ハイスクールD×D 赤龍帝を宿し転生者   作:END

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対談と論破

「お〜い来たぞ〜」

 

「「「「「おかえりなさいませ、太陽様!!」」」」」

 

 

俺がホールに入り軽く挨拶をすると、バニーガールの衣装を着た美女達が出迎えてくれた。

 

 

 

数十分前。

 

転生者討伐隊リーダーを名乗る優介が現れた後、俺は仲間の敵討ちに来たのだと思い対処した。しかし敵意が感じられず本当に話し合いをしたいようだったので、警戒を解いたのだ。

 

 

「取り敢えず、場所を移すか。お互い状況確認しようじゃないか」

 

 

俺は優介にそう提案して応じると、近くに俺が経営するホテルの一階にバニーガールバーがあったのでそこで対談する事になったのだ。

 

俺は沖平をホールの特別室へ通すと、お互いソファに腰をかける。同じくして座った蓮姫は近くのバニーガールに声をかけた。

 

 

「おい、日本酒を持って来い。今夜は飲みたい気分じゃから度が強いのでな」

 

「俺はカシスオレンジで。沖平、お前はどれにする……て、その制服姿だとまだ高校生か。なら適当にジュースを持ってきてくれ」

 

「は〜い、かしこまりました〜」

 

ウェイトレスとしてそばにいたバニーガールの子は注文を聞き終えると厨房の方へ向かっていった。

 

それを確認すると俺は改めて優介の方へ顔を向けた。どうやらあまりに豪華なところで呆気に取られているらしい。因みに鳴上の野郎は近くのソファで手当てを受けていて、香織の神器で治療中だ。話し合いをする以上殺すわけにはいかないので俺は殺したい葛藤を抑え、割り切る事にした。

 

そんな思考を忘れるためにも俺は何気ない会話をする事にした。

 

 

「どうだ? 俺の組織が経営しているバニーガールバーは。全員可愛いだろう?」

 

 

そう自慢するかのように俺は優介に言った。このホールにいるバニーガールは俺が囲っている女達であり、既に全員手を出している。

 

 

「……圧巻ですね。今まであってきた転生者にもハーレムを築いた人はいましたが、あなたはそれ以上です」

 

「そういうもんなのか。まあ好きに視姦してくれて構わねえぞ」

 

「あはは。そんな不埒な事しませんよ」

 

 

優介は愛想笑いをして俺の言葉を躱す。丁寧な対応をしているので優介は転生者の中でも良識のある人物のようだった。しばらくして飲み物が出され、俺は一口飲んで楽しんだ後、改めて本題に入った。

 

 

「で、沖平優介。俺と話し合いをしたいと言っていたが、それは何だ?」

 

「はい。まずは謝罪を……誠也の件は本当にすみませんでした。リーダーとしてお詫びします」

 

「そうか…て、謝れば済むと思ってんのか? こっちは人の女勝手に抱きしめられたんだぞ。しかもあいつは人の話を聞かないクソ野郎だ。屑転生者と大差ねえ、本当なら殺してもよかったんだぞ?」

 

「すみません。彼もまだ高校生なので、神から認めたれたという事に使命感を抱き過ぎているんですよ」

 

「転生者なんだからそんなの関係ねえだろ」

 

「いえ、誠也の幼稚さには理由がありまして……彼の精神年齢は普通の高校生と変わらないんです。12歳の時交通事故にあって転生したんですが、その時の年齢からスタートしたいと神に要望したんです」

 

「……へえ」

 

 

そう言われると俺は納得した声をあげる。つまり一種の厨二病みたいな感じか。まだ精神が形成されてない状態で創作物の力を手に入れたならあり得ない話ではない。

 

だからといって鳴上のやったことを許した訳ではなかったが、高校生並みの精神のやつにキレても自分が小さいと思い、結果的に怒りが鎮まっていった。

 

 

「……まあいい。今回の事は水に流してやるよ。俺の寛大な処置に感謝するんだな」

 

「はい、ありがとうござます。では次の本題何ですがーー」

 

「待て、その前にお前らの存在を一から説明しろ。鳴上が使ったあのアイテムについてもだ」

 

 

俺の遮った質問に優介は少し考えた様子を見せたが、今回の件に非があるのはこちらだと判断したのか話し始めた。

 

 

「転生者討伐隊とはその名の通り特典を悪用する転生者を倒す存在……名前は仰々しいですけど要はボランティアみたいなものですね。あのアクセサリーは僕たちに使命を与えた神から貰ったアイテムで、特別に支給されます。因みに認められた者しか使えないので竜崎さんが使用する事はできません」

 

「ちっ、後で詫びとして貰おうと思ったんだがな…だが、今回の鳴上のように討伐する本人がロクなやつじゃなかったらどうするんだ? 何であんな奴が神に選ばれたのか検討がつかねえ」

 

「神に選ばれる条件は《高い実力》と《正義の心》です。誠也は転生者の中では精神年齢が幼い方なので、まだ改善の余地があると判断されたんでしょう」

 

成程、まだ形成されてない《心》が純粋だった事で正義感が強いと神様に勘違いされて討伐隊の資格を得たって訳だ。彼等を転生させた神は詰めが甘い。

 

俺は溜息を吐きながらも、アイテムの件を理解し、その話を終わらせる事にした。

 

 

「もうこっちから聞きたい事はない。改めて遮ったそっちの用件を聞こうじゃないか。だが簡潔に述べてくれ」

 

「はい。では単刀直入に言います。あなたはその『赤龍帝の籠手』でこの世界をどうするつもりなんですか?」

 

「いきなり壮大な話だな……俺が屑転生者みたいに悪用すると思ってんのか?」

 

「少なくとも、その可能性はあると思っています」

 

 

優介は真剣な表情でこちらを見てくる。確かに俺は特典の力で私欲を尽くしているからそう思われても仕方ない。だが屑転生者のように犯罪を犯しているわけではなかった。

 

俺が現在囲っている女性陣は原作の異性が寄ってくる赤龍帝の恩恵を受けているだけであり、無理矢理連れてきた訳でも洗脳している訳でもない。

 

それは優介も分かっているようだったが、警戒は完全には解けないようだった。

 

 

「あなたが持つその力……『赤龍帝の籠手』はこの世界で一番重要であり、危険でもあります。故に神もあなたを警戒しているんです。最悪、悪用されたと判断したら始末しろと言われています」

 

「そうか。まあそん時は俺も全力で抵抗するぞ。死ぬのは嫌だからな」

 

「……実力行使で黙らせると?」

 

「その通りだ。まあそうならないようにこっちも気をつけてやるよ。まあ原作のヒロインにはこれからも手を出していくかもしれんがな」

 

 

 

しばらくの沈黙。

 

 

 

「…分かりました。原作のヒロイン達に手を出すことは止めませんが、犯罪にならないよう努めて欲しいです」

 

「了解したよ」

 

 

互いの感情がぶつかり合いながらもこれ以上干渉するのは良くないと判断して、対談は終了する事にした。

 

それと同時に、治療に努めていた香織が此方のソファにきた。

 

「太陽くん。鳴上くんが目を覚ましたよ」

 

「おう、ご苦労さん。ほら、こっち来いこっち」

 

「うんっ! あ、太陽くんお酒飲んでるの? 別にいいけど私との時間で酔い潰れないでね?」

 

「分かってるよ」

 

 

香織の頭を撫でながらそんな平和な会話をしていると、鳴上が沈んだ表情で歩いてきた。

 

 

「(事情は話しといたよ。私と太陽くんの関係についても)」

 

 

そう香織が耳打ちで教えてくれ、ありがとなと言っておきながらソファに座った鳴上と改めて向き直った。優介が無言でいる鳴上の腹に肘を打つ。

 

 

「誠也、分かってるな?」

 

「……ああ……香織「あ?」…白崎ちゃんに無理矢理抱きついたのは、悪いと思ってる。済まなかった」

 

 

そう言って心身と頭を下げる鳴上。正直土下座させようと思ったが、側にいる香織がもう許してあげてと言わんばかりに此方を見つめてくるので許してやろうとした。

 

だが、それを鳴上は遮る。

 

 

「…だが、お前がクソ野郎なのは変わりない。白崎ちゃんがいるのにこんな大勢の女を誑かしてるなんて、人でなしでしかないだろ!」

 

 

誠也の怒号に俺は沈黙する。優介は鳴上を諌めようとしたが俺はそれを止める。

 

 

……要するに今こいつが抱いてる感情は嫉妬ってことか。ならば言い返してやろう。

 

 

「悪い事自体はしてないだろう。だからお前に始末される謂れもない。というか、女を囲うことの何が悪いんだ? 転生者に義理も制約もないはずだ。だから俺は手に入れたこの『赤龍帝の籠手』で好きなように生きる。女だってこれからも抱くし増やす。俺は何も悪くない」

 

「お、お前……クズすぎるだろ」

 

「テメェに言われたくねえよ。てか金輪際、香織に下手な事すんなよ。転校しろとは言わねえがまた今回のようなことがあれば……今度こそ本気で殺してやる」

 

「ヒッ!? な、ならそこの小さい子はどうなんだよ! こんな子にまで手を出してるんじゃないのか!!」

 

悲鳴を上げながら鳴上は、日本酒を楽しんでいた蓮姫に標準を定める。話題の的にされた本人はキョトンとした顔をすると持っていたグラスを置き鳴上と向き合った。

 

 

「そうじゃな。確かに儂は個人的に追われている身でな、此奴に擁護してもらっておる代わりにこの身を差し出しておる。その点で言えば太陽は外道と言えよう」

 

「な、ならーー」

 

「だが……貴様のような弱虫がそれを言ったところで何にもならん。器量も実力もない癖に聖人ぶるでない」

 

 

蓮姫のあまりな言い分に鳴上は心外そうな顔をして声をあげた。

 

 

「お、俺が弱いっていうのかよ!!」

 

「なんじゃ? あれ程散々な目にあったにも関わらず、まだ自身の力量を信じておるのか? 天狗の鼻になっておる童にも困ったものよの〜」

 

「ッ! このヤーー」

 

鳴上はつい怒りに身を任せ腰の刀に触れようとする。

 

しかしそれは叶わなかった。

 

「誠也、今回はあくまで話し合いに来ただけで暴力は振るわない筈だろ? ならこの刀は使わないべきじゃないか」

 

「……ッ!?」

 

優介はテーブルに乗り出していた鳴上を片手で制し、攻撃をやめさせた。それだけではなく抜刀されそうだった刀の柄に手を置き鳴上の攻撃を中断させたのだ。

 

 

「ふん、やはりそうなったか。お主は口先ばかりで実力もない弱者じゃ。そんな奴が強者に歯向かうでない。話は以上じゃ」

 

「ま、そういう事だ。それにしても蓮姫、外道とは酷えな。ツンデレもいいが素直に好きって言ってくれてもいいんだぞ?」

 

「うるさいわい」

 

 

そういって蓮姫は俺を叩いてくるが仲が悪いわけではなく、戯れあっているだけだった。そんな姿を見ている鳴上の肩を優介は叩いた。

 

 

「ほら、もし竜崎さんが屑転生者だとしたらこんな仲良くできるか?」

 

「……くっ!!」

 

 

鳴上は悔しそうな顔で拳をテーブルに叩きつける。どうやら決着はついたようだった。

 

 

「すみません。誠也には改めて謝罪させるのでまたの機会にしてもらえませんか」

 

「ああ〜、もう謝罪はいいわ。なんかもうどうでもいいし。あとはそっちで何とかしてくれ」

 

「はい、そういう事なら。ではこれで失礼しますね」

 

「いくらかバニーガール達にサービスさせてやるから楽しんでってもいいぞ?」

 

「遠慮しておきます。では」

 

 

優介はそういうと鳴上を連れ帰っていくのであった。それを見届けた俺は側にいた香織をお姫様抱っこする。

 

 

「さてと…待たせたな香織。今日はうんと可愛がってやるからな」

 

「うんっ! 楽しみにしてるね!」

 

 

香織が俺の腕にしがみつくのを確認すると、ガールズバーを後にして、上階のホテルへと向かうのであった。




ようやく香織編終了しました。

次は転生者討伐隊リーダー 沖平優介の閑話になります。

それが終わればフェニックス編で、太陽の出番が減るかもです。
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