──レースを制したのはミハルストライク……ミハルストライクです! 無敗で皐月賞制覇ァーッ!!
1日経っても湧かない実感。なのに1日経っても耳に張り付いた実況、歓声。
トレーナー室に行くと、その熱に駆られた少女がもう一人。
「やっとやる気になった?」
「そりゃああんな巻き返しを見せられて熱くならない奴はいないって」
「…ありがとう。それでトレーナー、次はやっぱり日本ダービーですか?」
「そうだな。多くのウマ娘が夢見る大舞台だ」
その言葉に、浮ついた心が引き締まる。
皐月賞は通過点。無敗でライバルと相見えるまで勝ち続ける。それはダービーとて例外ではない。
「で、これがダービーのコース、東京芝2400なんだが…」
釛誠が資料を取り出す。距離こそ伸びているが、坂は緩やかなコース。
そして注目すべきは500m以上もある最終直線。
「非常にスタンダードなコースだが、それ故に実力がハッキリ現れる」
「スタミナだけで勝てるレースじゃあないよねぇ」
モミジの言う通り、ダービーはスピードとスタミナがバランス良く必要なレース。
今の私にとって最も厳しいレースとも言えるだろう。
「そこで、だ。お前が皐月賞の最後に見せたあの走り、あれを完璧に習得して貰う」
「なるほど、確かにあの走り方ならスピードも補えるかも」
「ああ、そのために体幹と、脚の筋肉を重点的に鍛えるトレーニングを組んでみた。最終的にあの走りを習得できるかはお前の感覚次第だがな」
「…わかりました、頑張ります」
「それで、僕の予定は?」
「ああ、まずデビュー戦は5月。で、ミハルとの激突は早くて菊花賞。それを目指してレースを組んでいく感じになるな」
「となると菊花賞トライアルのどれかには出た方がいいよね? ミハルと被らないほうがいいんだけど」
「そうね、どうせ勝負するなら大舞台がいい」
「まあ本来チームで同じレースに出るのは避けるものだしな。お前らの意見を尊重するよ」
「ありがとうございます」
「チームかぁ…そういえば、チーム名とかって決まってるの?」
「ああ、俺たちのチーム名はマーズ。チームマーズだ!」
「意外と普通の名前ですね」
「ね、相変わらずテンションは高いけど」
「なんだよ! いいだろ火星で!」
「いや別にいいですけど、なんかリギルやスピカに比べて火星って……」
「子供っぽいよねぇ」
「はああああ!?」
それこそ子供っぽい反応を返す釛誠。それを笑いながらからかうモミジ。
なにはともあれ、チーム結成を果たした私たちは、新たな闘いに駒を進めることとなった。
その翌日から、私は新たな走法の特訓を始めた。
脚の筋力を鍛えるため、ダートコースを借りて短距離を何度も走る。
スピードを出さなければ脚への負担が少ないコースでもあるため、不安定な体勢での練習にぴったりだった。
それが終わったら体幹トレーニング。股関節を鍛えることでストライドを伸ばす効果も期待できる。
それでも、一向にあの走りを実践向きに仕上げることができない。
何より、怪我の危険性を考慮して練習量を減らされているのが気がかりだ。
仕方ない、怪我をしてしまっては元も子もないと言い聞かせながらも、どこか心の中がざわめいている。
そんな不安を抱えたまま、5月へと突入。
ダービーの日はゆっくりと近づいていた。
プチ設定資料 キンイロモミジ②
身長は166cmで、スリーサイズは上から81、60、77。バランス感覚がとても良く、バ群をすり抜けるために大きく左右に動いてもブレない。
設定資料作ったんですが、どこかに置いた方がいいですか?
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後書きで一人づつ紹介してほしい
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1話の前に小説として挿入して欲しい
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最新話の後に小説として挿入してほしい
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活動報告で小出しにしてほしい
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いらない