怪獣娘一言シリーズ   作:電王牙

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本日はゼットンさんの誕生日なので特別編。


相変わらず当作品におけるゼットンさん関係の独自設定は全開です。


投稿頻度減っている裏で少しずつ新作を書き進めています。



ゼットンさん誕生日編

 

国際怪獣救助指導組織、通称GIRLSに所属する数少ない男性職員の一人、美筆シュウと白髪の女性……大怪獣ファイトの現チャンピオンのゼットン。彼女は怪獣娘の姿になることにより髪の色が大きく変わるのである。

 

二人は現在、GIRLSの任務で遠出していた。ゼットンのテレポートの能力を使えば一瞬だが、それでは味気ないのでのんびりと電車でガタゴト揺られてやって来たのだ。

 

「良いところですね」

「うん」

 

シュウはGIRLSの制服のジャケットを脱いで上着を羽織り、ゼットンは完全に私服である。

GIRLS関連の会議や行事に参加する場合はゼットンは怪獣娘の姿なので彼女のGIRLS制服は今日も自室でハンガーに掛けられているのだった。

 

「予約したホテル、この先」

「すいません、予約任せちゃって」

「ううん、大丈夫。調べたら星が見えるホテルらしいの」

「星、ですか?」

「うん。星、見たいと思って」

(星が見えるホテル、果たしてどんなホテルかな……)

 

シュウは思いを巡らせていた。だが、何よりもゼットンと同じホテルに泊まるという事に意識が向いていた。

整った顔立ち、普段の白雪のごとき白髪と怪獣娘姿の艶やかな黒髪、発光器官の獣殻に覆われた豊かな胸、輝くような金色の瞳……控えめに言わなくても高値の花とかいう次元ではない。

交際しているとはいえ、まだキスもしていない仲なのだ。意識しない訳がない。

 

(……理性で本能をねじ伏せるんだ俺。ここでガッついたらマズイ。平常心……流水の様に……凪ぎの様に……山の様に……線香花火…………)

 

段々と例えがおかしくなっているがそれは意識している余力は無かった。

 

「ホテル、あった」

「え?………………え?」

 

ゼットンの呼び掛けで現実に意識が戻るも、そこにあったのは城のようなホテル……その名は『Starry sky』……星空である。

……敢えて言おう。ラ○ホテルである。

 

(……は、え?まて……なんで?)

「入ろう」

「ちょ……」

 

シュウが固まっているとゼットンは彼の手を引いてホテルの中へと進んで行った。

 

(こ、これって……まさか……誘われているのか……?)

 

シュウの精神は平常心から離れていた。それは激流、嵐、鳴動、業火のごとくである。

 

(全然……心の準備できないって!)

 

まぁ、当然ながら彼は未経験である。

そもそも大怪獣ファイトのチャンピオンの美人の怪獣娘の彼女にいきなりラ○ホテルに連れ込まれるという状況で心の準備が出来ている方がおかしいと言える。

 

そして、部屋へと辿り着いた。

部屋にはダブルベッドがあり、プロジェクターで星空が投影されていた。

 

(……落ち着け落ち着け落ち着け!)

(プロジェクター……部屋から星が見えるってこれのこと?ホームページだと本物の星が見えるみたいに書かれてたのに……)

 

内心ガックガクのシュウと唇を尖らせて残念がるゼットン。見事なまでに対照的だった。

 

「いいいいいヘァッデスネ」

「……残念」

「ぐふっ!?」

 

意図が違うのに奇跡的な噛み合いで会話が成立し、シュウは崩れた。

だが、覚悟は決まった。決まってしまった。

 

「ほ、本日はご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします!」

「え、どうしたの?」

「先にお風呂失礼します!隅々まで余すところ無く洗ってきますので!」

 

シュウは風呂へ目にも止まらぬ速さで駆け抜けて行くのだった。

 

「ど、どうしたの…………!」

 

ゼットンが驚いているとカウンターの上にあるパンフレットの文字が目に留まった。そこにはデカデカと『ラ○ホテル』と記載されていた。

 

「あ……こ、ここってラ○ホテル……!?だからあんなに慌てて……」

 

わたわた。わたわた。あたふた。あたふた。

 

そのような擬音で説明が成り立つくらいにゼットンは慌てふためいていた。

そして自分からラ○ホに誘ってしまったという状況であることに思い至り、羞恥に耐えきれず、布団の中に潜り込んだ。

 

「…………どうしよう」

 

そう呟く彼女の頬は朱に染まっていた。

 

「………………よし」

 

瞳を閉じ、心を落ち着かせる。深呼吸。

彼女は布団から出ると、自分の服に手をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しくしくしくしくしく…………」

「…………」

 

10分後、部屋にはベッドの中でゼットンに背を向け啜り泣くシュウとなんとも言えない表情のゼットンが居た。

尚、お互いに服は着ている。

 

シュウの名誉の為に控えめに言えば、ラッキースケベが重なり失敗してしまったとだけ言わせて貰おう。

 

暫くしてゼットンはシュウを後ろから抱きすくめた。

彼の背中に柔らかなものが当たる。

「あ……」

「落ち着いた?」

「はい……その、ごめんなさい。失敗しちゃって……」

「大丈夫」

「ん!?」

 

ゼットンはシュウに自分の方を向かせて唇を奪った。

 

「失敗したのなら、諦めないでもう一度やればいいから……♥️」

「それって……」

「…………♥️」

 

 

二人の熱く激しく強く優しい夜が始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。二人は帰り支度をしていた。

 

「……違和感がある」

「違和感?」

「まだ、その……感触が残ってて……♥️」

「ああ……。ていうか今日試合じゃありませんでしたっけ?大丈夫ですか?」

「うん。……むしろ今なら絶対に負けないって気がするから」

「そうですか」

 

 

その日の大怪獣ファイトでゼットンは過去最速で勝利するのだが……それはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、その日のゼットンさんを目撃した人々の証言。

 

 

 

・対戦相手のRキングさん。

「いや、相変わらずつえーよ。……ただ今回は不自然に動きが止まったら顔赤くなったりしてたんだが……その隙狙って仕掛けてテレポートで後ろ取られると読んで振り向きながら殴りかかったら前後から同時に攻撃食らって意識刈り取られたんだよ……。

いや、テレポート使って擬似分身とかどんな技だっての」

 

 

 

・後輩のAギラちゃん

「その……なんていうか普段からとても綺麗なんだけど、あの日は一層綺麗だった。

なんていうか大人の色香っていうのかな?見惚れちゃいそうなくらいに美人だった」

 

 

 

・モデルのKJさん

「ええ、普段からクールな感じなのデスが、あの日は普段より笑みが多かったデスね。時々、ぼうっとしていマシタけど……どうしたのでショウか?」

 

 

 

・調査部のEレキングさん

「ノーコメントで」

 

 

 

・Pグモンさん

「あらあら♪」

 

 

 

・医務室の朝日野先生

「……今度読んで祝ってやるかな。というかなんで私だけボカシ無いんだ?」

 




解説コーナー


・ゼットンさん
間違えてラ○ホテルに予約を入れたしまうという珍プレーを慣行。
最終的に星じゃなくて天井の染みを眺める事になった。


・美筆シュウ
ゼットンさんにラ○ホテルに連れ込まれた(※本人に意図無し)。
尚、浴室での失敗については彼の名誉の為に秘匿させて頂く。


・証言者の皆様。
ナニがあったか気付いてない人達とナニがあったと気付いているEさんとPさん達。

・朝日野先生
後日、ゼットンさんをからかった
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