DJ少女達は可愛い   作:ぽぽろ

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リクエスト順に行けば憐舞曲なんですけど、私が今書ける憐舞曲のキャラがいなかったので。
いつもは二、三千字くらいなはずが気づいたら四千字を超えてました。推しの魔力


花巻乙和は子供っぽい可愛い

窓から射し込む太陽の光が少し眩しく賑やかな教室を明るく照らしているお昼すぎ。

しのぶを始めとするクラスの人達は何処かに行ってしまって手持ち無沙汰さから、ぐてーと身体を投げ出し机に寝そべる。

朝、先生が五時間目に何かあると言っていたような気もするけど、昨日のゲームのやり過ぎで眠たすぎて聞いていない。

 

「暇だなー」

 

暇だけど、こののどかな時間のなんと素晴らしきことか。

最近、色々ありすぎて何も無いこの時間がとても久しく感じる。

このまま寝てしまおう。皆いないしと眠気に身を任せ目を閉じようとしていると何処からかドタドタと囂しい足音が聞こえた。

そして、僕の教室の扉がガラリと開けられて直ぐその主はこう叫んだ。

 

「秋くん、大変だよ!!!今日予防接種だ!!!!!」

 

よぼうせっしゅ……?今とても嫌な単語を聞いたような……

すぐ様顔を上げると、主はどうやら乙和さんだったみたいだ。

 

「よぼうせっしゅ……?」

「そうだよ!予防接種!!注射だよ!!」

「注射!?」

 

光の速さで席を立ち乙和さんに詰め寄った。

 

「本当ですか!?」

「あのね、今順番二年生で私、逃げてきたんだよ!一年生ももう少しで来るはずだよ!この学校男の子秋くんしかいないから女子が最初だからその内クラスの人が呼びに来ちゃうよ!」

 

注射……針……身体に……刺す……?

恐怖で思考停止の状態になっていると響子ちゃんがこちらに来た。

 

「秋、注射そろそろだから保健室に来てって」

 

そして、悪魔も震え上がるほどの恐ろしい言葉を僕に告げた。

 

「嫌だ……注射いやだ……」

「私も一緒に行くからさ、ほら秋」

 

手をこちらに差し出し、人とは思えない誘いをする響子ちゃん。きっと今の響子ちゃんは人間ではないのだろう。多分悪魔に取り憑かれている。

 

「乙和さん、逃げましょう!!!」

「うん!早くしないとノアも来ちゃうよ~!」

 

僕は乙和さんの手を掴んで地獄から逃げるべく走り出した。

 

「乙和~~!!早く戻って来なさーい!」

「乙和~~?注射嫌だからって逃げないで!!」

「乙和さーん」

「秋~~?」

 

少し走った後に後ろを少し振り向けばノアさん、衣舞紀さん、咲姫ちゃん、響子ちゃんが追いかけて来ていた。もう少し遅かったら捕まっていただろう。

 

「乙和さん、どこ逃げます?!」

「と、取り敢えず遠くに逃げよう!」

 

そして、僕と乙和さんはまだ見ぬ誰にも見つからないフロンティアを探しに駆けた。

 

 

***

 

 

「ここまで逃げればきっと追いつかれないでしょう」

 

息を整えながら話しかけた。

気づけばもう学校外まで走っていた。

きっと戻ったら先生に怒られるだろうけど今は注射から逃げる事の方が重要だ。

 

「そう……だね…… 」

 

二人ともはぁはぁと乱れた息を吐きながら整うのを待つ。

 

「これからどうします?乙和さん」

「学校には戻れないよね……ノアとか怖そう!」

「確かにそうですね、あと僕の場合はそれに響子ちゃんとかも……、あと絵空ちゃんに由香ちゃん、そしてしのぶも…」

「考えてみればいつも秋くんの近くには女の子が沢山いるよね!」

「あれ?何か怒ってます?」

「怒ってない!」

 

何故かいきなりぷりぷりと頬を膨らませながら言うものだからてっきり怒っているのかと。

でも別に怒られる理由はないしなぁ。

いつも女子といると言うよりは男子が少ない、もしくは居ないような……

だから必然的に友達も女の子になる。

 

「いつも話しかけよ~って思って教室行くとピキピキの人達と楽しそうに話してるし!咲姫ちゃんとも色んな所行ってたり、大学生とも知り合いだっていうじゃん!他にも有栖川にもいるし、女の子の知り合い多すぎ!!浮気はダメだもん……」

 

いや、そうは言われても……

 

「ん、というより乙和さんがなんでそんなことを知ってるんですか?まるでずっと見てるみたいな……」

「そそそ、そんなわけないじゃん!ほら、あれだよ!色んな人から聞くんだよ!今日秋くんとこれをした~って。衣舞紀とかノアとか咲姫ちゃんからもよくそういう連絡来るし!羨ましいし……」

「いや、その連絡意味無くないですか?」

 

一々僕とした事なんて、報告しなくても……

僕と会わないように情報共有でもしてるんじゃないか。

改めて僕はあまり人に好かれないような人間なんだな……ってしみじみ思うね。

 

ふと気づけば未だ乙和さんの手を握っていたままだと気づく。

事務所へ所属している乙和さんだからあまり恋愛を疑われる様な事は宜しくないだろうと掴んでいた乙和さんの手を離した。

 

「あっ……」

 

乙和さんは名残惜しそうな声を出した。

 

「さて、これからどうします」

「ん~、あ!近くにショッピングセンターあったよね?あそこ行こ!」

「お、いいですね」

 

ふへへ、とってもリア充っぽい。

その実はただの先輩との買い物なんですけどね!あぁ、彼女が欲しい。乙和さんを初めとする僕の周りの女の子と恋人になってデートする人生を歩みたいよ。

 

「私と秋くん、二人きりでお出かけ……これってデートかな!?」

「まぁ、他人から見たらそう見えるんじゃないんですか?」

「えへへ、デートに行こう!」

 

顔を真っ赤にしたかと思いきやいつもの元気を取り戻した乙和さん。

うん、乙和さんには笑顔が一番似合う!

 

「そ、そんなこと言うから勘違いしちゃう人がいるんだよ!」

「あえ?いや、ただ褒めただけなんですが」

 

なんだか今日、乙和さんはよく分からない。

 

***

 

近くの大きなショッピングモールで、僕達は先程手を離したはずが次は更にパワーアップして腕を組んで歩いている。

何故かと言われれば、乙和さんが

『デートなら腕くらい組むよね!』

と言っていたから。

 

「あ、クレープ発見!」

「いいですね、デートっぽい。僕買ってきますね、何がいいですか?」

「あのデラックスクレープ!!」

「分かりました」

 

クレープの前ではしゃいでいる姿はまるで子供のようで思わず笑ってしまう。

買ったクレープを手に二人で写真を撮ったりした。

 

「あ、秋くん鼻にクリームついてるよ~?」

「え?本当ですか」

「取ってあげるね」

「いえ、全然大丈夫です、本当に大丈夫です。こんなのすぐに取れますから。えぇ、大丈夫です。本当に、はい」

「誰かとなんかあったの~?」

 

前回の美夢ちゃんのトラウマが………

う、乙和さんの僕を訝しむ様な視線が痛い!

 

その後はショッピングを楽しんだ。

 

「秋くん、この服とかどうかな?」

「とっても似合ってますよ」

 

「あ!あそこにサーフィンボードとかある!」

「乙和さん、得意なんでしたっけ、マリンスポーツ」

「出身が海の方だからね」

「1回見てみたいです。乙和さんの泳ぐ姿」

「……えっち」

「なんで!?」

 

「乙和さん、この帽子似合うんじゃないんですか?」

「あ、確かに……ってこれ子供用じゃん!乙和ちゃん、秋くんの先輩なんだよ?」

「いや、乙和さんってあんまり先輩って感じがしなくて」

 

つい、ポンと頭の上に手を置いて撫でてしまった。なんだろう、妹を見ているような感じ。妹いないからわかんないけどね。

 

「えへへ……って私弟のいるお姉ちゃんなんだけど?!あと秋くんの先輩だし年上だし!」

「クレープとか好きな物を見つけると走って行ってこうやってはしゃいでる人に年上っぽさは……」

 

もぉ~とポコポコと乙和さんが叩いてくるけど全く痛くはない。

その童顔や行動言動も相まって本当に子供っぽい。

それを見てまたクスリと笑ってしまう

 

「あ、またバカにしたー!」

 

***

 

もうすっかり日も沈み、辺り一面が赤く染め上げている。

あれ?何のためにここに来たんだっけ。

乙和さんと遊ぶ約束でもしたんだっけ。

 

「楽しかったー!」

「ですね!僕も楽しかったです」

 

近くの駅には学生達で混んできている。

帰るにはいい頃合いかもしれない。

 

「そろそろ帰りますか、カバン学校に置いてきてますし」

 

そう言いながら乙和さんを見ると何処か物憂げな顔をして駅を見ていた。

 

「ねぇ、秋くん、このまま二人でどっか遠い所に行っちゃおうか」

「え?」

「ノアと衣舞紀も咲姫ちゃんも知らない遠い場所に二人で、二人きりで何処か家を借りて過ごそうよ」

「それも楽しいかもですね」

 

ふと、想像をしてみる。乙和さんみたいな人と一緒なんて絶対楽しいだろう。隣で明るく元気に笑ってくれる乙和さんが容易に想像ができた。

 

「秋くんがいいならさ、今すぐ行こうよ」

「Photon Maidenはどうするんですか?」

「秋くんの方が乙和ちゃんにとっては大事だから」

「乙和さんは皆の乙和さんなんですから僕だけが独り占めなんて出来ませんよ」

 

何処か今の乙和さんに陰りのあるものを感じた。

でもドキドキとしていてこのまま二人で流されたいと思う自分もいて。更にそれを抑える自分もいる。そんな二重思考に囚われて僕は悶々としていた。

 

「そっか、秋くんらしいな」

 

乙和さんはぽつりと何かを呟いて、元の太陽よりも眩しい笑顔になった。

 

「……なーんて、嘘だよ~!」

「びっくりしましたよ、揶揄いましたね?」

「後輩を揶揄う事が先輩の権利なのです!今まで乙和ちゃんをバカにした罰なのです!」

 

えへん、と大きな胸を張る乙和さん。

そして、と前置きをしてからこう呟いた

 

「秋くん、こんな感じにわるーい女の子に引っかかっちゃダメなんだからね!私が迎えるまで待ってるんだよ?」

「……?、分かりました……?」

 

よく分からないけど分かった!(?)

 

「帰りましょうか」

 

分からないものは分からないんだから諦めよう

 

***

 

「あ~~~~き~~~~???」

「と~~~~わ~~~~???」

 

ふむ、ここは学校じゃなくて地獄にでも来てしまったのだろうか。

有栖川女学園にも鬼はいたけど、ここにもいたとは。そう言えば注射から逃げたんだった。

目の前には髪の毛を逆立てたノアさん、衣舞紀さんが二人の前に立ちはだかる。

咲姫ちゃんは何もせずにじっとこちらを見ている。え、怖。

 

「あれ?響子ちゃんは?」

「練習があるらしいから帰ったわよ。秋をたっっっっぷり叱っといてと言われたわ」

 

腕を腰に立てながら衣舞紀さんは答えた。

響子ちゃんなら怒るのは軽くなるかなぁと思ったんだけどなぁ……

 

「ほら、秋、保健室行くよ!乙和もね!」

「鬼!ノアと衣舞紀のオニ!」

「ノアさんと衣舞紀さんには人の心がないんですか!!人間がする所業じゃありませんよ!」

「はいはい、行くよ」

 

畜生、聞いてもくれやしない!

僕はノアさん、乙和さんが衣舞紀さんに掴まれてズルズルと引きづられる。

でも乙和さんと手を繋いでいたのを忘れていた。これ幸いと乙和さんの手を握りしめて踏ん張る。

 

「はい、エンガチョ」

 

それを見たノアさんが僕と乙和さんの繋いでいた手を縁起悪い方法で切った。

乙和さんがお嫁に行けなかったら一体どうしてくれるのだろうか。

そしたら僕が……って無理だよねぇ

 

「秋くん」

「どうしたの?咲姫ちゃん」

「私がいる……よ?」

「???」

 

***

 

保健室へ行けば、先生がキラリと針を光らせながら待っていた。

先に注射をするのは乙和さんらしく、椅子に衣舞紀さんに座らせられた。僕も乙和さんも二人にがっちりと掴まれている。

 

「ね、ねぇ……秋くん、怖いから私の手を握ってて……?」

 

目に涙を少し貯め上目遣いで乙和さんは手を差し出しながらそう言った。

そんな顔に抗えるはずもなく、僕は乙和さんの手を優しく握る。

 

「秋くん……」

「乙和さん……」

「はい、そこ見つめ合わない!」

 

今回で乙和さんと距離がだいぶ縮まった気がする

 

後日、デートの写真を乙和さんがディグッターに上げたらしく、何故か僕の携帯の通知が一日中煩かった。




花巻乙和
注射滅ぶべし慈悲はない。真正面から主人公を攻略する系。更に子供っぽい所もあって最高に可愛い。表情豊かで可愛い。作者の推し、可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い(怪文書)
自分が告白をする心の準備が終わる前に盗られないといいね。

Photon Maiden
その他エキストラの皆様。乙和が羨ましかったらしい。
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