「ウルトラマンって、いるのかな?」
「・・・急にどうしたの」
ムジナの驚きの行動から翌日。
俺達は朝食を食べながら、例の怪獣の事についてニュースをムジナと一緒に見ていた時、思わず俺はぼそりと呟いた。
それについて、今まではあまり反応しなかったムジナも質問してきた。
「だって、怪獣が実在しているから、もしかしたらウルトラマンも存在するのかなって?」
「さぁね。
怪獣は5000年前から存在したから知っているけど、ウルトラマンなんて、知らないよ」
「そうか、だったらティガはいないのかなぁ。
でも、もしかしたら宇宙にいるかもなぁ」
そう言いながら、俺は窓の外の光景を見る。
「もしも、存在したら、陸はどうしたいの?」
「もしもいたらかぁ」
その言葉に俺はどう応えたら良いのか、分からなかった。
「怪獣が今、実際にいるけど、まだ俺は実物を見ていないから、実感が湧かないからな。
だから、どうしたいか、なんて分からない」
「そう。
けど」
「んっ」
ムジナはそのまま俺を真っ直ぐとみる。
「陸は怪獣には襲われない。
私が、襲わせない」
そう、真っ直ぐと俺に向けて言った。
「ムジナ?」
その言葉の意味が分からず、俺は首を傾げるが、同時にムジナは近くにあるスマホを取り出す。
「どうしたの?」
「・・・陸」
「んっ」
その言葉と共にこちらを見ていたムジナの表情はどこか真剣だった。
「今日、バイトは」
「休みだけど、どうしたの」
「だったら、今日はバイト先の周辺には絶対に近づくな」
「どうしたんだよ、そんな急に」
まるで意味が分からず、俺は言うが
「そこに行けば、死ぬかもしれないから」
「えっ?」
その一言はあまりにも重かった。
何を言っているのか分からない間、ムジナはそのまま出て行った。
「ムジナっ、おい!」
俺はすぐにムジナの後を追うように、ドアを開いた。
だが、そこには既にムジナの姿はなかった。
「はぁ、たく、ムジナは本当に何を」
そう言いかけた中で、俺の中には疑問が思い浮かんだ。
それは
「そもそもムジナって、何者なんだ?」
それは、最初に出会った時に出るべき疑問だったかもしれない。
だけど、最初は恩返しで、それからムジナと過ごしていた日常は楽しくて、もしもその疑問に目を向けると、無くなってしまうような気がして
「気がして、だよなぁ」
そこまで思って、俺は空を見上げる。
今、この世の中で何が起きているのかなんて、正直言って、分からない。
怪獣とか、本当に特撮やアニメの中に入り込んだような出来事が続いているけど、結局の所、俺に何ができるんだろうか。
ムジナが何かを行っているのかも知らないし、それに関わって、俺が何をしたいのかもよく分からない。
ウルトラマンだったら、それは迷いなく行動できるかもしれないが
「力も、そんな意志もないのに」
俺はそう何気なく呟くと、空から何かが降ってきた。
それも、遠くからではなく、真っ直ぐと俺のアパート近くに落ちた。
「・・・隕石ぃ!?」
何が起きているのか分からず、俺はその隕石が降り注いだ場所に向かった。
「まったく、なんで、こうも急に動き出すんだ!」
何が起きているのか分からず、その場所に行くのは危険だと分かっている。
それでも、今は自分の中にある疑問がそこにあるような気がした。
だからこそ、俺は