ウルトラマンオタクと怪獣使いの居候   作:ボルメテウスさん

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並行同位体

「んっ」

 

「おっ目覚めたか!」

 

俺がゆっくりと目を開けると、そこはどこかのベンチなのか、硬い感触に俺はそのままゆっくりと起き上がる。

 

「んっ、あれ、怪我は」

 

「いや、それがなぁ」

 

それと共に、俺の肩の方を見る。

 

俺も肩の方を見ると、包帯が巻かれてり、その包帯は既に取れており、そこには血の跡があったが、俺の肩には怪我の跡はなかった。

 

「えっ、もしかして」

 

「あぁ、寝ている間に治った」

 

その言葉にさすがに俺は信じられず、肩を触る。

 

あの怪獣との戦いで明らかに怪我をしていたはずの部位が、今では怪我が全くない状態で、触れても、痛みは全くない。

 

「これがウルトラマンの力の影響か?」

 

そう、俺は人間では無くなっているのか、という恐怖があった。

 

「ようやく起きたか」

 

「っ」

 

聞こえてきた声、その方向を見ると、見覚えのないスーツの男と女の二人がいた。

 

「お前達があの怪獣と、そっちにいる奴がウルトラマンか」

 

「えっと、もしかして、グリッドナイト?」

 

「グリッドナイトって、もしかしてあの時の巨人か!」

 

「なんで、名前を」

 

「いや、なんかあの時、話す事ができたから」

 

「話せたって、えっ、もしかしてウルトラマン同士みたいな感じで?」

 

そう言っている間にも、会話は続いていく中で

 

「まぁ良い。

本題はこれからだ。

なぜ、ウルトラマンジードがこの世界にいる」

 

「それって、やっぱり本物は別の世界にいるという事ですよね」

 

なんとなく分かっていたが、グリッドナイトことナイトさんはウルトラマンの事を知っているようだ。

 

「あぁ、数々の世界の中で共闘した事もある。

だが、ジードは今はデビルスプリンターの事件を追っている。

だからこそ、今はこの地にいないはずだ」

 

「なんだか、よく分からない単語が出てきたけど」

 

「そこら辺はまぁ、あとで説明するよ。

まぁ、簡単な話で、俺が、その偽物だというだけですから」

 

「偽物だと?」

 

そう俺はあの時、起きた出来事をゆっくりと話し始める。

 

あの時、偶然だが、ウルトラマンとしての力を手に入れた時の出来事を。

 

だが

 

「それは不可能だ」

 

「えっ?」

 

ナイトさんはその言葉を否定した。

 

「なんだよ、先輩が嘘をついているとでも言うのか?」

 

「いいや、だが、俺の知識でも知っているが、例えベリアル因子を持っている人間だとしても、僅かなベリアル因子だけではあそこまでの力を発揮する事はできない」

 

「いや、だけど」

 

「だからこそ、俺の結論から言わせて貰う。

お前はウルトラマンジードであって、ウルトラマンジードではない存在だ」

 

「はぁ、えっとつまりはどういう事でしょうか」

 

それらの言葉を並べられて、全員が疑問で首を傾げる中で、俺は心当たりが一つあった。

 

「平行同位体」

 

「平行なんだ、それは」

 

「歴史のどこかで分岐して、時間軸を越えてきた存在らしいけど、でも、俺は」

 

「分かっている。

だが、それで合点がいく。

お前は本来ならばウルトラマンジードの世界で生まれるはずだった朝倉リクだったが、何かしらの影響でこの世界で生まれ育った事になった。

そして、ベリアル因子が注ぎ込まれた事によって、お前は本来のウルトラマンとしての力に覚醒した」

 

「っ」

 

その言葉に俺は少なからず、驚きを隠せなかった。

 

「えっと、その、そんなに落ち込まないでください。

別に悪い事をした訳じゃないのですから」

 

「あぁ、だが、この世界で起きている出来事は、我々だけでは対処できない。

ウルトラマンジード、君の力を貸して欲しい」

 

「おい、さっきから訳の分からない話ばかりするんじゃないよ!

今の先輩は、そんな話をできる状況じゃないだろ」

 

そう俺が今、話を聞けない状態を知ってか、ガウマさんが止めてくれた。

 

「・・・確かにな。

少し失礼する」

 

「えっと、それでは」

 

そう言いながら、ナイトさん達はそのまま去って行った。

 

「えっと、朝倉さん」

 

「えっおぉおぉ、悪い。

少し、戸惑ってしまってな。

いや、別にショックじゃないし、実際にそうだったのかと聞かされると、うん、少し嬉しいという事もあるけど」

 

そう言いながら、俺が思ったのは

 

「俺は本物のウルトラマンジードのように戦えるのかな」

 

これまで、偽物だけど、それでも戦ってみせるという思いで戦ってきた。

 

だけど、突然、本物だったと言われても、どう思えば良いのか分からない。

 

「そんな難しく考える事ですか?」

 

「ちょガウマさん」

 

そう言いながら、ガウマさんは俺に言ってくる。

 

「俺は正直、ウルトラマンとか、そういうのは分からないけど、先輩がこれまで俺達と一緒に戦ってきた姿しか知りません。

けど、優しくて、頼もしい。

それで十分じゃないんですか?」

 

「私も、正直、ウルトラマンなんて、全然知らないからね。

あの時、朝倉さんに助けて貰わなかったら、本当に危なかった」

 

「皆」

 

その言葉を聞き、俺はゆっくりと受け止める。

 

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