ハイスクールD×D 赤龍帝を宿し転生者   作:END

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なんか時間かけそうな後書き書いたましたけど、この話は以前につくってて直したら出来ました。最速投稿ですね。


閑話 転生者討伐隊の戦い

「馬鹿じゃないのっ!? 女の子を勝手に連れ出した挙句優介に頭を下げさせるなんて! ふざけるのも大概にしなさいよ!」

 

「わ、悪かったって…で、でも赤龍帝の力を持ってる転生者は神からも注意されてただろ? だから俺はそれに従ったようなもので……」

 

「そういう事を言ってるんじゃないの! 本当あんたって幼稚な性格して……」

 

 

少女は険しい顔をしながら頭を抱えた。

 

太陽との一件から後日。優介と鳴上は仲間の元に向かい先日の会合について報告した。

 

それを聞いた少女は転生者を取り締まる立場としてありえないと激怒し、鳴上を正座させると説教を始めたというわけだ。

 

 

 

 

その説教している彼女の名前は浅羽志乃。

 

 

優介達同様屑転生者を排除するように神からの使命を受けており、この世界では数少ない女の転生者である。

 

目つきが鋭いところはあるが、美少女と言われて良いほど恵まれた容姿を持っていて、手入れされた短髪の黒髪に蝶を模した髪留めをつけている。

 

性格は真面目で融通が効きづらくキツい面もあるが、老若男女に優しく接することもできる良い女の子であった。

 

そんな志乃は一通り説教を終えると、一旦冷静になる為に深く息を吐いた。

 

 

「…あんたが戦った竜崎太陽って転生者はこの世界で最も重要な力を持ってるのよ。それを易々と軽視して斬りかかるなんて、ふざけるなとしか言えないじゃない。失態よ失態」

 

 

志乃の言い分は最もだった。

 

『赤龍帝の籠手』は本来この世界の主人公の力であり、所有者次第では原作が大きく崩壊してしまう。現時点で大きな問題は起きていないがいつ大事になってもおかしくないのだ。故に慎重な対応をする必要がある。

 

優介の報告では囲っている女性は自ら望んで居座っているようで、少なくとも屑転生者ではないが考え方は下衆である。善良な転生者とは言えないだろう。志乃はそれが不安で仕方なかったのだ。

 

 

そんな中、説教を側でじっと聞いていた優介は二人の間に入った。

 

 

「落ち着けって志乃。確かに今回はこっちの落ち度だったけど謝罪して解決はしたし竜崎さんが転生者の禁忌を犯してない事はさっき神からも裏は取れたじゃないか」

 

「優介。そうだけど…」

 

「過ぎたことは仕方ない。あとはこれからの事を考えよう。だから……な?」

 

「……うん、そうね。私も言い過ぎちゃったわ。ごめんなさい」

 

「(……謝るなら優介じゃなくて俺の方じゃね?)」

 

 

鳴上は内心自分が除け者になっていることを自覚してツッコミを入れた。しかし志乃の言った通り今回は鳴上が引き起こした失態なので何も言えなかった。

 

 

 

 

余談だが、優介と志乃は前世でも知り合い…いわゆる幼馴染の関係だったらしい。

 

 

そして志乃の方は優介に気があるようで時々見せる仕草からは桃色の雰囲気が漂ってくる。優介の方も満更ではなく付き合ってこそいないがそのラブラブっぷりは現にこの場で片鱗を見せていた。

 

しばらくすると優介の方が鳴上の顔を見てその内心に気づき、軽く咳払いをすると鳴上を立たせ真剣な表情をつくった。

 

 

神からの使命ーー転生者討伐の任務である。

 

 

 

「さて、改めて任務の確認だ。今日俺たちの標的は転生者『桐生創太』。こいつは一般市民に対する暴行・拉致・監禁を行なっているみたいで、挙げ句の果てには実験材料にしているらしい」

 

「マジかよ。そりゃ攫われた人達が大変じゃねえか」

 

「そいつの居場所は分かってるの優介?」

 

「ああ、今は薬品施設の地下に拠点を置いているらしい。設備は整ってるから何か良からぬものを作っているかもしれない」

 

「それは、早く始末しねえとな……行こうぜ」

 

「ええ、行きましょう」

 

「そうだな」

 

こうして優介達は目的地へと走り出すのであった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

優介達は目的地である薬品施設に到着すると三人で状況を確認しながら施設へと入っていく。

 

奥に進んでいくとそこには標的である黒髪の転生者が不気味に笑っていた。

 

 

「ギヒヒ……もうすぐだ。これで原作のヒロインたちは全部俺のものになる。俺がこの世界の主人公になるんだ!」

 

「そうはいかないな」

 

「だ、誰だ!」

 

 

その言葉に転生者は驚きこちらの方を見る。優介達は隠れていた物影から姿を現した。

 

 

「転生者、桐生創太だな? 転生神ジャスティスの使命によりお前には消えてもらう」

 

「な、何だと? ふざけるなっ! オリ主である俺が消えるなんて事あるわけない!」

 

「嘘つけ。心当たりはあるはずだぜ? 今まで攫ってきた人達は何処へ行ったんだよ」

 

 

鳴上の確認に、桐生はさらに不気味な笑みを深めた。

 

 

「はっ、教える必要はねえよ。だって……お前達はここで殺されるからな!」

 

 

懐から2本のボトルを取り出した。

 

 

「さあ、実験を始めようか!」

 

 

桐生はラビットフルボトルとタンクフルボトルをシャカシャカと振り、ボトルをドライバーにセットした。

 

『ラビット! タンク! ベストマッチ!』

 

音声が鳴ると桐生はドライバーについているレバーを回し始める。すると音楽が流れ始め赤と青のパイプが出現した。

 

レバーの回転をやめると、本来の所有者である桐生戦兎のようなファイティングポーズをとった。

 

『are you ready?』

 

「変身!」

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』

 

 

桐生は仮面ライダービルドに変身した。それを見た志乃は呆れる。

 

 

「正義の味方である筈の仮面ライダーが悪用されるなんて、皮肉な話ね……」

 

「はっ! 言ってろ。それにしても女の転生者か、可愛い顔してるぜ。お前を捕まえたら後でじっくり楽しませて貰おうじゃねえか!」

 

「冗談。あんたみたいなキモ男に誰が身を捧げるもんですか」

 

 

志乃はゴミを見るような目で桐生を睨みつけると腰に帯刀していた刀を抜刀する。

 

それは切っ先と柄付近を残して刃の部分を大きく削ぎ落した藤色の刀であり、細剣のような特殊な形状だった。

 

志乃は自分の得物『日輪刀』を構えるとそのまま深く深呼吸した。

 

 

「蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ」

 

 

高速の刺突をビルドに喰らわせる。ビルドは反応できず全ての突きを受けた。

 

「ぐはっ! な、速すぎ……」

 

「あら、さっきの威勢はどうしたの? 今のにも対処できないなんて本当に転生者?」

 

「な……舐めるなぁああああ!!」

 

『ready go!』

 

志乃の言葉にビルドは怒りで我を忘れるかのようにレバーを回し、上空へと跳んだ。

 

 

「死ねええええええええ!!」

 

 

 

 

 

「水の呼吸 拾壱ノ型ーー」

 

 

 

ピチョンッーー

 

 

 

「ーー凪」

 

 

 

 

一瞬周囲が静まり水滴の音が聞こえたと思うと、優介がもつ水色の日輪刀が煌めき、縦横無尽の斬撃が放たれた。

 

その斬撃はビルドの蹴りを相殺し、後方へと吹き飛ばす。

 

 

「ぐはっ! 俺の必殺の蹴りが、何で…」

 

「踏み込みが甘いからさ。それよりも……志乃を傷つける奴は誰であろうと許さないぞ」

 

 

優介は今までとは違う迫力のあるオーラで桐生を睨みつけた。

 

 

「ありがとう優介。おかげで助かったわ」

 

「礼なんていらないよ。志乃が無事ならそれでいいんだ」

 

「も、もう…そういう事平然と言うんだからタチが悪いのよね…」

 

「……俺の前でイチャつかないでくれます?」

 

 

鳴上は優介と志乃のやり取りに思わずツッコミを入れる。こんな状況でイチャつかれるとこっちが困るのだ。

 

その後も優介達は剣技による斬撃でダメージを与え続け、ついに桐生の変身が解かれる所までいったのだ。

 

「グッ、変身が! 何でこんなことに…ッ!」

 

「これで終わりだ。大人しく降伏しろ」

 

「…クソがぁッ!! 出てこいスマッシュ共!」

 

「「「「グギャアアアッ!!!」」」」

 

桐生の声に機器の中から怪人ーースマッシュが数十体現れ、優介達の前に立ちはだかった。

 

 

それを見た鳴上は苦笑いをする。

 

 

「おいおい、本来この怪人てビルドが作り出す立場じゃねえだろ」

 

「ダハハハハッ! 強くなるためにはこっちも色々と研究しないといけなかったからな。因みにこれが攫ったっ奴らの末路だぜ?」

 

「……こいつ、どこまでもクズね」

 

「へへ、どうとでもいいやがれ。因みにこいつらを救える方法は存在するぜ? それを実行できるのは改造した俺だけだ。助けたかったら武器を捨ててーー」

 

 

「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃!」

 

「水の呼吸 伍ノ型 干天の慈雨」

 

 

優介と鳴上は躊躇する事なくスマッシュ達を呼吸法で斬り捨て全滅させた。一瞬の出来事に桐生は何が起こったか分からない様子だったが、怪人が斬られたことに一拍おいて気づく。

 

 

「な……っ! は、なんだよ。あっさり殺したじゃないか。一体何をやって……」

 

 

困惑した桐生だったが、その解答をすぐに知ることになる。

 

先程俺達に斬られたスマッシュ達は光の粒子となって一度砕け散ると、人間の姿に形を集結して元に戻ったのだ。

 

それを見た桐生は驚愕の声をあげる。

 

「ど、どうしてスマッシュが元の姿に戻ってるんだ!?」

 

「神様特権って奴だよ。僕たちは転生者たちに巻き込まれた人達を元に戻せる力を貰っている。今みたいな人質を解放するためにね」

 

 

勿論いくつかの制約はあるが、転生者を取り締まる立場としてアイテムと一緒に神から託されたものだ。優介達はそんな神の願いにより日々を戦っている。

 

 

「チ、チートじゃねえかそんなの! こんな理不尽あってたまるか!」

 

「お前がいうことじゃない。これでトドメだ。水の呼吸 壱ノ型 水面斬り!」

 

「しまっ、ぐはっ!!!」

 

 

水平に振われた刃は変身の解かれた桐生の胴体に、強烈な斬撃を食らわせた。血をダラダラと吹き出しながら崩れ落ち、理解できないと言わんばかりの顔を見せた。

 

 

「そ、んな……ようやく、ヒロイン達をゲットする、準備が……」

 

「残念だったね。一度地獄に落ちて自分と見つめ合って、来世では真っ当に生きな」

 

 

優介は選別の言葉としてそう告げる。もう苦しまないように首を刎ねると一人の屑転生者は光の粒子になり消えさった。

 

目的を達したため全員日輪刀を鞘に収める。その後志乃はその場に残った特典であるビルドドライバーやフルボトルなどのアイテムを回収した。

 

 

「それにしても、最近こんな転生者ばかりね。全員はしゃぎすぎなのよ」

 

「まあ作品を知る身としてはわからなくはないんだよなぁ。かく言う俺もちょっとワクワクしてたし」

 

「何なのよ全く……」

 

 

鳴上の発言に理解できないように顔を顰める志乃。だが鳴上はこの時、内心では太陽との戦闘を思い出していた。

 

 

「(俺は、弱い……それを思い知らされた。強さも、志も、今の俺は全然ダメだ。屑転生者ばかり相手して自分の実力を過信したたんだ……それに引き換え優介や志乃は強い)」

 

 

二人の呼吸は、鳴上よりも練成されていた。香織に見栄を張って実力があると自慢していた事を思い出し、恥じる。これでは転生者討伐隊として認められた身として、自分自身が許せなかったからだ。

 

 

「(鍛えよう。もうあんな事をしないように、弱いと言われないように……そして俺は、己の真理を押し通せる剣士になってやる…!!)」

 

 

鳴上はそう決心したのであった。それをなんとなく察した優介は薄く笑うと二人に声をかける。

 

 

「ほらほら、もう用は片付いたんだから家に帰ろう? 明日も学校なんだからさ」

 

「……それもそうね。ええ、分かったわ」

 

「うわ〜、学校面倒くせえなぁ……白崎ちゃんとも気まずいし」

 

「気張りなさい。それがあんたへの贖罪よ」

 

「分かってるよ……」

 

 

何気ないやり取りで先程の戦闘を忘れるように、互いに明日のことを話しながら優介達はその場から去っていくのだった。




次回 フェニックス編。


また新たな転生者が、その場に現れる。
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