春奈ちゃんは別の時に使いたいので美夢ちゃん単体。
でも最後は出番少し多め
ここは有栖川高等学院。
僕の通う陽葉学園とは違う訳なのだが、何故ここにいるのかというと、ここの学校のDJユニットのメンバーの一人、桜田美夢ちゃんに呼ばれたからで。
何回来ても、周りの人が皆上品で周りの建物や雰囲気すら高級で何とも場違い感がある。
『御機嫌よう』と挨拶されても未だに少しテンパってしまう。
癒し枠として麗ちゃんでも連れてくれば良かっただろうか。同じ女の子でお金持ちを連れていることでだから少しは僕の場違い感も薄れるだろうか
最早顔パスで通れるようになってしまったことに複雑な気持ちを抱えながら門を潜り、彼女達のいる教室へ向かった。
***
「胡桃さんにみいこさん!今日こそは許しませんからね!!!」
「昨日もそんなこと言ってたの……」
「うるさいです!なんであなた方はいつもいつも………」
教室の扉を開けると、最早いつもの光景となった春奈ちゃんが胡桃ちゃんとみいこちゃんを叱っている。
「あ、こんにちは美夢ちゃん」
「あ!ご機嫌よう、秋くん」
近くでにこやかにその光景を眺めて居た美夢ちゃんに挨拶をすると、美夢ちゃんは制服のスカートの端を掴み、軽く持ち上げ、カーテシーというらしいがそのまま僕にお辞儀をしながら答えた。所作の一つ一つが洗練されていて何とも美しい。
「今日はあの二人何やったの?」
「えっと、教室の扉の上に黒板消しを挟んで春奈ちゃんが扉を開いたらそれが落ちて粉まみれに……」
確かに顔を真っ赤にして怒っている春奈ちゃんの頭を見ると僅かに白いチョークの粉らしきものが残っているのが見えた。
「随分と古典的なイタズラだ……」
「あはは……」
二人で苦笑いを浮かべながら三人を見つめた。
「そう言えば、何で僕を今日呼んだの?」
「あぁ!そうです!こっち来てください」
「いや、あの三人は……?」
「放っておく?」
「そうだね」
そのまま何処かの教室へ連れてかれる。
「ここに座ってもらっていい?」
「うん、分かった」
ちょうどその教室であった椅子に座る。
一体僕に用事……
でもDJとか曲の事なんて僕知らないし……
今すぐしのぶか響子ちゃん辺りに助けを呼ぶしか。
「あの……えっと……」
頬を赤らめながら口ごもる美夢ちゃん。
何をそんなに躊躇うのだろうか。
ふぅ~と息をゆっくり吐くと覚悟を決めた様に僕を見据えた。
「秋くんを、ゆーわくします!」
「………ん?」
僕の耳はPeakyな人達だったりphotonの人達の練習に連れてかれて間近で爆音の音楽を聞く事で耳がお釈迦になってしまったのだろうか。
「ごめん、もう一回いいかな」
「秋くんをゆーわくします!」
僕の耳は正常だったらしい。ありがとう渡月家印の耳栓。練習に連れていかれた時にお世話になっているよ。あとりんくちゃんに絡まれた時
「なんでそんなことを……」
DJユニットとして更にパワーアップをする為という事なら僕は全く知らないし力になれない。
だから僕は有益な情報を持っていない。
持っているとしたら、清水家と渡月家の色々かな……
朝起きた時に清水家、渡月家の婚姻届が判子押すだけの状態で二つ置かれてた時は驚いたね。
「あんまり私達と秋くんって会えないではないですか?」
「学校も違うし、ここお嬢様学校だし……」
そんなここに気軽に入れるものでもないし。僕は何故かもう顔パスで入れるけどあんまり好んでは行きたくない。場違い感がすごいもん。会社の中にスーツ着せたゴリラが居るくらいの場違い感
「でも大学の方には結構行ってるよね?」
「いやぁ……あれは行ってるって言うか、連れてかれるっていうか、行く事を脅迫して強要されているって言うかいつの間にかいるっていうか……っていうかなんで知ってるの?そんな事」
返答の代わりと言わんばかりに、にっこりと美夢ちゃんは微笑んだ。
うーん、これはこれ以上詮索すんなって言う笑い方ですね。
よく使う人がいるから知ってるよ。怖いなぁ……
もしかして何かの暇つぶしとして僕は見られている!?
「同じ学校の人は沢山秋くんと会えるのに私達だけあまり会えないから……」
「寂しかった、みたいな?」
美夢ちゃんはこくりと頷き頷いた。
何故僕に会えないだけで寂しいのか知らないけど、何か悪いことをしちゃったな。
◆◆◆
「まず、これ食べてください!」
勢いよく両手に乗せて出されたものは、可愛いラッピングテープに包まれた美味しそうなチョコのクレープ。そして、さらに乗せられた別の皿にチーズケーキ。
「なにこれ?」
「今日授業中に作ったの、食べて?」
「なるほど、とっても美味しそう」
最初から誘惑とは掛け離れているけれど、やはりお嬢様と言うべきかそんな僕が思っているような低俗で下衆な事は知らないだろうけど。
「ふふ、紅茶入れるね」
自販機や教室の掃除用具感覚で各教室に置いてある紅茶セットで準備をしてくれている。
僕はクレープにかぶりついて、甘味を楽しんだ。
「紅茶入りました~って、鼻にクリーム付いてますよ」
「え?うそ」
「私がとってあげます」
おしぼりを手にこちらにトコトコと歩いてくる。
もうすぐ目の前にまで来たら美夢ちゃんはおしぼりを机にポイッと投げ捨て僕の鼻をペロリと舐めた。
「!????!???」
衝撃的過ぎて言葉が上手く紡げない。
ここの教室、暖房が効き過ぎていないだろうか。何だかとっても顔が熱い。
それに対し美夢ちゃんは、妖艶で蠱惑的な笑みを浮かべている。
こんな表情の美夢ちゃんは今まで見たことがない
「誘惑するって私、言ったよね?」
いつの間にいたのか耳元で囁き、最後にフゥーと息を耳に吐いた。
ぞわりと身体を駆け巡る快楽。
逃がさんとばかりに後ろから美夢ちゃんは僕に抱きついた。
すぐ後ろを振り向けばぶつかってしまう程近い距離で。
「次は唇にキス……しちゃいますよ?」
大人びた色香を纏った彼女に僕はもう抗うことが出来なくなっていた。
いつもは清楚でお淑やかな妹の様に思っていたはずが主導権も握られ彼女が何かをする度に何かが身体を駆け巡る。僕の事をニコリと含みのある笑みで見ながら頬に手を添わせて真正面に移動し僕を見据えた。
僕は諦めるように目をつぶった。
彼女から香る香水らしき柑橘系の甘酸っぱい匂いの他に女の子特有の甘い香りがより一層理性を奪い判断を鈍らせる。
近づいてくる事に少しずつ彼女の香りが強くなっている。
今目を開けたらきっと彼女の端正な顔が目の前にあるのだろうか
「美夢さん!!!」
そこでガラリと扉の開く音と共に響いた僕でも美夢ちゃんでもない声
「あ…春奈ちゃん……」
修羅の覇気に身を包んだ鬼と形容するのが正しい程の春奈ちゃんが立っていらっしゃった。
「居なくなったと思って探していたら……お二人は何をされていたので?」
彼女は笑顔だ、笑顔なはずなんだけどここまで怖い笑顔は今までなかった。
見ると幸せを感じるはずの笑顔の裏にドロドロと渦巻く黒いオーラのせいだろうか
「えっと……お茶会……かな?」
冷や汗を垂らしながら美夢ちゃんが答える。
「なるほど、恋人のような近さで尚且つキスをするようなのがお茶会ですか、そんなお茶会是非見てみたいですわね?」
ひぃ!超怒ってるよ、般若みたいな顔してるもん
「秋さんも甘すぎます!そんなんだからつけ込まれるのですよ!」
「ひぃ!つけまこれる……?、あの……春奈ちゃん?怖いんだけど……」
威圧的なオーラについつい圧倒される。
「春奈ちゃんがそんなに怒っているのは、きっと自分も秋くんと一緒に居たかったからなの!」
「実は秋くんが来るまで春奈ちゃんがとってもソワソワしてたしね~」
扉から顔だけ出した胡桃ちゃんとみいこちゃんが教えてくれる
「そ、そんなことはありません!!!」
あれ?ちょっと怖くなくなった
「そうだよね…春奈ちゃんも秋くんと二人きりになりたかったんだね……」
「だから!違います!!!」
うーむ、何故か春奈ちゃんが顔を真っ赤に必死に何かを否定している今なら逃げれそう。怖いんだもん春奈ちゃん。
「ああぁ!もう美夢さんも秋さんもお説教です!!!そこに正座!」
「いや、僕は巻き込まれた立場というか……」
「正座!!!」
「………はい」
その後美夢ちゃんと二人で足が痺れるほどの時間春奈ちゃんに怒られた。
お詫びとして今度春奈ちゃんと一緒に出掛けることで許してくれるらしい。隣で美夢ちゃんはむくれていたが。
◆◆◆
帰ろうかと荷物を持つと美夢ちゃんが袖をちょこんとつまんで引き止められた
「ん?どうかした?」
「秋くん、秋くんドキドキした?」
「超ドキドキした。別の意味でも」
春奈ちゃん怖かった………
「でもあんな事しちゃダメだよ、美夢ちゃん」
「大丈夫だよ、秋くんにしかしないよ、もっと皆に負けないくらいアピールをしないといけないから。他の男の子はどうでもいいもん」
「うん、ありがと、美夢ちゃん」
「それはずるいです……。次は絶対にしますからね、キス」
僕はそれまでファンに殺されず生きていられるのだろうか。
桜田美夢
きっと無意識的に男を勘違いさせて傷つけるタイプ(偏見)
自分が主人公と触れ合う機会が少ないのが最近の悩み。あと可愛い。そして可愛い。キスで子供が出来ると思っている子供っぽい一面も。
春日春奈
もう少しで美夢ルートだったのを阻止。
ママ。あと可愛い。お世話されたい(願望)
このキャラでこんなシチュのが見たい!というのがあれば活動報告のリクエスト募集まで
次は多分スーパー乙和ちゃん。からかい上手の桜田さん的なのが見たいなぁ!書いて(他力本願)