんと帰ってくるのは分かっているので、特に気にもせず俺は洞窟へ向かった。
*
何が起こるかわからない為に、俺は気を引き締めて洞窟に入った。辺りを警戒しながら進んでいると、ふと背後から視線を感じた。
……ん?気のせいか?
俺は首を傾げながら辺りを見渡すも、ブナハブラの様な昆虫種すらも発見できなかった。そして、何となしに上を見て、俺は自分の行動に感謝した。
視線の先にいたのは、天井を渡り今にも俺に飛びかかろうとしている黄色い生命体。見る人が見れば、キモイだの怖いだの言われたであろう奴の名は、ギギネブラ。しかも、黄色いってことはこいつは亜種である。
咄嗟に俺が飛び退くのと、奴が電気ブレスを吐き出すのはほぼ同時だった。
俺がブレスを避けたことを理解したギギネブラ亜種は、俺に飛びつくのを止め、天井から地へと降り立った。そして、その身体を赤く染め上げながら咆哮を上げた。どうやら気づかぬ内にこいつの縄張りに侵入していたらしい。
……良いぜ。やってやる。
覚悟を決めて、俺は咆哮を上げた。亜種とはいえギギネブラ程度倒せなければ、今後ラージャンとしてやっていくことは出来ないだろう。
先に動いたのはギギネブラ亜種だ。咆哮を上げながら、なかなかの速度で突っ込んでくる。しかし、ただの突進に当たってやる程俺も優しくはない。ある程度距離が近づいた辺りで、先にギギネブラ亜種の顔を掴み後方へとぶん投げる。
途中で羽ばたいて勢いを殺したギギネブラ亜種は、接近戦では分が悪いと判断したのか電気ブレスを連発し始めた。軌道が緩く避けやすい為俺には当たらないが、どうやら奴さん遠距離に徹するようだ。しかし、残念ながら俺はラージャンである。この程度の電気ブレスなど、俺の前では意味をなさない。
電気ブレスを受けながらも迫ってくる俺に対し、焦ったようにブレスを吐く速度を上げるギギネブラ亜種。俺がある程度近づいた辺りで、流石にブレスに意味がない事を悟ったのか一旦距離を置こうと羽ばたいた。
それを待っていたぜ!
ギギネブラ亜種が羽ばたいた瞬間、俺は弾丸の如く奴に飛びかかった。タックルをかまし、そのまま押し倒すようにマウントを取る。こうなっちまえばこっちのもんだ。ひっくり返ってる上に俺に乗られている以上、ギギネブラ亜種は全身をばたつかせるだけで起き上がることは出来ない。こいつもこいつで不利な体勢をどうにかしようと放電したりしているようだが、そんなもの俺には通用しない。
黙らせるように顔を掴み、地面に叩きつける。本当は俺だってかっこ良く気光ブレスとかで止めを刺したいが、どうやって撃てばいいのか分からない以上、こうやって打撃で仕留めるしかないのだ。だから、こいつが絶命するまで何度も拳を叩きつけた。何なら嚙り付いたりもした。
動かなくなったのを確認してから、俺はギギネブラ亜種から下りたんだが……こいつどうしようか。戦闘後故、普通に腹は減っているがこいつ食えんのかな?毒持ちの通常種よりは食える可能性はあるだろうが、うーん。
熟考の末、とりあえず齧ってみる。思えばマウント取ってるときも齧ってるし、熟考は無駄だったかもしれん。しかし、こうやってなんか食うたびに迷ったら食ってみろとか言ってた某受付嬢はモンスター寄りの思考なんだなと思ったり思わなかったり。
結論から言うと、とても食べ辛かった。肉はまだしも、皮はホルモンみたいに嚙み切れないし味も薄い。そう言えば、食ってる途中ビリビリする部位もあったが、きっとあれが電撃袋か雷電袋なんだろう。思えば袋みたいな形してたしな。因みに、一番うまかった部位でもある。二番目に旨かったのは爪かな。袋より弱かったとはいえこいつもビリビリしてたし何より歯ごたえが最高だった。
しかし、食ってから言うのもアレだが皮は干したりした方が旨いかもしれんな。全部食っちまったから検証は出来ないけど。
さて、初戦闘ってこともあって疲れちまったな。ちと早いかもだが帰るか。洞窟探索はまたいつかってことで!お、マヒダケ生えてんじゃんラッキー。
帰る途中見つけたマヒダケを齧りながら、俺は横穴へと戻っていった。
黒いキリン
キリン亜種。主人公君はこいつが出た作品を見事に全部やってないので生態が違うだけで、キリン同様に雷を操るものだと思ってる。吹雪がなかなか止まないのは実はこいつのせい。