怪獣娘一言シリーズ   作:電王牙

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今回はホーちゃんの誕生日回。
オリキャラの朝日野先生を軸にしつつ、ホーちゃんのお話の諸々について色々自己解釈で纏めてみました!

誕生日回というか誕生日の記念の特殊回みたいになりつつあるなぁ。






葦原ルイ誕生日編

 

 

葦原ルイ、硫酸怪獣ホーの怪獣娘。

 

硫酸怪獣ホー。第二次怪獣頻出期末期の1980年に出現した怪獣であり、当時の中学生の失恋による怒りと悲しみのマイナスエネルギーにより出現したとされる。

最大の特徴は別名にもなっている瞳から流す硫酸の涙。

 

また、19年後に再度出現。今回出現の個体の動向は以前の個体と大きく異なっており、行動の推察も含め『同じ姿の怪獣だが性質は大きく違う』との見解もある。

何より当時の防衛隊による攻撃がすり抜けているのも大きな特徴である。

 

 

【葦原ルイについて】

宮下アキ、歌川ベニオ、道理サチコ、鳴無ミサオらにより保護されたホーの怪獣娘。

河川敷にて一人泣いている所を通報、発見され保護に至った。

 

性格については寂しがり、依存癖あり……そして、そこから派生してのメンヘラ気味な気質もある。

この性格と気質もあって友人から拒絶され、その悲しみからカイジュウソウルに覚醒した模様。

 

一方で家庭環境は至って普通であり、両親も彼女を案じていた。

 

保護を手伝った鳴無ミサオに即座にプロポーズを慣行するなど距離感の詰め方がダイナミックだったとのこと。

 

その後、彼女のマイナスエネルギーに引き寄せられたのかシャドウが出現、その場にいた怪獣娘一同により鎮圧された。

マイナスエネルギーとシャドウの因果関係は不明だが、今後の調査が必要だろう。

 

葦原ルイはそのままGIRLSにより保護され、見習い期間を経てから芸能課に所属する事となる。

 

ほぼ同期の道理サチコ、鳴無ミサオ、そしてメカギラス、臨時メンバーの下館マドカらと共にバンド活動を開始。

現在ではGIRLS内での交遊関係が増えて精神的にも落ち着いて来ている。

 

どうにも彼女は友愛と恋愛感情を混同していた部分があったようで、別に同性愛者ではなかったようだ。

……あるいは両方イケるクチという説もあるが。

 

現在はGIRLS所属の男性職員の桜野 キリア(16)と交流を経て、交際に発展している模様。

殺傷沙汰には今のところ発展していない。だが警戒は視野に入れておいた方が良いだろう。

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

GIRLSの医務室勤務の朝日野ショウカはキーボードを打つ手を止めて息を吐いた。

凝り固まった首をほぐし、ぬるくなったコーヒーを啜る。

 

「こんな所かな」

 

彼女は怪獣娘のレポートを一人一人作っていた。

誰に見せる訳では無いし、仮に見せるにしても内容は見せられる範囲まで整えてプライバシーに触れる部分は削除した上で見せるだろう。

 

怪獣娘から相談を受ける関係上、こういった内容をいつでも確認できるように各種情報を集めまとめており、現在ではGIRLS内におけるあらゆる恋愛事情に精通していると言われるまでになっていた。

 

「……それにしても、この子の恋愛までの経緯とか色んな意味で驚きだよ……」

 

朝日野はよく周囲の恋愛惚気話の愚痴を吐露しに来ているメカギラスから聞いたルイとキリアの交際経緯を思い出していた。

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

それはバンドのデビューライブが終わり、初の怪獣娘バンドとして話題になりつつあった頃。

GIRLSのカフェテリアにて。

 

「この間のライブ、大盛況でしたね」

「ああ、サイコーだったな!」

「ま、アタシらならあのくらい当然でしょ」

「直前まで緊張でガッチガチだったのによく言うな」

「そういうノイズラーこそ緊張しまくってたじゃん」

「そうだな、はは」

 

バンドの4人はお茶とお菓子と共にワイワイと先日のライブの興奮を思い出していた。

そんな中でルイはひとつ切り出した。

 

「そういえばザンドリアスさんとノイズラーさんが最後に投げキスしてましたけど、あれリハには無かったのにどうしてですか?」

 

ライブにおいて、リハーサルにはなかったアドリブとしてサチコとミサオは投げキスをしていた。

サチコは両手で可愛らしく、ミサオは片手でクールに投げキスを放っていた。

 

「え、それは……」

「あー、いや……ちょっと気分が乗ったっていうか……ロックなノリっていうか」

 

ルイの質問にサチコとミサオは視線を泳がせる。そんな二人の図星をメカギラスは正確に突くのだった。

 

「…………アスタ君とレント君の居る場所」

「「!!」」

「やっぱり……」

「そうだったんですか?」

「うん。この二人がそんなことするなんて彼らしかいないでしょ?」

「あー……確かに……そうですね」

 

砂山アスタ、綾瀬レントそれぞれサチコとミサオの幼馴染みであり、最近になって少しずつ意識し始めた相手である。

 

そんな相手に思いを伝える第一歩として投げキスを放ったのだった。

 

「はぁ……さっさと告っちゃったら?」

「か、簡単に言わないでよ!?」

「そうだ!まだ……そんな感じじゃないだろ!?」

「いや、むしろ早めに告白して関係をしっかりしないとキングジョーさんみたいにスキャンダル警戒が大変な事になるから」

「「うっ……」」

 

 

キングジョーことクララ・ソーン。大人気モデルであり現在は大代タイトと極秘裏に交際中。この情報はGIRLS内部でも全力で箝口令が敷かれており、表沙汰にされていない。

故にひっそりと自宅デートが基本となっており、いつ情報発表できるか今か今かとなっている状態である。

 

 

「うー……やっぱりそろそろ告白とか考えた方がいいのかなー……」

「けど告白して断られたら元の関係戻れないぞ?」

「だよねぇ……」

 

サチコとミサオは告白の算段を立てる会話を始めた。

 

「好きな人に告白……いいなぁ……」

「え、ホーってキリアさんと付き合ってないの」

「え?…………ええぇ!?」

 

ルイはメカギラスからキリアのことを切り出されて驚きの声を上げた。

 

「な、なんでそんな話に?」

「いや、だって……よく一緒にいない?」

「それは偶々予定が噛み合ってるからですよ」

「よくご飯食べてない?」

「それも一緒に食べようって誘ってくれてるからで……」

「……この間、一緒に遊園地行ってなかった?」

「福引きでチケット貰ったからって誘われただけですよ」

「「「はぁ……」」」

 

メカギラスの問いかけに答えるルイに問いかけた本人のメカギラスと告白計画の会話を中断したサチコとミサオがため息を吐いた。

メカギラスはホーの肩に手を置いて彼女の目を見て話し掛けた。

 

「…………ホー、落ち着いて聞いて」

「はい……」

「たぶん、キリアさんはホーに惚れてる」

「え……えぇぇぇぇ!?」

 

ホーは大きな声で驚いた。

 

「そ、そんなまさか……」

「いや、たぶんそうだと思うぞ」

「うん。あれは誰が見ても惚れてるよ」

「そう……なんですか?」

「……いや、あの頻度で幼馴染みとか同じ学校じゃない年上の人が一緒に行動してたら、ねぇ?」

「そ……そうなんですか……!」

 

 

ルイは頭の中でキリアとのこれまでを思い出す。

GIRLSで人の輪の中に引っ張って行ってくれた。

ライブのリハーサルの手伝いをしてくれた。

一緒にご飯を食べてくれた。

お買い物に付き合ってくれた。

一緒に遊園地に誘ってくれた。

手を繋いでくれて嬉しかった。

頭を撫でてくれて嬉しかった。

他にも沢山の思い出があった。

 

「あ……言われてみれば……」

「「「うん」」」

 

3人は大きく頷いた。

 

「ど、どどどど……どうしたら!?……取り敢えず告白するなら『結婚してください』って言わないと……!」

「落ち着け!アタシの時と同じパターンだぞ!」

「……というかキリアさんだとそれ本当に真に受けるんじゃないの……」

「あり得そう……」

 

慌てるホーを見て友人3人は同じことを考えていた。

 

(というか……意識させちゃったから……)

(早めに告白させないと……)

(マズイよなぁ……)

(((……ホーだと、このまま意識し続けるとなんか変な方向に進みかねないし)))

 

満場一致でホーの交遊関係の詰め方のダイナミックさと改善されつつある気質から同じ想定が浮かんでいた。

そんな中でミサオがひとつ提案する。

 

「取り敢えず……明日作戦会議しないか?」

「まぁ、一晩経って落ち着いてからのがいいかな?」

「うん。いきなり意識しちゃってそのまま勢いはマズイ」

「は、はい」

 

こうして今日はお開きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

 

 

その夜、ベットの中でルイは。

 

(キリアさんに…………告白!)

 

夕焼けのの河川敷でキリアに告白され、そのまま口付けを交わす光景や。

 

(キリアさんと……結婚!)

 

教会でウェディングドレスを着た自分を抱き上げるタキシードを着たキリアの姿を妄想するのだった。

 

「えへへ。えへへへへへぇ……」

 

ニヤニヤしながらベッドの上をゴロゴロ転がる。

 

「えへへへへへへへ……へぶっ!?」

 

そしてそのまま落下するのだった。

 

「いたい……」

 

ベッドから落下して涙目になっていた。

そしてそのまま彼女の気持ちも落下しつつあった。

 

「でも…………私……重いし、ザンドリアスさんみたいに明るくないし、ノイズラーさんみたいに爽やかじゃない……」

 

同じバンドの同い年でGIRLSに入ってから最初の友達の二人を思い浮かべる。

 

「……メカギラスさんみたいにおっぱい、大きくない」

 

同じくバンド仲間でひとつ年上の、中学生にしてはとても豊満なメカギラスの巨乳を思い浮かべ、それと比べるととても小さな自分の胸をふにふにと触るのだった。

 

一緒にシャワーに入る度にルイはサチコとミサオと共に自分の体と見比べてため息を吐いて、『いつかあのくらいになる!』と誓い、メカギラスの胸を『よこせー』と揉みまくっていた。

その結果、メカギラスの胸が更に育ったという。

 

「はぁ……」

 

ため息を吐いてベッドに戻り、告白どうしよう。勘違いだったらどうしよう。そんな思いと共に意識は落ちるのだった。

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

 

「……そして、色々気にして告白したらアッサリOK貰って杞憂だったと」

 

朝日野はメカギラスから聞いた顛末を思い出す。

事前準備は多かったが、いざ告白してみれば一発OKである。

 

「最大の敵は自分自身だった……か」

 

意識してしまい、これまでの自分を振り返り、告白しても断られるのではという思いからあくまでも友達と無意識に考えて、意識してからは自分に自信が持てなかったが……それでもいい結末を迎えられたようだった。

 

「そして……その告白の成功を見て覚悟決まってザンドリアスとノイズラーも告白成功。そしてメカギラスが医務室で愚痴を吐きに入り浸るようになったと……」

 

レポートを締めくくり保存。朝日野はPCの電源を落とすのだった。

 

「ふむ。ま、仲良きことは美しきかな……ということかな」

 

そして朝日野は手荷物をまとめ、医務室から去っていくのだった。

 

 




【解説コーナー】

・朝日野ショウカ
GIRLS医務室勤務のオリキャラ。
怪獣娘の恋愛事情に精通しており、失恋をトリガーに暴走という可能性も考慮、逐一把握しており自分用レポートとしてまとめている。


・葦原ルイ
ドラマCD後、GIRLSの人との交流を経て少し落ち着いてきた。
反面、以前の自分の距離感のバグり方も客観的に見れるようになり無意識に距離感を気にするようになったという。

・桜野キリア
ルイの恋人枠。何かと目に掛けているうちに意識したが、彼女の過去のことも考えていつ告白したものかと考えているうちに彼女から告白され、即OKした。
ちなみにホーの2つ年上。

・道理サチコ、鳴無ミサオ
今回の時空ではどちらも恋愛感情はあるけどまだ告白する勇気がない状態だった。
後にホーの成就で勇気を貰って覚悟を決め、告白に至る。

・砂山アスタ、綾瀬レント
サチコとミサオの彼氏枠。
どちらも幼馴染みだが、意識され始めたのは最近。
ちなみにライブの投げキスについては自分にされたとは思っていなかった。
後にそのことを正直に話して怒られたそうな。

・メカギラス
ほぼオリキャラ枠。ルイの背中押したらそのまま他3人全員が付き合いはじめていつの間にか一人だけ彼氏無しで惚気の全方位爆撃を受けるように。
3人に揉まれて最近は更に成長中とのこと。
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