怪獣娘一言シリーズ   作:電王牙

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久しぶりに投稿。

今回もオリジナルの怪獣娘の登場となります。

また、『発情期』の方で出た内容がこちらでもちょっと出てきます。



エレキングとエースキラー

 

GIRLS東京支部トレーニングルーム。

ここでは今日も怪獣娘が汗を流していた。

 

「ふっ……はっ!」

 

赤いアンダースーツと各部の金色のアーマーを纏い、右手に持った双刃刀を振るいつつ、左手の爪を振るっているオレンジ髪の少女、異次元超人エースキラーの怪獣娘、葛井 アキラ。

 

「精が出るわね」

「ん?エレキング、おはよう」

「おはよう」

「それと……レイジにマガバッサーとマガジャッパもおはよう」

「おはよう」

「「おはようございます」」

 

エレキングの怪獣娘の湖上ランとGIRLS男性職員の水無月レイジ、そして後輩のマガバッサーの風巻ヨウとマガジャッパの竜波ユカがトレーニングルームにやって来てエースキラーと挨拶を交わした。

 

「これからトレーニング?」

「ええ」

「ちなみに俺は付き添いな。ついでに軽めにやるつもり」

 

話しているとマガバッサーはふと思い出したような顔をした。

 

「そういえばエースキラーさんって色々な光線使えるって資料にありましたけど、本当なんですか!」

「え?あー、うん。使える。一応」

「おー、すっげー!見せてください!」

「え。いや、いいけど……」

 

エースキラーは気乗りしないような雰囲気をしつつも、後輩のキラキラした目に断り切れなかった。

 

「あー……」

「マガジャッパ、いつでも防御できるようにしておいて」

「ふえ?」

 

レイジはなんとも言えない表情をし、エレキングはマガジャッパへと忠告。そしてマガジャッパは行きなりの忠告に疑問符を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

 

エースキラーはトレーニング用の的を設置して距離を取った。

4人が離れた所で見守る中で彼女は意識を集中する。

右腕と左腕にエネルギーを集中させ、右腕を立てる。

そして左腕を右腕と十字に交差するように右腕の前に添えると手の下の部分より光エネルギーが放出される。

 

 

スペシウム光線。かのウルトラマンが数多の怪獣を打ち倒した必殺光線である。

 

「おお!」

「す、すごい……!」

「「…………」」

 

マガバッサーとマガジャッパが驚き、エレキングとレイジが冷静に見詰める中、放たれた光は的に向かい飛んで行き…………的の数メートル手前で緩やかな曲線を描き曲がって行った。

 

「「え……」」

「来るわよ!」

「避けろ!」

 

そして光線は4人が固まっていた所へと向かっていく。

レイジは横へと転がるように飛び退く。

エレキングも同じ方向へと飛ぶ。

 

「ジャッパ!」

「わわ!?」

 

一瞬反応が遅れるも、マガバッサーは咄嗟にマガジャッパを引っ張って飛び退いた。

 

直後、4人がそれまで居た場所に光線は直撃した。

着弾点では軽い爆発が発生し、床は見事に焦げていた。

 

「おおぅ……やっぱり……」

 

レイジは片膝をついた状態で着弾点を見詰めていた。

 

「え、エースキラーさん!何するんですか!」

 

マガバッサーはぷんすこと怒って抗議する。

 

「あー、ごめん。やっぱり曲がったか……」

「や、やっぱりって……」

 

マガジャッパはエースキラーのやっぱりという発言に頬を引きつらせていた。

そしてエレキングが口を開いた。

 

「エースキラーはノーコンなのよ」

「の、ノーコン……」

「あー、うん。……自分でもアレなくらい真っ直ぐ飛ばないんだよねー……」

 

エースキラーは右手で頬をを掻き、気まずそうに視線を反らせた。

 

「それでまぁ……光線もなんか知らないけどある程度進んだら変な方向に向かって曲がるんだよ」

「そんな……バカな……」

「うん。ホント。マジマジ」

「威力は申し分無いけどどこに飛ぶかわからないから実戦じゃ使えないから近接戦中心にしてるんだよ。それでも自分じゃ納得行かないからファイターはやってないんだ」

 

エースキラーは当初は大怪獣ファイターを志していたものの、光線技を扱えると知りどうにか幾つか出せるようにはなった。

しかし、本人の致命的なコントロールの悪さで真っ直ぐ飛ばないので隙を作るだけと判断し、双刃刀と爪を絡めた格闘中心の戦い方となったのだった。

その上で全能力をマトモに扱えないので本人も進路を変更し、現在は調査部に所属しているという訳である。

 

「『人体に無い部位だと意識しないと上手く扱えない』っていう事例は多いからな……」

 

レイジはザンドリアスとノイズラーを思い浮かべていた。

この二人は背中に翼がある関係で両手を自由にした状態で空を飛べるという利点があるが『背中の翼』という本来存在しない部位のため練習と火事場の勢いでやっと飛べるようになっていた。

 

……まぁ、目の前にいるマガバッサーは本人が『空を飛びたい』と思ってたら変身できた上に問題なく飛べてるのだが。

 

「えっと……知らないで頼んじゃってごめんなさい……」

「ああ、気にしないでよ。というか怪我してない?」

「は、はい。大丈夫です!」

 

マガバッサーは押し切って光線を打たせたことを謝罪し、エースキラーは二人が怪我をしてないか心配していた。

 

 

「前はエライことになったよなぁ……ラン……」

「そうね……」

 

それを横目にレイジとエレキングは頬をを染めて苦笑いをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっと一年ほど前。その日、エースキラーはエレキングとレイジと共にトレーニングをしていた。

現在と同じく、的を用意しての光線技のテストである。

 

エレキングとレイジか見守る中、エースキラーは頭部の赤い結晶体に左右それぞれ人差し指と中指を立てた状態で指先を添えて構えを取って意識を集中する。

 

結晶体より細い光線が放たれる。ピンポイントを的確に狙い撃つエメリウム光線である。

 

「は……?」

 

光線は進んで行きやがて的に当たる…………直前で軌道を変える。

光線は曲線を描き、レイジの方へと向かって行った。

突然の出来事にレイジは反応しきれなかった。

しかしエレキングは反応出来ていた。

 

「レイジ!」

「うお!?」

 

エレキングはレイジを突き飛ばしてから自分も回避しようと身を捩った。

光線はエレキングの近くを通り地面に焦げ跡を残した。

 

突き飛ばされたレイジは起き上がりながらエレキングの方を向いた。

 

「つつ……ラン、悪い。助かった」

「怪我はない!?」

「ああ……大丈…………夫……」

 

エレキングの心配そうな声に無事だと伝えようとしたレイジは一瞬固まった後に視線を反らした。

 

「二人とも無事か!?」

 

エースキラーが慌ててやってきた。

 

「ちょっと、気をつけなさい」

「ほんとごめ…………」

「ん?何かしら」

 

エースキラーも固まってしまい、エレキングは不振に思った。

そしてその理由はエースキラーの口から語られた。

 

「エレキング、隠せ!」

「はぁ?」

「胸!」

「?……胸がどうしたの……よ…………え…………」

 

エレキングは先程レイジを突き飛ばし、回避したものの完全には回避しきれてはいなかった。

光線は胸元の獣殻を掠めており、エレキングの胸部の黒い獣殻は一部が剥離・崩壊していた。

そして、そうなれば必然的に見えてしまっているのである。

 

「きゃあ!?」

 

普段のクールビューティーからは考えられないかわいらしい悲鳴を上げながらエレキングは胸元を両手で隠しながら膝をついた。

 

「えっと……その……マジでごめん」

 

エースキラーは頬を染めて謝った。

 

「…………エースキラー……!」

 

エレキングは左腕と盾で胸を隠しながら怒りに満ちた視線をエースキラーに向けていた。

 

「エレキング、落ち着け!?話せばわか……うぉわ!?」

 

エースキラーの釈明を遮るように彼女の居た足元にエレキングの尻尾の鞭から放たれた一撃が炸裂する。

 

「言い訳は聞かないわ」

 

驚くほど冷たい声色でエレキングはジリジリとエースキラーに近付く。

 

「まて、ヘルプー!?」

 

 

そしてトレーニングルームには落雷のような音とエースキラーの断末魔の叫びが響いたのだった。

 

「……モロに見ちまった…………」

 

そしてレイジは鼻血を滴らせながら頭を抱えているのだった。

 

 

 

 

 

(見られちゃった…………!これ、責任……取って貰わないいけないわよね……)

 

(見ちまった…………!責任……取らないとな……)

 

 

尚、二人が暫く気まずくなったもののお互いに責任を意識して正式に付き合う為の背中を押すことになったのだった。

 

エースキラーはお祝いとお詫びにホールケーキを奢らされたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なーに二人だけの世界に入ってるかなー……」

 

色々と思い出していた二人を横目にエースキラーはボソリと呟いた。

 

「なんのことかしら?」

「まったくだな、ははは」

「ったく……」

「「???」」

 

 

そしてエースキラーは思い出したように右手に意識を集中した。

 

「そういやあの時以来なんだよな、これ出せるようになったの」

 

エースキラーの右手にはエレキングの尻尾を模した鞭と同じものが出現した。

それを見たマガジャッパは驚きの声を上げた。

 

「それエレキングさんの!」

「ああ、何故だかわからないけど出せるようになってな。……これ慣れると結構使いやすい」

「斬る、突く、縛ると多用途対応だからね」

 

エースキラーは気付いていないが、この能力はエースキラーの後継機のビクトリーキラーのキラートランスの能力がエレキングの攻撃により偶発的に発現したのだった。

しかしエースキラー、ビクトリーキラーが共に地球に出現記録がないため気付けていないのだった。

 

「ま、上手いこと使わせて貰ってるよ」

「やっぱり武器とかカッコいいなー。私も何か出せないかな」

「でもバサちゃん、両手使って飛んでるから武器持てないんじゃない?」

「あー、そうだったなー!う~ん足で持つとか?」

「無理がある気がするけど……」

「まぁ、モンスアームズで何か出せるようになってから考えればいいんじゃないかな?私はこれで上がるから、じゃあね」

「「お疲れさまでした」」

「お疲れさま」

「うん。お疲れ」

「また今度ホールケーキ奢ってくれよな?」

「奢らないっての」

 

エースキラーはトレーニングルームを後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────

 

 

 

 

 

 

 

 

「モンスアームで右腕から光の剣の生成となんか槍や盾に変形するブレスレット出せるようになったぞ!」

 

後日、エースキラーは強化能力を獲得し、右腕に部分の獣殻に出現したクリスタルより光の剣メビュームブレードを生成する能力。

そして左腕にランス、ナイフ、盾に変形するブレスレット、キラーブレスレットを生成できるようになったのだった。

 

(なんだろう……あの剣で斬られたような……)

(なんだろう……あのブレスレットで色々攻撃されたような……)

 

そのブレードやブレスレットを見て元の怪獣の記憶が微妙に呼び起こされるマガバッサーとマガジャッパだった。

 

 

 




解説コーナー


・葛井 アキラ
年齢:17歳
一人称:私
趣味&特技:トレーニング、模擬戦、十字架のアクセサリー探し
好きな事:新技開発
嫌いな事:投擲(ノーコンだから)
所属:GIRLS東京支部調査部

初登場は『バレンタインA(エース)・貰う側の人達』


エレキングと仲の良い怪獣娘の一人。
本人は大怪獣ファイター志望だったが、光線技がノーコンな事もありファイターから進路変更して調査部に所属するに至る。
十字架型のアクセサリーを好んで着けている。

エースキラーはオリジナルが地球上に出現しておらずエースキラーの資料映像は存在していない。資料は文章のみで他の怪獣より内容も薄い。

光線技をいくつか扱えるが本家に比べて大きく劣化している上に致命的なノーコンな為、零距離で自爆上等で使わなければ有効活用できないので主に剣と爪を利用した近接戦闘が主体となっている。


苗字は派生機体のビクトリーキラーとゼットキラーより
ビクトリー→勝利→勝→カツ
ゼット→終わり→ツイ
合わせて葛井(カツイ)

名前は
エースキラー
→『Aキラ』ー
→アキラ



・湖上ラン
エースキラーの友人。エメリウム光線でレイジの目の前でポロリさせられた。
それが切っ掛けで交際に持ち込めたので少しだけ感謝している。が、それはそれとしてボコボコにしてホールケーキ奢らせた。


・水無月レイジ
ランの恋人。エースキラーとは普通に仲がいい。
想定外にすごいモノを見る事になって一気に覚悟決めた。


・風巻ヨウ
好奇心で光線技を使って貰ったら自分の方に飛んで来るとは思ってなかった。
マガバッサーを封印していたのがメビウスだったのでメビュームブレードになんとなく苦手意識がある。


・竜波ユカ
ヨウが咄嗟に引っ張らなかったら光線が直撃しかけてた。
マガジャッパを封印していたのがジャックなのでブレスレットに苦手意識がある。


・モンスアームズ
『怪獣娘と発情期』の方で登場した当シリーズの怪獣娘の強化のひとつ。
怪獣娘に対応した獣殻と同じ素材で作られた武器を生成するソウルライザーの強化アプリ。

エースキラーの場合はメビウスキラーの右腕のクリスタル『メビュームクリスタル』、ウルトラブレスレットのコピー品の『キラーブレスレット』を生成できる。
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