怪獣娘一言シリーズ   作:電王牙

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今回の話はゼットンさん関係で独自設定が強めとなっています。

ゼットンさんの彼氏の名前は
→美筆 シュウ



ゼットンさんの秘密

ある日の明け方、ゼットンはシャドウの巣を潰し、帰路に着いていた。

テレポートで移動し、ビルの上に立つ。

そして思い立ったようにある一軒家の屋根の上にテレポートする。

手鏡を取り出して、髪が乱れてないか身だしなみを確認する。

鏡をしまうと深呼吸ひとつ。改めてテレポートする。

 

今度はその一軒家……恋人の家の廊下だ。

物音はしない。気配からして彼……美筆 シュウはまだ眠っているようだ。

彼を起こさないように今度は彼の部屋にテレポートする。

 

彼はまだ眠っていた。少しあどけなさを残す彼の寝顔をゼットンは眺めて微笑んだ。

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

暫くしてシュウは微睡みから目を覚ました。

寝惚けた彼の瞳が捉えたのは黄色に輝く発光体とエメラルドの双眸でこちらを眺める恋人だった。

 

「あれ……ゼットンさん……?」

「おはよう……シュウ……」

「おはようございます……」

 

彼が起きて顔を洗い、歯を磨いて朝食を作る。

そしてゼットンと共に二人で食卓を囲むのだった。

 

「いつの間に来たんですか。来てたなら起こしてもよかったのに」

「まだ早いから……」

「……テレポートで不法侵入しといてそれ言います?」

「それは言わない約束」

 

そういってゼットンは頬を染めながら目を反らした。

ゼットンは基本的に玄関からこの家には入らない。

大怪獣ファイターとして有名な自分が玄関から入っては騒ぎになってしまうと判断したからだ。

 

「ごちそうさま」

「お粗末様でした」

 

朝食を食べ終わり後片付けをする。

そして、ゼットンはソファーに腰掛けると、膝を叩いた。

 

「……シュウ」

「ん?」

「膝枕……おいで?」

「ああ……はい」

 

彼はゼットンの太腿の上に頭を乗せてソファーに寝転がった。

 

(……いつ見ても大きいな、ゼットンさんの胸)

 

仰向けに寝転がった彼の視界をゼットンの黄色い獣殻に覆われた豊満な胸部が埋め尽くす。

この大迫力の絶景を見れる者は他には居ないだろう。

 

「……エッチ」

「ナンノコトデスカネー」

「もう……」

 

ゼットンはほんのりと頬を朱に染めて彼を軽く睨み付ける。

そして彼の頭を優しく撫でるのだった。

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

(そういえば……ゼットンさんが変身解除した所や本名……何も知らないな……)

 

ゼットンに頭を撫でられながら、彼はそんな事を思った。

彼女との交流が始まり、やがて交際に至ったが、彼女の本名も人としての姿も未だに知らないのだった。

 

(聞いてみるかな……)

 

思い立ったまま、彼はゼットンに声をかけた。

 

「ゼットンさん」

「なに?」

「僕、まだゼットンさんの変身解除した姿、見たことないですよね」

 

ゼットンの頭を撫でる手が止まる。

 

「……そうね」

「……もし良かったら見せて貰っても?」

「別にそんな面白いものじゃない……」

「そりゃまぁ……」

「いいよ……分かった」

 

そう微笑むとゼットンは彼を起こして、ソウルライザーを操作する。

彼女の体は光に包まれた。

 

「……ゼットンさん?」

「……」

 

彼女はGIRLSの制服を纏っていた。だが、彼女の髪の色は怪獣娘の時の艶やかな黒髪ではなく、透き通るような白髪だった。

 

「ゼットンさん……髪の色変わるタイプだったんですね」

「ええ」

 

怪獣娘の中には人間時から髪の色が変化するタイプも存在する。

元の髪の色から若干程度の変化をするタイプが多いが、中には……

黒髪から銀髪に変化するブラックキングの黒柳ナミ。

赤髪から赤青黄のトリコロールカラーに変化するバードンの火野ユリカ。

茶髪から銀髪に変化するメフィラス星人二代目の仁科カレン。

大きく色合いが変化するタイプもそれなりに居る。

 

「でも何で隠して……?」

「大した理由じゃないけど……照れくさいから……かな?」

「え?」

「うん……大怪獣ファイトでチャンピオンになってから有名になっちゃったから……」

 

実際、ゼットンは大怪獣ファイトの現チャンプであり、その魂の怪獣たるゼットンは過去にウルトラマンを倒し、当時の防衛組織、科学特捜隊の基地を壊滅させたことで現在でもそれなりに有名である。

 

「私……口下手で……目立つの、苦手だから……」

「ゼットンさん……」

「ピグモンや滝沢博士くらいにしか話してない……」

「……そうですか」

「ね、大した理由じゃ、無いでしょ?」

「それでも……教えてくれてありがとうございます」

「うん……」

「……今度はそっちの状態で膝枕してください」

「もう……いいよ。おいで」

 

彼女はそう言うと再びソファーに腰掛けるのだった。

 

「……この事は、秘密」

「分かりました。秘密です」

「……指切り」

「はい」

 

こうして二人の秘密が増えたのだった。

 

「そういえば……ゼットンさんの本名って……」

「私の名前は…………」

 

ゼットンの本名は彼だけが知っている……。

 




解説コーナー

・ゼットンさん
今回のヒロイン。
彼女の人間体はこのシリーズに置いては白髪と設定。
髪の色の元ネタはウルトラマンフェスティバル2001年の「ウルトラマンライブステージⅡ 宇宙恐竜最強進化!」に登場したクローンゼットンホワイトが元ネタ。

ボツになった初期案だと彼女はクローンゼットンホワイト、すなわちゼットン幼体の怪獣娘で通常ゼットンまで2段階分ソウルライドの度に強化変身しており、『強化形態の維持時間を長くするために常にソウルライドしている』という設定だった。
そして『既に2段階のパワーアップ済みなのでハイパーやEXなどに強化変身できない』という設定もあった。


・美筆 シュウ
ゼットンさんの彼氏。何てことの無い交流から交際に繋げた猛者。彼女の本名を知る数少ない人物となった。

【名前の由来】
ペンシル爆弾→鉛筆→筆→美筆。
シュウ→終、ゼットン(Z+ん)、最後で終わり繋がり。


・黒柳ナミ、火野ユリカ、仁科カレン
変身すると髪の色が大きく変化する系の怪獣娘として名前のみ登場。
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