ウルトラマンオタクと怪獣使いの居候   作:ボルメテウスさん

8 / 19
私自身の事だって、何も

「色々と聞きたい事があってな」

 

「俺にですか?」

 

そう言って、疑問に思ったのかガウマさんは首を傾げたが

 

「ダイナゼノンって、何なんだ?」

 

「なっなんで、先輩が、その事を!?」

 

俺が質問すると、驚きを隠せない様子のガウマさんだったが、俺はそのままライザーを呼び出し、見せる。

 

「まぁ、俺がジードだったからかな?」

 

「ジード?

ジード、ジードって、確かちせの奴が言っていた、あの巨人の名前がっ!

なんで先輩が」

 

「いや、それが、俺にも分からなくて」

 

そう言いながら、俺は以前起きた出来事について話した。

 

現実味のない話だと思いながらも、信用して貰う為にと思って

 

「空から降ってきて、それを掴んだら、なぜかジードに変身できたっと。

まぁ、奇妙と言ったら奇妙で信じられないが、やっぱり嘘じゃないよな」

 

「信じてくれるのか?」

 

「まぁな。

ですが、先輩が嘘をついているとは思えないし、本当だったら、頼もしいので」

 

「ガウマ君、ありがとう」

 

「けど、なんでそんな話を?」

 

「いや、その、俺もよく分からない内に戦っていたけど、結局怪獣って何なのか分からなくてな。

あいつらの目的もなんなのか。

だから、この前、ダイナゼノンからガウマさんの声が聞こえたから、確かめる為にもっと」

 

「あぁ、なるほど。

まぁ、俺が話せる範囲だけで良いんなら」

 

そう言い、ガウマさんは、それまでのダイナゼノンと怪獣の関係について話してくれた。

 

怪獣が世界を導く存在だと主張し、人類の敵と言われる怪獣優生思想。

 

そんな彼らが操る怪獣がなぜ現れるのか、その理由についても

 

「だから、すいません。

これからも頼らせて貰うかもしれませんが、力を貸して下さい」

 

そう言い、頭を下げる、ガウマさん。

 

話を聞いていても、決して悪い人ではない。

 

「あぁ、こちらこそ。

ただ、まぁ、俺も戦える時間は3分程度しかできないから」

 

「あぁ、それも同じなのか。

あいつの言っていた情報は当たりだったのか」

 

そう言いながら疑問に思ったように頷く。

 

「それじゃ、俺は家に帰るわ」

 

「えぇ、また今度」

 

それと共に、俺はバイトから家に向かって帰って行った。

 

「あぁ、思った以上に遅くなったか」

 

時計を見れば、既にムジナに言っていた帰る時間をとっくに過ぎていた。

 

これからの為とは言え、約束を破りそうだ。

 

「とにかく、お詫びを買わないと」

 

俺はそう言おうとした時、なぜか言葉が遮られた。

 

後ろから誰かが、首を締め付けられた。

 

「っ」

 

声を出す事ができず、驚く事しかできない。

 

「陸」

 

掠れる声で、ようやく確認でき、後ろを見れば、そこには傘もさしていないムジナさんが俺を抱き締めていた。

 

その腕は首を絞めるように、腕を回しており、なんとか見えたのも髪で顔が見えない。

 

「あんた、なんでガウマと一緒にいた。

バイト仲間だって、言っていたけど、なんでそんなに仲が良さそうだったの」

 

それは腹の底から冷えそうな声だった。

 

彼女が、なぜそのような声を出すのかも分からず、俺はただ聞く事しかできなかった。

 

「私はあんたがいないと、なんにも」

 

そう、声が聞こえた。

 

何を言ったら良いのか、正直に言うと分からないけど、俺ができる事は。

 

それと共に彼女の手を触れる。

 

「りくっ」

 

それに気づき、ムジナは手の力を緩める。

 

「ガウマさんとはただのバイト仲間だよ。

少し気になる事があって、聞いていただけだよ。

まぁあの職場では歳が近いからね」

 

俺はそう、彼女に言える範囲の事を伝える。

 

これまでの出来事、ガウマさんから聞いた話だけでも、ムジナが怪獣優先思想なのは分かりきっている。

 

それを止める為の説得の方法も、どうすれば良いのかなんて、今は分からない。

 

だけど

 

「俺は、ムジナの事が大切だから」

 

「大切」

 

「あぁ」

 

「誰よりも」

 

「まぁ、そうかも」

 

「なんで、そこで曖昧」

 

「俺も分からない。

けど、大切なのは本当」

 

その言葉を聞く度にムジナが締め付ける力は徐々に弱くなっていく。

 

「あいつの言っていた事、少し分かるかも」

 

「ムジッ」

 

何を言おうとしたのか、分からなかった。

 

ただ、俺はそのまま振り返ろうとしたら、今度は壁際まで押される。

 

そして、両手で逃げ場を無くしたムジナはそのまま

 

「だから、逃がさない」

 

「えっと、逃がさないって、どういう事ですか」

 

俺がそう言うと、そのままムジナは俺に顔を近づけさせ、そのままキスをしてくる。

 

頭が追いつかない俺に対して、ムジナはそのまま何度も求めるようにキスを続ける。

 

酸素を奪われながら、舌を絡ませ、何度も角度を変えながら、キスを行った。

 

それに対して俺はムジナの肩に手を置き

 

「むじな」

 

「悪い、だけどもう「いや、その」んっ」

 

ムジナはすぐに表情が見えた。

 

こちらを睨み付けるように、既に止まるつもりはない様子だった。

 

だけど

 

「そういうのは家でやらないか。

さすがに、その、この場で続けるのは」

 

「・・・それって、家だったら、良いって言う事」

 

「あぁ」

 

俺自身も恥ずかしくなって、顔を逸らす。

 

こんな事、生まれて初めてだから。

 

「そう、それだったら、早く家に帰ろう。

いつものように」

 

その言葉と共にムジナは俺の手を掴むと、歩き出す。

 

少し早足で、俺達は家に帰っていった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。