という事で2話、投稿させて貰いました。
ある意味、一番の山場というべきストーリーであまり長く引き延ばさず、書きたい事もあって、時間がかかってしまいました。
これからもよろしくお願いします。
ウルトラマンが怪獣に倒された。
そのニュースが流れてから数ヶ月の間、怪獣の姿は現さなかった。
ガウマ達を初めとしたメンバーはその怪獣の正体を探っていたが、未だに見つける事ができなかった。
その中で新たな怪獣が姿を現した。
銀色のオブジェのような体に背中から赤いアンテナが突き出した四足歩行の怪獣。
その怪獣が現れると共に、光の粒子を撒き散らして、物体や人間を地面に影やシミのような黒い痕跡だけを残して音もなく消滅させる。
それに対して、ガウマ達も次々と姿を消していた。
その中でムジナもまた、過去に飛ばされていた。
「どこにもいない」
その光景は彼女がいた5000年前の光景でも、彼女にとって最も幸せだった頃の記憶でもなく、陸が自爆したその日の光景だった。
あの日の後悔。
直感的に、伝わったそれが過去に戻れる力だと知ったムジナは望んだ。
陸が死ぬ前に、自身が彼を食べようなどと考えを抱く前に。
そうすれば、愛する人と何時までも一緒にいられるという幸福な時間を望んでいた。
だが、訪れたそれは、彼女自身の後悔を思い出させるような光景だった。
「私、なんで、こんな感情、持ったんだろ」
苦しい、もうどこにもいないならば死にたい。
それでも、彼女の身体はまるで死ぬ事を拒否するように動かなかった。
死んだら、彼との思い出が全て消え去る。
そんな恐怖に支配されていた。
「いやだっ、死ぬのが怖い。
けど、陸がっ陸がっいないのなんてっ」
「ならばっ貴様が死ねば良いっ」
その言葉と共に後ろに聞こえたのは、あの日、ムジナを襲ってきたデスローグだった。
その身体はボロボロであり、今にも死にそうなデスローグは真っ直ぐとムジナを睨んでいた。
「あの時っ貴様がいなければっ、あのお方はベリアル陛下の後継者に相応しい存在になれるはずだった!
その為ならば、この命は惜しくなかったが、貴様に殺される事は絶対に許さない!」
『マガタノオロチ!Uキラーザウルス!フュージョンライズ!禍々キラーザウルス!』
それと共にデスローグの身体は徐々に変化していく。
Uキラーザウルスの身体をベースにマガタノオロチの特徴的な禍々しい赤黒いボディカラー。
触手の先端がマガオロチの頭部、マガタノオロチの頭部の口からUキラーザウルスの頭部が出てきたような姿をしている。
それは真っ直ぐと、恨むようにムジナを睨む。
『貴様が死ぬ事をあの実験体も望むだろ!!
それは貴様にとっても幸福だろ!!」
「それはっ」
その言葉と共にのし掛かっているデスローグの言葉にムジナは否定ができなかった。
「そうだよね。
陸が私が生きている事を望む訳ないよね。
もう疲れたよ」
そう、今にも襲い掛かろうとしていたデスローグに対して、ムジナは抵抗しなかった。
「ごめんね、陸」
その言葉と共にムジナは踏み潰される。
はずだった。
「諦めるな!!」
「えっ」
聞こえてきた声、それに驚きを隠せず、ムジナは周りを見つめる。
先程までの地獄のような光景ではなく、光に溢れている空間にムジナは驚きを隠せなかった。
何よりも驚いたのは
「陸」
そこには、確かに数ヶ月前、自身が殺したはずの陸だった。
「ごめん、待たせたな」
その一言を聞く前に、ムジナは陸を抱き締めた。
「暖かいっ、やっぱり陸だ。
間違いないっ」
それを確かに感じたムジナは涙を流していた。
「どこにいっていたの、私」
「ずっと一緒にいたよ。
俺も少し予想外だったけど」
「一緒にって、どういう事」
その言葉にムジナはゆっくりと見つめる。
「あの時、俺も少し覚悟を決めてウルトラダイナマイトをやった。
だけど、見様見真似だし、尻尾が俺の腹を貫いた後だったから、どうやら爆発した後、そのままムジナの中に吸い込まれたらしい」
「それじゃ、私、ずっと陸と一緒に」
「そういう事だな」
それは、計らずも、ムジナが望んだ結果だった。
「そこで、回復するまで時間がかかっていたんだ。
ムジナを死なせたくなかったから、必死に呼び止めたけど、ようやくこうやって話せるようになった」
「ううぅん、私こそっごめんっ」
そう言い、ムジナはそのまま強く抱き締める。
「食べれば、一緒にいられると思ったっ!
けど、それは陸が生きていてっ一緒にいないと意味がなかったっ、だからっ」
「あぁ、分かっている。
俺もだ、例え5000年だろうと、ウルトラマンの寿命だろうと足りないよ」
それと共に陸とムジナが抱き締める中で彼らを中心に一つのカプセルが現れた。
それは、これまでのウルトラカプセルとは違い、光輝いていた。
「だから、今は」
「戦う、一緒に!!」
【アルティメットエボリューション!】
その音声と共にムジナを踏み潰した禍々キラーザウルスの足下から光が溢れ出す。
「これはっ」
それと共に禍々キラーザウルスを吹き飛ばし、現れたのはウルトラマンジードだった。
だが、その姿は赤、銀、黒、紫の4色がメインとなっており、円や直線が主体で幾何学的な模様が特徴的な姿だった。
体形は男性的な骨格と女性的なボディラインを併せ持つ、どこか現実離れした細身のものとなっており、その頭はまるでウルトラマンエースを思わせる頭部だった。
「なっなんだっ、その姿はっ」
「決まっているだろ!
お前が散々言っていた、ウルトラマンだ!!」
「その声はっ実験体!!」
「実験体じゃない、俺は陸だ!
そして」
「ムジナ。
二人が合わさったのが、このウルトラマンの姿」
「二人合わせてだとっ」
そう言いながら、デスローグは雄叫びを上げながら、レーザー攻撃を陸達に向けて、仕掛けてきた。
その過去の光景は大爆発が起きた中と言う事もあり、その憎しみのエネルギーを真っ直ぐと陸達に襲い掛かる。
「「 ウルティメイトファイナルバリア!!」」
その雄叫びと共に形成したバリアで、その攻撃を受け止める。
「「フォトンホイップエッジ!!」」
それと共に両手に赤と黒、紫と白のビームの鞭を作り出し、そのまま禍々キラーザウルスの身体を次々と切り裂いていく。
「これは一体っ、どういう事だっ!
実験体如きがっ、これ程の力をっ」
「俺は実験体じゃない!
俺は朝倉陸!この世界のっウルトラマンだ!!」
その言葉と共に、二人は構え、動作は本来のウルトラマンジードの必殺技であるレッキング・バーストを思わせるように両手に赤、黒、紫の雷を交わる。
そして
「「レッキング・ノバァ!!!」」
その叫び声と共に最強の一撃が禍々キラーザウルスの身体を貫く。
「あぁ、ベリアル陛下っ万歳!!」
それと共に倒れ、デスローグは今度こそ爆散し、その姿を消した。
「さて、あいつを倒した事だし、早く家に帰ろうか」
「そうだね。
ねぇ、陸」
「なんだ?」
「一緒だね」
「あぁ」
その言葉と共に陸達はそのまま飛び出す。
同時に怪獣によって作り出された空間を飛び出した。
「あれって、まさか先輩なのか!!」
「久し振りだな、皆っ!
話したい事は結構あるけど、今はこの怪獣が先だ」
「お前は過去にいたジードという事ではなさそうだな」
「色々と訳ありだけど、復活しました、ナイトさん!」
「ならば、この場を切り抜けるぞ」
その言葉と共に、戦いが始まろうとした。