怪獣娘一言シリーズ   作:電王牙

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今回は平賀サツキちゃん、沢中イズミさんの(推定)誕生日回です。

二人とも誕生日おめでとうございます!

それぞれの対応人物は
サツキ
→相羽 エイスケ

イズミ
→寺環 サイト

となっております。
ちなみにイズミさんはシナリオの都合で成人女性としております。



番外編・平賀サツキ&沢中イズミ誕生日編

【イズミとサイト】

 

 

その日、GIRLS開発課に所属するペガッサ星人の怪獣娘の沢中イズミと同じく開発課所属の男性職員の寺環サイトは居酒屋に来ていた。

目的は怪獣娘の変身補助携帯端末、ソウルライザーの新機能開発完了に伴う打ち上げである。

 

「やっと一段落着きましたね、イズミ先輩」

「そうですね、サイト君」

 

怪獣の中には強化形態や強化種、進化種、環境適応亜種が存在する個体も存在している事が資料より発見された。

更にゴモラやレッドキングといった一部の解除娘が強化変身の兆候を見せ始めたことにより、ソウルライザーに強化変身補助データを入れる事となったのだった。

 

「しかし暫定的にEXTRA……EXってしてますけど、個別呼称が欲しい所ですよね」

「はい……その辺りの名称整理は追々やっていくみたいですけど……」

 

ゴモラの進化種のEXゴモラとレッドキングの進化種のEXレッドキング、それぞれ特定環境に適応、進化した個体と推測される。

現在、便宜上は『EX』と呼称されているが、将来的にはアースゴモラ、マグマレッドキングとなると思われる。

 

「それじゃ、まぁ……完成を祝って、乾杯!」

「はい、乾杯!」

 

まだ未成年であるサイトはコーラ、成人したばかりのイズミはチューハイの入ったグラスをカランと鳴らして乾杯した。

 

「……サイト君、こっち見ないでね」

「はいはい……」

 

サイトがイズミから目を反らしている間にイズミは頬を染めながらチューハイに口をつけた。

彼女は何かを飲む所を見られるのが恥ずかしいのであった。

 

「……うん、もう平気…………」

「はい」

 

それを聞いてサイトが視線を戻すとイズミのグラスは空になっていた。

 

(相変わらずだなぁ、イズミ先輩)

 

空になった彼女のグラスを見ながらサイトはコーラを飲むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

 

2時間後。

 

「らからぁ……多岐沢博士は色んな娘と仲良くしすぎなんれすよぉ……」

「あー、ソッスネー……」

 

イズミは見事に酔い潰れていた。本人もアルコールに強くない事は自覚があるのだが、いつか多岐沢マコトと一緒にお酒を飲みたいとこうして後輩のサイトを連れては酔い潰れて絡み酒を発症するであった。

 

「最近はまた新人ひゃんにつきっきりでひゅひぃ…………んぐんぐんぐ」

「イズミ先輩……飲み過ぎですよ」

「ええ、まらまられひゅよ~♪ひょれにわらひの恥ずかしい姿見てりゅんれすひゃら付き合ってくらひゃいひょぉ~♪」

(あ、駄目だボチボチ限界だなこれ)

 

そしてそれから数分もしないうちにイズミは眠りに落ちたのだった。

 

「んぅ…………多岐沢博士ぇ……」

「はぁ……まったく……」

 

サイトは会計を済ませてから、二人の荷物を纏め、眠ってしまったイズミを背負い、帰路につくのだった。

 

「……相変わらず軽いな、イズミ先輩」

 

イズミがサイトの背中で揺られること十数分、サイトの住むアパートへと到着した。

 

「……酔い潰れた女の先輩を自分の家に連れ込むとかバレたら袋叩きでリンチにされかねないよな」

 

GIRLSは怪獣娘、非怪獣娘合わせて女性職員が非常に多い。バレたらそこまで行かなくとも大半の女性陣からゴミを見るような目で見られるだろう。

 

イズミをベッドに寝かせると彼はソファーで横になるのだった。

 

「はぁ……イズミ先輩、相変わらず多岐沢博士の事、好きなんだよなぁ……」

 

沢中イズミは多岐沢マコトに思いを寄せていた。だがその思いは中々届かず、数年が経過していた。

そして密かにサイトもそんなイズミに思いを寄せていた。彼女の恋路を応援しながらもイズミに恋しているのだった。

 

「……寝てる間に手を出す……いや、そんなことしたくない……。やるなら同意貰いたい……」

 

と、頭に浮かぶ邪な思いを振り切って無理矢理眠るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

「ん……あれ、ここ……」

「起きましたか、先輩」

「ふぇ!?」

 

イズミの意識が微睡みの中から一気に覚醒する。

 

「こ、こここ……ここって」

「俺のアパートですよ。酔い潰れて眠ってたから」

「ええぇぇぇ……!」

 

イズミは慌てて自分の体を確認し始めた。

 

「いや、手出してませんからね!?」

「う、うん……!あ……」

 

少しずつ酔っていた時の記憶が戻ってくる。

イズミの頬が真っ赤に染まる。

 

「わ、わたわた……私……サイト君の前で……!」

「そりゃもうグビグビ飲んでました」

「~~~~!!?」

 

飲んでいる姿をサイトに見られた羞恥でイズミは悶えるのだった。

 

「サイト君……!」

「というかですね、酒飲んで潰れて眠ったら駄目ですよ。俺だったらともかく、相手が他の悪~い男だったら本当にヤバかったんですよ!」

「う……ごめんなさい……」

 

暫くして、イズミは落ち着きを取り戻した。

 

「そ、それじゃそろそろ帰るね……」

「あ、帰る前にこれ」

 

サイトはイズミにラッピングされた袋を手渡した。

 

「なんですかこれ?」

「……誕生日プレゼントですよ。今日ですよね?」

「……あ、最近忙しくて忘れてた!」

「まったく……それ、マフラーです。これから寒くなるからよかったら使ってください」

「うん、ありがとねサイト君!」

「お誕生日おめでとうございます、先輩」

 

そして、イズミは上機嫌で帰っていくのだった。

 

 

イズミが去って、暫く経ってから……。

 

「はぁ……やっぱり、手出しとくんだったかなぁ……。少し触ったり見たりくらいは事故だよなぁ……」

 

サイトはベッドに残るイズミの残り香に当てられ、己の煩悩に少し負けそうになっていたのだった。

 

 

「迷惑掛けちゃったなぁ……はぁ……。今度改めて何かご馳走してあげなきゃ」

 

イズミはそんなサイトの苦悩を知るよしも無く帰路につくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

 

 

 

 

【サツキとエイスケ】

 

平賀サツキ、私立円谷女子高校に通う普通の女子高生。

だがそんな彼女はペガッサ星人の怪獣娘として覚醒し、侵略活動を企む(お笑い)集団、ブラックスターズに(半ば無理矢理)加入(させられた)。

真面目(過ぎ)&凝り性ゆえにブラックスターズの活動を手伝い、現在は参謀としてのポジションについている。

 

……そもそもブラックスターズが真面目に侵略活動に取り組んでいるかは怪しいが。

 

そしてブラックスターズ加入した後で現在交際中の大学生、相羽エイスケと知り合った。

 

ブラックスターズのブラック指令、シルバーブルーメ、ノーバがそれぞれ付き合っている相手と同じ大学に通っており、その縁で知り合い、惹かれていったのだった。

 

サツキにとっては彼との時間もブラックスターズとしての活動も欠け代えの無いモノとなっていった。

 

これはそんな彼女の誕生日に迎えた何気ない話。

 

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

 

「待たせたかな、サツキ」

「あ、いえ……私も今さっき来た所です!」

 

11月5日、今日はサツキの誕生日だ。この日に二人はデートをするのだった。

 

「けど、門限まででごめんなさい」

「いいよ。それまでに楽しめばいいんだからさ」

 

そして、二人は手を繋いで街を歩いてゆくのだった。

 

 

 

「よし、まずはいい感じだな!」

「うんうん、ペガちゃんいい感じー♪」

「だな」

 

その様子を物影から見守る黒と銀と赤い影があったとか。

 

 

 

二人は普段は行かない方面を散策した。

意外な所に意外な建物や店があった。

何気ない会話、他愛もない会話をしながら二人きりの日常を謳歌する。

 

特に特別な事はない。だけど、それがとても心地よかった。

 

やがて、サツキの門限が近くなってきた。

二人は手を繋いで帰路を進む。

 

「そろそろ……おしまいですね」

「そうだね」

「……少し、寂しいです」

「また、来年……一緒に過ごそうか?」

「……はい!」

 

エイスケは懐からラッピングされた小さな小包を取り出した。

 

「これ、誕生日プレゼント」

「わぁ……いいんですか?」

「まぁ、大した物じゃないけどね」

「いえ、エイスケさんから貰えたんだから大した物です!」

「そうか……」

 

「中身は……?」

「あー、ペンダント。似合うと思って選んだ」

「……ありがとうございます」

「ああ」

 

二人の距離は少しだけ縮まったのかもしれない。

 

二人の何気ない日々はこれからも続くのだった。

 

 




解説コーナー


・沢中 イズミ
小説版に登場したペガッサ星人の怪獣娘。
作者が小説版に置ける主人公の多岐沢マコトを慕う部分と恋愛面をどうやって消化するか頭を抱えていた。
公式ファンブックの『多岐沢を兄のように慕っている』といつ記述があったので、今作品においては『多岐沢への思いは兄への親愛や恋愛感情やらが混在している』みたいな状態としている。

尚、小説版の彼女のメイン回である『銀世界より』から今回の話まではざっと2~3年くらい経過している想定である。


・寺環 サイト
GIRLS開発課に所属する男性で19歳。
密かにイズミに思いを寄せているが、彼女が多岐沢を慕っている事からそれを応援している。
尚、リア充の巣窟と化した今作品のGIRLSでは貴重な特定の誰かと交際していない若い男性職員だったりする。

名前の由来はDS用ゲーム『怪獣バスターズpowerd』に置ける味方宇宙人のペガッサ星人加入がサテライトキャノン開発以降だから、
テラワ サイト→サテライト


・平賀 サツキ
『怪獣娘(黒)』に登場したペガッサ星人の怪獣娘。
今作に置いては高校一年生としている他、『女子高は大抵私学らしいので彼女の通う学校は私立女子高』と設定している。
交際はしているが、親には秘密にして付き合っており、彼との何気ないデートを楽しんでいる。
たぶんこれまで書いた中で一番健全なお付き合いをしていると思われる。


・相羽 エイスケ
サツキの彼氏で19歳の大学生。
尚、ブラックスターズの各自が交際している彼氏達は全員同じ大学に通っている19歳だったりする。
ブラックスターズ経由でサツキと偶然知り合い、以降惹かれてお付き合いすることに。
彼女が18歳越えるまでは絶対に手を出さないと誓っている。

名前の由来はジード登場の組織AIBから。


・ブラックスターズの皆さん
一言のみ登場。全員彼氏持ちのリア充組織となってしまった。
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