怪獣娘一言シリーズ   作:電王牙

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前回からの続き物の第3回。

今回のお話の時空ではミクちゃんの方が後に恋人と交際を始めています。

そして二人の彼氏の固有名称も登場。
レッドキングさんの彼氏くんは既に誕生日編で名前を出して居ますが改めて。

ミクちゃんの彼氏
→弥七(ヤシチ) ケント

レッドキングさんの彼氏
→倉木 コウ


そして今回はちょっと大怪獣ファイト関係は独自設定強めです。

今回のコンセプトは『どっちも初心』。



先輩と後輩の話(ミクとベニオ編)

ジョンスン島。怪獣娘達が力と技をぶつけ合い切磋琢磨の死闘を繰り広げる大怪獣ファイトのバトルフィールドがある島だ。

 

そしてここは地下2500mに存在する研究所にある控え室のひとつ。

 

今日の戦いを終えた二人の怪獣娘が寛いでいた。

 

「先輩、お疲れ様ッス!」

「おう、お前もナイスファイトだったぜ!」

 

ミクラスの怪獣娘の牛丸ミク。大怪獣ファイターとしてデビューしてまだ間も無いが勝って負けて成長しているルーキーだ。

 

そんな彼女の今日の対戦相手は要塞ロボットの別名を持つビームミサイルキングの怪獣娘だった。

全身重火器の塊とでも言うべきロボット怪獣の魂を受け継いだのは伊達では無く、各種兵装から放たれる怒涛の弾幕でミクラスを寄せ付けなかった。

そしてミクラスは数発被弾したものの、一瞬の隙を突いて撃ち込んだ熱線『バッファフレイム』が命中した瞬間、各部のミサイルに引火、誘爆し、盛大な爆発と共に倒れたのだった。

 

「いやー、あのミサイルの雨は避けるのキツかったッス!」

「あー、あれは確かにキッツイわな。遠距離攻撃出来ねえとドーにもならねえし」

「けど、牽制のつもりの一発で勝ってなんかちょっと釈然としなかったというか……」

「……アイツ、火力高いんだけど誘爆しやすいらしいんだよな。俺も前に戦った時に岩石をぶち当てたらあちこちか花火みたいな火花出してから大爆発して驚いた」

 

ビームミサイルキングは火力はとても高い反面、誘爆しやすいという欠点も抱えているため勝率はそこまで高く無いが、その(勝利も敗北も)派手な戦いから人気が高い。

ベロクロンとのミサイル対決はタイマン最終戦争と言われ語り継がれている。

 

「けど、先輩も凄かったッスよ!ジランゴンとのパワーファイト!」

「まぁな。アイツのパワー、中々だったぜ!」

 

今日のレッドキングの大戦相手は山神怪獣ジランゴンの怪獣娘だった。

お互いにパワータイプであり、真っ正面から組み合いに持ち込み、その衝撃で地面が割れる程だった。

均衡を破り、ジランゴンの体勢を崩して投げ飛ばしたレッドキングの炎を纏った必殺の飛び蹴り『ヴォルガニックインパクト』が決まり手だった。

 

「これで今期の試合は終わりだな。学校の期末試験頑張れよ」

「うう……明日からまたケントに勉強見てもらわないと……」

 

大怪獣ファイトは便宜上、1~6月の前期と7~12月の後期に別れている。

対戦成績でポイントが付き、それでランキングが決定する。

前期と後期の最後に上位者とファン投票で選ばれたファイターが前期後期の最終トーナメントに出場できる。

 

そして大怪獣ファイターをやっている怪獣娘の大半は学生と兼業が多い。

なので中間や期末試験がある時期は勉強時間確保の為に通常の試合が少なくなり、19歳以上のベテラン勢を中心としたエキシビションマッチや特別試合が中心になる。

尚、赤点により補修が発生した場合はそちらが優先となる。

 

「ま、学生の本分は勉強だからな」

「うう……赤点取ったら補修で試合できなくなるからなんとしても回避しないと……」

「うんうん……俺も学生時代にはコウに世話なったもんだ」

 

そう言うベニオも学生時代は赤点ギリギリであった。

学生時代、当時まだ付き合って無かった恋人の倉木コウに勉強を見てもらった思い出と頭から煙を出しながら望んだ試験の記憶を思い出しつつ、ミクに尋ねた。

 

「そういや、ミクラスは彼氏とはどうなんだよ」

「でゅあ!?」

「……なんだその変な声」

「あ……えっと……そのぉ……」

「おー、なんだなんだ?その感じからしてキスとかしたんだな?」

 

ベニオはミクの肩に腕を回しニヤニヤしながら尋ねた。

ミクと恋人である幼馴染みの弥七ケントは2ヶ月ほど前から交際が始まっている。

 

「う、あ……はい……」

 

そう答えるミクの頬は赤く染まっていた。

 

「おー、そうかそうかー」

「そ、それに……昨日……」

「昨日、なんだよー」

 

ニヤニヤ尋ねるベニオだったが、そこにミクから先程のビームミサイルキングよりもとんでもない爆弾が投下された。

 

「昨日……ケントと……エッチ……しちゃった…………」

「は?」

 

ミクの発言の内容を理解するまでベニオは完全に硬直していた。

ベニオが硬直から脱して正気に戻ったのは3分後だった。

 

「え、え?……エエエエエエッチって……おおおおま、お前……!?」

 

コクコクとミクは顔を真っ赤にしながら頷いた。

それを見てベニオの思考はショート寸前だった。

 

「む、無理矢理か!?無理矢理されたのか!?」

「ち、違う違う!?ちゃんとアタシがしシたいって言ったから!」

「な、ななな!?」

 

ベニオは昨日、目の前にいる後輩が恋人と一線を越えた関係になっていたという衝撃で完全に混乱していた。

 

「え、えっと……こういうときは、赤飯か!?」

「せ、先輩!取り敢えず落ち着いて!!」

 

 

 

ベニオがシャワールームで頭から冷水を被ってクールダウンするまでに更に5分を要した。

 

長い髪を乾かしながら改めて話を再開した。

 

「お、おう……悪い。落ち着いた……」

「ウッス……」

「で……でだ、本当にやったのか?」

「はい……」

「初めてとか痛いって聞いたけど……マジだったのか?」

「はい。……かなり。それに……」

「それに?」

「ま、まだ入ってるみたいな感じが……残ってて……」

「……そ、そうなのか……」

 

二人の会話はぎこちなかった。二人とも明るくフレンドリーなのだが、今回ばっかりはしどろもどろだった。

 

「お、俺もまだシたこと無いぞ……」

「そ、そうなんスか!?」

「そりゃ……まぁ……なんつーか、恥ずかしいしよぉ……」

「確か……そうッスよね……」

「……」

「……」

 

二人の間に沈黙が流れる。

 

「てか……今日、大丈夫だったのか?」

「実は……ちょっと違和感残ってて……それで避け損なっちゃって……」

「あの時、不自然に動きが止まった理由って……」

「はい……」

「なんつーか、よく勝てたな……」

「自分でも不思議ッス……」

「……」

「……」

 

また、沈黙が流れた。

 

「……」

「……」

「俺も……がんばってみようかな……」

「先輩……」

「……よし、俺もコウの奴といつか……!」

「先輩!」

「いい加減、次に進まないとならねぇからな」

「その意気ッス!」

 

 

 

しかし、なんだかんだで結局照れて何もできなかった。

 

「ちくしょう……」

 

後日、ベニオは自室ののぬいぐるみを抱きしめてそう呟くのだった。

 





解説コーナー


・牛丸 ミク
今回のメイン。大怪獣ファイトで奮戦している。
試合前日に恋人と初めてを行った。その結果、まだ入っているような異物感が残っており、試合中に数発ミサイルを食らったのはそのため。
期末試験は半泣きになりながら勉強してなんとか赤点を取らずに済んだ。


・歌川 ベニオ
今回のメイン。
このシリーズにおいては年齢は19~20歳でGIRLSに正式就職している想定で書いている。
恋人との交際歴は3ヶ月ほど。
学生時代の成績は気を抜くと赤点ライン。
初心なので自分から押し倒すことが出来なかった。


・弥七 ケント
ミクの彼氏。成績は普通ちょっと上くらいであり、ミクが分かるように根気よく教えるのが得意。
曰く、『教えれば俺の復習にもなるから』『基本大事』とのこと。

【名前の由来】
弥七(やしち)→セブン。
ケント→マケットからのもじり。


・倉木 コウ
既にベニオ誕生日編でも登場しているベニオの彼氏。
今回の話の世界と誕生日編はパラレルであり、こちらでは交際しているけどまだ一線は越えてない。
後輩達の面倒見がいい男。
高校時代は学校が違うベニオの勉強の面倒を見ていた。


・ビームミサイルキング
『セブンガーファイト』で初めて映像作品デビューしたてれびくんの読者公募怪獣。
大量の重火器を使った範囲火力の派手さが売りで敗北時の大爆発も人気。
・ジランゴン
『戦え!セブンガー』のオリジナル怪獣。
熱線を吐けるがそれ以上に正面からのぶつかり合いが好きな乙女。

この2体を選んだのは対戦相手をどうするか考えている時に『セブンガーファイト』を見た後だったので、ちょうど良さげなマイナー感だったから選抜。


・大怪獣ファイトの諸々
前後期やら試験期間の規模縮小やら完全にオリジナル。
3学期制、2学期制の学校で試験期間が違ったりするので試験期間は、空いている怪獣娘を中心とした試合がメインとなる他、エキシビションやインタビュー、過去の試合の総集編などで繋いでいる。
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