「それにしても、ムジナ、彼は一体誰なんですか?」
その日、ジードとダイナゼノンが怪獣を戦っている間、ムジナは怪獣同盟のメンバーと一緒にいた。
そのメンバーの一人であるジュウガはムジナと一緒にいた陸の事が気になり、質問した。
「一緒に住んでいる相手」
「という事は彼の家に一緒に?
だけど、どういった経緯で?」
5000年前、一緒に蘇った彼女がどういう考えを持って、青年の家に居候したのか気になり、ジュウガは聞くと
「数ヶ月前の怪獣、覚えている?」
「えぇ、まさか自爆するとは思いませんでしたよ。
誰も予想できませんでしたからね」
数ヶ月前に出現した怪獣、彼らはさっそく操ろうとしたが、戦う力もなく、すぐに自爆したのはジュウガも驚きを隠せなかった。
「その時、偶然通った道でたまたま陸を見つけた。
最初は放っておこうと思ったけど、なんか気になって、助けた。
そしたら、御礼をさせてくれって、言われたから一緒に住んでくれって頼んだ」
「また、なぜ?」
「家事、面倒」
「はぁ」
元々、子供っぽい性格なムジナから出た一言として、ジュウガは納得する。
同時に
「もしかして、彼の事が好きなんですか?」
「うん」
何気ない一言をムジナに尋ねた。
それに対して、ムジナは何の迷いもないように頷く。
「それから一緒に住んだ。
最初は特になんとも思わなかったけど、一緒にいる時間が長くなれば、なるほどどんどん好きになった」
「そうですか、確かに彼はとても人柄が良さそうだ」
それには納得するジュウガだが
「はぁ、あの男の前で変だと思ったら、そういう事かよ」
そんな会話を聞いていたのか、赤いモヒカン男でもあるオニジャは
「それで、もしもあの男が敵だったらどうするだぁ」
そう言いながらあ睨んだのは、ジードだった。
「あの訳の分からない巨人の正体が、さっきの奴だった場合、ムジナ、どうするつもりなんだ」
そう乱暴に聞いてくるオニジャに対して
「食べるよ」
「はぁ?」
ムジナの一言にオニジャは首を傾げる。
「敵で、全てが消えて無くなってしまうならば、陸の全てを私の中に取り込む。
思い出も、味も、全てを忘れないように。
生まれ変わっても、忘れない為に」
その言葉とその光のない目を見ると、オニジャは後ろへと下がる。
「それって、好きっていう事」
そう戦いを終えたシズムがムジナに聞くが
「好きでは足りない。
多分、愛かな?」
その一言だけ呟くとムジナは戦いを終えたのを確認すると同時に立ち上がり、そのまま去って行った。
「愛、よく分からないな」