アークナイツRPG トロフィー「救済の手を」取得RTA 作:星ねこ
「……ここ、は……」
目が覚めた。意識が朦朧としていて思考がまとまらない。何処にいるんだろう。
ひとまず、寝ている身体を起こそうとする。
が、上手く思い通りに身体は動かせない。
徐々に、思考がはっきりとしてくる。辺りを見渡して確認してみるに、ここはテントかなんかの中だろう。誰かが少し前までここにいたような気配を感じる。
「あ、起きた。」
テントの入口方面から声がする。
女性の声だ、どちらかと言うと少女のような声のようだ。
何とか顔を上げ、声の主の顔を見ようとする。無理に動こうとしたせいか、身体のあちこちが痛む。
「あぁ、無理しないで。結構派手にやったからね、まだ傷は癒えてないと思う。」
少女はこちらに近づき、何かを差し出してくる。パッと見害はなさそうなものだ。
「水。ひとまず飲んで、落ち着いたら話を始めよう。」
渡されたのは水だった。
濁ってはなく、透き通ったような綺麗な水だった。口に含むと、冷ややかな感覚が身体中を通り抜けていく。それと同時に意識が覚醒していく。
いつの間にか、身体が動かせるようになった。
「ん、大丈夫みたいだね。身体を起こす時はゆっくりね。じゃあ、話そうか。」
軽く頷き、少女の方を向く。少女の言う通りに身体をゆっくりと起こす。
身体の痛みも、少しずつ引いていったような気がしてくる。
「……君は?」
「んー……覚えてない、か。そうだね、【シクス】って呼んで。」
「シクス……か。」
どこかで聞いたような名前だ。どこで聞いたのだったか。思い出すには、まだ時間がかかりそうな気がしてくる。
そんなことを思っていると、シクスは少し考えてから、口を開いた。
「……なるほど、じゃあ、要点から話そうか。」
「貴方がリーダーであるレユニオンは、ウルサスの都市、チェルノボーグを崩壊させた。貴方が率いてね、タルラ。」
――――は?何を言っているんだ?
私が、いつレユニオンを率いてチェルノボーグを襲ったと?そんな覚えはない。というか、やろうとも考えたことがなかった。何故?何故私がチェルノボーグを?私は―――――
「……ふーん、なるほど。あなたに覚えはないみたいだけれど、事実は事実。チェルノボーグはレユニオン・ムーブメントによって崩壊……罪なき一般人も殺されたり、暴行されたり。色んなことが起きた。レユニオンも、ここから変わらないで進めば、崩壊するはず。
そして、チェルノボーグはその後天災が降り注いだ。
これが、チェルノボーグで起きたこと。ざっくりとは、まぁしているけどね。」
「天……災。」
彼女の言うことに嘘偽りはないように思える。彼女の目がそう言ってくるようだ。嘘や夢だと信じたいくらいだが、何故そんなことが起きたのだ?
「そう。それで―――ここからが本題。」
「貴方、自分の親を自分で殺したこと、ある?」
息を飲む。親を、殺した。
あの時、あの時だ、私がこの手でコシチェイを殺した。
なぜ知っているのかを問いただしたいが、今はやめておく。だが、奴を殺したことになんの関係があるのだ?理由は分からない。
ただ、もしかしたら……
「……ある、父を殺した。コシチェイって名前だ。」
「……なるほど、じゃあ貴方に降りかかった【呪い】は分かる?」
呪い?なんの呪いだ?あの男が私にかけた呪、い。
―――まさか。
「……何となく、貴方は自分がどうだったか予想がついたみたいね。」
「あ、あぁ……」
私は、なんということをしたのだろうか。
一体、何人殺した?何十人殺した?いや、何百、何千もの救える命を。どれほど殺したのだろうか、想像もつかない。
では私は、燃やしたのか?全てを、復讐に燃えて。
「私、私は何をした?一体、どれほどの人々を、私は、私はっ……!」
「すま、ない。入っても、構わない、か?」
聞いたことのある声が、テントの外から響いてくる。懐かしいような声だ。
「ん、どうぞ。」
少女が、テントの入口を開ける。よく見ると、シクスの体には源石があった。彼女もまた鉱石病にかかってしまった感染者なのだろう。
「助かる。さて、やっと、起きた、か?タルラよ。」
そこには、兜を被り盾を持つ感染者の盾、パトリオットがいた。
「……パトリ、オット。何故ここに?」
「起きてるか、どうか、確認を、しに来た、のだ。それと、感謝を、な。」
そう言うと、パトリオットは少女―――シクスの方を向いて、言葉を紡ぐ。
「シクス殿、助かった。貴殿が、いなかったら、我々は、死んでいた、そして、この指導者も、朽ちていた、だろう。」
パトリオットは指をこちらに指して、言葉を紡いだ。
「あはは……なんだか照れるな……うん、礼は嬉しいけど、私が動いたのは、死んじゃうはずの感染者を自らの命を顧みないでほとんど救った、将軍がいてくれたから。そんな姿を見て、多少は私も守ってあげたくなった。それだけだよ。こちらこそ、ありがとう。」
「将軍、か。懐かしい、響きだ。」
「殿ってつけるんだったら、私もこう呼ぶからね。」
「ふっ、仕方が、ない、か。」
少し、和やかな空気がテントの中を回る。が、直ぐにひりつくような空気に変わった。
「さてと、じゃあ将軍も来たし、本題に入ろうか。」
「あぁ、頼む。」
パトリオットが彼女の言葉に頷くと、シクスは、こちらを見ながら、はっきりと言った。
「タルラ、貴方には今、出来る選択肢が沢山ある。それを選んで欲しい。
1つは、レユニオンの活動をここまで広げたのだから、まだ暴動を起こし続けるか。
または、今すぐでも暴徒と化してるレユニオンを止めて、昔の通りにやっていくか。それとも、新しくレユニオンを作って、感染者の辛さを伝えるか。
もう、その武器を捨てて、今更普通に生きようとするか。」
選択。
あまりにも多く、大きな選択ばかりだった。
個人的には、もう戦いなんてしたくない。
だが、それは許されるのだろうか?
私が、何もせず生きることは、死んでいった者たちに―――――
「好きに、選ぶと、いい。選択は、お前次第、だ。指導者よ。」
パトリオットが口を開く。いつものような、重々しい言葉ではなく、どこか温かみがあるような声だった。
選択は私たち次第、か。だが、私が指導者だと?
そんな事はないはずだ、私は過ちを犯した、無関係な人を殺した、選択を誤ったんだ。そのせいで、救えた命が……アリーナ達が……
そんな人間が、人を率いる者になんてなれはしないだろう。
「【……人は過ちを繰り返すものだ。人々が生きる中で、争いというのは避けられぬ運命だ。今回の一回、自らがやってないとはいえ、その体で起こした争いに対して、深く考えるな。お前がすべきは、死んでいった者たちを忘れない。それだけでいいのだ。
お前は優しい。全ての感染者を、救おうと動いた。だから、お前は蛇なんぞに
シクスの方から、声が聞こえる。
その声は、確かに先程まで聞いていた声だった。が、口調や言葉一つ一つの重み等が変わっていた。なんというか、迫力が大きくなったというか……
まるで、全く見知らぬ別人に変わってしまったかのような気がした。
「【愛国者が言った通り、お前は指導者だ。一度過ちを犯したとて、次はならないようにすれば良いのだよ。お前は
「……そんな事が、許されるのだろうか。私に。」
「勿論、だ。お前を、傷つける、者は、私が、仕留める。」
「……うん、彼も言ってたけど、二度過ちを犯さなければ大丈夫だよ。また間違ってたら、今度は殺すかもしれないけれどさ。」
シクスやパトリオットの声に、嘘偽りはないように聞こえた。謎に自信が出てくるくらいには。
シクスの声、というより喋り方も変わっていた。元の少女のような声に戻っていた。
「……分かった。なら、私は――――――」
自分の中で固まった、その思考の全てを口に出す。
どうすれば、死んでいった者たちの想いを無駄に出来ないか。どうすれば、もう二度と過ちを繰り返さないか。
その全てを、吐き出すように口に出した。
過ちを繰り返さないのは無理かもしれない。人は過ちを繰り返すものだから。
「……そっか、じゃあ私はそれに従おう。Wにも話してみる。将軍は?」
「……あぁ、従おう。今度は、道を、踏み外さぬ、ようにな。」
2人の言葉に、涙が溢れそうになる。何故だろうか、理由は分からない。
多分、内心何処かで断られる、見捨てられると思っていたのだろう。結局1人になって、また始めていくと思っていた。
あの時の高原のように。
でも、2人は違った。
あの時とは違って、受け入れてくれた。こんな私の、馬鹿みたいな理想を。
あぁ。
とても、救われたような気がした。
――――――
???にて。
【蛇は消えた、また現れるかもしれんが、ひとまずは、安泰か。さて……】
【ん、コアの出力が落ちてきているな。これでは沈むのも……いや、何を言っているんだ、俺。間に合わせるのだ。間に合わせるしか方法はないだろう?あぁそうだ。やるしかないんだ。】
【……あぁ、五月蝿い。貴様ら深淵の引きこもり共に、この気持ちは分かるまい。我々には感情など無いに等しいがな。】
【シクスは渡さん。貴様ら深淵風情には、勿体ない存在だ。俺が崩壊しようが、どうなろうが、彼女は渡さない。】
【妹を守るのは、兄としての責務だ。】
次からはRTAに戻ります。シリアスは疲れるので、当分は……無いかな……
エンジョイプレイ書きたいんですけどよろしいか?
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やれ(鉄華団)
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まず完走させようぜ?
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MODありの奴見たいゾ。
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新しくRTA走って、どうぞ。