アークナイツRPG トロフィー「救済の手を」取得RTA   作:星ねこ

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気がついたら2ヶ月経っていたってマ?帰ってきました、ねこです。
真銀斬と我らが光とケルシー先生とスカジにオマケでWを手に入れたので初投稿です。NKT……


遭遇

「……なんだ、これは。」

 

口からその言葉が零れ落ちる。そう言いたくなるほど、現状は混乱に満ちていた。

 

辺りはもう日が落ち、夕暮れがうっすらと伸びていた。

 

 

その場には、謎の不定形の塊と、それから溢れ出している体液のような粘ついた何かが散らばっている。はっきりいって、ここで何が起こったのか理解不能だ。

 

 

「お?これはこれは、例のロドスのお医者様じゃないか。」

 

奥の方から、声が聞こえてきた。見てみれば、何か大きなものを担いでいる男が現れた。巨大な鉄の塊のような、武器。剣のようではあるが鈍器としても使えそうだ。ボロボロな服の肩側には見慣れたロゴが縫い付けられている。どうやらケルシーのことを知っているようだ。

 

 

「……レユニオンか、何故ここにいる?」

 

「それは俺のセリフなんだけどなぁ。ロドスは表向きには製薬会社の名を呈してる、ならば何故そのトップがここに来る必要があるのか……その物騒な護衛を連れてね。」

 

男は後ろにいたループスのレッドを指さしてそう言う。見ずとも、レッドが彼に対して殺意をむき出しにしている事はわかった。

 

「レッド、下がれ。」

 

「そいつ、危険。殺した方が、安全。」

 

「レッド。」

 

 

少し不満そうに唸り声をあげながらも、大人しく後ろに戻った。未だナイフを手に取り警戒を続けている。

 

 

「おーおー、賢いねぇ……ま、話をしようか。製薬会社にいる一端の医者が、何しにここに来た?」

 

「君には関係の無い事だ。無視してくれても構わない。」

 

「冷たいねぇ。だがスラム街に来ることなんて普通の医者じゃありえないことだろう?そうだな、【次、レユニオンが動いても大事ないように偵察】とかか?」

 

 

「……スラム街の一角に当たるここを事前に取っておくべきだと考えてここに来た。それと、ここに来ていたとある人間を連れ戻しにな。」

 

「へぇ……」

 

 

男は、探るかのようにこちらを見つめる。その後、どっしりと瓦礫の山に座り込んだ。

とてつもないプレッシャーが、ケルシーを押し潰そうとしてくる。ドス黒い感覚はないが、雪が降ったあの日を思い出すような気配だった。

 

「まぁ、とある人ってのが誰だか知らんが……ここから先は立ち入り禁止なものでね。分かるだろ?迂回して貰えると助かるんだが。」

 

「ほう?なぜそうする必要が?」

 

 

「……『好奇心は猫を殺す』という言葉を知っているか?」

 

 

「それは脅しのつもりか?生憎と、その程度じゃ止まるつもりは無いが。」

 

「そうかい、行きたきゃ行けばいい。そこの震えているループスはどうするか知らんが、アンタは行きたいんだろう?」

 

 

再び、男はケルシーの後ろを指す。少し震えており、なにかに脅えているかのような、恐れているかのような様子を伺うことが出来た。

 

「レッド、どうした。」

 

「……怖い、この先。進みたく、ない。」

 

「何?」

 

 

その時。男の背後から、何かがこちらに向けられた気配を感じ取れた。敵意とも言い難い、少し薄い何かが。

 

 

「……っ!Mon3tr!」

 

「(警戒するような唸り声)」

 

低く、唸り声を上げながらソレが現れる。瞬間、弾けるような勢いでMon3trが後方に吹き飛ぶ。無事かどうかを確認すれば、Mon3trは不機嫌そうな声を出しながら頷いた。

 

「おお、あれ防ぐのか。流石といったところだ。」

 

男が何か呟いた気がしたが、ケルシーには分からなかった。というより思考が固まらなかった。だがそれは当然とも言えるだろう、彼女の思考を埋めつくすには充分な状況が揃っていたからだ。

 

 

目の前から現れる、不定形の生き物達。いや、それを【生命】と名付けるのも嫌悪感が生まれそうな程に気味の悪い見た目をしている。どこかで見た事あるような花、いや植物とも言い難いそれが、蠢いている一つ一つのどこかしらに咲いている。

 

ソレが、何十もの数を連れ、ゾロゾロと現れてきた。ここにいる生命体全てを、埋めつくし、押しつぶすかのように。思わず、ケルシーもレッドも交戦態勢を取る。

 

 

「これは、君が仕向けたものなのか?」

 

「疑いたくなる気持ちもわかるが、俺は何もしていない。ただ、『海』がある所にこいつらが寄ってくるのは知っているだろう?」

 

 

『海』

 

その単語が、頭の中で繰り返される。思考して結論を出すまでもない、何が起きているのか。全て、瞬時に理解した。

 

……理解し難いものであったが。

 

 

「……一体、何がここで―――」

 

「まぁそう焦るなよ、【ケルシー医師】。

あんたが慌てふためくのは珍しいな。……知りたいなら教えてやろう。俺の知ってる限りのことを。だが、その前にまずこいつらを片付けるとしよう。」

 

男は携えていた巨大な剣をぶっきらぼうに構え、雑に振るう。

だが、『ソレ』を消し飛ばすには十分な威力だったようで、大群の群れが少し吹き飛んだ。

 

少し思考が止まった後、ケルシーもMon3trに指示を出し戦いを始める。レッドも、それに続くように戦闘を開始した。

 

「へぇ、中々いい動きをするじゃないかそのループス。ウヌスと同等……それかそれ以上か?早いな。」

 

「君は喋っている暇があるのか?」

 

「そりゃあまぁ、慣れてるからな。だが、よそ見してると怪我するぞ?」

 

そう言うと、男は持っていた剣をケルシーの方に向け思い切りソレを振るった。

 

 

「!?何を―――」

 

咄嗟に防御態勢を取ろうとする、がそう思考する前に直撃した。

 

 

 

響くような、切り裂く音がすぐそこで聞こえた。だが、痛みはない。不思議に思い辺りを見渡せば、ケルシーの左側には先程現れた生命体が二つに切断されピクピクと痙攣を起こしていた。すぐ目の前まで迫っていたのに、それに気が付けなかった。だが、この男はそれにいち早く気付き攻撃した。

 

この男は本当に何者なのだろう……

 

「な?言った通りだったろ?あぁ、礼はいらないぞ。もう次が湧いてるからな。」

 

 

「……あ、あぁ。」

 

 

 

 

「なぁ、ひとつ聞いていいか?」

 

「……」

 

「黙ってるってことは聞いていいんだな?OK聞くとしよう。」

 

 

 

「【ケルシー】、あんたは誰の為に動いているんだ?何の為にここに来た?何の為に生にしがみつく?この大地は残酷で、まともに生きられる奴も少ない。守れそうな小さな存在でさえ守れない。本っ当に【最高】の世界だ。あぁ【最高】だよ。そんな世界で、あんたはどうするんだ?」

 

「……唐突だな、何故今それを聞く?」

 

「あぁ、今聞きたいから、というのは駄目なのか?」

 

「……私に、それを答える義務は客観的視点から見ても存在はしないだろう。」

 

「おいおい、ひでぇなぁ。まぁそうだけど……なっ。」

 

 

また1つの集団、また1つの集団を吹き飛ばしていく。ケルシーもMon3trも少しずつだがこの戦いに慣れてきた。だがそれでも【ソレ】の数は徐々に徐々にと増していく。不利になっていくのは、誰が見ても分かるだろう。

 

「こいつら、何処まで増えて……」

 

「ま、前からそんな奴らだ。気にすんなよ……それより、今から俺は独り言を言う、割と大きな声でな。聞き流しておいてくれよ、これに対する質問なら後で受け付けてやるから。」

 

 

男はその鉄の塊を軽々と振るいながら、ケルシーにそう語りかける。ケルシーは、目の前の『ソレ』を処理するのに精一杯であったが、耳は傾けていた。何故今それをするのかという疑問はさておき。

 

 

「……シクス、あいつはまだ人として生きていられる。あいつは特殊なんだ、マスターが残した最後のモノ。アルム特性の源石化合物やD32鋼を数十個吹き飛ばした時は、流石に笑えなかったけどな。それほどまでにアイツは強すぎた。お陰で【対『0』用決戦兵器】みたいな扱いを他の人間からされていたが、そんな扱いを受けても俺たちの家族なのは間違いなかった。」

 

「……」

 

「……はん、まぁいいさ。それはいつか分かる事だしな。あんたなら真相に辿り着くさ、【ケルシー医師】。

 

話を変えよう、裏であんたがレクサスについて調べていたのは知っている。おかしいだろ?昔から居た小さな貴族が、いつの間にかウルサスを象徴する大貴族の1つになった。当時の富も権力も、何もかも手に入れていた。そんな大きな存在となっていながら、自分が不利になるような真実を権力を使って揉み消そうとせず、そのままニュースとして世の中に公開した。なんなら否定もしなかった。傍から見たら、狂っているって思われてもおかしくないだろうな。」

 

「だがその行為も、大貴族に仕立てあげたのも、シクスがそっちに行って、あんたに会いに行ったのも、あんたと直接話したのも。全て、一人の男の計画の内さ。その男は未来が見えているのかもしれんな?」

 

 

男は『ソレ』に咲いている花をもぎ取り、手に持っている鈍器で殴打しながら会話を続けた。

 

 

『あんたと直接話した』

その言葉に、ケルシーはいつの日か見た光景を、思い出した。

 

 

ロドスでの医務室、シクスが運ばれてきた日だった。

 

 

【貴方は?】

 

何者かが、医務室にいた。ロドスの人間とは思えないその風貌に、ケルシーは警戒を欠かさなかった。

黒いボロボロのローブを被った男が、部屋の中にいた。眠っているシクスを、じっくりと見つめ何かを考えているかのようだった。

 

【私は、そこで寝ていたシクスの父だ。貴殿に言伝をしに来た。】

 

【……一体どこから?ここは完全なる密室に近いのですが。】

 

【私は、最初からシクスに付き添っていた。貴殿なら理解していたと、思ったのだがな。】

 

【(……存在に気が付かなかった。Mon3trも反応を示さなかったという事は、本当に最初から居たのか?それともその存在が実証されていなかった……?)】

 

 

【……まぁいい。では言伝だ。

私と貴殿はいずれ再会する―――本来ならば、深き遠き、海の底……だが、貴殿は特別だ。都市の下、大地を司るもの。その目の前で、私は待っている。】

 

 

 

「――――!危ない!」

 

レッドの声で正気に戻る。が、少し遅かった。目の前まで迫ってきていた生命体が、ケルシーの首をつかみ取ろうとその触手を唸らせ、首目掛けて伸ばし―――――

 

 

だが。

 

 

「お?なんか思い出したか?ん?」

 

「……あぁ、まぁ。」

 

「あぁ、そりゃ結構。だが、もう寝ている暇はないぞ?」

 

先程まで振るっていた巨大な鉄の塊とも言い難い剣の柄の部分で、伸ばした触手を叩き落とす。男は、地面に落とし足で押さえつけ、そのまま触手を切断した。生命体は悲惨な声を上げながらその形を崩していった。

 

だがその声に呼び寄せられるかのように、未だ生命体はこの場に現れてくる。

ケルシーも構え直す。Mon3trを呼び出し、戦闘態勢に入る。

 

じっと、生命体が向かってくるのを見つめていた。

 

 

「すまない、助かった。礼を言わせてくれ。」

 

「それを言うのは少し早いが、まぁ受け取っておこう。それより、これを捌けば一先ずは落ち着けるはずだ。」

 

「根拠は?」

 

「勘。……じゃあダメそうだな、まぁなんだ、もう追加が来ないのを見ただけだよ。 」

 

ケルシーは何か考えた後、Mon3trに指示を出す。

 

【指令。メルトダウン。】

 

「(嬉しそうな唸り声)」

 

 

Mon3trは嬉しそうに生命体へ殺意を向け、殲滅を開始した。それに続くように男やレッドも動く。

 

『殲滅』が始まろうとしていた。

 

 

 

エンジョイプレイ書きたいんですけどよろしいか?

  • やれ(鉄華団)
  • まず完走させようぜ?
  • MODありの奴見たいゾ。
  • 新しくRTA走って、どうぞ。
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